『硫黄島からの手紙』
World Premiere at 武道館

2006年11月15日(水)

謙さんご出演ハリウッド映画のワールドプレミアに平日でも京都から日帰り出席するのは
もはや恒例行事のようになって参りましたが(笑)今回も例によって参戦させて頂きました4
今回も自分は外れたのですが、「皆で硫黄島プレミアに駆けつけよう☆企画」と称して
仲間内にプレミアプレゼント情報を知らせたのが功を奏して声をかけて頂き、無事
武道館で行われた『硫黄島からの手紙』ワールドプレミアにて謙さんの雄姿と作品を
拝見することができました。ご一緒させて頂いた皆様ありがとうございました!

収容人数の多い武道館で開催ということで何人かは当選するだろうと目論んでいましたが(苦笑)
まさか庵仲間の皆さんと8人でご一緒に参加できるとは夢にも思いませなんだ・・・爆
色々伝説も生まれた今回のワールドプレミア、参加者もご紹介させて頂きつつレポりたいと思いますw

まず当選されたハルカさん、せんたさん、天翔さん、誘って頂きありがとうございましたー!
しかも天翔さん、二枚も当たってらっさるし。爆 毎度ながら天翔さんのくじ運の素晴らしさに脱帽です。
多くの試写会同様、一枚のプレミアチケットで二名参加できるので、私の他にプレミアに
参加お出来になる方をさらに四名探しました。基本的に今年誕生日企画に参加された方、関東在住の方
もしくは私が携帯電話のご連絡先を存じ上げている方にあたり、ゆたちんさん、かめ2さん
rubyさん、れーこさんとご一緒することに。

当日の座席は16:00から開始される座席引き換えで決まるということで
前日までに相談をし、ゆたちんさん、ハルカさん、かめ2さんに並んで頂きました。
お昼過ぎには「もう100人くらい並んでいます。一人2名分くらいとすると200番目以降?」
などとレポメールも下さったり、おそらく嵐ファンにもめげずに(?)早くから
並んで下さってありがとうございましたー
お陰さまで一階のアリーナCブロック60番台というかなり前方の良い席をゲットして頂きました!
一列8人掛けなものだから一列庵仲間で占拠でした♪

当日の私は『バットマン・ビギンズ』や『SAYURI』プレミアの頃ほどタイトスケジュールではなく
比較的余裕を持って、新幹線で上京。
17:00前には九段下に着き、駅近くのスタバでお三人と合流しました。
その後せんたさん、天翔さんとも無事合流できたのですが、問題はrubyさんとれーこさん。
チケットによると18:45までには会場で着席していないと、19:00には舞台挨拶が開演される
のでせっかく座席指定券を持っていても場内に入れない場合があるということなのに
特にrubyさんの到着がギリギリになるとのこと。スタバから会場に向かうまで
「どこかに預ける?駅の売店か九段下の駅員さんに?でもどこの駅員さんかわからなかったらどうする?」
などと悩む我々。
ダメ元で地下鉄出口付近の交番のおまわりさんに交渉してみるも、「何か緊急事態が起こって
交番を閉めて出てしまう可能性があるので責任を持って預かれない」と断られる始末。
悩んだ末、強硬手段
「武道館入り口前の街路樹垣根にチケットを隠すからそれをゲットして
なんとか会場に駆け込んで」
頂くことに決定。爆
「宝探しみたい。これでチケット見つけて間に合ったら勇者だねー」
って言ってたけどrubyさん見事無事チケットを発見し、会場にたどり着かれました!勇者誕生!!爆
でも今考えるとその場に偶然茶封筒持ち合わせてたハルカさんやテープ持ち合わせてた天翔さんも
ある意味凄いね。女性5人集団になって密談し垣根に封筒貼り付ける様子は周りの人が見たら異様
だったでしょうが、無事他の人の手に渡ることなくrubyさんが間に合ってよかったですわー
れーこさんとは武道館入り口前でなんとか合流することができました。

