『仕掛人藤枝梅安』 『幕末純情伝』 『忠臣蔵』 『千年の恋』 『壬生義士伝』 『北条時宗』

『町奉行日記』 『巌流島〜小次郎と武蔵』
 『ラストサムライ』 『御用牙』 『織田信長』 『北の零年』

  
▲サントラCDをAmazon.co.jpで購入 『北の零年』 小松原英明 役

 時代としては丁度『ラスサム』と時を同じくする明治初期の動乱の時代・・・否、新政府樹立後の、それまでの存在意義を奪われたサムライたちの生き様を描いた作品と言ってよいのでしょうか。公開前から謙さんや行定監督たちが繰り返し、言及されてきたとおり、時を同じくして『ラスサム』の中の侍たちのように武士として誇りをもって死に花を咲かせていった者もいれば、時代の潮流に逆らえず、刀を捨て別の生き方を探すしか術のなかった者もいたでしょう。というより圧倒的多数が後者だったのかもしれません。
 また物語として、死んでいく者の方が美化され、現実以上に讃えられるということもあるでしょう。派手な戦闘シーン、多少美化され気味の展開だった『ラスサム』がハリウッド的であるとして、大きな戦闘シーンもなく、あえて観客の期待するカタルシスは与えず余韻を残す切り口を「これが邦画流だ」と主張する意図もあるのかもしれません・・・

が。やはり謙さんファンとしては正直なところ、見るのが辛い映画でした。
小松原英明@謙さん・・・最初はそんな人に見えないだけになぁ・・・涙 またまとまりありませんが、登場人物についてや印象に残ったシーンの感想を書き綴っていこうと思います。所々『ラストサムライ』と比較する記載があります。ご了承下さい。

■石原さとみさん・大後寿々花ちゃん@小松原多恵
 なんたって子役の寿々花ちゃんがかわいいったら。そりゃ謙さん次回作(「SAYURI」)にスカウトしてアメリカ連れていくわなぁ。爆 予告編でも使われていた「母上、父上は裏切り者なのですか?」という涙ながらの言い回しも表情も、父の帰りを待ちわびる姿もせつなく儚げでイイ。
 石原さとみちゃんは明朗快活っぽかったですが、久方ぶりに現れた父に怒りをぶつけ、胸をボカボカ殴るシーンは思いっきり感情移入してしまいました。謙さんのバカバカバカバカバカ!!(だから謙さんじゃなくて英明だってば。)
 ただ、ラストの台詞「アシリカさん、きっと戻ってきますよね♪」それだけは楽観的すぎるんじゃないかとツッコミを入れてしまいましたが・・・苦笑

■石田ゆり子さん@馬宮加代
 作品中、たくましかった人ダントツ一位なのではないかと。製作サイド的には吉永小百合さん@志乃を「一番たくましい人」にしたいのかもしれませんが、終盤では夫の裏切り(?)を知らされ、精神的ダメージを受けるとはいえ、結局志乃は汚れていないんだもの。前売りについていたポストカードやチラシで加代の洋装を見た時は、何も思わなかったけれど、加代の波乱万丈の行く末を想像できませんでした・・・「子供を守るためならなんでもする」と言い放ち、実行した彼女に脱帽。
 政府の役人として戻ってきた謙さん@英明を非難する姿もスカっとしました。でも本編ラスト馬宮のもとに戻ったのだとしたら、倉蔵が哀れすぎる気が・・・

■豊川悦司さん@アシリカ
 この作品で最もオイシイ役だったのはアシリカ役のトヨエツさんだったのではないかと。寡黙で過去のありそうな男が、主人公たちの危機の度、駆けつけて助けてくれる・・・アシリカ、タイミング良過ぎ。かっこよすぎ。ましてやコスプレファンの血が騒ぐアイヌ民族衣装姿ともなればなおさら。爆 その上、クライマックスでは侍姿だったし。
 アシリカを救おうと志乃が盾になり、いち早く駆けつけて志乃を抱き寄せたシーンも裏切り者・英明に見せ付けてくれたのでこちらとしてはガッツポーズしてしまいました。爆
 アシリカは志乃たちと親しくなっていったけれど、あれはプラトニックだったからこそ良かったのでしょう。当初脚本に多恵が、「アシリカさんがお父様になってくれたらいいのに」とか言う台詞があったようですが、それは本編でカットされて正解だと思う。例えアシリカは失った妻子を志乃たちに重ね、いつしか恋焦がれるようになっていたとしても、その気持ちは口にしない淡い気持ちのままの方が美しく、志乃はあれだけ経っても英明を待ち焦がれていたに違いないのだから。
 作品の中で一番ジンと来たのは、馬宮の息子・雄之介が死んだシーンでも、エンディングでもなく志乃を助けた後、囲炉裏の前でアシリカが「夢を見ているようだ」と落涙したシーン。トヨエツさんファン倍増したのではなかろうかと。モノクテ役のおじいちゃんもいい味出してたけどね。
 マニアック視点では『炎立つ』つながりですが、謙さんは第一部と第三部、トヨエツさんは第二部、と共演はなかったのですよね。今回も共演シーン数自体が少なかったのは残念でしたが本編で志乃を巡る三角関係(謙さん@英明敗北〜笑)シーンが見れたことと、撮影の合間にそれぞれ衣装姿で談笑されるスナップが拝見できたことが嬉しかったっす。

■香川照之さん@倉蔵&平田満さん@川久保
 二回目以降の初日舞台挨拶で「サユリストの敵です」と仰ったのは香川さんでしたっけ?謙さん「サユリストの敵その2です」と仰ったそうですが、否、この作品でサユリスト最大の標的は間違いなく謙さんだと思います(爆)←キスシーンで男性ファンを敵にまわし、終盤の裏切りでさらに女性ファンも敵にまわしたよね・・・
 見るからに悪役、とか香川さんお上手ですが、最近では百姓・川久保役だった平田さん共々ご出演だった『救命病棟24時』でのお二人がホントにいい役でいいお話で良かったなぁ・・・
 平田さんの衝撃的シーンはやっぱりあの「イナゴの大群に自棄になって火達磨シーン」よね・・・びっくりした・・・この映画、戦闘シーンはないのに派手だなあと思ったシーンがラストの馬が放たれるシーンと、この川久保火達磨シーン! 派手だった割にあっさり助けられていたのがほっとしたような釈然としなかったような・・・爆

■吉永小百合さん@小松原志乃
 女優さんとしては本当に大女優さんだし、お人柄も素晴らしい人なんだろうということはご本人や共演者によるトーク番組やインタビューなどでわかるし、謙さんが小百合さんと再共演下さるのはとても嬉しかったんです。ただ、今回の作品、色々な意味で「やはり小百合さん主演映画なんだなぁ」と実感せざるを得ない作品に仕上がっていた気がします。
 吉永さんが実際のご年齢を信じられないくらいお美しく、お肌が綺麗なのは認めるのですが、年相応の役をされてもいいんじゃないかなぁと。いやまぁ、小百合さん&謙さんが実際は謙さんの方が15歳くらい年下であるにもかかわらず夫婦としてあまり違和感なく見れたのは、小百合さんがお若く見えるのと、謙さんが貫禄ある(苦笑)のと相乗効果だと思いますけれども。
 また、皆が不運に見舞われる中、加代と対照的に、汚れておらず、あまり苦労が感じられない主人公の志乃にあまり感情移入できなかったんですよね。終盤の英明に対する憤り(笑)は感情移入じゃないのか、と言われると苦しいですが。

 それにしても小百合さん&謙さん共演シーンといえば、ネタにされまくっている例のキスシーンですが(爆)、最初の共演作である『千年の恋』ではいい雰囲気になるシーンもあったのに、キスシーンも濡れ場もなかったので、今回のラブシーン、謙さん的にはリベンジ成ったと思います。邦画にしては濃くて長いキスシーンだと思ったけど、話によると撮影のために何十回も繰り返されたそうで・・・荒川強啓さんが怒り心頭だったそうな。爆 (私としては、キスシーンそのものよりも、後の裏切りの方が許せませんけどね。)ただ、ビジュアル的には、『千年の恋』のお二人みたいに平安装束でのキスシーンの方が艶かしかったろうに、月代も伸びたあまり美しくない姿でのラブシーンだったのが少々残念でした。苦笑

 志乃に感情移入できなかったとは言いながら、一瞬志乃の気持ちがわかるなぁと思ったのは、洋装英明が現れた5年後、「憎たらしいのにそれでもこの人が好きなんだよなぁ」と思ったとき。一番ショックだったのは、政府のまわし者として馬を召し上げに来たということよりも、新しい家族の写真を見せられた時さ!ってか新しい家族の写真を持ち歩くような男だったのかよ!(怒泣) 変わり果てた父の姿を見かけたと泣いて戻ってきた娘の姿を見ていながら、英明が戻ってくると期待したのか、桃色の着物でめかして英明の前に現れた志乃の姿が痛々しかった。

 「馬を持っていきなさい。それが貴方のお役目なのでしょう。お役目を果たしてあなたを待っているご家族のもとにお帰りなさい。同じような想いをもう誰にもさせたくない。」

 志乃の台詞の中でこの台詞が最も印象に残っています。エンディングの「夢見る力がある限り。きっと何かが私たちを助けてくれる」という台詞よりももっとずっと真実であり、本心であり、裏切った男への精一杯の嫌味であり、愛の言葉である気がする・・・

■謙さん@小松原英明
※ひたすら開墾シーン&稲田藩主要メンバー
 なぜか月代も伸び放題のむさくるしい格好でひたすら開墾シーンとかお似合いですよね、謙さん・・・爆
稲田藩諸氏和気藹々とされて楽しそうでした。この辺のシーンが一番平和だったなぁ。(遠い目)
ギバちゃん、謙さん、吹越さんを見て「おぉ〜!『北条時宗』トリオ!」、謙さんと阿部サダヲさんを見て「あぁ、『池袋ウエストゲートパーク』警察コンビ!」・・・と喜んでしまう間違った見方しかできない私を許して下さい。苦笑

▲ 吹越満さん@長谷・・・(乳兄弟のギバちゃん@安達泰盛&謙さん@北条時頼はともかく吹越さんは宗尊親王で敵対勢力だったけど今回は仲間同士で嬉しいわ・・・)吹越さんのお芝居も上手くて好きなのですが、映画パンフレットで「撮影中、稲田家の俳優同士仲良くなっていった」と言及されていたのが嬉しかったのです。髷を一人ずつ切っていくシーンで最後に無念の声をあげられたシーンが印象的でした。

▲ 石橋蓮司さん@堀部・・・これに関連した話では、ロケ地近くの居酒屋には石橋蓮司さんを校長とする「北の零年学校」のキープボトルがあるそうな。開墾後皆さんで楽しいお酒を飲まれていた姿を想像すると微笑ましい・・・蓮司さんとも謙さんご共演多いですよね。本編では一時立場の逆転した香川さん@倉蔵に顎でこき使われ、屈辱を受ける姿が弱弱しかったものの、最後には見事立ち上がってくれましたね。

▲ 柳葉敏郎さん@馬宮・・・『北条時宗』と同じく、謙さんとは同志的関係で、仲良さそうなお二人も微笑ましかったですわ。
ただ、この作品で一二を争う可哀想な人かもしれない・・・謙さん@英明は村を去り、結果的に妻子を捨て、官僚の手下となって戻ってきたけれど、あの場で尻尾を巻いて退散したとしても新しい家族と、役人という仕事が残されている。馬宮は北海道に来てから、息子を失い、妻を憎き倉蔵に奪われ、倉蔵の下で屈辱的な立場に。本編ラストで加代は倉蔵、ではなく馬宮に寄り添ってクワを持って現れたけれど、馬宮さん、それでいいのかなぁ・・・結論として一番逞しいのは女(加代)ってことなのかもしれないけれど・・・

※ 「殿が来たぞ〜!」
▲ 阿部サダヲさん@又十郎・・・現代ドラマ(特にクドカン作品)でのサダヲさんの一人よがりなハイテンションキャラ大好きなのですが、本作でもムードメーカー的役割で宴の席で踊りを披露したり、大事な所を虻に刺され、のた打ち回ったり、頑張っておられましたw
ただ又十郎の見せ場とも思われる殿の到着を知らせる台詞「殿が来たぞ〜!」が気になって仕方なかったのは私だけではありますまい!せめて「殿が参られたぞ〜!」でしょうに。これは台詞の問題であってサダヲさんに罪はないと思います(この作品を見て一番印象に残ってしまったのがこの「殿が来たぞ〜!」と「殿が来るぞ〜!」だったという・・・爆)が、その又十郎の知らせを受けて村の入り口に馳せ参じる時の英明@謙さんがきちんと「殿が参られたぞ〜!」と言い直しておられたことに苦笑してしまいました。

※皆を奮起させるために書状の続きを読むシーン
 難破船による遭難者を記した書状を堀部(蓮司さん)が読み上げた後、皆を元気付けるため「殿のお言葉がある!」と、自分をも励ますように書状にはない殿のお言葉を読み上げるシーンは謙さんが演じるキャラクターらしいと思ったシーンの一つ。らしいというのは、謙さんの役が「家老のような役職的な長ではないが一団の士気を左右するリーダー的存在」であることが多く、そういう役がよくお似合いなので、ということです。む?映人社のシナリオによると殿のお言葉を読み上げるのは堀部になっていますが、脚本では元々殿のお言葉も書状に書かれていたことになっているのでしょうか?個人的には本編の描かれ方の方がインパクトがあって好きですが。

※髷切りシーン
 一団の士気を左右するもう一つの典型的シーンが、殿に見捨てられ淡路に戻ると皆口々に言い出した時「主君などもういらん!」と髷を切って主君(封建制度?)との決別を率先するシーン。こちらも謙さんの見せ場的ケレン味のある場面になっていると思います。
 この作品の中で「零(出発点)」ってたくさんある気がする。淡路から北海道に移った時、この主君と決別した時、英明が去り牧場を始めた時(これは志乃にとってのみ?)、そしてラストにもう一度「零」からの出発。
 ただ、このシーンと冒頭の方で志乃が率先して畑を耕し始めるシーン、そしてラストもう一度クワを持って耕し始めるシーン・・・「主人公の最初の一歩によって皆がそれに従う」というシーンは3つも入れなくても・・・という気はしましたが。

