斬九郎を極める
   

文責はかず4にあります。転載はご遠慮下さい。渡辺謙さん庵Topへ

このページではこれまで放送された渡辺謙さんの代表作かつ、私の大好きな「御家人斬九郎」について語らせて頂こうと思います!(といいつつ更新さっぱり進んでませんが・・・)第一シリーズ第一話だけでもうTV版「御家人斬九郎」の魅力は最大限に描かれていると言っても過言ではありません!!原作の設定もさることながら脚本とそれを演じる役者さんも皆芸達者な方揃いでキャスティングも素晴らしく、撮り方も素人目から見ても上質です。
原作が著名作家の作品ということもあってかフジTV系列の時代劇は他局の時代劇と違って主人公が正義感をふりかざしたり、ワンパターンの勧善懲悪劇にはなりえません。”知的で誠実”タイプを演じられる謙さんも素敵ですがやはり大胆不敵で威勢のいい役も最高!特に斬九郎は人情味あふれ、シリアスとコメディ要素を併せ持つので渋いのに笑えます。時代劇の醍醐味的迫力ある殺陣と脇キャラ含む魅力溢れる登場人物を兼ね揃えている「御家人斬九郎」はエンターテイメントとしても今まで私が見た時代劇の中でも最高だと思っています。贔屓目なしで見てもハイクオリティーのこの作品は下手な現代ドラマよりずっと見る価値あります。(断言)
毎度コメントが長くてすんまそ・・・汗

1-1「かたてわざ」
2001/11/18
2-1「初春火の用心」
2003/5/4
3-1 4-1 5-1「迷惑な忠義者」
2001/11/24
1-2「用心棒二人」
2003/10/12
2-2「居残り」
2003/5/4
3-2 4-2 5-2「箱根の鬼」
2001/11/24
1-3「姉の宿下がり」
2003/11/1
2-3 3-3「姉上」
2014/8/19
4-3 5-3
1-4「青い肌の謎」
2003/11/1
2-4 3-4 4-4 5-4「盗賊見習い」
2002/2/11
1-5「入牢志願す」
2004/9/23
2-5 3-5 4-5 5-5「ゆうれい長屋」
2002/2/11
1-6 2-6 3-6 4-6 5-6「捨値五両」
2002/2/11
1-7 2-7 3-7 4-7 5-7「母の夢」 
2002/2/16
1-8 2-8 3-8 4-8 5-8
2-9 3-9 4-9 5-9
2-10 3-10 4-10 5-10「最後の死闘」
2002/3/10
2-11 3-11


御家人斬九郎第一シリーズ
第一話「片手業」 隆大介

監督 三村晴彦
脚本 金子成人


ああ、麻佐女さま、その登場の仕方強烈〜〜! のっけから母上に対して原作よりかなり下手に
出てる 笑 (水ぶっかけられても何も言い返せない斬九郎・・・)そして斬さまファンサービス
(?)ふんどし一丁で水浴び・・・

目隠しを外し籠を止めて刺客をかわす斬九郎・・・かっこよすぎるぜ・・・刀も投げちゃうし・・・
そして刀抜いちゃう時にまた大胆なチラリズム・笑  この後の(なんちゃって)斬首シーン、斬九
郎@謙さん独壇場です!!啖呵切る斬さま最高・・・ この冒頭シーンで既に斬さまにメロメロ。
扇子の葵御紋・小道具結構好きなのに続編シリーズではほとんどお見かけしないのが残念・・・
振り向き様にスパっと女の縄を切る斬さまにもうっとり。鮮やか。
大人気なくも夜中に帰宅して母と大喧嘩して家出。その後本人じゃないのをいいことに麻佐女へ
のとんでもない伝言を佐治に頼む斬さまも最高

蔦吉姉さん初登場!綺麗だけど初殺陣シーンまで披露←強っ
斬「お前さん、イイ腰してるねえ・・・いやそういう意味じゃなくてさあ!(汗)」
斬さまの伝言の通り麻佐女に伝えられない佐治・・・(当たり前だ)