しかしれーこさんを待っていて偶然遭遇したのがこれまた誕生日企画でご一緒したアタレンジャーさん!
私は面識がなかったのですが、5月の出版イベントでご一緒された天翔さんたちに気付いた
アタレンジャーさんが声をかけて下さったのでした。しかもこれまた凄いのが
彼女も今年企画に参加されて関東ご在住ということで私からメールで打診したのですが
その折奇しくも彼女は海外で(!!)返信メールで知らせてくださったのが
「実は自分も当選したのですが、プレミアが帰国日の15日なので行けるかどうかもわからない
のでご一緒に参加させて頂くというのは断念します。」というものだったのです。
アタレンジャーさん、当選されたのも凄いけど、帰国日にプレミア参戦ってのもスゲー!!大爆
アタレンジャーさんも勇者だ、勇者。

我々は田安門もくぐり右手の駐車場もぐるっとまわった一般客用武道館入り口前
でれーこさんを待っていたのですが、レッドカーペット会場は田安門をくぐってすぐ左手で、
しばしば遠方で歓声が起こったりフラッシュがたくさん光ったりしていたので
レッドカーペットに著名人が登場していたのだろうと思います。そして待つ間に雨が・・・
そして時々稲光も・・・
ここで改めて
庵仲間揃って「謙さん雨男認定」。爆

それにしてもコンサートでも武術の観戦でもなく日本武道館に初めて来ましたよ、私。
両国国技館とか日本武道館とか謙さんのお陰で色んなところに行かせて頂いてるなー。笑
待つ間に爆風スランプの「大きなたまねぎの下で」の「大きなたまねぎ」とはあの武道館
のてっぺんにある金の擬宝珠のことだというトリビアを教わる。へぇ〜
いつかはきっと北の丸公園も散策して靖国神社にも是非参拝させて頂きたい!

会場に入るとスクリーンにはこれまでのワールドプレミアのようにレッドカーペットの
様子が映し出されていました。NEWSの小山慶一郎くんや嵐の櫻井翔くん、
宇崎竜童・阿木燿子夫妻、久保田利信さんなどが写っていましたが、会場後方を見ると
二階席に永井大くんや山田優さんたちもいらしたそうな。(まわりが噂していたのを聞いた
のであって自分自身でお顔の確認できませんでしたが。)
最後に舞台挨拶されたメインキャスト謙さん、伊原さん、二宮くん、加瀬さん、
クリントイーストウッド監督が登場。またもや謙さんはイーストウッド監督に寄り添い
ピッタリバッチリエスコートされていましたw 謙さんというと何故か女性よりも
男性共演陣やスタッフとラブラブだったりエスコートしてるイメージが・・・

いよいよ舞台挨拶。舞台には謙さん、クリントイーストウッド監督、二宮和也さん、
伊原剛志さん、加瀬亮さん、製作のロバート・ローレンツさん、脚本のアイリス・ヤマシタさんがご登壇。
厳かな映画の舞台挨拶に唯一笑えたのは、セッティングされていたマイクのこと。
謙さん→二宮くん→伊原さん→加瀬さん→ローレンツさん→ヤマシタさん→イーストウッド監督・・・
と見事に激しい身長差のある者順に舞台挨拶されるものだから、その度に後ろで待機されていた係りの方が
マイクの高さを変えに出てこられて笑いが起こっていました。
いっそのこと台なしにするかできるだけ背の順にすることはできなかったのかしら?

