ギリシャ生活記

ギリシャに来て、早いもので1年半が過ぎました。最初は日本との勝手の違いから戸惑うことばかり。しかし一体何がどう違うのか?と思われている方も、多いと思います。ここではその違いについて書いていこうと思います。これからアテネ近郊で生活を始めようとしている方、長期滞在を考えての旅行をされる方の参考になれば幸いです。



前書き 〜ギリシャ人とは?〜


まず、ギリシャ人について少し書いておいた方が、これから先の話をより理解しやすくなるでしょう。簡単に言いますと、

『日本人好きでちょっと(かなり??)お節介。ゴシップ好きでかなりの自己中心的解釈の元に、何かあると感情的になり、すぐ大声を出す。相手のギリシャ人もこんなだから、これが高じて議論も白熱することが多々ある。ただ、女性の方が男性より強いので、何かあったら女性が出てきて・・・・状況は更に悪化したりして・・・(^-^;』

こんなところでしょうか? まだまだあると思いますが、これだけ知っていればとりあえずは問題ないでしょう。別に彼らを誹謗中傷しているのではなく、日本人との大きな違いを理解してもらうために書き上げていることを、御理解下さいね。(僕が誹謗中傷だけではないことは、第2章の買物編で分かって戴けると思います。『ともだち〜♪』のところを、お読み戴けると幸いです。)

それでは、個々にちょっとだけ説明しますね。

日本人好き。これは結構知っている人が多いかもしれないですね。ギリシャ人は、船員として日本を訪れている人が多いのです。彼らと話していると、「昔、船員で横浜に行った、神戸に行った、佐世保に行った・・・・」と言う話を幾度となく耳にすることになります。結構年輩の方がこういった話をされます。また、その時日本人と結婚された方が多いようで、日系2世の人も結構いたりするんですよ。最近は違った意味でも日本人好きであると、ふと思うことがありますが・・・・(笑)

お節介好き。これは困った人をほってはおけないという気持ちの現れで、決して悪いものではないのですが、日本人からすれば、そこまでしなくても〜〜・・・・・・って思うことも多々あるかもしれません。なかなか断りにくいですよね、親切心で色々やってもらったら・・・・(^-^;  しかし、そこまでは・・・・・・。ん〜〜〜〜〜・・・・・・(^-^;;;

ゴシップ好き。これは自分のゴシップを防ぐ(ゴシップから身を守る)ためとも言われています。トルコ占領時代の影響であると思います(推測です)。当時のギリシャ人にとって信じられたのは家族だけ、親戚だけだったらしいのです。そんな時代を生きた人たちの習慣が今でも息づいているということなんでしょうね。

自己中心的。これは後々の話のメインキーワードです。僕の頭で考えたら、『普通はそんなことはしないよね?』っていうことが、ここでは結構当たり前に行われています。日本人からすれば、なんでそんななの???と、疑問符がいっぱいつくことがしばしば。それもお国柄と言ってしまえばそれまでなんですが、まぁ、続きは本編でと言うことで(^-^)

感情的になりやすく、すぐ大声を出す。これとこの後の議論好きがミックスされて、日常的なギリシャの光景を作り出しています。またこれに、自己中心的というのが入って来ますので、質悪くなったりします(笑) この絡みの話は本編でたくさん出てきます。これもお国柄なんですけどね(^-^)  日本人にはどうも受け入れにくかったりするのです。

女性が強い、のは何もここだけではないんですが、なかなか強いですよ、ギリシャの女性は。「きれいでしょ?」って聞かれますが、きれいでもこんなに強かったら・・・・って思うくらい、強いです。多くの男性は奥さんの尻に敷かれているようですよ、話を聞いた限りでは(笑)

簡単に書いたら、とってもひどい人たちに思えてしまうかも・・・。しかし、これも国民性の違いなのです。これが普通である環境もあるわけで、それはそれだと思います。でも、ちょっと心配した人、御心配なく。当然こんな人ばかりではないのです。良い人もたくさんいます。僕がここでこうして暮らしていけるのは、そうした良い人たちのお陰なのですから(^-^) 更に、島に行けば、とっても親切な人たちがたくさんいます。つたない英語で人なつっこく話しかけてくれます。(アテネでは、何が何でもギリシャ語で押し通そうとする人が結構見受けられますので・・・) しかし、シンタグマ広場近郊では、お気をつけ下さい。観光客相手のお仕事(詐欺、キャッチバーのポン引き等々)の人たちがいっぱいいますので・・・。都心部の方が人間関係がタフなのは、日本でも同じことが言える訳ですから、やっぱり。

ギリシャの本当の良さは、島に行ったときに分かる・・・と、個人的には思っています。

それでは、本編スタ〜ト!!(^-^)


目次


第1章 交通編


道路がすべる!
なんてところに停めてんの!
ラリードライバー??
【運転に対する注意色々】
ぼるなよ〜!!
無賃乗車逮捕!?
バス名物、チケットのたらい回し???
だって暑いんだもんっ、て・・・・?