※洋装馬上姿の麗しさ
 あんなに憎たらしい再登場の仕方をしておきながら、あの洋装馬上姿の麗しさ・・・特に一人、志乃の住まいに向かって馬で駆ける姿の美しさに惚れ惚れしました。そして馬を降り、三つ揃えの上着のボタンを外した仕草にも撃沈〜〜!
 また、倉蔵を「下郎!」となじる夕日差す室内の姿も、その後現れた加代に逆になじられるのを心で加勢しながらも、うっとりしてしまいました!ダメです。憎いのにビジュアル的には完敗でございました。どうせならキスシーンは洋装姿で見たかった・・・爆

※志乃に許しを乞うシーン
(多分完成披露試写会の日の衛星記者会見で「吉永さんが目の前で転ばれたのを助けられなかったのがショック」と仰ったのはこのシーンだろうなぁ・・・)
 英明の女々しさ全開シーン。静かに経緯を話し、涙ながらに許しを乞うけれど、胸ポケットから出てきた新しい家族との幸せそうな写真と「戯言でした・・・」という一言にブチ切れました。体面があるのか他の役人たちと同席の時は強気発言なのも我慢ならないわ・・・(立派な感情移入じゃないのか、かず4)

※クライマックス牧場でのシーン
 堀部たちに動揺し、英明が馬でジタバタするシーンが好き。個人的に気に入ったのは「どいてくれ」3段活用
「どいてくれ! どいて下さい! どかんと撃つぞ!」
「馬にしてやられた」という捨て台詞(?)はどうかと思いましたが・・・苦笑 アシリカと志乃が見せ付けてくれたので少し気が晴れました。爆

 プロモで小百合さんも謙さんも皆さん何度も「この映画を見て元気になって下されば」と仰ったけれどこの作品を何度見ても正直なところ私は凹みこそすれ、到底元気にはなれませんでした。それは私が謙さんファンということもあるだろうけれど、この作品ラストで例え「何度逆境にあってもゼロからやり直していけばなんとかなる」というメッセージを訴えても、あの結末に釈然としなかったから。
 だって「夢はいつか必ず叶う」とは、志乃たちの元を去る時に英明が言った言葉。例えその言葉を心の支えに生きてきて、いまやその言葉は誰が発したかは問題なく志乃たちの支えになっているのだとしても、それを発した男の戻ってきた姿がその言葉を否定するんですよ?あの場面で、馬を奪われることは阻止できても英明にとって役人という地位は変わらず、志乃たちではなく新しい家族の元に戻ることは変わらない。「結局女性はたくましく一人でも生きていけるけど、男ってやつぁ・・・」という鑑賞後の感想で終わってしまう。主立って誰も死んでいないのに、このやりきれなさはなんでしょうか・・・(そういう意味では、登場人物の死をもってもラストが清清しい『ラスサム』とは対照的かもしれない)それが現実なのだとしても、それは私が「渡辺謙の演技力にしてやられた」だけなのだとしてもツライ映画なのは変わりありません。
 『北の零年』のポスターに映る英明@謙さんが、あの険しい“ひたすら開墾シーン”の英明さんだったのを見た時、「あのマイルドスマイル版ポスターにしてくれればいいのに」と思いましたが、本編を見た後は逆に「あの険しい顔のポスターで正解。あれがマイルドスマイル版が広く使われていたらむしろ詐欺だ。」と考え改めました。(苦笑)作品前半までは北の大地で孤立した稲田藩の者たちの精神的支柱であった英明は後半裏切り者となって現れる・・・そんな役どころの人がニッコリ笑顔で作品ポスターに載ってちゃいけません!爆
 ただ近年まれに見る邦画大作に参加されたこと、あの豪華キャスト、特に吉永さんと再共演されたこと、そして何より『ラスサム』と同時代の作品で謙さんのああいう対照的な役を拝見できたことは喜ばしいことだと思っています。ある意味『溺れる魚』とか(未見だけどおそらく)『バットマンビギンズ』の悪役とかよりも、嫌な役だと思う。最初からの悪役だとヒールなりのかっこよさとかもあるんだろうけど、英明の場合は最初がそんな人じゃないだけに憎さ百倍なのよね・・・そこが人間らしいといえばそうなのかもしれないけどさーぶつぶつ。
 とかなんとか言いながら、この作品についてこんなに長々と語っちゃってる時点でまたしても「渡辺謙にしてやられ」てるんでしょうね・・・苦笑 未見の方も是非ご覧になられたら色々考えてみて下さいまし。(無理やり締めてる)

おまけ■ラッキィ池田氏@振り付け
 エンドロールで「振り付け ラッキィ池田」と見つけて反応してしまいましたw 確か『幕末純情伝』でも「ええじゃないか踊り」の振り付けがラッキィ池田さんだったように思うのですが、零年の振り付けも「ええじゃないか踊り」のことなんでしょうか?阿部サダヲさんたちが宴の席で踊っていた踊りなんじゃないか、という声もあるんですけど少なくともええじゃないか踊りの筆頭に写っていたのはラッキィ池田氏でした。笑 真相をご存知の方、教えて下さい!

2005/04/02 脱稿



『織田信長』DVDをAmazon.co.jpで購入
『織田信長』 織田信長 役

『独眼竜政宗』大河ストーリーブックでのインタビューでも謙さんも織田信長がお好きだと仰っていて、私も謙さん織田信長役ピッタリだと思います。謙さんはやはり豪快で猛々しい武将役がめちゃ似合う!鋭い眼光と麗しいコスプレキングっぷりも健在。かっこよすぎます。

しかしなんといっても見所は「尾張一の大うつけ」時代の若き信長と斉藤道三と会見場に現れた時以降の凛々しさのギャップ。少々オーバーリアクション気味な道三@松方弘樹さん&道三の家来@長門裕之さんお二人の驚きようも納得。苦笑
直前までもろ肌脱いで粗暴な風采で馬にまたがるうつけ姿を見て信長を侮る道三たちを横目に濃紺の紋入り長直垂で颯爽と荘厳に登場する姿、そして道三を軽くあしらうような「で、あるか!」。あまりの麗しさにくらくら・・・ファンでなくとも撃沈必至。
後年NHK大河ドラマ『利家とまつ』で織田信長役を演じた反町隆史氏が「で、あるか」を多用してましたが、元ネタは謙さんのこの台詞なんじゃないかと思われてならなかった・・・(けど調べたら実際この会見で織田信長が「で、あるか」発言をしたという史料か伝説があるようですな。 反町さんその他の皆様シツレイ・・・でも謙さんの「で、あるか」が好きなんだー!)

それにしてもいくらその凛々しい正装姿惚れ惚れするといったって髪の質まで変わりますか・・・爆(大うつけ時代は剛毛でボリューム満点の髷だったのにこの会見登場シーンで直毛になっとる・・・大笑)
それよりも松方さん役作りなんでしょうが、道三のキャラが怪しい・・・苦笑私は道三役は木村拓哉くん版信長の西田敏行さん@道三が好きだなぁ。

それからこの変貌するまでの大うつけ時代、こういう設定だったので会見シーンまでほぼ全登場シーン謙さんもろ肌脱いであらしゃいます。笑 ていうかふんどし一丁姿で水浴びとか、お尻も惜しげもなく披露しまくり。苦笑
しかもこの作品では濃姫と結婚するまでは女遊びもしたことない信長という設定だったので、家来が心配して女を寝所にやるんですが信長@謙様逆切れ。
「わしの伽をするのはどっちじゃ?!なんなら二人一緒でも構わんぞ!!」
・・・殿・・・3Pですか・・・(殴)←結局この時は追い返しますが濃と結婚時はうぶなこと言っておいて作品ラストではハーレム状態の殿@謙様・・・野外で濃と初めて対面するシーンももろ肌脱ぎ姿なのでメイキングでカットかかるなりくしゃみされてました謙様・・・役者さんも大変ですなぁ。しかし眩しいくらいに肌がてかってるんですが、サンオイルかなにか塗ってらしたのか?爆

有名な父の葬式に正装もせず馬で駆けつけて焼香を投げつけ「早すぎるわっ!」と叫ぶシーンも織田信長らしくて好きです。若い頃の謙さんはシャウト多いと思うんですが、シャウトも爽快で好きなんですよねー
信長の家来役の若山富三郎さんとの共演も貴重。
殿を諌めようと自害した後、信長が川まで馬で駆けて苦悩を泣き叫ぶシーンも良い。

伊達政宗のように織田信長も弟を擁立しようとする一派に惑わされて失う運命なんですよね・・・この作品では弟を救おうとしたけれど信行@坂上忍さんは自害してしまいますが。弟を救おうとした時も、浅井長政に嫁がせた妹市を救う時も苦悩しながら斬り、戦う姿がまたイイ・・・
義父道三が息子・義龍にクーデターをおこされ討たれた時、道三の仇を討つのではなく天下統一のため力を温存せよとの鬼阿弥@十朱幸代さんの進言に涙を溜めて「あいわかった!」と発する殿も・・・悦

前半は従来の甲冑なのですが、この大和鎧姿もその後の西洋風鉄鎧(?)姿も超絶お似合いです。
西洋鎧・・・裏地が赤の黒マントもかっちょいい・・・!(黒と赤といえば吸血鬼カラーを思い出しますな・・・)
ちと鞭打ちで首回らないみたいな格好になってしまう鎧ですが(苦笑)それでも謙さんがお召しになるとかっこいいんだ、コレが。
浅井長政との戦いで信長様この鉄鎧弾丸を浴び傷つきますが、(怒り狂ってるけど)素肌に包帯巻いた姿もセクシー・・・また効果的に湯漬け食すシーンも入れたりしてさすが「食事シーンの渡辺謙」(勝手に命名)だ・・・
その後秀吉に討伐軍の総大将を命じるシーンの長髪洋装姿もイカス・・・他の殿の衣装も絢爛豪華多様で何気にこの作品だけでもコスプレショーだな・・・笑

桶狭間の戦い前に敦盛を舞うのも有名なシーン。
戦い前なので風流さよりも鬼気迫る舞っぷりですが謙さんの敦盛も必見。作中ではラストでももう一度舞われます。メイキングで茂山さん宅に通われる謙さんの熱心な稽古風景が見れるのでビデオ要チェック!

『独眼竜政宗』『ラストサムライ』でもご共演された「謙ちゃん」「ヒロ」と呼び合う仲の(笑)真田広之さんが若き日の徳川家康役でここでも共演されてるんですよね。ここも見逃すな!

一部、音楽とかセットとか合成映像とか時代を感じさせましたが仕方ないですな。
あと、結構「このシーンはアフレコだな」ってのがわかるシーンが多かった気がするのも・・・禁句?
壮年、晩年の織田信長役、また謙さんに演じて欲しいなぁ。織田信長を描いた作品には珍しく本能寺の変での自害シーンはこの作品ではなかったわけだし。ラストシーンの茶筅髪(よく織田信長の肖像画で有名な髷姿ですな)と髭も麗しくてステキ・・・なお謙さんが演じた歴史上人物やロケ地巡りもファンの楽しみの一つですが、企画アルバムページでもご紹介している滋賀県安土城天守閣復元が博物館(?)になっている信長の館は『知ってるつもり 破壊王 織田信長』放送の折、謙さんご来訪された地で、施設内の食堂風レストランには謙さんの直筆サインもあります4 興味のある方は行って謙さんと織田信長に想いを馳せるのもまた一興です♪(作品レビューでも感想でもなくただただ謙さんを愛でる駄文になってしまったような・・・っていつもか?汗)


2004/5/8 脱稿


『御用牙』 かみそり半蔵 役

撮影されたものの長年お蔵入り状態だった『御用牙』。『ラスサム』でアカデミー賞ノミネートされた謙さん人気急上昇を受けてスカパーが本邦初公開・・・私も幸い拝見できたので感想をば。

まず作品感想の前に少しいきさつを・・・
私がこの作品がお蔵入り状態だったのを知ったのは実は津川雅彦さんのHPプロフィールによります・・・
放送されてないのに経歴に載せてた津川さん・・・そんなんありですか。笑 そして『御用牙』とはどのようなものかとネット検索してたまげました。原作漫画も凄いが、勝新太郎さん主演の『御用牙』シリーズもとんでもない内容らしく、放送見る前に「謙さん、この作品を・・・?!」と絶句しましたが、さすがにプライムタイム放送&映像京都作品。そしてさすが”本人の露出度(ふんちら もろ肌etc)は高いけど濡れ場はめったにない俳優・渡辺謙”。
描写は想像していたモノとは違って安心(?)しました。大笑 (かず4、怒られますって・・・)興味のある方は原作、又は勝新版『御用牙』を見てみよう!通常原作本や違うキャスティングの映像作品があると、見比べたくなるかず4ですが今作はしばらくご遠慮させて頂きます。爆

コスプレキング謙さん鑑賞視点としては、謙さんの隠密廻り同心@黒紋付&月代姿は貴重ですが、個人的には斬さまスタイル(臙脂着流し&御家人虫入り)の方が好きだなぁ。今作で着流しも何種類か召してらっさいましたが、なんか臙脂系の着流しは微妙だったような・・・しかしおしげもないふんちら具合はこの頃からご健在であらしゃいます。苦笑

しかしなんといってもこの作品の見所は渡辺謙VS津川雅彦 競演と謙さんの拷問シーン!!!

津川さん演じる鳥居甲斐守さまイっちゃってます。笑 津川さんは謙さんを役者としても人間的にも気に入って下さってるらしくご競演も多く嬉しいんですがこの鳥居甲斐守、「シシシシシッ」という笑い声がコワイ!
(ホントに「ウシシッ」って笑う人初めて見たよ!←フィクションだけど)ライトも緑だし。妖怪よばわりされる設定に納得。そりゃこの怪演っぷり、未放送でもプロフィールに載せたくもなりますわな!