司会:
皆様大変長らくお待たせ致しました。これより『硫黄島からの手紙』ワールドプレミアを開催させて頂きます。
まさにワールドプレミアですから世界に先駆けてこの作品を皆さんにご覧頂くわけですが
グアム島と東京のちょうど中間ぐらいのところに硫黄島という周囲22キロの小さな島があります。今から61年前 
ここで大きな戦いがありました。1945年2月19日から戦いは一ヶ月以上続きました。日本アメリカあわせて3万人
の兵士が尊い命を落としました。この会場の三倍近い人たちが亡くなったわけですね。その人たちにも家族があり
きっと様々な方たちが嘆き苦しんだんだと思います。そういった硫黄島での様々な史実・事実を調べて巨匠クリント・
イーストウッド監督が映画にしたいと思いました。そして完成したのが硫黄島二部作。一本は『父親たちの星条旗』で
アメリカ側から見た壮絶な硫黄島の戦いを描いています。そして日本側から見た硫黄島の戦いを描いたのがこの
『硫黄島からの手紙』です。私、映画を観て翌日ラジオでベラベラ喋ってしまいまして。
「お前そこまでストーリーを言うな」と怒られるくらいしゃべってしまいました。本当に色んな人に言いたくなる
そんな映画です。おしゃべりが長くなってしまいましたが、ここで今日のワールドプレミアにお越し頂きました
素敵なゲストの皆様をお招きしたいと思います。皆様どうぞ盛大な拍手でお迎え下さい。


またもや感激してうるうるされている謙さん・・・『ラスサム』二条城プレミアの時の謙さんの様子がフラッシュバック。
本当に二宮くんや伊原さん、加瀬さん、イーストウッド監督たちは謙さんにとって「戦友」なんだろうと思います。
私もイーストウッド監督と謙さんが一つの作品に参加されたこととその完成度の高さが嬉しくてたまりません。

栗林中将役 謙さん:
本日は雨の中、お寒い中本当にありがとうございます。僕はこの映画は日本映画だとそう言い続けています。
日本の歴史、僕たちが忘れ去ろうとしていた日本の歴史を、クリント・イーストウッドというアメリカの監督が撮ってくれる、
そういう風に思っていました。素晴らしい、素晴らしい理解をクリントは示してくれました。本当に僕たちの先輩たちの無念を、
そして彼らが受けた辛い思いをしっかりと受け止めて、この映画に残してくれました。この映画に参加できたことを
心から誇りに思っています。皆さん、僕たちが少しでも感じた硫黄島の苦しみを哀しみを、そして少しだけの喜びを
今日一緒に体験してください。そしてまた、僕らが忘れ去ろうとしていた日本の歴史を思い直すきっかけにこの映画
がなれば、本当に僕らは幸せです。本当に今日はありがとうございました。

他の記者会見やインタビューでは若者らしいというかジャニーズらしいというかオチャメ発言も連発していた
彼ですが、流石にプレミアスピーチはしっかりしたものでした。本当に61年、長かったのか短かったのか・・・
少なくとも邦画なら日本人が見て考えるだけに終わっていたかもしれない作品を世界の巨匠イーストウッド監督が
撮ってくれたことで一人でも多くの世界の人に事実を知り、考えてもらうきっかけになるのではないかと思います。

西郷役 二宮和也くん:
今日は皆様、お寒い、お足元の悪い中お集まりいただきましてありがとうございます。西郷役をつとめさせて
頂いた二宮和也です。僕は一足先にこの作品を観させていただいたのですが、この作品に何があるのだろうと、
観た後ずっと考えていました。痛さなのか、辛さなのか、楽しさなのか、喜びなのか、哀しみなのか、何だか
判らなかったのですが、一つだけ、この作品は事実だということがわかりました。この事実を発表するのに
61年の時間がかかりました。これが遅いのか早いのか私にはわかりませんが、その61年という時間は、多分
私たちにその事実を受け止めるものを貸してくれたのではないかと信じています。今日は色々な方が来て
下さっていますが、どうか一人の人間としてこの事実に触れてみてください。そこで感じたもの、生まれてきた
思いがこの映画の証になると信じます。どうかこの映画を大事にしてあげてください。ありがとうございました。


