オリンパス・ペン EE-2

 


 

 

 2月ギリギリにお送りするセコセコカメラは、奇遇にも前回紹介したカメラの兄弟カメラになりました。

 仕事でちょっとしくじった日、気分転換にカメラ店にセコセコカメラを物色しに行きました。珍しいカメラでも見つけて、元気を出そうと思ったわけです。相変わらず山積みにされたカメラの中から、珍しいカメラを探します。一つ一つ丁寧にずらし、一個一個確認していきます。おっとこれは!なんてカメラは見つからず、あ〜ぁやっぱりそんなに美味しい話は無いなぁと諦めかけたとき、シルバーボディのカメラを見つけたのです。

 おっと、これは掘り出し物だぁ!と取り出してみると、ペンEE-2が出てきたのです。

 ふぅ〜、やっぱり神様はいるのでしょうか、何かあればいいなと思っていたところに珍しいハーフサイズカメラのペンEE-2が転がっていたのです。

 ペンEE-2、セレン電池でのプログラムオートで、ピントが固定のシャッターを押すだけのカメラです。さっそく掘り出したペンEE-2のシャッターを切ってみます。

 カチカチ、切れません。フラッシュにしてシャッターを切ってみると、絞り、シャッター共に動いてます。オートが効いていないようです。前回のEES-2同様に、セレン電池が死んでいる可能性があります。カメラの状態も汚く、付いていたレンズフィルタのガラスが割れていてフィルタ枠が歪んでいます。フイルムカウンターのカバーも割れて無くなっていて、お世辞にも綺麗と呼べる状態ではありません。

 しかし、この時の私にはそんなことはどうでも良いことでした。ここしばらく出てこなかったシルバーボディのフイルムカメラ。しかも、自分が凹んでいるときに、フラ〜と現れたカメラ。もう、見つけた時から買って帰ることが決まっていたのです。

 裏蓋の値札には200円とあります。私は財布の中の小銭を確認してから、カメラをレジへ持ち込んだのでした。

 

 

 家に持ち帰ると、さっそく修理の開始です。まずは、割れて歪んだフィルタ枠の取り外しです。

 フィルタ枠、これ以外と曲者なのです。レンズ保護のために多くの方が取り付けるのですが、ガチガチに閉めすぎているものが多いのです。今回のフィルタ枠もガチガチに締まっていて手では回らない状態でした。簡易工具でレンズを固定し、ペンチでフィルタを回します。ビクともしません。仕方なく、ペンチでフィルタ枠を壊して外します。

 枠が外れたらレンズを外し、シャッターと絞り羽根をチェックします。ここは、カメラ店でも動いていた場所で、軽く掃除する程度で済みました。問題なのは露出計です。EES-2の時も書きましたが、セレン電池で動く露出計が壊れていると、このカメラは復活しないのです。

 レンズを外しトップのカバーを外して、セレン電池と露出計を取り出します。セレン電池に光を当てますが、露出計の針はピクリともしません。あ〜ぁ、やっぱり壊れていたかと思ったのですが、どうやら露出計の針自体が動いていないようなのです。

 あれ?と思い露出計のカバーを外して見てみます。何かが噛み込んでいるようで、ピクリともしないのです。あれ?と光を当ててよ〜く見てみると、小さなネジが奥で引っかかっています。それを露出計を壊さないように取り出すと、露出計の針がビンビン動き始めたのです。

 おおおっ!直った!