大筋はかみそり半蔵@謙さんが鳥居甲斐守@津川さんを成敗しようとする話なんですが、この半蔵さん、「どこが剃刀なのか」と思うくらいやり方がまわりくどい。苦笑 ていうか基本的に他力本願ですよね、半蔵。爆
直情系キャラならまっすぐ乗り込んでいきそうですが、敢えて騒ぎをおこして牢屋に入り、鳥居甲斐守の悪事の生き証人になり大物味方の登場を待つって・・・元々味方がいるならまだしも無謀すぎ・・・金さん@地井さん現れなかったらどうするつもりだったんだ・・・

しかも鳥居を欺くために半蔵、火野正平さん演じる仲間殺すし・・・しかしこの時の飲まず食わずの拷問で極限状態から半蔵を手なづけようとする鳥居から与えられた食事を貪り食うシーン!!他はさしおいてもここだけは見逃すな!!爆

「壬生義士伝」での吉村さんの脱藩浪人姿もむしろsexyだったけど「御家人斬九郎」でも入牢咎人メイクもあったけど比じゃない悲壮さ。このシーン撮影のために減量とかされたんだろうか・・・髪は乱れ、顔も青白く、病的で目がいっちゃってる。人間極限状態に陥ったらこんなになるんだろうか、正常な判断もできなくなって水欲しさに仲間も殺しちゃうんだろうかと思えるような説得力であらしゃいました。脱帽。
そして続いて見逃してはいけないのが、その後身なりを整えられ与えられた食事を貪り食うシーン。
ビストロスマップ出演の折は中居君に「うまそうに食いますねぇ!」と言われていた謙さんですが(笑)、拷問後我を忘れて食べるシーンもマジおいしそう・・・っていうか必死。ラスサムのときも「あの渡辺謙に限って食事シーンがないなんてー!」とつぶやいて我ながらハッとしたんですが、謙さん食事シーンの芝居も天下一品ですよね。笑
そのシーンの後、再び牢で涎を垂らすシーンまで手込みすぎ。また他力本願にも(毒)金さんが来るかどうかを思いながら牢屋で食事するシーンもねw

しかし笑っちゃったのは鳥居から与えられた飛び道具・・・ メリケンサックと十手から金具が出る武器・・・これホンマに時代劇か??汗 それ見て「ウオーズマンみたい!」と思ってしまいましたわよ。大笑(by『キン肉マン』)
最後の鳥居との一騎打ち(?)は刀での殺陣でよかった4 苦笑

あとやはり若い頃の謙さんの芝居の醍醐味、謙さんのシャウトが堪能できるのも見所の一つ。最近の芝居ではあまり叫ばなくても周りが威圧されちゃう重厚な役が多い気がする。苦笑 またシャウト聞かせて下さい 謙さん

それにしても一番びっくりしたのは地井武男さんが遠山の金さん役だったこと。
「えーーっ!地井さんが金さんー?!」ビックリしました。他意はないんですが。謙さんの金さん役も一度でいいから見てみたいなー(っていうか私が見たいのは謙さんの桜吹雪刺青もろ肌脱ぎ姿か・・・?)
ただ金さん@地井さん、「上意」でハッタリってのは想像できましたが明らかに白紙やったらバレルで・・・とかこの作品における金さんというキャラの存在自体(爆)とかツッコミ所は多々あれど、地井さんに免じて不問に。笑

そして過去の家族虐殺のショックで口がきけなくなった女@荻野目慶子さんと主人公かみそり半蔵@謙さんの淡い恋もよかった・・・ハムレット&オフィーリアカップルでもあるのね。こちらもオフィーリア後半トラウマで狂っちゃうシチュエーションが似てる。荻野目さんもさすが上手いです。

本作放映後、自分が見るまでにネットなどでこの謙さん版『御用牙』の反応を見たところ意外に反応が悪くて、「お蔵入りしてたのもなんとなく納得・・・」的なご意見がちらほら。でも拝見したところ私は楽しめましたね。そりゃまぁ斬さまとか他の作品のように主人公のキャラに惚れ込んだりはしてないし、お話としても全体的に暗いのでお気に入り度は高くないですが、謙さんのハードボイルド時代劇。見応えあると思います。地上波放映して頂いて皆さんのご感想もお伺いしたいわ・・・


2004/5/4 脱稿



 『ラストサムライ』 勝元盛次 役

公式ガイドブック傍らに語らせて頂きます。お持ちの方は参照しながらお読み下さい。なおネタバレ全開です。ご注意を。
公式ガイドブック・・・ネット上で表紙見た時は怪しげで(ココだけの話ですが「武士道」という筆文字は「海外の人が見てあの「武士道」という字を「ラストサムライ」だと思い込むんじゃないか」という気もして未だに少々納得がいかないけど。苦笑)実は少しヒイていたのですが(殴)蓋を開けてみれば、写真満載、台詞満載、衣装・時代背景・キャスティングについてなど資料も多く、大満足の品でございました・・・『ラスサム』に撃沈された方で購入を迷っている方は是非ご入手されることをオススメ致します!(別にワーナーや学研のまわしものでもありませんが。)というか英語版と日本語版両方買っちゃいましたが全然悔いなしです。
ただ、贅沢を言えば、日本の劇場や巷で貼られていて「かっこいい!」「欲しい!」「どうして販売しないんだ ?!」と大好評の4連セピアポスターを表紙にするか、せめて収録してほしかったんですがロスプレミアとか見てても、あのセピアポスター出回っているのはどうやら日本だけのようで残念。ていうか劇場で販売しているパンフレット・・・4枚載っているものと思ったらトムだけだったのがショックでしたが・・・今からでも販売求む!ワーナーさん!

それはさておいて本編の感想・・・
まさかタイトルロール前に勝元@謙さんが登場するとは思わず驚きました。けれど、このタイトルロールである「ラストサムライ」こそ勝元のことでしょうし、最もな登場の仕方なのかもしれませんが・・・(一度目エンドロールを見た時に謙さんの名前がトムを差し置いて一番に来たので興奮しましたが、よく見ると出演順だったのね。苦笑)
この冒頭、勝元の夢か幻の中で白虎が現れます。何度も映画を見たり衣装展やグッズを見てやっと気付いたのですが、勝元の旗印は虎で、家紋も虎の爪、そして兜には虎の顔、鎧にも杏葉(ぎょうよう)や籠手(こちら参照→http://www.iz2.or.jp/fukusyoku/busou/index.htm )に虎や、虎にはつきものの笹がデザインされているんですね。オールグレンが勝元軍の旗印を手に抵抗していたので必然的とはいえ、この冒頭での「虎」は勝元にとって運命をともにする救世主か同志が表れることの象徴だったのでしょう。結果的に勝元は命を落としますが、異国人ながら彼を理解し、救い出し「(刀が命を奪うのが同じなら自害ではなく)敵の刀に倒れ、天にあなたの声を届かせよう」と勇気付け、文字通り「戦友」を得、その「戦友」であるオールグレンの介錯で死を遂げられたことを勝元はどれだけ感謝したことでしょう。そして観客である私も勝元はオールグレンという彼の魂の分身、合わせ鏡の半身を得たのだ、と救われるのです。

この映画の感想やレビューを方々で読むと、「どうしてオールグレン一人が生き残るのか納得がいかない」という感想もありました。私も正直なところ一度目は「本当によい作品だったけど、やっぱり最終的にはトム主演映画なのねー」感も拭い去れなかったのです。しかし見る回を重ねるうちに、オールグレンがいてこそより勝元の魅力が増し、互いになくてはならない存在だったのだと思うようになりました。
エンディング、オールグレンが淡い恋心を寄せた、たかの元に戻るというのもハリウッド的なラストだったかもしれませんが、あくまで語り手の通訳グレアムは「大尉のその後は誰も知らない。けれど私は願いたい」と、彼の希望を述べるにとどめ、観客にもせめての希望を与えこの作品を結ぶという形をとっているのは正解かと。そうでなくても勝元の村、男手全滅(泣)で悲嘆にくれているでしょうから、飛源くんやたかを悲しませないためにも彼一人くらい生き残って戻ってきてくれたっていいじゃないですか。
というか、オールグレンが生き残らなければ、誰が天皇の耳に彼の声を届かせることができたのでしょう。私は勝元の最期も涙しましたが、明治天皇とオールグレンのやりとりも強烈に心に残っています。

"Now we have railroads and cannon and Western clothing.
But we cannot forget who we are. Or where we come from."
(我々は既に鉄道、大砲、西欧の衣服を手にした。
しかし日本人たること、そしてこの国の歴史と伝統を忘れてはならぬ。)

ここ号泣。これって現代にも言えることですよね。外国かぶれて日本製のものや時代劇や日本の歴史を軽んじたり、無知な人も多いもの。まぁ私も偉そうなこと言えるほど熟知してるわけではないけれど、京都人としては外国人を京都案内するのや海外で日本のことを紹介するのが好きだったりします。でも日本紹介が好きな人じゃなくても、海外旅行でも留学でも、日本人以外の人に出会い仲良くなる時に「日本から来た」と言えば、「日本のことを教えてくれ」という会話になることはあると思うんです。そうした時に初めて、どんなに外国に憧れてもいかに自分が日本人であるか、そして日本について無知であるかに気付くのではないでしょうか。この映画を見た人たちとも話していたのですが、「素晴らしい映画を作ってくれてありがとう!」という気持ちもさながら「ハリウッドにこんな素晴らしいサムライ映画(時代劇?)を作られちゃっていいのか?!」という気もしました。そういう意味で少し毒を吐くとすれば、謙さん他キャストの皆さんの演技が素晴らしいのは確かにこの作品で顕著だったかもしれない。けれど海外の雑誌や新聞、業界で評価されたり、賞にノミネートされたり受賞されたからといってそれから手のひら返したように見直すとは、キミら気付くの遅いんじゃーーー!!!爆

とまあ 少し熱くなってしまいましたが、ちょっとつぶやいてみた程度で本気で怒っているわけではないのでご安心を。笑 けれど、この映画を見て考えさせられた人が世界に大勢いらっしゃるであろうことは庵掲示板の反響からだけでもわかりますよね。(庵以外のネット上でも話題になっているし、ネットしない人口も圧倒的に多いから)また、この作品で素晴らしいと思った描写の一つが各登場人物への主人公オールグレンが心を開いていく時期や度合いが人によって違ったこと。対勝元、対たか、対氏尾、対飛源 などで心の開き具合が違うんですよね。

「会話」を通してオールグレンを知ろうとする勝元に対して、誘導尋問のようにポツリポツリと応答し、次第に心開いていく様。

自分が殺めた侍が世話になっているたかの夫であったと知っていつか詫びたいと思いながら、いつしか恋心を抱きながら見つめてきたたかに対する心の寄せ様。

異国人として奇異の目で見られたり、様々な思惑の中で邪心なく心を開き、なついてくれる孫次郎、そして飛源に対する態度。

そして頑なに「攘夷」の信念を曲げないかに見えた氏尾は剣術指南を通し、相打ちになった時無言で頷いたことでオールグレンを認めていた。氏尾の台詞は少ないけれど、決戦出陣する時にオールグレンの鎧を直してやるシーンも含めて、語らずしてオールグレンを受け入れた様は明らかに伝わってきました。

その辺りの描写もエドワードズウィック監督お見事。
まとまりないのですがここから、各キャラクター、場面、台詞を振り返りながらコメントしたいと思います。

■ボブ@福本さん考
Silent Samurai(寡黙な侍)こと福本清三さん演じるボブも勝元の命でオールグレンを見張っていたのか、警護していたのか・・・一方的にオールグレンに「ボブって呼んでいいか?」とか言われる下りなどは劇場で笑いがおこっておりましたが、最期、身を呈してオールグレンを守り、発した最初で最後の台詞「オールグレンさんっ!」は数少ないボブの意思表示で、感動的でした。それに対しオールグレンの「ボブっ!!」は泣いていいものやら笑っていいものやら複雑でしたが微笑ましいことに変わりはないかと。

■たか@小雪さん考
小雪嬢・・・実は当初「イメージわかないなぁ」と思っていたのですが私見直しました。失礼しました。オールグレンが別れを告げた時のおろし髪姿綺麗でした・・・オールグレンに鎧を着せるシーンは、切な気で良かったのですが欲を言えば、口付けはなくて、最後のオールグレンの肩に頬を寄せるシーンだけでもよかったかもしれない・・・でも大方のハリウッド映画なら容易にベッドシーンを入れかねないのに軽い口付けにとどめてくれたのはありがたかったし、欲を言ったまでで、あのシーンでも十分情感は出ていて良かったです4
ただ、(たか@小雪さんにツッコミ入れても仕方ないけど)たか、チラチラ見せすぎだー!ちゃんと襖は閉めときましょう!爆 あと、鍬もね。(謎)

■飛源&孫次郎考
孫次郎は「はなー」「みみー」がかわいすぎだ。爆 あと最初の食卓でしかめっつらするシーンもねw
衣装展で見た孫次郎の着物もちっこくてかわいかったな〜

食卓シーンのツッコミはさておき(苦笑)飛源くんも最初は「わかるわけないだろ・・・」とかつぶやいてるのにまき運びでじゃれたり、「侍」って習字あげたり(「待魂」じゃなくてよかった4)どんどんオールグレンと仲良くなっていってオールグレンに「行かないで」と涙で訴えるシーンは泣かされたよーーー!いやぁ将来が楽しみな子役君たちですな。

■大村@原田さん考
大村の役もある意味、あれだけ憎たらしく思わせるってことは上手いのかもしれない。ファン的には勝元@謙さんに敵対してる時点で既に大村、分が悪いんですが・・・苦笑 前半、勝元軍に鉄道を爆破されたことに憤慨し「「私の」鉄道は最優先事項だ」と発したり、戦場でついに本心から「勝元を殺せ!メリケンを殺せ!」と発したり(あんた、天皇にそのアメリカ人と条約結ばせようとしてるのに結局本心はそれか>メリケン呼ばわり みたいな。)
ラスト、帝の前にオールグレンが現れたときも自分が殺したも同然なのにいけしゃぁしゃぁと「勝元の死を悼む心は皆同じです・・・」とかほざくし憎たらしさ倍増。少し悪役過ぎたのはハリウッド的だったかもしれませんがこの方が憎たらしいことこの上ないためにクライマックスの感動も倍増するわけですね。
特にオールグレンに「戦闘には帝国軍はまだ未熟だ」と拒否された時のまぶたピクつかせてたのは拍手。

■通訳グレアム@ティモシー・スポール考
この作品で描かれているお笑い部分担当ですよね。グレアム君。笑 通訳なのに貴方の日本語が一番おかしかった4!あのオールグレンに「アメリカ大統領?」と聞かれた直後の台詞、字幕では「吐き気がしてきた」になってたけど"It has made me sick." だったのかなぁ?
"I made a mistake." だったら「口が滑った・・・」とかでしっくり来る気がするんだけど・・・
まぁ彼が冒頭とエンディングのナレーションしているように彼が語り部なので大事にしなければなりません。笑

■明治天皇@中村七之助くん考
明治天皇の役も、「他の役者さんの方がー」という意見も見かけましたが、私はあの悩める等身大の青年らしさがよく表れていて七之助君で適役だったと思います。勝元に対しての台詞「どうすればよい、教えてくれ」なんかにも表れていました。またラストのオールグレンと大村と3人のシーンは感動。
"Tell me how he died." (勝元がどのように死んだか教えてくれ)
オールグレン答えて"I'll tell you how he lived." (どのように生きたかお話しましょう)

たどたどしい英語も、ある意味天皇らしくて良かったです4 それから謙さんのGG賞ノミネートに喜びのメッセージがテレビで紹介されていたのも個人的に嬉しかったぞ!七之助君!

