My Merry Maybe


                                      〜MIDI〜 ” Farewell ”

〜「生命と魂の物語」〜

あまり有名ではないけれど、好きな人はとことん好きな隠れた名作、
あの「MyMerryMay」の続編、「MyMerryMaybe」です。      

まず最初に言っておかなければならないことですが、前作の「MyMerryMay」をやっていないと
30%も楽しめないのではないか、という事です。それだけ、やっているといないとでは感情移入の
度合いも、物語に対する興味も違ってくるので、これからやってみようという方は是非、前作とセットで
やって頂きたいと思います。                                            
解る人なら思わずニヤリとしてしまう台詞回し、前作のキャラが出てきた時に感じる懐かしさと 
嬉しさ、そして彼等のその後…。こういう部分も、間違いなくこの作品の魅力の一つであることに   
間違いはないのですから。                                            
        

最初に感じたのは、「あれ?前作と随分雰囲気が違うな…」ということでした。やっていて妙に
心地よいあの雰囲気を期待していた自分としては、ちょっと戸惑いましたね。            
そんな違和感も進めるうちに薄れ、どんどんのめり込んでいきました。何といっても、感情移入の 
度合いが全然違うんですよ。続編の強みという事だけでは決してなく、物語で起こる様々な問題や
迫られる決断が、プレイヤー自身も悩んでしまうほど真に迫っているというか…。ここまでのものは、
ちょっと記憶にないですね。                                          
それと重なって、あの名作「EVER17」並みに、衝撃の事実がどんどん明らかになっていく   
のですから、もう目が離せません。まぁ、こちらはある程度プレイヤーの想像に任せる部分がある
ので、はっきりしない所もありますけど、それもこのシリーズの特徴ですしね。            

しかしこの作品は、ボリュームが凄いんですよ。オールクリアまでの時間、Mの場合は実に    
56時間…!スキップはあまり使わなかったけれど、それでも他のものに比べれば遥かに       
長いといえます。じっくりと腰を据えて、やっていただきたいですね。                    
あと特筆すべきなのは、レゥ役の声優の松岡由貴さんの凄さですね。複数の役をやっているにも
かかわらず、きちんと演じ分けられているし、それぞれの役の魅力を充分すぎるほど感じさせて   
くれます。Mは、声優にそんなに詳しいわけではありませんが、これほど凄い人は見たことが    
ありませんよ。Never7の時からただ者ではないと思っていましたが、今回も素晴らしい仕事です。
        

やり終えた時の率直な感想は、「驚き」と「切なさ」でした。前作が好きであればあるほど、
レゥというキャラが好きであればあるほど、この感情は大きいと思います。         
この作品の不満な点の一つに、「前作の終わり方はこうだったんだ、と決め付けてしまった」
という点がありますね。勿論、そうしなければ続編は作れませんし、だからこそあそこまでの
余韻が残ったんだと思いますが。                                   
   決して万人が納得する終わり方ではないんでしょうけど、それでも本当に心に残る作品だと
思いました。                                              

戻る