「邪魔は承知の助太刀だっ!!」栗林に襲われる伝三郎を助太刀する斬九郎。栗林と腕が互角
であることを証明するが如き傷を受ける斬九郎・・・(着物まで切れて腕から流血)こういう点も普
通の時代劇じゃあまり見ない。

西尾夫人るい殿初毒舌
「お前様の親戚の中には松平残九郎という信用できぬ遊び人がおりますゆえ」
後のシーンでは「残九郎、残九郎と!私のことより残九郎殿ですか!」
と頬を膨らませて拗ねていたのが超かわいい。

斬九郎、伝三郎に蔦吉を初めて紹介されるシーン 。斬九郎の身の上話など聞いて想いに耽る
時の横顔のほれぼれする色っぽさは相変わらずですね・・・うっとり
そしてこのお話一大好きなお笑いシーン
伝「お座敷の行き帰りに・・・この男を用心棒に・・・」
斬「何ぃ?!金が出ねえならやだぜ!」
蔦「
こぉんな火の見やぐらみたいなのがつったってたんじゃ
  蹴倒したくなりますからね!第一女の髷を切りにくるような男じゃ
(蔦吉が言い終わらないうちに)
斬「
俺もやだなあ!こんな喧嘩神輿みたいな女と毎日一緒に
  いたんじゃ張り合いがありすぎちまってさ!!
・・・
最高!!!! 

絶対イヤといいながら結局ひきうけちまう斬さま・・・大笑 っていうか伝三郎こと益岡徹さん、
このシーンどう見ても噴出し笑いされてます。絶対!

新六(佐治の子分)に斬九郎の身の上話をさせることによって視聴者に状況を把握させる製作
サイドの意図はさすが。そしてこの斬九郎の配慮と身の上話に心を許したのか蔦吉船久へ。
聞かれるでもなく斬九郎に心情を語る蔦吉。
そして雪の夜、蔦吉の前に現れる栗林兵庫。蔦吉の傘をバッサリ斬りかかる兵庫。鮮やかに
蔦吉を抱きとめ、兵庫と一騎打ちする斬九郎。用心棒として斬らざるを得なかったとはいえ、
複雑な心境の斬九郎と蔦吉。

後日兵庫の墓参りの帰り、兵庫の生き方を語る二人。
蔦「刀さえ捨てれば他の道があったはず」斬「武士を捨ててか?」
蔦「やれ、格式だ家柄だ武士の沽券がどうの、あんな厄介なものはないと思うんですがね」
去り際、自分の刀を見つめ考える斬九郎の心理は・・・
そしてここまでやっといて最後の落とし方が最高っ!!爆笑です。
あんまりだ!あんまりだよう〜〜!」(走り去る徳松@宮川一郎太氏)大笑

1995/1/11 放送  2001/11/18脱稿

御家人斬九郎第1シリーズ
第二話「用心棒二人」 丹波哲郎

監督 斎藤光正
脚本 金子成人


撮影から放送までの間にも既にブランクはあるものですが、放送から10年近く経って
見直してみるとやはり色々感慨深いですねぇ。
冒頭から田中実さん回想シーンで斬り殺されるとはなんて贅沢な!と思っていたら第3シリーズ
「深川節」で再登場してましたな。笑 西田さんも第4シリーズ「追われもの」で出てましたがw
この回の桜満開の大覚寺での家老一行が襲われてから果し合いまでのシーンは派手
で見応えあって私も好きなんですが、謙さんも印象に残るお話の一話のようです
(「はんにゃ」インタビュー参照)。

謙さんの唄が拝聴できるのもこの作品の見所の一つ♪船久で唄っておられます。ええ声や。
そこで佐治が理想の女性像を語っていて、ことごとく斬さまの挙げる女性に難癖つけるのですが、
「どこかにいませんかねぇ?こう、なよっとしてそれでいてたおやかな桜のようないい女・・・」
と佐治が言い切らないうちに発する斬さまの台詞、「いねぇよ!」の絶妙なタイミングと表情が最高。
他の役を演じてる謙さんの演技や仕草も好きですが、斬九郎の時の
仕草とか間合いが絶妙でツボなんですよね〜
「逃げんのかぁ?!やい 南無八幡の佐治!」って蔦ちゃんが
扇子で指すところの蔦ちゃん、斬さま、佐治三人の立体的な構図が好き。

