師野口晴哉生誕百年

熱海・整体指導 満四十年記念祝賀会

      2012年7月31日(火)

        

気・自然健康保持会 主宰  
金井省蒼

 家内のとも子との縁で、私が熱海で初めて整体指導を行ったのは、1972年の8月1日でした。7月末に南紀白浜で行なわれた体癖講座を終えて、熱海まで車を運転してきた翌日のことです。この道に入って五年余を経過していました。

 以来、今年の7月31日で丸四十年を経過することになりました。様々なことがあったようであり、また同じ毎日が繰り返されたようでもあります。

 そして昨年は、数年がかりでようやく『「気」の身心一元論』を刊行することが出来ました。師野口晴哉の生誕百年(生誕 1911年9月7日)という年に二冊目の出版が叶ったこと、そして、この本を足掛かりに、「科学と身体性」を主題として私の思想を展開しようとする年が、偶然にも四十年を経過した本年となりました。

 このような時に、師の生誕百年と熱海での整体指導満四十年を記念して、ささやかな祝賀会を開くことを思い立ちました。

       


    

啓哲塾 塾生 徳田・伏島 記

 7月28日(土)に行なわれた、朝日カルチャーセンター新宿の講座の熱が冷めやらぬ中、31日(火)、富士河口湖町のフランスの食堂「キャフェ・ドゥ・ブローニュ」にて、金井省蒼先生・とも子先生の熱海・整体指導 満四十年を記念しての祝賀会が行われました。

 整体指導・活元指導を受けている方々と塾生、三十名余りが集まり、両先生のお祝いを皆で行ない感謝の気持を伝えました。好天に恵まれ、本当に心温まる会となりました。

   

フランスの食堂
キャフェ・ドゥ・ブローニュ  ☆詳しくはこちら
シェフの長山さん(右)とマダム恵さん(左)

       

         

       


       

開会の挨拶

   

   

      

 会の始まりに、先生方からお話を伺いました。

 四十年前のちょうどこの日に、先生は、南紀白浜で行なわれた野口晴哉先生の体癖講座を終えられ、車で熱海に到着され、翌8月1日から指導を始められた事や、今回この祝賀会を企画するに至った思いについてお話下さいました。

 今日まで長い歩みがあり、参加された方々も、我々塾生も、お話を伺いながらお二人の歩んで来られた年月に深い感慨を覚えました。

         

   


金井省蒼先生 と とも子先生

   

   

       


     

『アリエル・アッセルボーンさん ミニコンサート』

 このあと、ギタリスト・シンガーソングライター、アリエル・アッセルボーンさんのミニコンサートが行なわれました。彼の母国アルゼンチン音楽の自曲を、ギター演奏と歌で披露していただきました。

アリエル アッセルボーン
Ariel Asselborn

 アルゼンチン、ブエノスアイレス生まれ。クラシックギターの技法をイルマ・コスタンソ、セルヒオ・モルダスキ、高田元太郎らに師事。

 2003年より日本に拠点を移してギタリスト、作曲家、シンガーソングライターとして活動を開始。これまでに自作品を中心に二枚のソロアルバム「時には一輪の花を」「大地に眠る歌(第八回サライ大賞受賞)」を発表。歌曲の多くは詩人レイナルド・J・ブリグノネとの共作によるもので、南米の大地、人々、心の原風景を伝えている。各アルバムは、レコード芸術、CDジャーナルなどの音楽誌面で高い評価を得ている。

 また、2004年に高田元太郎「小動物の組曲」、2007年大萩康司より作曲の委嘱を受け、2009年の大萩氏のアルバム「風の道」では「風の道」「老いた賢者」を作曲。

 2006年、NHK‐BSの音楽番組に出演。アルゼンチン大使館主催文化イベントや大学での文化講演など、南米出身の本格派アーティストとして信頼される。

     

プログラム

1 プレリュード Preludio(H.Ayala)
2 愛のロマンス Romance(作者不詳)
  
・・・1952年公開のフランス映画「禁じられた遊び」のメインテーマ。
3 つばめ La Golondrinas(Edurdo falu-Jaime Davalos)
4 忘れられた手紙 La carta olvidada(Ariel Asselborn)
5 リベルタンゴ Libertango(Astor Piazzolla)
6 老いた賢者 El viejo sabio(Ariel Asselborn)
7 風の道
 Camino del viento(Ariel Asselborn)
8 鐘の音と亡霊 
Fantasma(Ariel Asselborn)

          

   

    

         

     


      

長山シェフ、渾身のフルコース!