■バグリー@トニー・ゴールドウィン考
この方も大村ほどではないにしろ、ハリウッド的勧善懲悪の悪役で分が悪いですが、インタビューで仰っていた言葉が印象に残っています。
「私の役が、他の国を支配し、自分達の文化を持ち込もうというその時代のアメリカ人の姿勢を代弁しています。」

       まさにそれ!

この作品が絶賛される一方で、批判する新聞社もいくつかありました。その中で批判の根拠の一つが「このバグリー役のトニー・ゴールドウィンは登場するとすぐそれと分かる悪役俳優だ」というワケのわからんものがあって笑えましたが(悪役常連俳優使ってることを批判根拠の一つに数えるってどうよ?笑)

作品中でバグリーの台詞「一つ知りたい。何故君は自分の国の人間を嫌うんだ?」
というのがありましたがこの質問ってこの作品を批判する米国人の心の代弁だと思うんですよ。『ヒマラヤ杉に降る雪』をカナダで見た時、カナダ人の友達に「この作品が素晴らしいだけでなく、ハリウッド映画でアメリカ人を悪く書いていることに驚いた」と伝えたら「だから良い作品なのにアメリカでは評価が低かったのかもしれない」と言われました。(イーサンホーク演じる主人公は工藤夕貴演じる初恋の日系移民を助けるために奔走しますが、日系人に対しあからさまに悪意を見せるアメリカ人も描かれているのでその点を指してます。興味のある方はご一見下さい。)『ラスサム』では、トム演じるオールグレンは上官の命令とはいえ罪なきネイティブアメリカンの一部族を全滅
させたことを悔い、その悪夢に悩まされ、冒頭から日本での稼ぎ口を紹介する上官にも不快感、敵意を顕にしますが、この悩まされる姿がキャラクターをより人間的なものにするかわり、この作品を否定する人がアメリカ人だとしたらその人たちは自分達の祖先が日本という遠く小さな異国や異民族を蹂躙したり、他国に入り込み私欲を満たしていたことを批判されているみたいで、アメリカ人が悪者扱いされている部分があることが納得いかなくて批判してるんじゃないかと・・・(って書いたら私が槍玉にあがる?どきどき  まぁ批判するのはアメリカ人に限らないでしょうし私のくだらん推測ですがこの話をしたら「それは一理あるかもしれない」と言って下さった方もいました。)

■氏尾@真田さん考
個人的に『独眼竜政宗』、『織田信長』でもご共演されている真田さんとハリウッド映画、それも時代劇(!)で三度ご競演!というのが嬉しくてたまりませんでした・・・しかもインタビュー記事でも「謙ちゃん」「ヒロ」と呼び合う仲良さげなお二人・・・w 六本木ヒルズでのラスサムプレミアでは謙さん、真田さんにタックルして抱きついておられたし・・・爆
京都プレミアでは感極まって言葉につまる謙さんに「殿っ!」という合の手(愛の手)が嬉しかったです4!対談とか何か番組ご一緒に出て欲しい〜〜!2ショットが見たい〜〜!!(って「氏尾」じゃなくて「真田さん」語りじゃん)

にしてもさすがJACご出身!な氏尾の殺陣は見事であらしゃいました・・・
例の雨の中オールグレンを打ちのめすシーン・・・真田さん雑誌記事で「男の濡れ場」っつってたよ!!(爆)また台詞少ないんだけどどれも乱用しちゃいたいくらいツボで・・・「一人も逃すな!」とか「大事ない!」とか。氏尾の「殿」という台詞に英語字幕で"My Lord"って出た時はもうこれから謙さんのこと "My Lord!"って呼ぼうかと思っちゃいましたわ。笑

頑なにオールグレンに敵対心を顕にしていた氏尾も剣術指南を通して認めていく過程は、台詞も説明もないけれど十分伝わってきました。相打ちで無言で頷く前にあったシーンで、氏尾が剣の稽古中、巡回していてオールグレンを見ると、勝元たちも馬で通りがかり、黙って頷き稽古相手を代わり、オールグレンを打ち負かすシーン。ここも台詞はないのに、氏尾、オールグレン、勝元の三人の無言のやりとりがイイ。(オールグレンが打たれるのを見て「やれやれ、まだまだか・・・」みたいに馬上ながら綺麗に踵を返していかれる勝元も・・・踵返すの美しすぎだっ!)
そしてお茶を点てたり、出陣前の舞・・・氏尾は武芸だけの人ではないのですよね。戦場でも舞を舞っているかのような戦いぶりであらしゃいました。
サントラ聴いてるともう「ああ、ここは皆が命を散らしているシーンだ」とか「ああ桜が散ってる・・・」とか思いながら聴いちゃうんですが(苦笑)氏尾の死に様も天晴れでしたね。一度撃たれてるのに全然平気そうにしてたのはビックリしたけど。笑(いや、「さすがだ!」と言うべきか?)
それからあのバイソンまたはバイキングみたいな兜重そうだった・・・一度抱えてた兜をかぶるシーン、グラグラしてました4・・・笑(しかしバンダナして下まぶたに墨(?)入れている氏尾を見て某海賊船長思い出したのは私だけではあるまい・・・)
ホント殺陣シーン大変だったみたいで、真田さんだったからこそ成し遂げられたんだろうなーそして出番なくても徹底的に「とんでもハリウッドサムライ映画」になりかねない描写をMr.Superviserとして謙さんとともにご意見下さったという真田さんに感謝。

■オールグレン@トム考
すいません。実は一度目オールグレン=トムを過小評価してました!
というか何を隠そう、謙さんがこの作品にご出演が決まり、撮影が始まった時も全く眼中になかったんですよ。トムクルーズさん!爆 この辺りも嘆かわしいところだと思っていたのですが、誰か有名なハリウッドスターやスポーツ選手が来日すると狂ったかのように騒ぎ立てる一部の日本人たち、というかミーハー心見え見えのリポートとも思えないワイドショーのリポート見る度に興ざめしてたクチなんですが(毒)、みるみるうちに撮影内外で仲良く打ち解けていかれるキャストの皆さんの様子を拝見したりインタビューでのご発言をお伺いしているうちに、人間的に凄く出来た人なんだなぁ、ファンを大事にする人なんだなぁ、この作品を制作してくれて本当にありがとう!とどんどんトムの評価はあがっていたのですが(苦笑)今回の映画を通して、役者としても凄い人だなぁと実感しましたよ。
トム、そしてトムファンの皆さん、私が間違っていました・・・すいません!謝罪
何より、ズイック監督自身が人の成長や表情を撮るのが上手いということもあるのでしょうけれど、この作品は本当にオールグレンの心の成長を描いているのですね。
例えば土足で室内にあがったオールグレンが、たかが無言で床をふいているのを見て、次からは戸口できちんと靴を脱ぐとか、当初食卓で居心地悪そうなオールグレンとか(外国語で言われてる内容はわからずとも良くは言われていないんだろうと推察している様子とか)台詞がなくとも情景で読み取らせるシーンが多く良かったです。
異文化交流の様はまさに、日米映画界(というか厳密には「日本人俳優たちとハリウッド」が正解?)が協力しあって、真剣に意見を交換し合い、分かり合いこの作品を作り上げていった過程とも重なるようでした。
それから、公開前まで少し嫌だったことの一つは、謙さんたちが日本では実力派俳優として有名でも海外では無名だったので仕方がないとはいえ、この作品が「トム主演映画」というのが「売り」にされて、トム=オールグレン一人が「ラストサムライ」かのような宣伝の仕方にも納得がいかなかったのです。(毒) 
しかし繰り返し見るうちに確かにタイトルロールは勝元のことであることに間違いはないのでしょうが、その意志を受け継いで天皇の耳に届かせた、また天皇に奏上する時にオールグレンが発した「陛下、私を反徒と思われるなら 死の御下命を。喜んで命を断ちます。」という台詞からも、いや幽閉場所から勝元を助け、死を覚悟した闘いに挑んだ時から、あるいはその前から彼も最後の侍の意志を受け継ぐ「ラストサムライ」であったのかもしれないなぁと思ったのでした。私は京都でキャストの皆さんの感激っぷり目の辺りにしている分余計感慨もヒトシオです。いやホントに・・・ゴールデングローブ賞・・・謙さんの助演男優賞と共にトムの主演男優賞ノミネートおめでとう!受賞してくれたら嬉しいですね!

■勝元@謙さん考
いやもう一度目より二度目、二度目より三度目と回を追うごとに泣けました。このシーンで泣きたいなあと思っていたシーンで落涙できて良かったです。謙さんの他作品で「この作品は泣くだろ、おい!」という作品でも実は泣かなかったことがあるので(爆)、『ラスサム』でも泣けなかったらどうしようかと思っていましたが見れば見るほど泣けて良かったです・・・

作品そのものも素晴らしかったけどこれだけは言わせて下さい・・・
ホント perfect!でした・・・渡辺謙の芝居!!!
"Perfect. They are all perfect."  って、勝元は発するけれど完璧だったのは貴方の演技だーーー!!!みたいな。台詞がないシーンでもその眼力と表情で他を圧倒するその存在感は相変わらずご健在で初めて謙さんの芝居を目の当たりにした海外の人たちは度肝抜かれたことでしょう。そりゃ、GG賞ノミネートされたりアカデミー賞もささやかれもするわ!まぁ私ら謙さんファンはその魅力、演技力、実力知ってたけどねーみたいな。笑

特に息子が撃たれて取り乱すところ、それを氏尾にとめられて息子を置いていくと心に決めて最後に息子を見つめるその表情。泣きたいと思っていたシーンの一つで、今回心置きなく泣けました。あの悲しみから覚悟というのか、武士の顔に戻るというのか表情が変わるのもさすがでした。

天皇に退けられ失意の焚き火シーンも大好きで・・・(ガイドブックp114参照)刀を愛しそうにさする仕草も、表情も。狂言のシーンのおどけた表情も、勝元さん面不要の百面相ぶり。

まさに最期の少数騎馬隊で大村たちのもとに決死の突撃する直前の、オールグレン、氏尾と三人馬で並ぶシーン・・・悟りきったのか覚悟を決めたからなのか全てを達観したような清々しく涼しげな表情も忘れられない。

そしてこれは勝元に限らずいえることですが何より殺陣シーンは凄まじかった。日本の時代劇だと「魅せる殺陣」的決めシーンがあったりすると思うのですがそんな余裕は与えない本当に「命懸けの死闘」でした。(あぁ そうか。主人公のオールグレンの「魅せる殺陣」は氏尾との相打ちシーンや大村の刺客に襲われた時のシーンなのか・・・)いずれにせよ殺陣師ニックとそれをやってのけた出演者の皆様に脱帽・・・本当にお疲れ様でした。

忍者バトルシーンについては、何故かハリウッドや海外の人って「ニンジャ」が好きですよね。苦笑(ちなみにハリウッドのニンジャ映画によく出てらっしゃるのが謙さんと同名のKen Watanabe氏。今後は方々でプロフィールを間違われないことを祈るばかり・・・)
当初『ラスサム』にもニンジャが出ると聞いて不安がよぎりましたが、大村の差し向けた刺客としての描写は思っていたより違和感もなく、何よりこの死闘を通して勝元はそれまで次第に会話を通し探りあい、少しずつ心を開いてきたオールグレンを「敵ではない」と認めるので欠かせないシーンでもあったわけですね。

他に印象に残っているシーンとしては、たかがオールグレンの傷を縫合する傍ら甲冑姿でたか、オールグレン、そしてオールグレンの日記を見つめる勝元の視線と表情、また在所でその日記を読む姿やオールグレンを捕らえて何故殺さないのか氏尾に問い質されるシーンの横顔も好き・・・
そしてラスサムCMにも使われている、桜を前に武士道を語るシーンで天を仰ぐところ・・・
この場面は台詞も深く、「武士道」というこの作品のテーマでもある侍の生き方を勝元がオールグレンに語る重要なシーンでもあり、勝元の最期のシーンのキーアイテム「桜」キーワード「perfect」ともリンクしています。

また勝元は剃髪なのでやはり似合うんだなあ、読経姿が。笑 色っぽいんですよぅ。身のこなしも表情も。以前から感じていたことではありますが、今回特に実感したのが踵を返す謙さんの美しさ!天下一品ですね!謙さんには新たに「世界一綺麗に踵返す男」の称号も差し上げたいと思います・・・笑

そしてやはりコスプレキング!
鎧兜も袴姿も、直垂姿も、御前会議に現れる紋付羽織袴姿もそれはそれは麗しくクラクラしました。特にパンフレット「衣装」ページに勝元の鎧姿がアップで載っていたことに心で「コスプレキング渡辺謙」に万歳三唱していたのは私です(爆)京都伊勢丹で作品に使用された衣装展を拝見できたのはよかったけど、贅沢言えば殿の陣羽織と直垂も見たかったー!
しかしコスプレキングなのはファンが戯言で言ってるだけではないのです。公式ガイドブックp120参照 きちんと鎧に対しても衣装担当者にご意見されたようです。ただこの公式ガイドブック・・・笑えるのは英語版ガイドブックを日本語訳したのであろうことがよくわかるのが「謙さんならこんな話し方しねぇー!!」という語り方表記なところ・・・笑 ちなみに私が庵で英語記事を和訳する時は一応謙さんの語り方を想定して訳してマス。公式ガイド本例:「改良して欲しい点を伝えたんだ」「読んでもらったんだ」(余談ながら外国人のインタビュー日本語記事になると決まって「〜〜たんだ」「〜〜だよ」口調なのはナゼだ・・・笑)

特に終盤の戦闘シーン・・・謙さんはインタビューで「勝元役を演じたというよりも勝元として生き抜いた」と仰っていたけれど本当に生き抜いてましたよね・・・あの生傷どこまで本物なんだろうかと心配したくらい。(メイクであることを祈ります)勝元の最期・・・あの "Perfect." を言い終えた時に落涙する、しかも片目からポロポロと落涙するのは技ですね・・・この辺りも涙止まらなかったです。またハンス・ジマー御大の荘厳な曲が涙を煽る煽る・・・

そして職業柄大注目だった謙さんの英語。thの音やsとshの音も素晴らしく、perfectでした・・・さすが特訓の成果が!ただ英語の台詞を喋るだけではなく、きちんと感情を含んだ抑揚や演技は英語圏の方にも伝わったと思います4 スクリーンプレイ欲しいーー!発売してくれーー!(って公式ガイドブックは主要なシーンの台詞やト書きまであってかなり充実していますがやはり全編欲しい)残念なのは、日本語圏、英語圏の方以外は吹替えになると謙さんの演技を100%は楽しめないであろうこと。私、謙さんの声も大好きなのでそういう意味でも「(謙さんと同じ母国語民である)日本人でよかった!」と思わせてくれる映画であらしゃいました・・・
そして撮影後も向こうの映画宣伝活動の一環で英語で応答される謙さん、めきめき英会話力つけてらっしゃる様子が嬉しいやら羨ましいやら恨めしいやら(おいおい)。 今後も世界でご活躍されることを応援したいですね。

キャラクターごとにコメントを、と言いつつやはり作品の感想としては全編、各キャラクターとリンクするところがあり、いつもながらまとまらないままダラダラ書き綴ってしまいましたが、この作品を通して感動したこと、考えさせられたこと、少しはわかって頂けると嬉しいです・・・てなことでまだ何度か劇場に足を運ぶと思いますが(笑)ひとまず感想はこれくらいに・・・本当に素晴らしい作品を、魅力あふれる勝元をありがとう謙さん&ラスサム製作関係者の皆さん!ビバ!ラスサム!