丹波リン、撮影現場ではどうだったのか気になるところですが(笑)
やはり殺陣も迫力あるし、存在だけで凄みがあって、見応えありましたね。
特に東八から出て霧雨の降る中、刺客に襲われても、斬さまの助太刀
を無用とし、敵をあしらうシーンもさすが丹波りん!
斬九郎の父の友人かつ(麻佐女いわく)父を負かした仇という
因縁的な関係でありながら、斬さまが父のように慕うという構図もいい・・・
(しかし麻佐女さまよく斬さまを叱る時に父を引き合いに出すことが
あってもお仏壇はめったに映らないよな・・・ぼそっ)

「斬九郎は男に惚れやすい(誤解招きそうだなぁ苦笑)」とどなたか
が仰ってましたが、主人公である斬九郎がメインゲスト俳優である
登場人物と親しくなったり、肩入れする設定にする方が視聴者も
メインゲストキャラにも感情移入しやすいからかなぁなどとも勘ぐってしまうのは余談。

松谷藩宮部派が蔦吉を通じて斬九郎と対面するシーンも初期にして
斬九郎のキャラクターらしさが出ている気がするシーンの一つですね。
緊迫する宮部派と飄々とした斬さまの対比がイイ・・・
しかし蔦吉に問い質されても引き受けた仕事は譲らない斬さま・・・

西田健さん演じる久保寺に「あんたの籠を守るのが俺の役目なんだ」
と言い放った後の視線の切り返しもこの斬さま的仕草の一つ。

力を互角と見せるべく決着がつくまでに両者傷を負うところも描写が
丁寧ですよね。斬さまは頬から高坂は腕からきちんと血が流れる・・・
鉄砲という飛び道具での理不尽な決着に憤り、雇い主を斬り捨て、
(久保寺を斬るシーンで桜が散ります)高坂の死を看取るまでのシーンもいかにも劇的で。
謙さんのシャウトも堪能できます・・・
麻佐女から仔細を聞いて事情を知りつつも斬さまも高坂に好感を抱きながら
雇われ用心棒という身分を越えて二人とも手錬との真剣勝負がしたかったのでしょうね。

三日後も頬の傷に触れて高坂に想いを馳せる感傷的な斬さまも
ラストにはどこか清々とした表情で雨の降る町へ繰り出し、斬さま
に救われる・・・かず4的にかなりお気に入り度の高いこのお話です。
(母は全話で一番のお気に入りらしい)

1995/1/18 放送 2003/10/12 脱稿

御家人斬九郎第一シリーズ
第三話「姉の宿下り」
香山美子、椎谷健治、渡辺哲
監督 富永卓二
脚本 金子成人


第三シリーズ第三話「姉上」と合わせて楽しみたい、姉の宿下がりに悩まされる斬九郎
シリーズその一。
一橋家にご奉公に上がっている姉・粂女のお宿下がりと、朋輩衆への手土産代
を稼ぐ為に奔走する斬九郎。粂に頼まれ、沢口源五右衛門なる旗本の消息を探す
うちに、押し込み強盗一味と関わりが・・・

日頃麻佐女の贅沢な美食ぶりで金策に奔走させられている斬九郎、苦労させられる
のは母だけじゃないのね・・・「粂(香山美子)のお宿下がりは40両、一(梶芽衣子)
は大奥故50両」かかるそうです。斬さま、金運も女運も悪いのか・・・涙

本当に貧乏御家人なのかと思ったら、一応手放せない家宝とかは由緒正しく
価値のあるものがあるんですね(って失礼な)

