〜CLANNAD〜

あの「Kanon」や「AIR」を世に送り出した、Keyの4年ぶりの新作、「CLANNAD」。
両作品ともに、素晴らしい出来だっただけに、今回も期待せずにはいられないというのが
当然というもの。果たして、どれほどの感動を与えてくれるのだろうか?      

Key作品の魅力のひとつに、当たり前になりすぎてて忘れてしまいがちな、
人のつながりや絆の大切さを思い出させてくれる、という事があると思うのですが、
今回も充分すぎるほどにその魅力を感じさせてくれます。      

Key作品独特の雰囲気も健在で、すんなりと世界に入り込めますね。少しだけやる
つもりが、いつの間にか2〜3時間は過ぎていた、なんてことはザラでした。  
日常シーンというのは、結構ダレてしまうものって多いと思うのですが、この作品は
そういったことも殆どなく、プレイヤーを楽しませる事に徹していて好感が持てます。
あとは、重要なシーンでの盛り上げ方が凄く巧いですね。文章による巧みな
心理描写や状況説明と美しいBGMで、ほんとに感情移入しやすいんですよ。この辺は、
他のメーカーと比べてもダントツの部分だと思いました。         

…しかし、どんなにいい作品でも、不満な点の一つや二つはあるものでして…
まずは、やはり、というかなんと言うか…喋らないんですよね。ノンボイスなのが
このメーカーの常なので、ある程度予想はしていたんですけど、やっぱり声が
ないのはイタイです。感情移入の度合いが段違いなのに…どうして?   

あとは、結構辛かったんですけど、アフターストーリーがとんでもなく長いんです…。
さすがにダレちゃいました。所々にジーンとくるシーンはあるんですが、それでも
あまりの長さに薄れちゃうような感じでしたね。美味しい料理も、あまりにも  
食べ過ぎると、もう入らなくなるように。                
TrueENDも、アフターストーリーを見た後ではいまいち乗り切れないというのが
本音です。そのため、やり終わった後の余韻は、「Kanon」や「AIR」ほど  
強烈ではありませんでした。

色々言いましたが、今までのKey作品への評価があまりに高いために、自然と
ハードルが高くなってしまっているんですね。一般的に見れば、傑作であることには
間違いありません。この「家族」と「街」の物語を、是非味わって欲しいものです。

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