伊原さんの仰るこの映画のメッセージとこの映画のエポックメイキング的重要性ももちろん受け止めています。
最後のご挨拶もありがとうございましたw

バロン西役 伊原剛志さん:
今日は本当にありがとうございます。昔、アメリカと日本が戦争をしました。そしてクリントをはじめ、
プロデューサーのロブ、脚本家のアイリスはじめ、アメリカ人スタッフと日本人キャストが一緒になって、
この素晴らしい映画を作りました。僕はこの映画を観終わった後、人種を超えて人間がなんで争うのだろう、
戦うのだろうとすごく考えさせられました。それがとてもリアルにこの映画では描かれています。そして、
やっぱり自分の息子たちを絶対に戦場に送りたくないなと思いました。どうしたら戦争を止められるのか、
そうなってしまうと何だか大きな渦に巻き込まれて、そうせざるを得なくなってしまう、それが戦争
なのではないかと思います。そうなる前に、僕たちが厳しい目を持って世の中を見ていかなくてはいけない、
そう思わせる映画でした。またそれと同時にこの映画は、僕たち日本人がハリウッドに出かけ、ハリウッドの
素晴らしいスタッフと一緒にこういった映画を作るという、ある種大きな挑戦をした映画でもありました。
その辺を皆さんに楽しんで頂ければ嬉しいです。ありがとうございます。


後日「プレミアを見に来ていたお母様にスピーチがなんて下手なの、二宮くんを見習いなさい」と言われたと
暴露していた加瀬さん・・・爆 うん。確かに年齢さを疑うようなたどたどしいスピーチに「あぁ緊張してはるんやねー」
と思いましたですよw まあ本編の関係も象徴していた気もしますな。(清水より西郷の方がしっかりしている)

清水役 加瀬亮さん:
今日は来て下さってありがとうございます。僕は清水役を演じさせて頂きました。僕は小さい頃にアメリカに住んでいて、
その後日本に引っ越してきて今まで暮らしてきました。アメリカと日本、両方に友達がいて、この二本の映画を観たときに、
正直何で戦っているのかがよく判りませんでした。その答えを観て頂いた人から聞かせていただければと思います。
宜しくお願いします。


ああごめんなさい。『ミスティックリバー』見ます!爆
でもイーストウッド監督と共にこの作品を製作して下さってありがとうございました!

プロデューサー ロバート・ローレンツさん:
約一年半前にこのプロジェクトが始まり、私は硫黄島を訪れることができました。そして日本という素晴らしい国の
文化や歴史について学びました。また今ここに並んでいる本当に才能溢れる方々と親交を深めることもできました。
是非この方々が集結して作った素晴らしい作品を楽しんでいただきたいと思います。ありがとうございます。


この方の他の作品を知りませんが、挨拶で仰った通り、この作品を担当するに適任だったような境遇の方だったのですね。
日本語台詞としては謙さんたちもチェックされたのでしょうが大筋は彼女のものでしょうから、彼女が担当してくれてよかったです。

脚本アイリス・ヤマシタさん:
私はアメリカで生まれたアメリカ人の心と、日本で生まれた両親から教わった日本人の心を合わせて、脚本を書きました。
今日はこの映画を観に来て下さってどうもありがとうございます。


やはり物腰柔らかなイーストウッド監督・・・通訳の方が訳されたニュアンスと私の解釈が微妙に
違うのですがこういう意味合いで仰ったのじゃないのかなあ?(最初の一文)
やはり長身だし面長だし謙さんと似てるなあ、しみじみ。また謙さんとは俳優としてもご一緒に
お仕事して頂きたいなあ。ちなみに私プレミアの日、クリントイーストウッドのことを「クリントウッド」
というまたしても略称で呼んでしまいました。爆 今後彼の事はこう呼ぼうw

クリント・イーストウッド監督:
日本語ができないとはいえ、日本映画の監督を務めさせて頂いたのは光栄です。
今回は私にとって非常に満足のいくプロジェクトだったと言わなければなりません。そして本当に素晴らしい
キャストとの仕事は、私の長いキャリアの中でも本当に素敵で素晴らしい
経験でした。この映画の中では戦争の虚しさが描かれていますが、どの国籍でもどの国でも、やはり息子を送り出す母親の想い、
夫を戦場に出す妻の想いというものは、同じだと思います。もしかすると永遠に戻らないかもしれない戦争に行った若者たち、
彼らにこの映画を捧げたいと思います。ドウモアリガトウ