西尾伝三郎も原作より益岡徹さんのキャラが反映されているのかかわいくて
スキなのですが、自分の仕事はいつも斬九郎に手伝ってもらってるのに
今回は冒頭で斬九郎に断られて、斬さまから頼みごとされたら逆ギレしてたなぁ。
しかもラスト、自分のために事件解決してくれたんだと都合いいように勘違いしてたし
・・・現金だなぁ。苦笑

訪問セールスマンの如く「押しかけ用心棒」として大店(おおたな)で売り込みする
斬さま・・・うさんくさくてイイわ!笑
「俺、十両で雇わねぇか?」ってその角度で店主に囁くのも色っぽいんですけど
狙ってんですか?!爆

賭博場での残さまは要チェックシーンが多いです。
盗賊であり、粂女姉の思い人である沢口源五右衛門が胴元のいかさまを見破った
シーンで斬さまがニヤリとするシーン、謙さんの目の演技に注目です。
胴元の手下たちと沢口が斬り合いになり、賭博場は修羅場になるのですが、
斬さま悠々とお酒飲んで、助けを乞う胴元の足元見て、助けてやる礼金ふっかけてるしw
ちなみにこのシーンで斬さまの膝元に転がり込んでくるのは
ラスサムでもご共演なさった福本清三さんです。
胴元と金の折り合いがついて(笑)重い腰をあげた斬さまもその場で沢口を斬るでも
なく、蝋燭を斬って逃がすシーンもシルエットがかっこいいし、場のおさめ方も斬さまらしい。

しかし粂女の朋輩衆への手土産代が斬さまの金策ではまかなえず、
斬九郎、太鼓持ちをするはめに・・・そしてまさかの姉上との鉢合わせ・・・
斬九郎の・・・というより、かず4個人的には「謙さん」の太鼓持ちシーン・・・
すいません。恥ずかしくて早送りしてしまい、直視したためしがほとんどありません。苦笑 
後のシリーズでの蔦ちゃんと二人羽織で三味線弾くシーンなんかは好きなんですけどね。
第三シリーズ「馬の脚」での女装とか馬の脚の白塗りとか、「役者さんも大変やー!(泣)」と思った
シーンの一つ。謙さんは楽しんでらっさるのかもしれないけど見ちゃいられんかったとです。爆
しかし終盤、姉上の「金輪際 残八はおやめ!」と言われての残様の台詞
「太鼓は打ち止めということに!」(悩殺スマイルで)
はこのお話以来大好きで、メールや掲示板書き込み文末に多用したりしましたw

宴席で鉢合わせした後、松平邸での粂に叱られる麻佐女、残九郎もかわいい・・・
私、謙さんのシャウトも好きなのですが、姉弟喧嘩(?)から、一連のシーンでその後
事情を察してしょんぼりする表情も大好き。

この作品、粂姉上の台詞で印象的なのが
「女子(おなご)はなぁ、楽しみごと一つなきあのようなお邸にあがっても
よき思い出を支えに一人で生きていけるものじゃ」
というもの・・・そりゃ幸せだった時を思い出して生きていくよりは
その時その時が幸せに越したことはないけれど・・・深い・・・

初期シリーズで大好きだったのが『水戸黄門』の印籠よろしく、葵ご紋の扇子を
ちらつかせるシーン。第一話と第三話、そして第五シリーズ最終章くらいでしか見られなかった
のは残念。もっと見たかったけど斬さま性格的に嫌そうだよね。奥の手として以外では。
ともかく「松平」の威信振りかざして「用心棒代は小豆を五升所望致す」とうやうやしく
押しかけ用心棒して粂女姉の手土産ゲットにぬかりない残さま・・・ステキ。

よく「峰打ちじゃ 安心致せ・・・」ってな台詞聞きますが
斬さまの殺陣は「峰打ち」と「真剣」との違いがよくわかる殺陣ですね。
峰打ちは本当に力強く打ち付けてる感じ。(峰打ちでも相当痛いよ、安心できねぇよ!笑)
雑魚は峰打ちで、沢口に対しては姉に対する冒涜というか、
沢口の発言に絶望したのか、刀の向き真剣に変えて斬ってましたね。斬さま。
雑魚をバッタバッタと打ち倒すシーンもさながら、沢口との木の茂みでの
睨み合い、斬り捨てた後の刀のしまい方が最高でございました―!!!!!

