タッチングをしよう!! ホールドスティール&マズルコントロールやタッチングは、犬との触れ合いを通して犬の持つ従属性を育て、飼い主との信頼関係を築く大切なトレーニング。「リーダーは私達(飼い主)である」という主従関係を、”オレ様”なサスケにきちんと理解させる為にも、毎日行うべき基本訓練なのダ!(←と、当時は思っていた)


≪3歳を過ぎた今、当時を振り返って/タッチングの注意点≫
2009.11月追記

とにかく暴れて飛びついて噛んでくる”オレ様”な猛獣サスケに対し頭を悩ませていた頃、しつけに関する本やサイト、カウンセリングをお願いしたトレーナーさんからのアドバイスで、「タッチング」という方法を知り、実践するようになった。
その頃、「噛み付きはキツク叱れ!」とか「飼い主の対応が甘いから噛まれる」「リーダーと認められていない」的な事を、本で読んだり、知人からもアドバイスされ、かなり焦っていた私。嫌がるサスケを無理矢理ひっくり返し拘束をする、という力技に出たわけである。
結果、本気でサスケと毎日向き合い根気良く続けた事もあって、多少の成果はあったように感じるし、タッチングをやった事による悪い影響は(幸いにも)無かったといえるけど、今考えると、かなり強引でリスクの高い危険な方法だったと思う。
ちなみに、ここでいう”成果”というのは、「拘束する→暴れる・噛む→それでも拘束する」を続けた結果、ある程度大人しくなったと感じられるようになった事であり、これは、「私をリーダーと認めた」とかそういった事ではなく、「暴れたところで何も変わらない」という状況から「サスケの暴れる・噛むという行動が消去された」と解釈している。

当時、学習の原理などに関して全く無知で(今現在も無知ではあるが知ろうと努力しているョ)、しつけに関しても選択肢の少なかった私が無我夢中で取った方法が、タッチングやホールドスチールだったわけで、もしも今、もう1度あの時間に戻れるなら、無理矢理押さえつけるこの方法は取らなかっただろう。今では、「主従関係、支配欲(支配性)、服従訓練」という言葉に対しても、私自身「??」と感じることが多いのが現状である。

暴れる・噛むなどの攻撃性の高い犬に対してタッチングをしようと思い、このページに辿り着いた方には、くれぐれも注意して頂きたい!この方法がベストだと思わないで欲しいという事と、タッチングにより「犬の支配欲が弱まる」または「リーダーとして認められる」などと安易に思わないで頂きたい。確かに、めげずに押さえつけタッチングを繰り返すことによって抵抗は少なくなるかもしれないが、それが犬にとって多大なストレスにも繋がるという事を、忘れないで欲しいのだ。
そして、やり方によっては、もっと状態が酷くなる場合も充分に考えられるし、より一層噛み付く犬になるケースもあるという注意点を、ここに追記しておく。

ホールドスチール&マズルコントロール

◆我が家のやり方◆
遊び時間の最中に何気なく始める。噛み付いた時などに、叱る意味でやりたくなるけど、目的はお仕置きではないので、始める時はサスケが落ち着いてイイコに遊んでいる時にする。

@ 膝を床についた姿勢でサスケの背後に回り、さりげなくサスケを座らせて、片手で素早くマズルを掴み(アゴの下から)、もう一方の手は抱き抱えるようにしてサスケの身体を拘束する。

A 大抵、大暴れするので(苦笑)、落ち着くまではグッと我慢!この時、クネクネと暴れられ腕からすり抜けられてしまった場合には、速攻で@をやり直す。「逃げられちゃったよ〜」とか言って諦めてヤツを開放してはならない!やると決めたらやる!

B マズルを掴んだままギュッと抱き抱え踏ん張っていると、そのうち、抵抗する力が無くなり、フワッと力が抜けるのが感じられるようになるので、そこで、ゆっくりとマズルを右→正面、左→正面、上→正面、下→正面、に動かす。暴れだしたらギュッと抱きしめて踏ん張る。全部できたら、穏やかな声で「イイコ〜」と褒める。

C 完全にダラ〜ンと力が抜けて身を預けるようになると、自然と「フセ」の姿勢になるので、マズルを軽く掴んだまま、片手で背中などを優しく撫でて静かに「イイコ〜」と褒める。静かにしていても、暴れる&逃げる隙を狙っている時があるので(笑)、絶対に気は抜かない。少しでも、暴れだしたらすぐにギュッとホールドする。

D ひと通りやり終えたら、大人しく静かにしている間に「はい、OK」と言って手を緩め、何とな〜くサスケを開放する。大人しくマズルコントロールができた時には、ご褒美をあげる事もある。

これで終了!