第2章 買物編


第3章 キーワード編


最後に 〜生活される方、旅行される方へ〜



道路がすべる!

いきなりなんなんだ?と思われるかもしれませんが、アテネの道路は滑るんです。革靴で歩道を歩いていると、ツルっと滑るのです、これが。僕も来てすぐにツルっていきました。しかも何回も・・・・。幸い転ぶまでいかなかったのですが、でも危ないところでした。では、なぜこうなるのか???

実はアテネの歩道には至る所に大理石(もしくはそれに似た石)が使われているからなのです。理由は安いから、のようです(笑) 日本人からすると、大理石って高いんじゃないの???って思いますよね? でも、ここではそんなことはないようです。大理石の質もピンからキリまでありますので、質の悪いものが道路に使われるんでしょうね。もちろんすべての歩道に使われているわけではありませし、最近の歩道にはアスファルトやコンクリートを使っているところもないわけではないのですが、まだそれほど多くはないみたいです。もしかすると、僕の行く先だけがそうなのかもしれませんが・・・(笑)

雨が降ると、こんな道路は最悪。革靴の裏がゴムならまだしも、革だったら足の裏にすべての神経を集中して歩かないと、一発で滑ります。経験上、特にシンタグマ広場周辺のホテル周りは良く滑りますので、雨が降る時期に歩かれる方はお気をつけて下さい。

歩道がこんな状態なら車道も、と思われますよね、きっと? 実はその通りなのです。これがまた良く滑ります。理由は歩道と同じです。車道はさすがにアスファルトなんですが、どうやら大理石のかけらを混ぜているようなのです。これは当時の政治家が安い材料を使って生じた差額で懐を暖めたがために起こったことらしいです。お陰で道路は滑るだけではなく、タイヤに磨かれてピカピカ。夜は磨きのかかった道路に前を走る車のテールランプが反射する有様。日本で雨が降ると道路が光を反射しやすくなりますよね? あれがふつうの状態で体験出来るのです。余談ですが、雨が降ると道路に穴が開くのも、この粗悪材料によって作られたがためらしいです。

まぁ、滑りやすい道路に拍車をかけているのが、車を買ったときについているタイヤで、この質があまりに悪いようなのです。僕も車を運転していますが、今までなんどABS(アンチロックブレーキ)が働いたことか・・・・。しかし、タイヤを新しいものに換えただけで、これがほとんどなくなりました。

『雨降らば、雪道のように良く滑る、ギリシャの道路、げに恐るべし』。。。着いてすぐの僕が思ったことです。


目次に戻る



なんてところに停めてんの!

道路の次は自動車です。これは本当にすごい! 何がすごいかって言うと、運転と駐車。運転はまた別のところで書きますので、まずは駐車から。

駐車のマナーって、やっぱり日本人としてありますよね、色々。例えば出入り口の前には停めないとか、駐車している車との距離を考えて停めるとか、まぁ、ふつう自分の車を気遣って、変な停め方ってしないですよね? ここではそんなことないんです。

<良くあるケース その1>
駐車場の出入り口前に思いっきり停める。これは良くやられますよ、僕は。出るに出れないって、まさにこのこと。ギリシャ人にとっては普通なのかもしれませんが、僕には普通じゃない。異常ですから、クラクションを鳴らしまくります。持ち主が帰ってくるまで、ひたすら鳴らしたりもします。ギリシャ人も鳴らしていますね、とっても長く(笑)。帰ってきた人が言うのは決まって、「だって停めるところがないんだから、仕方ないじゃない!」みたいなこと。ギリシャ語だから分かりませんが、英語で言わせると、そんなこと言ってます。疲れますよ、結構・・・。

<良くあるケース その2>
2重駐車+車間距離10cmの駐車。これはその1を読めば納得出来ますよね。納得しても許せるものではないのですが・・・・(笑) これもこれで、出るに出れないし、動くに動けない。クラクションの鳴らない日はないんです、ここアテネでは。

<ギリシャ人に学ぶ対応方法>
気長に待つ。しかし、それでいて、怒りを見せる(笑)  俺は怒っているんだぜぇ〜!みたいに怒鳴りますが、車が動かせるようになるとすