かしゃぐら通信

自序
発刊までの経過
シンハラ語の話し方・別冊 日本語=シンハラ語小辞典 

 平成17年に「シンハラ語の話し方」を発刊したところ、 読者の方々から、シンハラ語辞書はないだろうか、という問合せを数多く頂いた。「シンハラ語の話し方」は日本語に沿ってシンハラ語が学べてとてもわかりやすいという評価を頂戴し、幸いにも版を重ねているが、それに見合ったシンハラ語辞書となると、残念ながら何処にも見当たらなかった。この「日本語=シンハラ語小辞典」の出版が計画されたのはそうした経緯による。
 当然ながら使える辞書を作成することが第一の目標とされた。即座に使えて、しかも、シンハラ語の知識が自然と吸収できる辞書が必要だった。辞書の作成に当って掲載するシンハラ語をカタカナで表したのはそのためであり、辞書に多少の文法説明を加えたのもシンハラ語をより正しく、より自然に、より早く話せるようにするためだ。
 シンハラ語の研究は近年急速に進んでいる。残念ながら、シンハラ語研究の場は数少ない例外を除いて日本になく、米国での研究が主である。種々のシンハラ語研究が日本語との比較に重きを置いてなされ、その成果を挙げているのに、日本でのシンハラ語研究が今だ広まらないことに対して忸怩たる思いがある。
 日本語の知識と経験があればシンハラ語は充分に話せる。「シンハラ語の話し方」でシンハラ語の全体像を掴んだら、この「日本語=シンハラ語小辞典」を使ってシンハラ語の世界を広げて欲しい。思いもしない素晴らしい発見が目前に広がるはずだ。

 平成21年4月28日               
                     丹 野 冨 雄