そして退場される皆様。例によって謙さんは深々とお辞儀をして退出されたのでした。
最後に司会アナウンサーの方が締めてくださいました。優しく温かみのある声のある方で
名司会ありがとうございました。しゃべりすぎ!と怒られたというラジオ番組私も
聞きたかったですわー

司会:
今回『硫黄島からの手紙』はどちらが正義でどちらが悪であるという描かれ方はしておりません。
監督は「様々なことをお客さんに考えて欲しい、答えはお客さんが引き出す、それがお客さんの仕事だ」
と常々仰っています。おそらくこの映画もそうなのではないかと思います。
アメリカでは硫黄島は五日間でおそらく陥落することができるだろうと思っていたようなんですが
実際には36日という長きに渡る戦いになりました。その戦いの日々の中で果たして指揮官は
何を思っていたのか、そしてわけもわからず連れてこられた一兵士はどんな思いなのか。
本当にこの作品を見ていると戦争というものの無常さを思わずにいられません。
是非今上映中の『父親たちの星条旗』もあわせてご覧になって頂けますと幸いです。
この映画は12月9日全国ロードショー公開です。さてワールドプレミア、皆様はどんな気持ちで九段坂の駅まで
向かわれるのでしょうか。そんなことを思いながら私は舞台の袖に下がっていきたいと思います。
上映は2時間22分です。では皆様ごゆっくりとお楽しみ下さい。



本編の感想は、一言で言えば「期待を裏切らない素晴らしい映画」だったということ。
私がこれまでに感じた日米戦争モノの決定的違いー日本の戦争映画やドラマは根源的に
「戦争の悲惨さ、空しさ」を訴えているのに対して、アメリカの映画ではどこか
「戦争における英雄像や正義、かっこよさ」を描いていた気がしますーはありませんでした。
むしろ「どちら側にも戦争に英雄などいない」とか、「戦地に赴く、あるいは祖国に残してきた家族や
大切な人を想う気持ちに変わりはないのだ」、つまり「英雄賛美」ではなく「戦争否定」
という強いメッセージが感じられた映画です。そういう意味でこの映画は本当に「日本側の映画」
というか「邦画」と呼んでも支障ないテイストの作品だと思います。もうね、気分的に
日本アカデミー賞のノミネート対象作に選んでもいいのではないかと思うくらい。
監督の国籍が日本じゃないだけでこの映画は「日本の映画」だよ、と。イーストウッド監督が
コメントされたのはそういうニュアンスなんだと私は思っています。(公式HPのレポでの
表記はニュアンスが異なるんだけど)むしろ見方によっては「なぜこのような質の映画を
日本人監督がこれまで作ってこれなかったのか」とも思える作品であるあたりも『ラスサム』と
通じるところかもしれません。

ただ武道館で行われたプレミアの観客の多くは日本人だったとしてもイーストウッド監督ハリウッド作品
ということで向こうで公開される時の英語字幕が見たかったな・・・『ラスサム』の上映時
何度か同じ映画館内で外国人の方も見かけたのですが、日本語に英語字幕が、英語に日本語字幕が
ついていることによってなんていうか一緒に見ている一体感を感じたんですよ。字幕がなければ
益々邦画っぽいのも嬉しい気はするけど英語字幕も見たかったなぁ・・・DVDを待つしかないか・・・
考えてみれば、戦争モノであるとか男性共演陣と監督はじめスタッフが意気投合して仲が良いとか
ハリウッド産だけどそんじょそこらの邦画よりよほど上手く日本を描いているとか色々
『ラスサム』との共通点も多い気がします。『ラスサム』よりリアルで残酷なシーンも多く
『ラスサム』のようなある種、美化された浄化シーンは少ないので、リピーター
は『ラスサム』ほどは生まれないのではないかと思いますが、少なくとも「外国人が作ったおかしな日本像」
に対するツッコミ所や違和感はほとんどないはずだし、完成度高く一見の価値ある作品なので
『硫黄島からの手紙』が一人でも多くの方にご覧頂けることを願います。