ラスト、朋輩衆への土産として小豆五升を担いで粂のもとに駆けつける
時また惜しげも無いふんちら披露してらしたわね。苦笑
じゃなくて、沢口は悪党になりはて斬り捨てたとは告げず、
出家したと伝える、姉思いの「嘘も方便」と最後の微笑に益々惚れ直す・・・

EDテロップ表示が第一シリーズは試行錯誤が感じられますw
テロップ流れだしてからの映像、カメラワークも好きだったし
少しでも長く本編が見られるし、私的にはこの第三話EDの趣でいってもらいたかった
のですが、第二シリーズ以降は江戸東京博物館にある日本橋の人形テロップ
に統一されちゃいましたね。ともかくEDも見逃せない貴重な第一シリーズです。

しかし、押し込み被害者が目撃した一味の「蝮の刺青のある男」・・・
不自然に「蝮刺青」見せすぎだっちゅーの!(禁句?!)

'95/1/25 放送  2003/11/1 脱稿

御家人斬九郎 第一シリーズ
第四話「青い肌の謎」出演:橋爪功
、岡本舞、有川博
監督 田中徳三
脚本 野上龍雄


斬九郎に上野の不忍楼で自害するのを見届けてほしいという女からの片手業の依頼。
予告の時刻に発見されたのは青い肌の女の死体。女は南京手品で名を馳せた小夜太夫
であったとわかり、真相を追ううち清国人に出会い惚れ込む斬九郎・・・

謙さんが長年所属した演劇集団円の先輩・橋爪功さんとは『仕掛人藤枝梅安』
の梅安さん&彦さんコンビでも息はピッタリでしたが斬九郎での共演も嬉しい一話。
数少ない原作からのお話です。興味のある方は是非原作読んでみて下さいね。

第一話、第三話でも登場した葵ご紋入り扇子、今回も冒頭で登場しましたが、
残念ながら麻佐女様と共に母子で普通に扇子として扇いでらっさいました。

斬様が佐治のところに来た時、新六に麻佐女の悪口を
耳打ちするシーンがあるのですが・・・なんか構図がやらしいぞ・・・

このお話も好きなシーンが目白押しです。
まず敵をおびきよせるために蔦ちゃんと二人舟遊びをして
橋までそぞろ歩いてからの殺陣シーン。
斬さま蔦ちゃんの肩抱いて歩くのが萌えた・・・!

大小二刀流かと思いきや、大刀と刀の鞘で大立ち回りの斬さま・・・
蔦ちゃんも「二本差し(武士)の娘」ってことで扇子で立ち回り。清の刺客ということで
ヌンチャクという異国の武器とやりあう斬さま。ほつれ毛も苦戦の演出なのかしら。
逃げる敵に鞘をくわえて武器を投げて仕留めるのもスゴイ。

後日編み笠をかぶり旅姿の斬さま・・・似合いすぎッス・・・!!!
台詞も表情もかっこよすぎるんですよう!!!
新六が「品川?」、「京、大阪?九州?」と行く先を尋ねるのを否定して
斬「もっと西だ」
新六「そんなところがあるんですかい?」
斬「ある 西方浄土だ・・・」
編み笠でうつむきがちに、不吉な台詞なのにその表情がー!
その微笑が―!!!!そんなわけで斬さまの編み笠姿に撃沈。