オマケ・・・
■勝元食事シーンの謎
気になったこと・・・食事シーンの重箱の隅つつき(苦笑)はさておき・・・
「勝元は食事をどうしていたのか・・・!!!」笑
息子の信忠はたか達と食事を共にしていたのに勝元は一体・・・?!というか「あの渡辺謙に限って食事シーンがないなんて・・・!」爆 氏尾っちたちと寿司や餃子、ハンバーグ持ち寄ってポットラックパーティーしてたのか?(違う違う)でも男だけで自炊してたんだな、きっと。

■虎・・・
作品における「虎」が象徴するものは上記の通り、マジメ(笑)なものだとはわかりつつ、謙さんが阪神ファンと知る私にはウケました・・・w勝元@謙さん・・・阪神ファンだから家紋も旗印も鎧兜も皆虎づくしなのね・・・みたいな。
謙さんも虎グッズに囲まれてさぞかし喜んでおられたに違いない・・・(違う)
あ・・・それからもう一つ詫びなければならないお笑いネタが・・・オールグレンが奪い抵抗した時に用いた勝元軍の旗印の虎・・・初めて見た時から「虎屋」の「虎」に見えて仕方なく(爆)、お歳暮と称して「虎屋」の羊羹を謙さんの事務所に送りつけたのは何を隠そうこの私だ!(大笑)いやー2004年も日本一目指してタイガースには頑張って頂きたいものですね!(笑)

■斬さま&貫一郎
感想掲示板で少し触れた『御家人斬九郎』や『壬生義士伝』を彷彿とさせたシーンというのは
▲敵将・服部の切腹介錯シーン
介錯といえば『御家人斬九郎』主人公・松平残九郎の片手業(裏稼業)は罪人介錯・・・『忠臣蔵1/47』でも『壬生義士伝』でも介錯人やっておられましたが・・・笑 でもこの服部さんもニヒルで渋かったなぁ。介錯の後、勝元の一礼まで写してくれたのが嬉しかった。切腹者に敬意を表し礼を尽くしている部分、外国の方にも伝わってるといいな。
▲勝元上京し、天皇に謁見シーンにて勝元の台詞
「御上は一天万乗の天子にあらせられます。」
『壬生義士伝』でも主人公吉村貫一郎の台詞で「一天万乗の天皇様に弓引く気はござらねども拙者は義のために戦ばなり申さん!お相手いたす!」というものがあるのですね。立場は違うのですが、どなたかも仰っていたけれど斬さまも貫一郎も勝元も思えば皆「ラストサムライ」だったんだなぁ・・・涙


2004/1/7 脱稿



 『巌流島〜小次郎と武蔵』 佐々木小次郎役

ジェームス三木脚本による、新解釈「巌流島の決闘」ドラマ。実は武蔵・小次郎の対決の背景には細川家親子の確執に関する権力闘争があったとする新解釈で、小次郎と武蔵は陰謀に巻き込まれていく。小次郎は武蔵に敗れるも,蘇生後、細川家藩士によって止めを刺される。それを裏付ける歴史的史料もあるらしい。

今年の大河ドラマは吉川英治原作「宮本武蔵」(「武蔵 MUSASHI」)ということでそれにあやかって滞りまくっている謙さん作品の一つ「巌流島〜小次郎と武蔵」のコメントをアップしようとは思っていたのですが、私が個人的に多忙だったり、今年の大河はあまり見ていなかったこともあり(苦笑)こんなに遅くなってしまいました。しかし9月7日から豊臣秀頼役で謙さんのご子息・新晋一郎くんがご出演と知り、「宮本武蔵」作品を色々借りてきて比較楽しんだりしている今日この頃。とりあえずテレビ東京10時間時代劇上川隆也さん版とNHK水曜時代劇役所広司さん版総集編とあわせて謙さん版「巌流島〜小次郎と武蔵」見直してみました。と言っても吉川英治原作小説読んでないので偉そうなことは言えませんが。苦 しかし武蔵が主人公の話では小次郎はなんでこうも気障で嫌味な男なんだろうかと思ってしまうのですが・・・当然ながらジェームス三木氏脚本の小次郎@謙さんは男らしく、潔く、武士らしい魅力全開の役でございます。

衣装的にポニーテールカツラ(笑)も決闘時の下ろし髪や陣羽織も小次郎役の方が派手で、コスプレキング面目躍如な感じですね。笑 でも他の武蔵主人公作品と異なり渡辺小次郎は普段から始終あんな派手なカッコでウロウロしてません。爆
そして謙さんの謹厳実直な佐々木小次郎に相対する武蔵役は滝田栄さん。
薄汚れた感じ(失礼)ながらも隠れた男の色香が!渡辺謙 VS 滝田栄ってのも贅沢な競演ですよね。

音楽が「炎立つ」担当の菅野由弘さんなので一層悲壮感が・・・そしてさすがジェームス三木作品!と思うのが言葉遣い・・・政宗で聞きなれた台詞オンパレード 爆 また違った楽しみ方をしてしまふ・・・笑 「埒もない!」「さにあらず!」「執着至極に存知奉りまする」「申すに及ばず!」などなど。
そして鷲尾真知子さん演じる武蔵に絡む(笑)遊女が緊迫する話に笑いを誘います。政宗の時のお東の方侍女・お茶子もそうでしたがお笑い担当なのね。上手いなぁ。笑 松村達雄氏演じる武蔵の父・無二斎もいい味出してます。さすが「うさじい」!←違っ

小次郎側のロマンスとして名取裕子さん演じる鈴香とのラブシーンがありますがさすがNHK・・・決闘前までプラトニックだった二人が結ばれるシーンも単(ひとえ=当時の下着で白い衣)で向き合いフェイドアウト後、同衾して抱き合っておられました。爆 政宗もこんな感じでしたよね。ラブシーン。
それを思えば「北条時宗」の時の第一話と第十一話での時頼@謙さんと涼子@浅野温子さんとのラブはNHKにしては頑張ってたよな。(あぁまた話がそれた)

イメージとしては「謙さんには宮本武蔵役を!」という方も多いかと思うのですがあえて小次郎をキャスティングしたジェームス三木さんかNHKさん、あっぱれですね。謙さんご本人も当時のインタビューで同様に思われたようです。>「自分は武蔵型だと思っていたので、逆転の発想というのか、感心した。そんな小次郎の一面はあまり描かれたことがないだろうからやる方は面白い。」
『炎立つ』の藤原泰衡などもそうだと思うのですが歴史的には逆賊扱いされた役も謙さんが演じられると、きっとそこにはやむを得ぬ理由があったのだと同情せずにはいられない、文字通り悲劇の主人公になりますね。他の武蔵主人公作品での小次郎は気障で嫌な男(苦笑)なので感情移入できないのですが、武蔵主人公作品でももっと小次郎を魅力的に描いてくれれば作品や登場人物に共感し感情移入できて、巌流島の決闘も手に汗握って複雑な心境で視聴者も見守る緊張感があると思うのですが・・・小次郎と、小次郎が討ち果たした者の未亡人・鈴香とのほのぼのシーンや遊女と武蔵の笑いのシーン、そして小次郎の部下と小次郎を愚弄し相対する一派の悶着や細川忠興正室(泉ピン子さん)と忠利(榎木孝明さん)とのバトル(?)など話に緩急があって見応えがあるのはさすがジェームス三木作品?
武蔵・小次郎両者暗殺という真相を知り小次郎を直属の家臣とする蟹江敬三さんが理不尽に憤る姿に視聴者も憤りヒトシオ。こんな理由であの決闘が仕組まれたのであれば小次郎も武蔵も哀れすぎる。幸い武蔵は生き延びますが、船島(現・巌流島)から逃げ出すのが一足遅ければ二人とも「相打ち」という名目で暗殺されていたでしょうから。武人として一度挑まれた勝負を辞退するわけにもいかない侍魂を巧妙に利用した陰謀なのがなおさら。

小次郎が目を見開いて倒れるシーンは迫力です。武蔵の一撃をくらうシーンもさながら細川藩士に撲殺されるシーンは圧巻。渡辺小次郎の最期見逃すまじ!

マニアックな楽しみ方をしてしまう私としては役所さん版で朱美役だった池上さんが上川さん版でお甲役に成長というか昇格?していたこととか、夏八木勲さんが謙さん版でも2003度大河版でも細川忠興役なのに支持する側が違うこととか、大滝秀治御大も細川家家臣(謙さん版)だったり奥蔵院日観(上川さん版)だったりキャスティングも楽しかったですわ。(←また見方間違ってる モックン主演の型破り武蔵「巌流島」も楽しみだったりする。私的には今のところ上川武蔵と鶴田お通がイチオシでございます。)謙さんの武蔵も見てみたいけどもうご存知モノのご出演は敬遠されるのでしょうか。>藤原の郷トークショーレポ参照
また同じ題材の作品や同時代の敵対した役を演じられるのも複雑なのかもしれませんが、これからもまだまだ謙さんの歴史劇・時代劇ご出演が見たいですな。

2003/9/15 脱稿



『町奉行日記』 望月小平太 役

山本周五郎原作。新任の町奉行望月小平太≠ェ藩の汚職の舞台になっている「濠外」の摘発のため着任するが、全く奉行所に出仕せずお忍びで事件を解決する、というお話。この作品は謙さんご自身「斬九郎の原型キャラ」と仰ってるので「御家人斬九郎」好きな方には一度ご覧頂きたい作品・・・(つってもこれもビデオ・DVD化されてるわけではないのでただひたすらCATVやスカパーでの放送かソフト化を待つしかないか・・・欝)少なくとも能村庸一さん著「実録テレビ時代劇史」に撮影裏話が載っているのでご参照下さい。

しかし実のところ音楽も話の展開も暗くて当初あまり好きになれなかった本作だったのですが、同じ原作の映像化作品・役所広司さん主演・市川崑監督映画「どら平太」見比べたら、これ以上に暗くてびっくり(笑)。謙さん版の方が音楽も照明も雰囲気もどのキャラクターもお話自体も百倍明るくて謙さんの「町奉行日記」好きになってしまいました(爆)うーむ、役所さんも謙さんと時代劇で競演して頂きたい俳優さんだし、市川崑さんも一度謙さんとご一緒にお仕事して頂きたい監督さんではあるし、制作は「御家人斬九郎」の映像京都さんなんだけれど、母と二人で見始めてかなり始めの頃に出た結論。「謙さん版の方が断然イイ・・・!」爆 映画という媒体なだけでソフト化が約束されたり、賞の受賞があったりするのに、TV作品でどんな名作傑作があっても評価が低すぎると思うのよね!納得がいかない・・・っていや、個人の趣味の問題かもしれないけどさ。苦笑 むしろ役所さん&浅野ゆうこさん&市川さん&映像京都で「盤嶽の一生」っぽかったです。役所さん版の望月小平太・・・(ってどんどん話ずれてるよっ!汗)

でもこの小平太@謙さんよりも’91年仲代達矢さん主演版「忠臣蔵」の赤垣源蔵の方が斬様っぽい!!と個人的には思ってたんですが、「どら平太」と比べると謙さんの望月小平太も確かに斬様の原型っぽく、愛着が・・・(笑) 髪型も謙さんは月代より総髪や御家人虫入り、いっそのこと坊主の方が似合うわーって思ってましたが、本作で考え改めましたw 月代も似合うよ、うん。
また「遠山の金さん」みたく髪を町人風に結いなおして潜入捜査するし、「濠外(ほりそと)」の親分さんたちと仲良くなっちゃったり、国家老たちに軽妙な口上たたいといていきなり上意読み上げる時は相変わらずの威厳だったり、また着流しの裾まくしあげてふんちらサービスも忘れない・・・平さまステキッ!(←阿呆) いや、かわいかっこいいんですよ とにかく謙さんの小平太が♪そりゃこんなお奉行様だったら親分衆も兄弟杯交わしたり、憎みきれないや・・・みたいな。
また蔦ちゃん@若村さんにはかなわないけど池上希実子さんの芸者姿も気風もいいし美しくてイイです。しかし気苦労は蔦ちゃん以上みたいで大変ねーTV版斬様は女遊びしてなさそーだったし。笑 そしてセットもわざわざこの作品のために琵琶湖の近くに橋とかオープンセット立てたみたいで、この辺も謙さん版に軍配だなあ。(もう比較はええって)橋の下を小平太@謙さんが船で往来するシーンも印象的。
そして名高達郎氏との一騎打ちが圧巻。これも「実録時代劇史」にありますが、「弐十手物語」つながりなのよねw名高さんの子分役だった謙さんも今や主演・・・ましてやハリウッド進出ですからね〜ファンとしても感慨深いです。しみじみ。クライマックスの黒幕との対峙シーンもよくて、ビデオ改めて見直してみると第一印象よりよっぽどいい作品だったなぁと。最初何見てたんだろ、私の目ってば節穴だったのねっ!精進しますっ!