ジャニーズの二宮くんが出演することによって、題材云々ではなく二宮くん目当てで
映画をご覧になられる方もたくさんいらっしゃると思うのですが、この映画を見て
戦争について何か考えたり、硫黄島の歴史についてもっと知りたいと思う人が一人でも
多くいらっしゃるならきっかけはそれで全然構わないと思うのです。
そういうきっかけは二宮くんファンだけじゃなくて私にも当てはまることなのですが。
(元々戦争モノに全く興味がないわけではないけれど硫黄島については謙さんが出演
されなければあまり知らなかったと思う。)

謙さんはじめ出演者について書いていたら、まだ一般公開が始まっていないというのに
結構ネタバレが満載な感じになってきたので以後ご注意下さい↓








謙さんはやはり抜群の統率力と知力で陣頭指揮を執る、そんな役がお似合いですね。
留学経験のため国力の違いを身を持って知っていながら、また敵国に友人もいながら
軍人として与えられた任務を全うしなければならなかった栗林中将の心中いかばかりであったでしょうか。
「戦局不利となれば自決するのではなく、祖国の家族を一日でも
長く生きながらえさせるため生き延びて闘う」ことを指示した栗林中将・・・
古い考え方の一部の軍人には理解されなかったものの、実際に戦う一般兵士たちからの尊敬は
厚かったのではないか。総指揮官としての潔さ、気高さ、思慮深さ、統率力、存在感などなど
謙さんをおいて他に栗林中将にふさわしい役者はいなかったでしょう。

そしてファン的視点では、なんといっても謙さん軍服がお似合いです・・・流石コスプレキング。
『明日の記憶』でも8キロ減量されたと仰っていましたが、当時の戦局をふまえてまた体重を絞られた
のでしょうか?はたまた軍人役だからでしょうか?さらに引き締まったお身体をされていたような・・・
ただ総指揮官ご本人は予想以上に戦闘シーンが少なかったですね。階級的にやはり兵卒の二宮くん
たちの方が矢面に立って闘わざるを得ないということなのでしょうか。
本編の栗林中将@謙さんは家族に絵手紙を書いていたか、洞窟内の本部で指揮を執っていたか
島を杖を持って歩いていたかという印象が・・・あと戦闘シーンではなく戦闘シュミレーションシーンねw
今『「玉砕総指揮官」の絵手紙』を読んでいるのは、本編で謙さんがしょっちゅう絵手紙を書いて
らしたからなのですが、あの本編の絵手紙・・・もちろん謙さん直筆なんですよね?
じっくりと実物が見てみたい・・・(それにしても栗林中将ご本人絵上手すぎ、マメすぎ・・・)
残念だったのは「食事シーンの渡辺謙」なのにこれまたろくに謙さんの食事シーンがなかったこと!
一般兵士の二宮くんたちはちょくちょく食事シーンがあったのになぁ。これも『ラスサム』の
傾向に近いような・・・まぁ謙さんの食事シーンの醍醐味はあの心地よいほど豪快な食べっぷり
(かっこむ系食べ方)なので威厳ある硫黄島総指揮官が食事するシーンは不要ですよね。苦笑

栗林中将@謙さんとバロン西@伊原さんとのシーンは好きです。お二人とも良き理解者という感じで。
お酒を酌み交わすシーンでは『御家人斬九郎』の「雲隠れ」時のご共演を思い出してしまいましたw
栗林中将とバロン西、彼の愛馬との三者共演シーンでは謙さんめちゃくちゃ嬉しそうに
お馬さんと戯れてはりましたw 本編では西さんに乗馬を勧められ遠慮されていた栗林中将
でしたが、謙さんは撮影中にきっと一度は乗馬をされたはず!笑
そして西が読んだ米兵母の手紙は日本側を描くこの映画の中で「息子を戦争に送り出す母親
の気持ちは万国共通である」という監督が伝えたいメッセージの最たるものの一つだったと思います。