引き続き編み笠姿で唐人屋敷の場所を聞き出す為に休憩していた薬屋を脅すシーン、
特に薬箱を蹴っ倒すシーンが好き〜〜!
この薬屋役の松井範雄さんは「わが町」シリーズの同僚刑事としても謙さんと共演
されていますが、『御家人斬九郎』では後に第四シリーズ「大利根の月」のやくざ
飯岡の助五郎役としてもご出演されています。
ご禁制の渡来品を扱うことは違法なので、最初はシラをきる薬屋も斬さまの手に
かかれば吐かないわけにはいかず唐人屋敷まで連れて行ってましたが、
「ありがとよ・・・」と肩を叩く斬さまに、まだ何かされそうで怖がってましたw

他の話もそうだと思うのですが大物ゲストに対しての敬意のように
ゲストキャラに斬さまが惚れ込むパターンが多い気がする・・・
一度酒酌み交わしただけで王(橋爪さん)に惚れ込み盂蘭盆会まで2ヶ月も戻ってこないで
江戸から九州まで同行しちゃうとは・・・すげぇ惚れこみようだな!斬さま・・・惚れ込みすぎ!爆
橋爪さんは登場=共演シーンが少なくてもったいなかったなぁ。
話として小夜太夫も王も蔦ちゃんや斬さまがベタ褒めする以外に
その人の芸や人格の素晴らしさに説得力がなかったのが残念だったかな。

斬九作品の魅力の一つは風物詩も丁寧に描いていることですが盂蘭盆会の飾りつけも
その一つですね。蔦ちゃんがうつろな表情で迎え火を焚くところへ斬さまが登場する
シーンも「斬さま&蔦ちゃんカップルファン」にはたまりません。
斬「現れ出でたる〜明智光秀〜〜でででんでん♪」
とええ声で都都逸(?)唄いながらの登場〜そして団扇越しの笑顔。
蔦ちゃん思わず駆けつけ抱きついちゃうところが乙女心をくすぐりますw
素直じゃない二人なのですぐに我に帰って憎まれ口叩いて、足踏んづけ
ちゃってましたけど かわいい〜w

この回(に限らないと思うんだけど)ことごとく斬さまの表情や仕草が色っぽくて好きです〜〜〜
例えば王の仇討ちに長崎屋に一芝居打つ、斬九郎たち・・・蔦ちゃんの傍にたたずむ
斬さまの横顔萌えっ!障子を勢いよく開けるところも、シャウトも絶好調!
西尾さんも珍しく百両斬さまに都合してくれたのはよかったけど、あいにく斬さま
全額麻佐女さまに巻き上げられてましたな。大笑
さすがの斬さまも逆ギレしてたのが笑える。さらに笑えたのは麻佐女に「そこへなおれ!」
とか薙刀持ち出されて言われた時のおびえた子供のような反応。
「いやだ!なおりません!なおりませんっ!」って・・・子供か!(あ、麻佐女さまの子供だった・・・爆)
かわいすぎます・・・斬さま・・・てなわけでこの話でもメロメロでしたー

'95/2/1 放送  2003/11/1 脱稿

御家人斬九郎 第一シリーズ
第五話「入牢志願す」
出演:山本圭、中田浩二、北原佐和子、井上博一
監督 小笠原佳文
脚本 金子成人


捕らえた罪人が何も語らないので、小伝馬町の牢に入って口を割らせて欲しいと斬九郎に依頼する
西尾伝三郎。一方、斬九郎は蔦吉の紹介で佐和という女から仇討ちの助っ人も頼まれる。はからず
も牢屋に忍び込むことができた斬九郎は黙秘を続ける罪人・小佐野から真相を聞き出すことに成功。
事は五年前の御用金強奪に発していた・・・

冒頭、斬さまに片手業(という名の捜査協力)を依頼するため自宅へ斬さまを招く西尾伝三郎。
伝「暫くの間、小伝馬町の牢屋に入ってもらいたい」
斬「やだ」←即答

即答といい、間合いといい、斬さまらしくてかわいらしい・・・
事情を説明する伝三郎にさらなる詳細を求めるような上目遣い(?)で佐治を見つめる仕草も
たまりません。しかしこのシーンのやりとり、軽妙で好きなんですが、斬さまを牢屋に送り込んで
口を割らせようなんて、そりゃ斬さまが「冗談じゃねーよ!お前さん、天下の奉行所与力なんだよ?!
伝三郎!少し怠けてんじゃねぇのか?」って言う気持ちもわかりますw
結局なんだかんだ言って後で斬さま引き受けるどころか事件解決することになるんだけどね。苦笑

