御家人斬九郎 第二シリーズ
第一話「初春火の用心」
第二話「居残り」
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■第一話「初春火の用心」■ |
■第二話「居残り」■ ■ゲスト出演 藤吉久美子、鷲生功、広岡由里子、河原崎健三 ■監督 井上昭 ■脚本 金子成人 ■あらすじ■ 佐次たちと吉原で遊んだはいいが金が無く斬九郎が居残りに!薪割り、膳運び、拭き掃除、文の 代筆と甲斐甲斐しく働き、すっかり女郎たちのアイドルに。道中の朝霧太夫を斬りかかった男から 守る斬九郎。「内密の探索」で伝三郎たち町方も動き出すが、裏には朝霧に斬りかかった男と、 朝霧を身請けしようとする藩家老の関わりが。花街の花魁と藩勘定方であった男の悲恋の物語。 ■かず4戯言■ まわりでも評判の良いこのお話。しかし冒頭。「吉原で遊んでた」という設定の割に女抱いてたという より文字通りどんちゃん騒ぎしてたようにしか思えない(そういう意味ではストイックな)斬さま。笑 しかも一人で遊んでたわけじゃないのになんで斬さまだけ「居残り」・・・ひでぇ。 でも居残り残さん、まんざらでもなさそうだったよね。楼主(河原崎建三)とも仲良くなってたし。 遊女たちの間ですっかりアイドル化してたし。爆 吉原が今回の舞台なのに相変わらず濡れ場は 一切なく、むしろ斬さまがまた薪割り時にふんちらしつつもろ肌脱いでサービスしてました(爆) 細かい仕草で言うと、朝霧を助けて、「玉木楼の居残りよくやったぜ!」と言われてニッコリ笑う 斬さまの笑顔とかも好きです。そりゃ女郎の間で斬さま人気もあがるわな。 斬九郎が朝霧に酌をする時に斬りかかってきた侍のことで小声で探りを入れるシーンもイイ。 実はこの回の台本持っているのですが、微妙に違う台詞なのは謙さんたちのアドリブでしょうか。 例えば「斬さん、まさか町方に追われてるってことは?」と言われての斬さまの「ばれたか」。 大好きですw 「ばれたかって・・・斬さん!」そりゃ楼主もあせるっての。(脚本は「ばれたか」ではなく「ないない」) あと西尾さま極内密の探索で吉原居続けと聞いて 斬「お役目で吉原に居続け、いいご身分だねえ。るい殿は知ってんの?」 伝「馬鹿を言うなっ!知るわけないだろっ!」 も脚本にはありません。この台詞もくすっと笑えますよね〜(以降 赤字は脚本にない台詞) しかし・・・斬九郎の居所を佐治から聞き出すために麻佐女さまが西尾夫人るいどのたちと打った 芝居がわざとらしくて笑える・・・麻佐女さま、仮病の床の声はムーミン風でした 笑 「道中は止めた方がいいんじゃねぇか」と朝霧に助言しにきた斬九郎の登場の仕方も、朝霧の見ている 鏡越しってのも注目。 そして斬さま蔦ちゃんカップルファンの見所は、朝霧の身代わりを蔦吉に頼むシーンですね。 蔦ちゃんの髪結いもいつもと違ってかわいいですよねw 呼び出された時の頭巾姿もかわいかった! 斬「この通り!大沼たえどの!」 蔦「こういう時だけ本名で呼ぶのやめておくんなさいましよ!」 蔦「あたしが危ない目に遭うのはいいって料簡なんですね?」 斬「お前さんには小太刀の腕があるよ たまには修羅場もいいんじゃねえかなと思ってさ」 蔦「・・・(鋭い眼差し)」 斬「冗談だよ。」この部分も脚本にありません。ニコリともせずのやりとりが爆笑。 斬「お前さんの命は・・・どんなことがあっても守ってみせる」 若村さんの花魁姿も見てみたかった気もするけれど、道中したのが身代わりの蔦吉だと思ったら朝霧 本人だったと知った時の斬さまの表情もイイですよね。 そして事件解決後の屋台で杯をかわす二人のラブラブっぷり(「どんなことがあってもお前さんの命は 守る」って言ったよね〜みたいな)も良い。 朝霧と酒井の悲恋にしても斬九郎に情の湧いていた(?)小鶴(広岡由里子)の境遇にしても、花街の 女たちの切ないお話でしたね。酒井に斬りかかられて「一緒に死のう!」と叫んだ朝霧も、ラストの花魁 道中で未練を断ち切るかのように酒井の手ぬぐいを落とす朝霧と、それを見守り小鶴と別れをつげる 斬さまも哀愁漂ってました。「御家人斬九郎」って本当にバリエーションに富んでいて、ラストで楽しい 気分になれる時もあれば、少し淋しい気分になる時もありますよね。今回も悪者(藩家老)は捕まったけれ ど結局酒井は生き残っても、朝霧と結ばれることは叶わず、共に死ぬことも叶わなかったわけだから 悲しいですよね。でも必ずしもハッピーエンドでないところが現実であり、この作品のリアリティと魅力 の一つだと思います。(最後だけちょっとマジメに) '97/1/15 放送 2003/5/4 脱稿 |