他に謙さんファン的見所は複数に渡る栗林中将ヒーロー的登場シーン、「天皇陛下万歳」そしてラストシーン。
戦争の英雄というより西郷@二宮くんの窮地を救ってくれる慕い頼れる上官的登場シーンが印象的でかっこいいw
そして節目がちに「天皇陛下万歳」と仰るシーンに『ラスサム』御前朝議シーンを思い出し
栗林中将や勝元というよりは謙さんの礼節を感じました。
また、謙さんのラストシーンは流石。いつもいいもの魅せて下さいますよね。皆様にもしっかり見届けて頂きたい。
二宮くんもアカデミー賞ノミネートをささやかれているそうですが、それも納得の熱演。
二宮くんの演技があって謙さんのラストシーンも引き立っていた気がします。

製作発表の折、主演は謙さんと報じられ、実際今もこの映画の主演は謙さんなのかもしれませんが
映画はどちらかというと一般の兵卒である西郷@二宮くんからの視点になっています。
後から聞くと西郷の初期設定は40代の予定だったようですが、年若い二宮くんが演じたためか
本編を見た印象として彼の演じる西郷が現代人の感覚に近いというか、共感しやすい存在に思えました。
誰だって家族を守るために戦地に赴き、一日も早く家族に会うために帰りたいと願うはず。
誰もがそう思っているのに本心を口に出せば非国民と罵られ、憲兵が見張っているのを
恐れるためか、周りが「お国のため、天皇陛下のために」と狂乱的にと殉じていく中にいて
西郷の生きて妻子と再会しようと必死にもがきつづける姿は現代人には当然の感覚としても
当時としては稀有な存在だったに違いないから。
西郷の妻役の裕木奈江さんも、二宮くんとは結構年の差があったはずですが違和感なくしっくり
きていて、短いシーンながらも印象的でした。

獅童さんの役柄は全然予備知識なしに見て驚いたのですが、意外な役だなぁと。
でも当時ならそういう現実もあったのかもしれないな、と思いました。
加瀬くんの役も彼の良心、心情も彼の運命についてもそういう憲兵もいただろうし、
あんなご時勢でもそういう良心を持つ人もいたんだと信じたい役ではありました。

それから見終ってすぐ隣にいたハルカさんに確かめたのが「『ラスサム』にも出演していた
役者さんが二宮くんの兵士仲間として出演していたよね?!」ってこと。
野崎役の松崎悠希さんという役者さんでした。http://www.yukimatsuzaki.com/jpn/
インパクトある眉毛ですぐピンと来ましたよ!ハリウッドで頑張ってらっしゃるんですね。
彼が謙さんの代わりのように食事シーン請け負ってた気がします・・・爆

あくまで俳優オタちっくな感想しか書けなくて申し訳ない。あとは皆さん是非公開後本編を
ご自分の目でご覧になって色々想いを馳せて頂きたいと思います。
それにしてもこの映画が北米で公開されたらどのように評価されるのでしょう。
特に上記の通りハリウッドの戦争映画といえば英雄モノを好んで見てきた人たちの反応は
どのようなものでしょう。謙さんの日本語でのお芝居が世界に配信されるというのも嬉しい
ですが、「日本人が演じ日本人が撮った映画だから理解できない」と退けられるのではなく
「アメリカ人が描いた日本人側の映画」であることをどう受けてもらえるのかが気になります。
「どちらが勝ったか負けたか、どちらが正しいのか」ではなく「戦争の悲惨さ・空しさ」
「想いは万国共通であること」を共感してもらえれば、と思います。









本編が終わりエンドクレジットが流れ出すと会場から拍手が。そして各キャストのクレジットが
表示される度に大きな拍手。ホントにいい作品拝見させて頂きました。ありがとう、
監督はじめ映画に携わられた皆様!

