これは、金井先生が、「野口整体とは何か」を人に伝えていく時、
どのように話をするのか? を塾生に質問した時の記録です。
◆ 徳田 「自分の心と体を自由にする方法である」
金井 野口整体を新しく始める人に「野口整体とは何ですか」と訊かれたらどのように答えていますか。
徳田 「野口整体」という名称だけを聞いていたり、本を少しだけ読んで来た人では、「整体」という言葉の捉え方が、一般的な整体と思っておられるのです。
金井 「整体になる」じゃなくて、「整体する」、してもらう整体と思っているんだね。自分が「なる整体」との違いということだね。
徳田 ですから、「そういうことではないよ」と、先ず最初に言わなくてはなりません。「してもらう」というところから活元運動を始めてしまうと、活元運動も違うものになっていきます。初めが肝心なのです。
金井 普通の整体と野口整体の違い。してもらう整体ではなく、自分が「整体になる」という意識。これは、大きく言うと、してもらう整体は、西洋医学にかかる気持ちとなんら変わらないんですよと。つまり「お任せ医療」ということです。科学文明による機械論的生命観、というのに対して、主体的な生命観を形成することが大切です。
自分が生きている、ということです。
徳田 「してもらう整体」という意識(機械論的生命観)のままでは、マッサージを受けるのと変わらなくなってしまうのです。
活元指導の会で話をするときには、自分のマッサージ師時代の経験(野口整体入門当時は、針灸専門学校に通いながら、マッサージのアルバイトをしていました。)を生かし、「私もかつてはその世界におりまして、その頃は野口整体とマッサージの違いが分からずにおりました。金井先生には『二束の草鞋は駄目だよ』と、よくそのことを叱られましたが、初めはよくわかりませんでした。」という話をしながら、「野口整体とは何か?」ということを説明していきます。
金井 それは野口整体とマッサージでは、「押さえ方が違う」とか、なんとか、という些末なことでなく…。
徳田 はい、方法ではなく、そこにある「心」ということが大切だと思うのです。
「自分の心と体を自由にする方法である」という野口先生の言葉がありますが、「積極的に、主体的に、自分の心と体に向き合っていく道筋を学んでいく方法なのです」ということを伝えるのを心掛けています。
一言で言えば、「禅」であり、宗教である、ということ、つまり、「いかに生きていくか」ということです。