2002/1/3 脱稿



『北条時宗』 北条時頼 役

2001年NHK大河ドラマ「北条時宗」の主人公 北条時宗(和泉元彌さん)の父・第五代執権北条時頼役。(但し書きしておきますがあくまで謙さん作品コメントなので大河「北条時宗」作品コメントではありません。あしからず。いや、時頼様死後それなりに「あらしゃいます」とか「し、心の臓が!」とかツッコミ所や名場面もあったのですがご容赦下さい。笑)

■第一話「鎌倉大激震」■
時宗の両親・時頼と涼子の出会いシーンからやってくれます・・・かず4好物の流鏑馬・・・(←馬術部や弓道部に憧れた人・・・そして下鴨神社の流鏑馬好き)ただ残念ながら毛利季光(高橋英樹さん)息女・涼子(浅野温子さん)の方が時頼よりも腕が上で負けちゃうんですよね。しかも涼子の腕前に口開けて見入っちゃう時頼さま・・・お二人とも若作り(爆)特に涼子のカツラはちょっとムリがあるような(禁句)個人的に涼子は時頼死後の方がカツラも装いも落ち着いていて好きでした。しかし謙さんファンにとって浅野温子さんとの共演といえば忘れられないのは共演かなわなかった「天と地と」での上杉謙信&乃美(謙信と幼馴染で結ばれぬまま病に倒れる役だったらしい)のリベンジという面でも楽しみでした。
第一話は二人のシーンに萌え萌えであらしゃいました・・・婚礼の衣装の二人が美しくて麗しくて〜〜!!やっぱり烏帽子と平安装束着せたら天下一品であらしゃいますなぁ謙さんw そして互いに心惹かれながら仇同士になる二人の悲しい運命が尚更ドラマチックで萌えます。
キャラ的には「炎立つ」スキーなので三浦との宝治合戦でスイッチオンするまでの時頼青年の方が反戦精神頑なだった藤原泰衡を彷彿とさせて好きでした。時頼@謙さんのその後の変貌ぶりと専制政治も凄かったのですがキャラへの共感という点では時頼には客観的かも。だから私的には第一話(変貌前)と第十一話「時頼絶命」の二人の和解という時頼の人間らしさが堪能できる話が好きです。
「兵に囲まれておっては共に生きる道は探せません!」この言葉に嘘はないのに血気はやる安達家はじめ御家人たちのせいで戦をしないと約束した涼子を裏切り三浦を討つことになるのよ〜(泣)でも腹をくくって髻を切り髪をふりみだしての戦闘シーン・・・最高に格好ようございました・・・くらくら。一年間通しで「時宗」を見た方はきっと二月騒動の時輔兄(渡部篤郎さん)の髪振り乱しての戦闘シーンとリンクして見ちゃったことでせう。思えば「戦はせぬ」という時頼と涼子の約束も後年時宗正室祝子(西田ひかる嬢)が時宗に「戦はせぬと約束して下さいませ!」とせがんでましたね。時宗は「約束はできぬ」と返答していて正解だったと思うけど。苦 三浦勢が自害して果てた地に時頼がかけつけた時の赤い照明とともに荘厳な曲がまた印象的。
そんでもって第一話の最大の見所はやはり「涼子、時頼に夜這い(違っ!)」シーンですね。寝所外の気配に床から出る時頼さま!ああ!足があらわ!!(爆)どきどき。「一思いにやってはどうだ?」と時頼に言われる直前見せた涼子の時頼への愛しそうな眼差しが!!ガニマタで立ちはだかって時頼を罵倒する涼子ちゃんはちょいどうかと思いましたが(笑)逃げる涼子を抱きすくめる時頼さま!!!胸はだけてる時頼さま〜っ!!きゃ〜〜!!(興奮)

■第二話「ふたりの母」■
時宗誕生に浮かれる北条得宗家が微笑ましい・・・(笑)しかし子を産んでも心を許してくれぬ涼子にいじける時頼パパがツボ。泰盛にあたったり、見るからにガッカリして涼子母子のいる安達邸を後にしちゃうし(笑)しかしこの正室涼子に嫡男誕生で一波乱・・・讃岐VS涼子の壮絶な女バトルが・・・(一方的に讃岐が敵対心むきだしで涼子相手にしてないんだけどーまたそれが讃岐の哀しいとこだと後の時輔が涼子を非難してたけど・涙)
二人の母が同じ邸にいるのは問題の元、と安達邸に移るよう言い渡され、痴話喧嘩よろしく時頼に泣きつく讃岐。(萌)何気に讃岐役の篠原涼子さん、一番あの衣装似合ってた気がする。そして私的には演技も他女優陣より評価大。執権館から輿で安達邸に向かう時の宝寿丸(時輔)との別れのシーンもインパクトありました。母に「負けるな」と言い含められていながら何を言われたか北条の者に聞かれ「忘れた」と応える宝寿丸を見て、利発さに危機感を覚える時頼さま・・・あの斜め45度の画が最高に渋い〜!!(悶)
執権館庭での涼子と時頼の二人も好きだな。涼子の母が謀反を企んでいるという相変わらずキワドイ話してるんだけど。時頼さまが紫陽花(?)を指ではじく仕草も良いです〜むずがる正寿丸(時宗)をあやす二人も〜!!涼子が謀反を企てているという母をいさめに訪問した時、藤泉尼(大谷直子さん)は涼子が時頼と子供を愛していることを実感したんだと思う。実家と夫を奪われた恨みを捨てきれずも娘の幸せを願って「縁を切る」と断腸の思いで言い放ったのでしょう。得宗家にバレて時頼に言った「涼子には縁を切ったとお伝えなされ。おわかりか。涼子は謀反人とは縁もゆかりもない女子じゃ!わらわが三浦の恨みを全て抱いて死にまする・・・」これが藤泉尼の精一杯の母としての愛なのよね(涙)しかし何も時頼の目の前でしかも時頼の手つかみ自害しなくたっていいじゃないのさ。涼子の父のみならず母の命をも奪ってしまったという時頼さま精神の呵責倍増。顛末を涼子に説明し、藤泉尼を助けるつもりだったこと、藤泉尼が最期に言い残したことをありのままに伝えればいいのに執権としての立場故か、武士としての体面故か「謀反人は助けぬ、それが北条の掟じゃ」としか涼子に言えない時頼も哀しい。(涼子ちゃん、気持ちはわかるけどそのなじり方、立居振舞はちょっと・・・)涼子ビンタ炸裂に自己嫌悪し、うなだれる時頼さま・・・
謝国明@北大路欣也さんとは独眼竜父子再びですね。トーク番組でも触れてらしたけど、謙さんが「独眼竜政宗」主演を務めたのが「北条時宗」主演の和泉さんと同世代で、政宗の父親・伊達輝宗役が北大路さんだったのが今回謙さんが主人公の父親役だもんな〜感慨深いですね。世代交代!って感じで。ちなみに謝太郎役の松重豊さんも何気に競演なさってますよね。舞台「ハムレット」のホレーシオとか斬九郎最終回の敵役とか。上手い役者さんですよね。
終盤に登場した子役くんたちは後の時輔役の東海孝之介くんが特にお気に入りでした〜上手いんだよ。この子が。そして二人目福寿丸までもうけておきながら涼子のつれなさ目の当たりの時頼さまがやっぱりツボ。(笑)

■第三話「兄弟落差」■
宝寿丸の母・讃岐を見舞いに鎌倉の町へ無断で出た後の時輔・時宗兄弟。辻説法していた日蓮宗開祖の日蓮(奥田瑛二さん)との出会いがあるわけだけど・・・奥田@日蓮・・・うさんくせぇ!(笑)申し訳ないけどそんな徳あるようには思えませんでした(笑)
出演回数少ない子役くんですがこの回は時輔(宝寿丸)役の東海孝之介くん演技力全開なんですけど!弟をかばったり、母をたぶらかす桔梗をいぶかしんだり、台詞まわしだけでなく表情が絶品です!!そして何気に後の時輔役渡部篤郎さんになんとなく面差しが似てません?特に二人が執権館にて父時頼に無断外出を叱責されるシーン。スパルタ教育まっしぐらな時頼パパ。謙さんのシャウトも大好きなのよ〜でも弟をかばったことを褒められた時の嬉しそうな顔と言ったら。宝寿丸は、時輔はいつだって父が大好きで、家督云々よりも時宗への愛と同じだけの父の愛が欲しかっただけなんじゃないのかなぁ。時頼パパ〜警戒しすぎだっちゅーの〜(涙)「そなたは人の上に立つことなど考えずともよい」と執権である父に言われた時の表情の変化もスバラシイ!!時頼ビンタ炸裂!
久々に(?)讃岐とのラブが・・・(萌)これまた宝寿丸の元服や桔梗と讃岐の関わりなどキワドイ話してるんだけど、讃岐抱き寄せて酒を飲む時頼さま萌え・・・きゃ〜〜!!
そんでもって宝寿丸の元服時の時頼さまの正装が〜!!!(悶)つくづく平安装束の似合う人だよ・・・謙さん・・・(爆)←時頼だけ執権だからか直垂じゃないのね。
一人「三郎時利」(後に時輔と改名)と書かれた元服名を見つめる時利。それを見つけた父時頼の膝に呼ばれた時の嬉しそうな顔!!その嬉しさはつかの間で父に側室の子である自分は分をわきまえ弟を支えてやれ、と言い聞かされるにつれ、時利の表情は暗く切なくなる。「わかるな」と念を押されて涙をこらえて頷く様は健気で切なくてたまらないんですけどぉ〜〜(涙) 更に家督を継ぐことを涼子の承諾(?)も得た後、時頼と共に正寿丸が馬に乗って出かけるのを時利が見ているのも泣けるんだこれが〜〜
終盤で時頼どの流行病で生死の危機が!!相変わらず素直になれない涼子がはがゆい。時頼の床に寄ろうとする時の愛しげな眼差しは第一話の時のそれと同じ。涼子は「治ってもらわねば困りまする。時頼殿が亡くなられたら・・・私は・・・」涙をためて時頼と目があうと「父と母の仇が討てなくなりまする」と言ったけれど、「私は」の後は本当は別の言葉を言いたかったに違いない。どこまでもすれ違う二人に涙。

■第四話「反抗」■
病床に時宗を呼び遺言(11話まで存命しますが死を覚悟してるからね〜)を申し付ける時頼様。(正寿丸役の小池くん・・・時宗らしいっちゃーらしいんだけどカツゼツが・・・笑) 実はこの第四話の台本が手に入りまして。またマニアックですが台本との比較検証しながらコメントしてみたいと思います。(でも決定稿台本ではないらしい)政に迷うた時、一門にもめ事起こりし時、戦おこりし時、などなど困った時、誰に頼るべきか病身で時宗に言い渡す
台詞も台本とドラマ本編では微妙に違うのですが、本編の謙さんの台詞の方が洗練されている気がするのはファンの欲目なのでしょうか?
このシーン最後に母・涼子を頼むと言い渡すのですが、懺悔するように落涙する時頼様がまた切なくてたまりませんっ!(ちなみに手持ちの脚本に落涙のト書きはありません)私、謙さんの静かに落涙するシーン好きなんですよねぇ。その後病身で剃髪し、(ちなみに「謙さんは烏帽子かぶらせても日本一だ」と思ってる平安コスプレ@謙さんフェチの私としてはもう剃髪されちゃって哀しかったったら・・・涙)支えられながら一門の席に現れるシーンも壮絶。血走り、長時や周りに自分の決断を有無を言わせぬ威圧感で、時宗が家督を継ぐまでの眼代として執権の座を長時に譲る時頼さま・・・スゴイ迫力・・・
病床で悪夢から目覚めた時頼と母・松下禅尼とのやりとりも、イロイロ他作品が脳内プレイバック。
「母を残して、成仏などさせませぬ。」「母より先に死ぬる事、断じて許しませぬ。」
「炎立つ」最終回の藤原泰衡母子(真野響子さん)がっ!松平母子が〜〜っ!!麻佐女さまぁ〜!!(号泣)
「死ぬことすら許されぬ身ですか・・・」と涼子の言葉を思い出しながら落涙する時頼さまにまた涙。
この頃から正寿丸(時宗少年)の涼子糾弾(?!)が始まります。母はいつまで父を憎むつもりなのか、母の本心が知りたいと。視聴者的には「イケイケ!正寿〜!」という感じでしょーか。涙目の涼子ちゃん見れば複雑ながらも本心は一目瞭然なのですが。回復と聞いてめちゃ嬉しそうだったし。しかし時頼回復を知らせに来た人、その前フリは訃報かと思うっての。
時頼どの病み上がりで速攻キワドイ話(内密に京の狐狩り)しておりますが。その後の一家団欒(?)シーンもよいです。相変わらず涼子ちゃんは素直になれず強がり言ってましたが、なんか心なしか時頼様余裕が感じられるんですが?涼子ちゃんあしらわれてる?!大病を経て達観されたのかしら・・・(笑えないよ・苦)
しかし時宗の元服式の後ト書きでは「文を書いている」設定のところ時頼さま般若心境の写経されてるんですが。
裏で京の第四代第五代将軍を殺させているんですな。平然と写経してる裏でっ!!てところがまた恐ろしい。
相変わらず「時頼流帝王学」とやらで兄時輔が見せしめに弟の元服式の時に馬の轡とらせるし・・・時頼様やりすぎ・・・
そして正嘉の大地震。ト書きでは時頼は「倒れてきた屏風を押さえる」となってましたが本編では蝋燭の火が倒れて火を消そうとしてましたよね。この地震時の時頼さまの采配ぶりめっちゃ男前で惚れ直すんですけど・・・!坊主頭にほっかむりして鎌倉の町で人助け。あんたホンマに病み上がり?(あ、ドラマ的には数分後でも時間は経ってるのか・・・笑)この桐子の母救出シーンは馬でひかせたいって謙さんのアイデアが採用されたと伺いました。(またアイデアマン面目躍如シーン)柱をどけた後の達成感で日蓮@奥田さんと微笑みあう時頼様がなんか微笑ましい。でも既に絶命してるんだけどね。桐子母。
執権館に戻っての時頼さまがめちゃかっこええんですわ。インド大地震や阪神大震災とかでも采配奮ってもらいたかったくらい。そして桐子を連れた日蓮が時頼に物申す。「坊主対決!!!」とつぶやいていたのは言うまでもございません(笑)この後のシーンがかなりインパクトありました。桐子一人をなぜ助けてやらぬのか、と父時頼に意見する時輔。「人の心はすさまじきものなれど、美しきものでもござります!たった一人の命が助かるだけで心救われ、明日への糧とする者もおりましょう!」 この台詞、謙さん&渡部さん&和泉さん競演シーンでもキーワードになる重要な台詞。これがまた上手いんだよ。東海くん(涙)この後弟時宗まで兄に同意し、父にたてついた事態にあわてて謝罪する時輔の機敏さ?賢さ?利発さ?に時頼の危機感は不安から確信に変わったのだと見て取れる緊迫したシーンでした。インタビューで謙さんが「時頼に一番精神構造が似ているのが時輔だからそれだけ危機を感じ『これは消さねばならない、いてはならない人間だ』と思って行く」と仰ってましたがこのシーンもかなり重要なシーンと見た。決定稿はどうなっているかわかりませんが少なくとも脚本以上の映像になってる気がします
(これもファンの欲目?!)
あ、海辺を物憂げに見つめ、馬で駆けるシーンは脚本にない。鎌倉の行く末と時輔への懸念に悩む姿なのでしょうか。
終盤旅に出ると言い出す時頼パパ。第五話は「水戸黄門」ならぬ廻国伝説「時頼漫遊記」です。お楽しみに?!(続)

