■ セミ・カメムシの仲間 ■
セミやカメムシなどの仲間は、カメムシ目といい、口が注射針のようになっていて、植物の汁や小動物の体液を吸います。変態は、卵→幼虫→成虫という、蛹にならない「不完全変態」をします。
■ セミの仲間 ■
■ セミ、鳴くのは
セミは、鳴くのはオスだけで、メスを呼ぶために鳴くのです。
音を出す器官はお腹の付け根にあり、背中側にある発音膜を筋肉で振動させて音を出す仕組みになっています。この音自体は小さいものですが、お腹の中にある空洞で共嗚することにより、あのような大きな音が出るのです。
■ セミの誕生
セミのメスは、主に枯れ枝などに卵を産み付けます。卵はニイニイゼミで約1〜2ヶ月後の秋の長雨の時期に、アブラゼミ、ツクツクボウシ、ミンミンゼミなどは翌年の梅雨時期に孵化します。孵化した幼虫は、自分で地面に落下して雨で柔らかくなった土の中に潜り、木の根から樹液を吸って成長します。その幼虫の期間は、ニイニイゼミで約4年、アブラゼミで約5〜6年といわれていますが、今日の実験結果から、摂取する栄養状態によって幼虫期間が変わることがわかりました。
■ 幼虫の頃のセミ
幼虫は成長するごとに地中深く潜っていく習性がありますが、羽化間近の幼虫は地表近くにいます。
セミの幼虫は土の中で、自分のいるスペースや羽化するために地上に上がる道の内壁を、、唾液や尿で塗り固め、できるだけ雨水が浸入して来ないように工夫しています。
■ セミの羽化と寿命
いよいよ羽化する多くの種類の幼虫は、夕方から夜にかけて、山地や春に現われる種類は午前3時頃から近くの木まで歩いて幹を登り、場所を決めると足の爪でしっかりと体を固定し羽化を始めます。
羽化後の成虫の寿命は、アブラゼミやミンミンゼミなどは2〜3週間と言われています。
■ カメムシの仲間 ■
■ カメムシの特長
カメムシは、カラダの形が亀に似ているので、「カメムシ」と名前がついたと言われています。
世界に約3500種・日本には約90種生息しており、その大半が植物食で植物の茎や実、種子などから汁を吸う害虫とされています。少数派ですが動物食のカメムシは、他の種類の昆虫を捕らえ、ストロー状の口を使って体液を吸ったり、また昆虫の卵から汁を吸う種類もいます。
■ カメムシの臭いの役割
カメムシは、一般に「臭い虫」として知られていますが、あのニオイには3つの働きがあると言われています。
@
自分をも弱らせてしまう強烈なニオイで敵を撃退するため
A
集団を作るため(集合フェロモン)
B
他のカメムシに危険を知らせるため(警報フェロモン)
■ カメムシのニオイの謎
このニオイは、カメムシのカラダから分泌される油状の液(アルデヒドという物質の一種を含んでいる液)の臭いです。カメムシの胸部の中には袋があり、その中にニオイのもとになるこの液が貯められていて、外界から刺激を受けると後ろ足の付け根にある「臭腺開口部」という穴からこの臭い液が出てくる仕組みになっています。尚、幼虫の頃にはこの穴は、腹の背中側にあります。
■ カメムシの一生
4〜5月になると、オスとメスがお尻を突き合わせて交尾を始めます。そして、5〜6月頃にメスは草木に卵を産み付けます。やがて卵が孵化して幼虫になり、そして秋に羽化し成虫のまま越冬します。
カメムシには、卵を一箇所にかためて産み付ける種類がいて、孵化した後もしばらく集団で生活します。
これらのカメムシでは、親が子どもの世話をする例が、日本でも16種類、知られています。多くの場合、親が卵の上に覆い被さり、アリなどの敵がやってくるとカラダで盾にして隠したり、翅をバタつかせて敵を追い払ったりします。そして、種類によっては孵化後も幼虫を守りつづけるものもいます。
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