 アリエルさんのミニコンサートが終り、食事会が始まりました。まず最初に、竹本さんの音頭で乾杯をしました。

「キャフェ・ドゥ・ブローニュ」のシェフ長山とマダム恵さんも、先生の個人指導を受けられており、この日のために特別のフルコース料理を用意していただきました。

    


マダム恵さん(左) シェフの長山さん(右)

         

 お二人が金井先生の所を知るきっかけになったのは、当時恵さんが通っていた気功の先生から「図書館から借りた本を返して欲しい」と言われ、一冊の本を預かった事です。

 恵さんは、気功の先生がどんな本を読まれているのか興味があったので、パラパラその本を見ていたら、「あっ、これだ!」と閃くものがあり、図書館から借り直して読んだら「やっぱり思ったとおりだ!」ということで、慌ててインターネットで注文して買って読んだそうです。それが金井先生の『野口整体 病むことは力』でした。

 シェフにも読んでもらい、それから、本の後ろに載っていた道場の連絡先へ電話を掛けてみると、直接先生が電話に出られ、たまたま次の日にキャンセルがあり、そうして恵さんは早々に指導に通う事になりました。

 恵さんが指導に通ううちに、その後シェフも、とも子先生の河口湖町活元指導の会を経て、やがて個人指導に通うようになったのでした。

      

   

     

       

 この日は、三十名という大人数でしたが、丹精込められた料理の数々、どの料理もとても美味しくいただきました。後に伺った事ですが、これだけの人数をこなされたのは、初めての事だったそうです。

 また、お店のスタッフの皆さんも最後まで疲れた顔一つ見せずに応対して下さり、身心共に満たされる思いがしました。祝賀会の翌日も、心地良い余韻が残っていました。

   

献立(長山シェフのコメント)

赤ピーマンのムース フレッシュトマトソース

1980年ごろ、パリのレストラン ランブロワジーで創作された料理です。バコー料理長と二人でこの料理を創った斉須政雄スーシェフから教わりました。

テリーヌ盛り合わせ(牛肉とベーコンのテリーヌ、小海老のテリーヌ)

薄切りのベーコンと赤身の牛肉を重ねて作ったテリーヌと海老の頭と殻を炒めて、煮込んで、漉してとった出汁とすり身にした烏賊と海老を合せ蒸した、テリーヌです。

自家製フランスパン

ラタトゥイユ(茄子、ズッキーニ ピーマン トマトの煮込み冷製)

南フランスの野菜料理であるラタトゥイユは、それぞれの野菜を別々に炒めてから一緒に煮込む "おばあちゃんの方法" が一番です。植物原料だけと思えないほどに仕上がります。

ニジマスのクリームソース(西熱海産アシタバ風味)

河口湖の隣町である富士吉田産のニジマスと、西熱海のアシタバと南フランスのハーブワイン(ドライヴェルモット)の出会いが、この料理を生みました。

冷たいコンソメ

コンソメを澄ませるために通常つかう卵白を入れずに、牛挽肉と丸鶏でじっくり丁寧に精錬しました。

牛ヒレ肉のグリル 赤ワインソース

赤ワインと二時間炒めたタマネギと粒マスタードのソースです。

デザート(満四十年記念ケーキ)

コーヒーまたは紅茶

   

 料理の中で、最も印象的だったのは、何と言っても「ニジマスのクリームソース(西熱海産アシタバ風味)」です。

 後に長山シェフに伺ったところ、この料理は、金井先生から出された「宿題」だったそうです。

 熱海の道場へ通っている方にとっては、西熱海産アシタバは馴染みがあると思います。この苦味のあるアシタバは、日頃天ぷらにして食べたり、茹でて食べたりしてはいましたが、まさかフランス料理でいただくことになるとは思ってもいませんでした。アシタバの苦味を見事に活かした料理だったと思います。

    

   

   

   

   

「キャフェ・ドゥ・ブローニュ」の雰囲気はとても良く、時間がゆっくり流れていくような、そんな中で、素敵な音楽と美味しい食事を堪能させていただきました。

     

      

     

 デザートは、40本のローソクが灯った、大きな「満四十年記念ケーキ」でした。両先生に一緒に吹き消していただいて、花束の贈呈となりました。

   

   

   

   

        

 アリエルさんにはギターの形をしたパンを、恵さんが用意して下さり、どれも思いやりと工夫があり、祝賀会を大きく支えて頂いたように思います。

   


    

省蒼先生、とも子先生へ、お祝いと感謝の言葉

 食事の合間には、数人の方から、それぞれの想いのこもったお話を頂きました。

   


   

終わりの挨拶

 会の終わりに、省蒼先生、とも子先生、当会広報室長・伏島隆興さんからお話を伺いました。

      

          


広報室長・伏島隆興さん(右)

       

 伏島さんは、省蒼先生、とも子先生の美しさ、かっこよさを語られ、「私もこうなりたい、このように生きていきたいのです!」と熱く話されました。

  

     

   

 最後に「省蒼先生ととも子先生、お二人が並んでいる姿を写真に収めたい!」とのリクエストがあり、先生方は快く応じて下さいました。

   

  

   

 省蒼先生、とも子先生、満四十年おめでとうございます。
 そして、ありがとうございました。
 これからも、ご指導いただけますよう、よろしくお願い致します。

     


   

祝賀会を終えて

金井省蒼

 祝賀会には、多くの方にお集まりいただきありがとうございました。当日は、雲ひとつない好天の下、雄大な富士山を左手に仰ぎながら会場に到着することが出来ました。

 会場のキャフェ・ドゥ・ブローニュでは、腕が上がっている長山シェフと恵さん、そしてスタッフの献身的なもてなし、またアリエルさんの演奏と歌、と、とても充実した祝賀会となった事、感動的でした。

 挨拶で述べましたが、私として何より祝いたいのは、7月28日を始めとして、あのように野口整体の思想を世に広めていく事ができるようになった事です。この気持ちを受け取っていただいた、祝賀会に参加された全ての方にお礼を申し上げます。ありがとうございました。