Ever 17
〜the out of infinity〜


                                           〜MIDI〜  ”Karma”

            「ううむ……こ、これは凄い…

     一通りやり終えたとき、思わず唸ってしまった。何ともいえない、清々しい後味がこみ上げてくる。
    良質の映画とか、小説を読み終えたときに感じる、爽やかな感動。Ever17は、そんな満足感を
    感じさせてくれる作品である。

     ジャンルとしては、サスペンスもの、ということになるのかな?タイムリミットまでに閉じ込められた
    海底アミューズメント施設からの脱出を図る、というのが大まかなストーリーなのだけれど、そんなに
    重苦しい雰囲気ではなく、最初は普通のギャルゲーといった感じ。しかし、終盤からは緊迫感溢れる
    展開や謎がわんさかと押し寄せてきて、物語に引き込まれます。途中で散りばめられたいくつもの
    「点」が、ラストの解決編で「線」になる時の驚きといったら…!
     とにかく、深く考えずに、思いっきり騙されて欲しいですね。騙されれば騙されるほど、ラストの衝撃が
    大きくなりますから。映画の「シックス・センス」じゃないけど、やった人はまだやってない人にラストの
    種明かしをしないで欲しいところです。

     巷では「2002年最高のゲームだ」という声をちらほら聞きますが、それは決して大げさではありません。
    ギャルゲー好きな人に限らず、サスペンスものが好きな人には、是非ともやっていただきたい逸品です。

     …とまぁ、ベタ誉めですけど、ラストの解決編をやるには、全員の話をやらなければなりません。あまりにも
    解らない事だらけなので、ちょっと嫌になってしまうかも…。かく言うMも、途中で嫌になってしまい、「はやく
    終わらせて売ってしまおう」などと、いけない考えを起こしてしまいました。最後までやったら、そんな気は
    木っ端微塵に吹き飛びましたけどね。名作ライブラリー入りです。

     Never7、Ever17と、KIDの作品には本当に楽しませて頂きました。Mはこれから、KIDさんを崇拝します。