 そうです、露出計が壊れてたのではなくて、小さなネジがストッパーになっていたのです。この小ネジ、レンズのマウントのネジでした。先に書いたフィルタの枠の取り付け取り外しによってレンズが動き、そのガタによってネジが取れて露出計に紛れ込んだようなのです。

 もう、原因さえ分かればこっちのものです。レンズを掃除しファインダーも綺麗にして組み上げます。セレン電池に光を当ててシャッターを切ってみます。カシュ、ちゃんと切れてくれます。光の量を変えると絞りも変化しています。復活です。200円で買ってきたペンEE-2が復活しました。

 しかし、前回のEES-2は5000円、しかも一台部品取りに潰しています。この違いは、、、、、欲張るとろくなことが無いとの、教えでしょうか。

 

 

 カメラ部は復活しました。しかし、気なるところがあります。フイルムカウンターの保護ガラスです。ガラクタのカゴから救出してきたときから割れてなくなっていた保護ガラスが非常に気になるようになってきたのです。で、ここの復元作業に取り掛かるのでした。

 まずは使っていないCDケースを用意します。それを切り取り丸いカバーを作ろうって作戦です。若干大きめに切ったプラスチックの板を、ヤスリで丸く形作っていきます。カメラに当てて大きさを確認しながらの作業です。少しずつ大きさを合わせていきます。少しずつ少しずつ削っていき、最後はパチンとはめ込んで終了です。この間およそ1時間、暇じゃないと出来ません(笑)。

 最後にフイルムケースのモルトを張り替えて終了です。試写が楽しみな仕上がりになりました。

 さてここで、前回のEES-2とEE-2何が違うのか、おさらいしておきましょう。

 EES-2の時にも書きましたが、内部の構造はほぼ同じです。違うのはピント合わせだけ。EES-2は目測ですがピント調整が出来ます。EE-2は約4mの位置でピントが固定されています。つまり、ピント調整の出来ないカメラです。これを出来ないと考えるか、しなくても良いと考えるかでカメラの価値が変わってきます。その辺りが、カメラ道の分かれ目と行ったところでしょうか。私はまだ、ピント合わせに未練がある未熟者です。未熟者だからこそ、このピント合わせの出来ないカメラに興味があるのです。

 

 

 さて、試写の日は快晴、フイルムはRDPVポジフイルムを入れて望みます。ペンEE-2の露出計の精度を見るためです。もう、フラフラ歩きながら、パチリパチリ撮り歩きます。ピント合わせ不要、露出はオート、巻き上げてシャッターを切るだけです。ハーフサイズのこのカメラ、36枚が72枚撮れてくれます。

 前から歩いてくるものや、普段はカメラを向けないものまでもパチリです。しかも、ピント合わせ不要、露出もオートシャッターを押すだけなのですから、これほど気楽なものはありません。気が付くと、あっという間に、74枚撮りきってしまいました。この手軽さは、ちょっと癖になりそうです。

 数日後、カメラ店へフイルムを取りに行きます。見て驚き、ちゃんと撮れているのです。露出も意外と正確で、ポジフイルムを使っても大丈夫な感じです。またこのEE-2は感度400まで対応しているので、露出補正も可能な感じです。

 心配していたピントも、ほぼ満足のいくものでした。快晴だった撮影日、絞りも絞られていたようで、意外とシャープに撮れています。ただ、近距離は苦手なようで、1m付近はボヤボヤになっていました。雲り空で近距離の撮影だと、評価が思いっきり下がるでしょうね。

 しかし、シャッターを押すだけのカメラがポジフイルムを使って撮れる、凄いことです。ピント合わせの出来ないカメラ、オリンパスペンEEシリーズの底力を見せていただきました。

 

 

 さて、先にも書きましたが、前回紹介したペンEES-2はセコく値切って買ってきました。いろいろ画策し、自分の修理技術を過信して大失敗しました。今回のEE-2は、傷心の状態で出合い、ネジ一個付け直して完全復活してくれました。方や5000円、方や200円。強欲な考えは結局損をする、何か人の道を教えてもらったように思います。

 やっぱり、清く正しくセコセコと、これが良いセコセコカメラと出会う秘訣のようです。

 しかし、5000円と200円、写りにさほど差が無いだけに、この価格差は大きい(笑)。

 

2010年2月 購入

オリンパス ペンEE-2 200円