こんなに小さいのに大暴れ!
凶暴ワンコなのである…
◆サスケの反応◆ ◆その後の様子◆
とにかくマズルを掴まれる事を極端に嫌がり抵抗したので、上記の流れを一通り行えるようになるまでにはかなりの時間がかかった。がっちりとホールドしてしまえば観念してフニャ〜っと力が抜けるけど、それまでがホント大変。噛むは奇声を発するはで大暴れ。多分、普通の子犬はここまで大変じゃないのでは? マズルコントロールを続けた結果、マズルを触られること自体への抵抗は少なくなったように思える。これは顔(口周り)を拭く時、歯磨きをする時にとても役立つ!我が強く支配欲も多いオレ様なサスケの態度が、これにより変化したかどうかは正直なところ不明。(笑)でも、愛犬のマズルを触る事が出来ない、いう事態は避けられたので成果はあったと言えるだろう。









虐待でもされているかのような
悲鳴をあげて抵抗する
リラックスポジション&タッチング

◆我が家のやり方◆
遊び時間の最中、比較的大人しく落ち着いている時に何気なく始める。散歩後、少し疲れている時などもおススメ。テンションの高い時にやると反抗されてとても危険。1度暴れて逃げられてしまうと、「暴れれば開放してもらえる」と覚えてしまうので、やる時は覚悟を決めて!(笑)

@ 壁を背にし、壁から30cm程度離れた位置にお尻をおいて座る。足を投げ出した状態で軽く開きスタンバイ。壁と背中に隙間を空ける理由は、腹への噛み付きをかわす際、上半身を後ろに倒せるようにしておく為。隙を見てサスケを捕まえ「よっこらしょ」と自分の股の間に仰向けに寝かせる。

A 腿の上に乗せるというよりは腿でサスケを挟み込み、暴れられないよう固定する。自分の下腹部の上にサスケの頭が乗る感じになる。片手でサスケの胸を押さえ、もう一方の片手は下アゴに添える。

B 自分の股の間に寝かせた瞬間から、虐待でも受けているかのような悲鳴をあげて物凄〜く暴れるので、まずはAの段階でかなり苦戦する。首をクネクネ、口をパクパク、足をバタバタさせながら、押さえつけている手や腕、服の袖口、ベルト、腹を容赦なく噛んでくる。唸ったり、叫んだりして大暴れ!でも、ココで負けてはいけない!何とかかわしながら、諦めて大人しくなるのを待つ。

C ちょっとでも力を抜いたら、すかさず「そうそう〜、イイコ〜」と声を掛け、耳の付け根や胸など愛犬が撫でられると嬉しがる箇所をサワサワする。(ちなみに、サスケは胸と腿の付け根が気持ちよいみたい)更に落ち着かせるようにする。ポイントは穏やかな声で褒めること。くれぐれも興奮させないように!

D 時々、開放して貰おうとクネクネと暴れるけど、グッと耐えて嵐が過ぎるのを待つ。「暴れても無駄」という事をわからせる為にも、決して負けてはいけない。落ち着いたらすぐに穏やかに褒めること!(その体勢のままでも食べられる小粒のオヤツを用意するのも手)

E いよいよタッチング。(やっとだよ…汗)そっと腕をさすり、脇を触り、手を握り、指の間まで静かに触る。その際、ちょっとでも暴れだしたらCとDを繰り返す。落ち着かせてから再び始める。

F 足も手と同様に腿から足先、肉球、指の間など丁寧に優しく触る。胸、お腹はもちろん、手を伸ばして尻尾まで触るようにする。顔の回りも忘れずにタッチしよう!耳は耳の中も触ること。口は唇(口の周りの皮)をめくって歯茎を触ったりもすると良い。全てのタッチングは、落ち着かせながら褒めてご褒美を与え少しずつやれるようにしていくこと。最初から全身やらなくてもOK。徐々にできる範囲&時間を増やしていこう!

G ひと通りやり終えたら、大人しく静かにしてる間に「OK」と言って開放。「ふぅ〜、散々だったよ」といった感じ身体をぶるぶるさせるので(笑)、「よく頑張ったね」と褒めることも忘れずに。

これで終了!

◆サスケの反応◆ ◆その後の様子◆
まずお腹を見せてひっくり返ること自体に相当な抵抗があり、最初はそりゃもぅ、暴れまくり叫びまくりで大変だったので、全身タッチするまでにはかなりの時間がかかった。押さえている手、腹、胸、服の袖口、噛める所は全て噛んできたので、生傷は耐えなかったし、噛まれて気分的にも凹んだ。(苦笑)落ち着いたように思わせておいて、突然狂ったように暴れ逃げようとするその技に、何度騙されかけたことか…。 抵抗はするものの、観念するようにもなった。疲れて眠い時などはタッチング中にウトウトすることも!(嬉)現在、捕まえられてひっくり返される事に対する抵抗は若干残っているけれど、手足・肉球・尻尾・お腹などを触られる事に対する抵抗は全く無い。これはタッチングの成果と言えるのではないだろうか?体中を触ることで病気や怪我を発見することも出来るので、定期的に行ないたいトレーニングである。

Trainingに戻る