西尾さんや佐治たちは畳の上で正座しているんだけど、一人あぐらかいたり、縁側に出て片膝立て
たり、ラフな斬さまがこれまたらしくてイイ。縁側に出た時にも掻いてましたが、親指の爪で顎の辺り
を掻く斬さまの癖も好きだー
しかしこの時、斬さまが引き受けなかったのは伝三郎を手伝うことや牢屋に入ることが嫌だったわけ
ではなく、一部始終込みで一両、牢屋の食事に酒抜きby伝三郎ポケットマネー(笑)という報酬額が
気にいらなかったようです。爆

舟久で、蔦吉やおえんたちに西尾の依頼金額について愚痴ったりするから蔦ちゃんに
「あたしもう言っちまいましたよ。お金さえ出せば助けてくれるかもしれない銭九郎ってのがいるって」
って言われるのよ。笑
あ、この時蔦ちゃんがおえん姉さんからもらっている反物が傘柄だわ!
(←2003年度謙さん庵お誕生日企画報告参照)
それはさておき、蔦ちゃんに親の敵討ちの助勢を捜している佐和という女の話を聞く斬さま。
その佐和の仇というのが、奇しくも伝三郎が牢屋の罪人と関係があると見ている廻船問屋紀州屋 
伊佐衛門・・・斬さまが「紀州屋」と聞いて躊躇している間に結局佐和の依頼を引き受けることに。

引き受けることになった経緯というのが、婚約者の須美殿と母麻佐女と自宅で話している時に佐和
がやってきたんだけど、斬さま自室で佐和に事情聞いてたら、麻佐女さまが聞き耳立ててて息子に
依頼受けるように命じたからなんですな。斬さま自宅でプライバシー無いも同然ですやん!爆
しかも訪ねてきた佐和のことを喜助さん
「深川の蔦吉という人から名を聞いたと言って佐和という娘が」
とか麻佐女さまと須美さんの前で言うから斬さま取り繕ろうの必死でしたやん!笑
しかし原作では結構あっさりと須美さんと斬さま婚約解消してるんですが、TVドラマ版は設定延ばして
ますよね。ってか麻佐女様的には須美さん「お気に入りの将来の嫁」っぽいんだけど、斬さまったら
全くアウトオブ眼中っぽい。一応親の決めたこととはいえ、許婚という自覚あるのか?!

しかし佐和は討ち損じた時、とどめを刺してもらえるように斬さまに助勢を頼んだはずなのに、いつ
紀州屋伊佐衛門を見事刺し殺した佐和の罪をかぶって斬さまが入牢することに・・・?!
町人の敵討ちは禁じられており、下手すれば死罪になることもあるから、武家である斬さまがかぶ
れば少なくとも死罪にはならないだろうから、と斬さまが判断して身代わりに、ということなのかな。
まぁその方が伝三郎の願いどおり入牢できることになったわけだけど。

また小佐野(山本圭さん)と同じ房に入った時に見張り役らしき役人に斬さまが小銭を渡したん
ですが、あれってどういう意味だろう?咎人といえどもチップのようなものを役人に渡すしきたり
でもあるのかそれともあの役人が伝三郎から頼まれた斬さまの片手業を知っていての行動なのか
・・・?理由わかる方教えて下さい。

入牢後まもなく、斬さまが何か聞き出せたか確認するために伝三郎が用意した食事(うなぎ)・・・
ホントおいしそうに食べるよねぇ謙さん!「食事シーンの渡辺謙」やっぱりこう呼ばせて頂きます!
後の方で紀州屋を空き家から張り込みしてるシーンでも蕎麦すすってました!笑