2002/3/24 脱稿



 『千年の恋』 藤原道長・藤原宣孝 二役

 祝!第25回日本アカデミー賞優秀助演男優賞受賞!&第25回日本アカデミー賞最優秀助演男優賞ノミネート!!!思えば2001年春に「千年の恋」キャスト発表を見たときから!そして吉永小百合さんとの東映京都撮影記者会見での平安コスプレ謙さんの「伝説の扇の微笑」を拝見した時から!!私は道長@謙さんに心奪われっぱなしであったのであらしゃいます・・・2002年3月8日の第25回日本アカデミー賞授賞式にて最優秀賞は惜しくも謙さんが師と仰ぐ山崎努さんことヤマさんの座に輝きましたが、授賞式で同じ壇上に立てたことだけでも謙さんご自身感極まってらしたとおり、私も謙さんが助演男優優秀賞受賞&助演男優最優秀賞ノミネートされたことだけで十分幸せでした!!謙さん、誠におめでとうございます!!私は本当に嬉しうございます(涙〜)私の取り乱しっぷりはおそらく掲示板のカキコミでも一目瞭然かと(笑)

 「千年の恋」作品そのものとしてはイロイロツッコミどころは満載なのですが(苦笑)、こちらでは「千年の恋」における謙さんの役柄について熱く語らせて頂きます。ご了承下さいませ。旧「千年の恋」ネタバレ掲示板で伏せてた言葉も解禁注意。

 楽しみにしていた「千年の恋」は3回も見に行ってしまいましたが(全てネットオフ会だったという・・・爆)2001年春の東映記者会見で謙さんの直衣姿&「伝説の扇の微笑」に悩殺された私としましては、期待以上に謙さんのご登場シーンが多くて嬉しかったです。もちろん、神戸クルージングの時に謙さんにご質問させて頂いた2点=「道長の碁石」と「宣孝の小心者っぷり」もじっくり拝見させて頂きました。その2001年春に公開された「宣孝が式部の屋敷から帰るシーン」では宣孝はもっと式部に優しげだったのに、完成映画本編では、式部の懐妊についての態度からも保身・出世にしか興味のない(結局生まれた女の子も入内計画してるし)薄情そうなイヤな男になっていて、最初驚きましたが、かえって感じが出ていてよかったです。しかしまさか『源氏物語』絡みの作品で謙さんのふんどし姿(爆)が拝めるとは夢にも思いませんでしたが(大笑←しかもアレ、平安貴族にはこの上ない屈辱的殺され方ですねえ。烏帽子まで盗られて・・・涙 でもあれって「東映映画面目躍如!!」なチャンバラを取り入れたかったということなのかなあ・・・苦)それにしてもあの砂をかぶった死に顔がまたなんともsexyであらしゃいました・・・(爆)

 しかしなんといっても魅力全開だったのは道長さまですね!!
紫式部との初対面シーンの優雅&傲慢な権力者全開ぶり素晴らしかったです!!道長のハーレムかと思ったらあれは彰子のサロンだったんですねぇ。それくらい道長さまの色気と艶かしさが充満しておりましたぁ。特に扇で垂纓を払いあげる仕草と式部に近寄り、手を握るシーンにドキドキ。そりゃ吉永小百合さんも謙さんにメロメロになるわ・・・本当にアレが、普段着流しでおしげもないふんちらで江戸の町を疾走する斬九郎さまやムサイお侍・脱藩@吉村貫一郎と同一人物とは思えませんっ!!(いや、どの役も魅力全開で大好きなんですけど。笑)

 ところで「こち三」の時も思ったんですが、娘のいる父親役演じられると、「謙さん、ご家庭の杏ちゃんに対してもこんな感じなんだろうか?」と思っちゃいます(笑) 今回は教育パパな謙さん@道長さま・・・っていうかまあ、教育パパというか政略結婚に意欲満々のパパなんですけど。「負けるでないぞぉ!」が耳に残ってます。
そして彰子懐妊時のはしゃぎっぷりもかわいかった・・・黒い平安装束もお似合いでございましたね〜しかしあれって御所で撮影されたのか、セットなのか3回とも注意して見たのに未だに確信持てなくてまたしても京都人失格のかず4・・・

 そして式部との恋の駆け引き。月を愛でながら道長が式部を抱き寄せるシーンがっ!!私は神戸クルージングトーク前に長めのプロモビデオを拝見した時このシーンを見たのですが、もう「蛇の生殺し」でございましたよ・・・「ここまで見せるならいっそのこと全部見せてくれよ」と言ってたのはこのシーンのことです。話の展開や脚本の意図を無視してもその二人に「このままイクとこまでイってまえ!」と心でつぶやいた腐女子は私だけではありますまい・・・(爆)式部の局を訪ねるシーンでも謙さんの歌声が拝聴できて幸せでしたが・・・天海さんの源氏は確かに美しく、舞いも歌も流石に決まっていて素晴らしかったのですが、濡れ場はやはり男性の方がよかった気がしますね。「壬生義士伝」で久々に謙さんの濃い(笑)ラブシーン拝見しましたが、いっそのこともっと雅で色っぽくて美しい謙さんのラブシーンが拝見したいですわ!!できれば時代劇コスプレもの・・・もっと限定するなら平安装束で!!!絶対脱いでいく衣擦れの音とか所作だけでも色気倍増だと思うので。(そういえばこの作品、行為そのものは映してたけど、そういう過程映してなかったなあ・・・もったいない)
制作発表記者会見の時に謙さんは「今回の役(道長)が今までで一番身分の高い役だと思う」と仰ってましたが、そう仰らずに天皇の勢力が絶大(?)だった当時の帝役を是非とも演じて頂きたいものですわ〜野村萬斎さんの「陰陽師」続篇映画あるらしいし、謙さん出てもらえないものか・・・パトロン道長役とかで(爆)でも東映×東宝じゃダメだよな・・・

 注目の碁石投げも3回とも注意して見ていたのですが、全然「掴むぞ!投げつけるぞ!」という兆候が感じられず流石だなぁ〜と感心してしまいました。神戸でもご質問させて頂きましたが、「謙さんはアイデアマン」とお伺いして以来、細かい小道具とかあるシーンはあれもこれも謙さん案なのではないかと勘ぐってしまって見方間違ってます(笑)でも本当に緊張感というか道長の苛立ちというかメリハリが出ていて碁石投げ、効果的だったと思います。

 臨終シーンもまたなんとも「栄耀栄華を極め権威を誇った男のなれの果て」感の出たシーンでした。また片目だけカラコン入れてらっしゃるし(笑)しかし一本の映画で2回も謙さんの臨終シーンを拝めるとも思ってませんでした。映画本編としては本当に「源氏物語」世界がツッコミどころ満載(何気に毒)で現実世界中心で描いてほしかったくらいです・・・(って謙さんファンの欲目だけじゃないよね?!)・・・本編に触れず謙さんに関するコメントだけでこれだけ語れる私ってスゴイ・・・とにかくさすが私が「日本一のコスプレ俳優」と仰ぐ渡辺謙さん面目躍如!(意味不明)な藤原道長像でございました・・・

2002/3/10 脱稿



 『壬生義士伝』 吉村貫一郎 役

凄まじい大作でございましたね。「壬生義士伝」その反響の凄さも公式HPでのカキコミ量を見れば一目瞭然。(運良く翌日同局の10時間時代劇「宮本武蔵」拝見しましたが、上川隆也さんも鶴田真由さんも大好きだけど「壬生義士伝」にはかなわないと思う。)原作をまだ読んでいないので読んでから改めて見たら感想も異なるかと思いますがとりあえず。

無知なので架空の人物かと思ったら実在の方だったのですね!吉村貫一郎。真偽はともかく切腹時の血の遺言伝説も本当にあるらしいし。大野治郎右衛門と貫一郎の友情ってバカの一つ覚えな私には「お〜い!竜馬」の竜馬&武知半平太との友情を彷彿とさせます。もちろんこちらの二人の関係もフィクションなのでしょうけれど、この幕末という時代に共通する、悲劇を感じずにはいられません。「あぁ、この時代でさえなかったら・・・」っていう。謙さんは「燃えよ剣」CDーROM朗読されたり、ご自身も新撰組がお好きとのことですが、私はそれでもやはりあまり好きにはなれませぬ(涙)。幕末モノの刷り込みって「幕末純情伝」の竜馬@謙さんから坂本竜馬に興味持ち出しちゃったのでその影響かなぁ。あくまで血をみないように奔走した竜馬の方が偉大だと・・・(って「壬生義士伝」とずれてるずれてる)

まず今回のコスプレですが(笑)、新撰組の青い陣羽織。謙さんの新撰組装束は今まで思いつかなかった(笑)かっちょいいんですが、どちらかというと黒白の(新撰組の陣羽織の元のデザインという)忠臣蔵陣羽織姿の方が私は好みです。髪型(カツラ)も私は斬さまみたく月代のばしてるか、総髪の方が好きだなぁ。(ぼそり)むしろ初めて新撰組に出会う時の小汚い脱藩@吉村が好みです。無精ひげがかえってセクスィ〜(爆)
また時代劇@謙さんファンとしては謙さんの殺陣ももちろん見逃せません。斬様の「華麗な太刀裁き」とはまた違った力強く荒々しい吉村さんの北辰一刀流に萌え。しかし新撰組人数多くて謙さんの独壇場じゃないので謙さん探すのが一苦労だったり(笑)(でもある意味史実かと思うと心からは楽しめないですけどね。人斬りシーン・・・生々しくて)

もう一つやはり謙さんファンとして見逃せないのは珍しく濃い〜いラブシーン(爆 やっぱりここで書いちゃうのね)。謙さんの濃いラヴには免疫がなくて卒倒したファンも続出したのではないかと・・・(←考えすぎ)でも、これ東八で皆さんともお話してたんですが、この吉村夫妻、いかにも苦労人夫妻で「一生懸命っ!」つか「必死!」つか汗臭いというか泥臭いというか・・・ン年ぶりの逢瀬ってこともあるし、ただ「逢えてよかったねぇ。」という・・・笑 
もちろん、ドキドキしたっちゅーか照れましたが色っぽさでは梅安さんとおもんさんの濡れ場の方が上です(爆)
でも、これもきっと役作りなんですよね。私、この「壬生義士伝」部分的に見直した直後、「御家人斬九郎」見直して痛感致しました。謙さんの徹底した役作り。斬九郎ではあんなにかっこよくて色っぽくてお茶目でかわいい男を演じきってる人が、「壬生〜」では「かっこよくない男(いや、生き方としては家族愛を貫いたカッコイイ男ではあるんだけど)」をまた見事に演じきってらっしゃるな、と。益々俳優・渡辺謙さんに惚れなおしたのでありました。それから話はラブシーンに戻りますが、吉村さん背中にまた傷が・・・「この小道具はまた謙さん案?!」と勘ぐってしまいました。(笑)

お話も良かったけれど、キャスティングが素晴らしかった!!
特に伊原さんの土方!!格好い〜〜っ!!死に様も!!以前から伊原さんも好きでしたがファン倍増したんでは?斎藤一役の竹中直人さんは、インタビューで「謙さんは競演しにくい(多分手ごわいとかいい意味でだと思いますが)」とおっしゃってましたが、斎藤と吉村の関係に如実に現れていたような。斎藤は田舎者で真っ正直で家族のために恥も外聞もない貫一郎を「やりにくい奴、気に食わない奴」と思っているようですが、でも最後にそれは心底嫌ってたのではなくて、自分ができないことを素直に貫いて生きてる貫一郎が羨ましかったというか照れくさかったのかなぁと感じさせる別れが秀逸でしたね。(でも「死に場所求めてる」みたいなこと言ってたけど史実では斎藤一が大正時代まで天寿全うしてるのがなんともいえん・・・)
大野さんや吉村の家族との仲介役として奔走してくれた佐助役の村田雄浩さんも最高の演技でした!かなり重要な役どころでしたよね。いい人だ・・・佐助さん・・・しかしどうあがいても爆煩悩娘な私は「あぁ!『炎立つ』経清&貞任コンビ!(大笑)」などと不埒な楽しみ方をしておりました!謝罪!思えば『炎立つ』の舞台も岩手。標準語放送でなければああいう方言だったのでしょうか。(ちなみに伊達家主従コンビでもあったり・笑)

私、「壬生義士伝」第四部の台本持っているんですが、この台本にはこの時点ではまだキャスティングが決まっていない方も・・・その中で気になるのは津川雅彦さんと岸田今日子さん。お二人とも謙さんに縁の深い先輩方ですが、友情出演系でしょうか?
津川さん・・・良かったですねぇ。さすが京都人だけあって京都弁もしっくり。なかでも「殴るんやったら私を殴っとおくれやす!」 泣けます・・・なんだか実生活での津川さんの謙さんへの愛?友情?を見るようで。(涙)
そして岸田今日子さんの大野母・ひさの圧巻はやはり終盤の斬首前の大野次郎右衛門との対面。大野さんの独白シーンでしょう!親友だった吉村に切腹を命じなければならなかったのが一番辛かったのだと、実母の前で初めて激白し、号泣する大野さんに目頭が・・・貫一郎の死後も目が離せないどころか、まだ泣かせるか?!なドラマ・・・(母が隣で号泣し続けておりました)