退場しようと席を立つと一階後方に人だかりが。何かと思えば出演されていた伊原剛志さんが
退場されるお客さんに御礼の挨拶をされていました!そりゃ感謝したくもなりますわ!
伊原さんファンも大喜び&伊原さんファンも増えたのではなかろうかと。伊原さんありがとう!

しかし今回残念だったのは、今までプレミアや試写会でプレスパンフ付前売り券を販売して
いたのですが、『硫黄島』プレミアではその手の販売はなかったこと!!
プレスパンフが欲しければ映画鑑賞後プレミア感想CM撮影に協力しなければならないということでした。
ぐあ〜〜プレスパンフは欲しいが何度も言ってるけどTVとか媒体に顔を晒すのだけは嫌なのよ〜!!
と思い悩んでる間にいつの間にかrubyさんたちがCM撮りに参加してプレスパンフゲットしてた・・・爆
rubyさん、ギリギリに来てチケット探し出して間に合ったのも凄いが、CM撮影突撃もパワフル過ぎる・・・
rubyさん、勇者伝説その2。
しかも途中で「庵の皆〜!」って大声でこっちに声かけないで下さい〜!!大汗
結局その後どさくさに紛れて私もプレスパンフをゲットしたかったものの小心者の性でゲットできず。
ぐぅ。なんでプレスパンフ付前売り券販売してくんないのさ〜絶対プレスパンフ大して欲しくない
人ももらってるに違いないのに〜そういう人に限ってヤフオクに高値で出品するんだわ・・・悔
CM用のありきたりな短い感想じゃなくて、こうしてネットでレポならいくらでも書くのに〜!うわ〜ん!(落ち着け、かず4)

結局プレミアは10:00頃終了しましたが、未練がましくCM撮影の人だかりの辺りにいたり
なんやかんやで、今回も晩御飯を頂く余裕はなく。爆
新宿11:30発の夜行バスに乗って無事帰京致しました。毎度ながらバス乗り場まで案内し
見送って頂いたハルカさん、ありがとうございました。いつも掲示板管理や企画でもお世話に
なりまくっていますが、また次回謙さんイベントでお会いしましょうw
なお私は当然の如く翌日何事もなかったかのように通常業務に就いていたのは言うまでもありません。笑
それから「12月9日初日舞台挨拶来ますよねっ?!」と興奮気味に仰ってた某勇者さん
残念ながら初日舞台挨拶があるのは邦画であり、ハリウッド産映画はプレミアがあるのみで
初日には特に舞台挨拶はございませんのよ。お間違いなきように・・・
でも初日舞台挨拶があったとしたら競争率高かっただろうなーニノファン恐るべし・・・爆
(と、このレポアップした時点では書いていましたが、ハリウッド作品には異例の初日舞台挨拶が開催
されましたね。しかも私、またしてもチケットゲットしてとんぼ返り上京してるし。爆 某勇者氏ごめんなさい〜。2007/1/1 加筆)


11月23日に慶応義塾大学の三田祭で謙さんが講演されるのを知った時、謙さんファン的に考えたら
プレミアでの舞台挨拶と90分謙さんの講義なら後者の方が密度は濃いだろうとは思った
のですが、謙さんの出演作お披露目である『硫黄島からの手紙』ワールドプレミアにまず
駆けつけたい、という想いが強かったんですよ。後から報道見るとやはり三田祭見に
行きたかったなぁという思いはあったんだけど。笑 もちろんプレミアで世界初披露の時を
共有させて頂いたのは大変嬉しく、光栄だったと思っています4

てなわけで今回も長くなりましたが、誘って下さった庵の皆様本当にありがとうございました!
鑑賞後じっくりお話できませんでしたがまた謙さんイベントでお会いする時、もしくはネットで
お会いする時はよろしくお願い致します。
それでは『硫黄島からの手紙』が一人でも多くの方にご覧いただけることを祈りつつ・・・

2006/11/26 脱稿 2007/1/1 加筆修正

ご本人公認ファンサイト 渡辺謙さん庵