しかし、何も語らない小佐野の気を引こうと、小佐野の前で一芝居をうつ斬さまと伝三郎・・・
わざとなんだと思いますが西尾さん台詞が棒読みっす!爆
そして日に日に小汚くなっていかれる斬さま。私、『壬生義士伝』の脱藩吉村貫一郎も好きだった
んですが、無精ひげとかかえって色気倍増してませんか?笑 『御用牙』での謙さん入牢シーンは
もっと悲壮ですが入牢斬さまは愛でる余裕がある。爆
蔦ちゃんが「こりゃまた見事な咎人ですねぇ!」と絶賛(?)するのも納得。

芝居の甲斐あってせっかく真相を語りだした小佐野と斬さまの牢屋に
「入牢など徳川家の恥」といって乗り込む麻佐女さまにツッコミその一。
「人殺しの罪をかぶって入牢なんてそんなもん斬さま今までの片手業でせんど人斬ってます。」
(人を殺めるようなことは罪人の斬首くらいしかしていないと思っておられるのか?!ご母堂。)
ツッコミその二。
「ていうかまず、佐和の依頼を盗み聞きして引き受けるように斬さまに命じたのは麻佐女さま、
貴女です。爆」
「罪咎人が入る牢でおめおめと生きながらえるとは。武士なら武士らしく切腹せよ」と懐剣を残九郎に
つきつける麻佐女さまですが、ホントに斬さまが切腹してたらどうするつもりだったんだ?
この麻佐女さまの「武士なら武士らしく」という言葉で、小佐野は麻佐女の懐剣を奪い自害してしまう。

そして実は生きていた紀州屋伊佐衛門に殺され川で死体となって上がる佐和・・・
骸となった佐和とその亡骸を前に嘆く弟の傍ら憤りを新たにする斬さま。
斬さまはやはり臙脂の着流しと双眸を顰めた表情がカッコイイ!
クライマックスで紀州屋に真っ向から乗り込み、蹴散らして奥へ乗り込んでいく斬さま。
麻佐女さまっ!残九郎さま殺陣シーンで斬り放題でございますわよっ!爆
丁寧に見ていると刀を持った雇われ侍は容赦なく斬っているんですがおそらく悪事に加担していた
と見られる番頭たち町人はみねうち(→生きて捕まれば獄門)でした。
しかも斬るときの殺陣と異なり、みねうちだけに打ち付けるような殺陣なのね。
謙さんの殺陣、斬さまシリーズ回を追うごとに上手くなってらしたとどなたか仰ってたなあ。
私は第一シリーズから既にメロメロだったんですけど。

「てめえの女 使うだけ使って虫けらみてぇに殺しやがって!」
「五千じゃ足りねぇ!」
(↑お気に入り斬さまシャウトを2,3抜粋)斬さま怒り狂ってます。紀州屋も最初は五千両、一万両
と金で斬さまを抱き込もうとするけど少しもなびかず、本気で恐ろしくなり
「二万両出す!」と発した時声が裏返っていたのがリアルでしたw

しかしまた西尾さんたち奉行所側が銀を押収に来た時に零れ落ちた銀製品見て企み顔する斬さま
の表情がかわいい・・・船久に約束の一両渡しに来た伝三郎・・・目ざとく斬さまがくすねた銀の
かんざしをとりあげなくたって・・・苦笑 相変わらず素直に蔦吉に渡したいのだと打ち明けられずに
「たまには親孝行しようかなと思って」とか言っちゃう斬さま。
結局麻佐女と蔦吉に1本づつ銀のかんざしを届けるという粋な計らいをした西尾さまも人が悪い。
斬さま真っ青になって奔走してましたぜ。苦笑 
銀のかんざしを嬉しそうにつけている蔦吉と斬さまのエンディングも好きなお話でした。

ところでこの佐和役の女優さん北原佐和子さんと仰るんですが、もしかしてこの配役決まってから
役名決まったのかなぁ。あと紀州屋伊佐衛門の役者さんは第三シリーズ「犬も歩けば」にもご登場
なさってます。苦笑


'95/2/8 放送  '04/9/23 脱稿