若手俳優陣も素晴らしかったですね。中でも期待大なのは貫一郎の息子・嘉一郎役の高杉瑞穂くん。おっとこ前ですね〜演技も素晴らしかった。凛々しくて。彼にとっての「父への忠義」に頑なになりすぎて生き急いでしまったのが残念だったけれど。俳優さんとしては今後も期待。
そして忘れちゃいけない!謙さんのご子息大くん!!初々しかったですねぇ。次郎右衛門からしづが好きだと聞いている時のあの眉間に皺よせたお顔は殊更謙さんにそっくりでした!!演技もなかなかよかったのではないかと。今後も頑張ってほしいものですね。なっちもかわいかった。

新撰組隊士としての貫一郎。真っ先に斬り込む死に番で5両。隊士の切腹介錯のお清め代で2両。
刃こぼれがしたと言って刀代をせびり、(また「介錯人なのね♪」と爆煩悩していたのは言うまでもない・笑)時には口止め料と地面に放られた銭をも拾う。仲間内で「守銭奴」「出稼ぎ浪人」「金の亡者」と蔑まれても「家族への忠義」を全うした貫一郎ですが、家族への愛だけに生きた男じゃないですものね。新撰組の中でも友情を育み、仲間の隊士を救うべく奔走した(救えなかったりしたけど〜涙)貫一郎の人間性をも知るからこそ、沖田の言葉のように皆に愛されていたから、「生き延びろ」と背中をおされたのでしょうね。生き延びて妻子に再会してほしかったなぁ(涙)しかし、時代が近い分もあるのか戊辰戦争(ちなみに鳥羽・伏見の戦い、バリバリかず4のお膝元なんすけど涙)の惨さ・辛さ・哀しさがリアルに感じられたのは私だけでしょうか。ええ。なまじ大河の合戦シーンより痛々しかった・・・敗戦だからなのかな。それだけに貫一郎たち新撰組の無念さが胸に響きました。
感動の嵐のこのお話でもやはり圧巻は吉村が南部藩大阪藩邸に駆け込んでの大野とのやりとりと切腹前の独白でしょう。しかもこのドラマ、音楽もよくて相乗効果で泣かせる。撮影時期が秋から冬にかけてだったのもあるのでしょうが、綺麗な紅葉や冬景色が多くてまたもの悲しさ倍増。そして何より謙さんの南部弁マスターぶり!
全然違和感なかったし、しばらく頭でリフレインしそうでございやんす〜全編(最後のエピローグあってのことですが)謙さんのナレーションというのも嬉しい。声も渋くて優しくて麗しくていいんですよね。標準語のようで微妙に抑揚が南部っぽいのも狙い通りってことなのでしょうか?私はエピローグの大正大学教授コスプレ@謙さんも好きです。しかしなんといっても大野@内藤さんと吉村@謙さんとの友情シーンが印象深くて、「壬生の恋歌」見たくなりました。再放送かなにかしてくれないものだろうか・・・ふ〜書きすぎ(笑)
でも正月から10時間飽きることなくいい作品見たなぁ。願わくば拡大連続放送化&DVD化望む!!
ご覧になった方、ご興味お持ちの方は「壬生義士伝」公式HPにて嘆願カキコ又はメールを!!

2002/1/8 脱稿



忠臣蔵’91 仲代達也主演版 赤垣源蔵 役 
忠臣蔵’96 北大路欣也主演版 脇坂淡路守 役

忠臣蔵1/47 2001木村拓哉主演版 堀部安兵衛介錯人 役


(勝手にこんな↑タイトルつけてますが、こんなタイトルではありません。あしからず)2001年12月28日フジTV放送の「忠臣蔵1/47」は木村拓哉氏の久々の時代劇かつ、例え主人公が堀部安兵衛であろうと「忠臣蔵」ということでチェックしていて思いがけない謙さんのご出演に度肝抜かれた方も多いことでしょう。ええもう。ずっと、謙さんにはフジTVの「忠臣蔵」には再び出演して頂きたかったし、木村拓哉くんと時代劇で是非とも競演してほしいとは願っていたのですがまさかこう早くも夢が実現するとは思わなかったので私も一緒に見ていた母と絶叫しました。そして大ウケ。狂喜乱舞。
あれって「御家人斬九郎」を撮影していた映像京都&フジ時代劇に縁のある謙さんが丁度「壬生義士伝」撮影のため同時期に京都にいらしたからかなったカメオ出演だったのかなぁと推測。(「忠臣蔵」コメント書くならせめて年末中にアップしろよ、と言われそうですがどうかご容赦を・・・)

 「忠臣蔵1/47」の感想としては若手が時代劇に挑戦してくれるのはいいことだと思うんですが、ツッコミ入れまくりだったのは確か。木村くんの時代劇としては私は「織田信長」の方がよかったかなぁ。これもまた謙さんの信長にはかなわないんだけど(笑)若き日の苦悩する信長という意味では評価。堀部安兵衛を主人公にしたお話自体は悪くないとは思うんですが正統派定番(?)「忠臣蔵」ファンとしては物足りないのではないかと思いました・・・(深津ちゃんはよかった!!)
 「忠臣蔵」というとTVだけでもこれまでたくさん放送されてきて、私が全て網羅しているわけではないので偉そうなこと言う資格はないんですが、私の中ではフジTVの’91年度仲代達也さん主演版「忠臣蔵」がお気に入りです。もちろん北大路さん版「忠臣蔵」でも、松の廊下での謙さまの長直垂姿(またコスプレ♪)に撃沈しましたが、キャラとしては赤垣源蔵の方が似合っていると思います。

 「町奉行日記」の主人公・望月小平太が斬九郎の原型という話もあるけれど、脇役ながら源蔵の方がルーツだと思う!!とっくり常時携帯(笑)髪型も斬さま風。絡みはないけど若村麻由美さんや益岡徹さんなど斬様ファミリーも出演されてるし。
しかしなんと言っても見所は源蔵&義兄家の下女・おすぎ(小林聡美嬢)とのやりとり。どーみても鍵師コンビ!(大笑)謙さん演じる源蔵に鼻であしらわれている感は変わりません。これも爆煩悩してたんですが、「忠臣蔵1/47」で下女から大石内蔵助の奥方りく役に昇進(笑)した聡美さん。スケジュールの都合さえつけば謙さんには大石内蔵助役をやってほしかったなぁ。しかしこれが実現してたとしたら大石夫妻のシーンはどうなってたんだろう?!まさかギャグシーンに?!コワッ!
 
さらに仲代達也さん版と北大路欣也さん版でもう一つの楽しみ方が・・・実は両作品とも脚本家が同じ方で不自然なくらい台詞が同じなんです(笑)そこで比較して頂きたいのが ’91北大路脇坂 と ’96渡辺脇坂。つまり独眼竜父子演技対決が楽しめるわけですね!(いやらしいよ・・・)北大路さんも好きなんですが、謙さんに軍配、と思っちゃうのは欲目でしょうか?もう長直垂姿の麗しさと「待たれい!!」「無礼者!!」「武士の情けを知らぬ奴!!」などなどシャウト絶好調が決め手。だからね、前作で脇坂淡路守役だった北大路さんが大石内蔵助役に昇進したことを考えると願わずにはいられない・・・謙さんの大石内蔵助・・・っ!!
レンタルビデオ店によっては北大路さん版も仲代達也さん版もビデオ置いているところが在ると思うのでご覧になったことのない方は根気よく探してみて下さい(笑)

2002/1/1 更新


 『幕末純情伝』 坂本竜馬 役

まさかあの「天と地と」の眼光鋭い渡辺謙信が、ああもぶっとんだ坂本竜馬役で銀幕復帰されるとは夢にも思わなかった・・・!!というくらい謙さんの芸域の広さを改めて実感した作品。政宗で謙さんファンになって、渋い謙信を楽しみにしてた娘の前に、歯磨きたらしながら迫ったりふんどし抜き始めたりする竜馬が現れると誰が想像しようというの・・・爆
でもこの直情怪行竜馬大好き♪水ぶっかけられるシーンはさすがに「病み上がりなのに大丈夫なのかしら?!」と心配しつつしっかり「水もしたたるいい男・・・」とも思っておりましたが。
沖田の見舞いに贈った、星条旗バックに上目遣いで頬杖ついている写真とか、自室に飾る等身大写真がも〜かわいくてたまりません(爆)ほしいです!

この映画で大好きなシーン一杯ありますね。岩倉さん@津川さんとこに乗り込んでの大演説好きです〜あの抑揚つきのオーバーリアクション最高っ!屋根瓦からも派手に落ちてくれちゃうし(笑)
それから忘れちゃいけない〜謙さんシャウト!ええじゃないか踊りの最中「何がええんじゃー!!(怒)」謙さんはシャウトも絶品だと思いまする〜

私は映画でもサントラCDなんか買ってしまう人なんですが、「幕末純情伝」のサントラも見つけてゲットしてしまいました!(表紙にも中にも謙さんのお写真があるし、粗筋や解説もあるのでおいしいですよ。興味ある方は頑張って手に入れて下さい。それにしてもサントラCD最後に 「Special Thanks To 渡辺謙」てあるんですけどもしや謙さんトランペッターとしてでも参加されているのかっ?!)
竜馬がラストで語るシーンのBGMも好きなんです〜もちろんこのシーンは謙さんの見せ場!

映画見ながら何度「なんで沖田は竜馬を選ばんかな〜?」とつぶやいたことか・・・悲しすぎるぜよ。竜馬。
しかし思えば政宗以降ならコミカルな謙さんって多分私にはこの作品が初めてだったハズなのに全く違和感感じなかったなあ。それでいて悪い意味じゃなく初めて見た気がしなかった・・・さすがだ。そして謙さんの土佐弁のしっくりくること!方言マスターキングでもあるのでしょうか・・・?ついでに、謙さんが竜馬を演じられたことで歴史上人物、坂本竜馬ファンにもなり、漫画や小説、資料などに手を出し、京都竜馬史跡巡りを敢行。「幕末」でのオチャメな竜馬もいいけれど、史実に近い真面目でかっこいい竜馬も演じて頂きたい今日この頃。
そうそう、コスプレキングっぷりは健在で、袴&ブーツの異色ファッションもさすがの着こなしであらしゃいました(爆)
しかし後年「北条時宗」であんなスパルタ教育パパ時頼役と再共演することになろうとは牧瀬嬢は想像しただろうか。(笑)

2001/11/6更新



 『仕掛人藤枝梅安』シリーズ 藤枝梅安 役

「必殺シリーズ」の原型とも言われる池波正太郎原作の不朽の名作の一つ「仕掛人藤枝梅安」。小林桂樹さんや田宮二郎さんなどが梅安を演じてきたが、最も新しく、演じた時点でも一番若いのが謙さん版梅安。第一弾が最初のご病気で療養中にもらわれたためか、より一層梅安の表と裏の顔、一方で針医という人命を救いながら、人を殺める業からも逃れられず(?)生きざるを得ない男の悲哀が感じられ、謙さんの渋みも色気も全開のこの作品。
(まともなコメントはここまでにして爆煩悩コメントが始まります。ご注意を)

梅安は本当にいつ見ても色っぽい(うっとり)ホントにこれがあの斬九郎演じてる人と同一人物とは思えませんっ!池波さんの趣味なんでしょうけれど梅安と彦さん(橋爪功さん)いっつも何か食べてます。斬九郎ではことごとくグルメシーンは麻佐女さまに持ってかれてるけど〜(涙)

長編第一弾は最初のご復帰まもない作品ということで謙さんにとっても思い入れ深い作品みたい(「鬼平を極めるU」梅安コラム参照)ですが、暗い・・・そして小杉さんがこの回のみ阿部寛さんではなく、中村橋之助さんなんですね。個人的に私は阿部ちゃんの小杉さんが好きですが。現在謙さんの梅安シリーズはVHS,DVD両方発売されていて入手可能ですが、なぜかその発売以前はこの第一弾のみが発売されていました。その時のパッケージのキャッチコピーによると謙さんは五代目梅安だそうです。(他の方のを拝見したことないんですが)私には梅安は謙さん以外には考えられませんっ!そういえば、謙さんといたずら仲間という田中邦衛さんも主要キャスト(裏の仕事を紹介してくれる元締め)として競演されてますが・・・こんなシリアスなドラマ撮影の合間にも実は「やるかやられるか、食うか食われるか」の熾烈ないたずら合戦があったのかと想像するとおかしくてたまりません。(「御家人斬九郎」の時の関係はまだ想像の範疇っぽいけど)

ミニシリーズ5作では阿部ちゃんが小杉さん役で参入。梅安@謙さんと小杉@阿部ちゃんの長身ぶりに彦さん@橋爪さん「化け物屋敷」発言(笑)←これって本当に台本にあったのかしら??
それにしても謙さんのコスプレキングっぷりはこの頃から健在のようで、依頼の殺しを遂行するために馬借(?)に按摩(ってこれ普段着?)そして大ヒットが坊主姿!あの頭なら一度は着て欲しいと思ってたのです!!←最近では「北条時宗」で最明寺入道西国行脚姿で拝めましたね。

そしてこのシリーズで私がイチオシなのがおもん(美保純さん)とのラブシーン!!なまめかしくていいわいいわ!何気に共演の多い謙さんと美保さん(例えば「晴れのちカミナリ」では美保さんに頼まれてフィアンセ役の芝居をするシーンが印象に)ですが、梅安の中ではもうラブラブ。たいていキスしてます。なんか1シーン笑えるラブシーンがありましたが(禁句?)他はラブシーンが苦手で幼き日のご子息でラブシーンの練習した背景があったとは思えません!(爆←「三軒茶屋からの手紙」参照)
おもん=美保純さんとのラブシーンは絶賛です!この辺も奥手な斬さまと同一人物とは思えない〜〜でも一つだけつっこませて頂くとすると、商家の女将を温泉で溺死させた後の出現。あれはどう見ても、海坊主です・・・真顔だったので余計笑ってしまいました。

長編第二弾「対決」は私が何を思ったのか初めて謙さんの作品で録画を始めた思い出深い作品。梅安シリーズで一番好きです。かっこええ〜渋い〜色っぽい〜〜!!しかし平幹二郎さん・・・特別出演なのに敵役って・・・さすが大物「対決」?!
梅安というより謙さん作品で最も好きなラブシーンが、おもんを引き寄せて口付けするシーン・・・
ビデオ巻戻して何度も見るという暴挙をやらかすかず4・・・それくらい好きです。色気が〜〜!!その後、おもんに別れを告げて、落涙するおもんに微笑んで蝋燭の火を吹き消すシーンも最高です!
ああ、斬九郎最終シリーズも撮り終えた(泣)という今、今こそ年相応の梅安をやって下さらないかしら?

2001/10/28 更新

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時代劇謙さん作品見聞録