大好きな木を見つけよう 木.......................

KIKIが電車通学をしていた頃、ある駅のそばにそれはそれは立派な木がありました。
多分古い木で幹が太く、春には新緑でキラキラ光り、夏には葉っぱをフサフサとつけ、
秋には綺麗に紅葉し、冬には葉はないけど、その枝振りは生命の強さを感じさせました。
KIKIは電車の中から見るたびに、その木を何故か愛おしく感じるのでした。
別に小さい頃その木を登ったわけでもないし、木陰でピクニックしたわけでもない。
ただ、毎日のように窓ガラス越しに絵のように眺めるだけ。

友達としっくりこなかったり、なんだか元気がない時でも、その木を見てフッと自然の
素晴らしさを感じ、頑張らなきゃあかんやん。って思うものでした。
その木を見るのはその駅に停車している間だけなので、ほんの一時でしたが、
KIKIの心にはいつしか深く根付きました。普段は忘れているけど、フト思い出すと愛しい。
なんだか不思議な間柄でした。

その木がある日突然切られてしまいました。道路工事のためです。KIKIはしばらく
電車に乗らない間に、気がついたら切りかぶだけになっていました。
ヒドイ、、、。アンナ素敵ナ木ダッタノニ、、、。
かなりショックでしたが、誰にも文句を言えるものではありません。
KIKIはただただ眺めるだけの人だったので。少し悲しく思いました。

最近あまり通らない道をバイクで通った時です。「あっ。」
KIKIの中にものすごいインスピレーションがわき起こりました。
木だ。きっとKIKIが大好きになれる木だ。
足を停め、その木に見入ります。それも立派で大きい木です。
KIKIは一目で気に入りました。
今度の木こそ、スケッチしたり、写真撮ってもっともっと心に残るようにしよう。
KIKIはよく遠回りしてその木の前を通り、くすぐったいような、ハートがあたたまるような
そんな気持ちになります。

皆さんも自分が大好きな木を見つけて見ませんか?


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1999.10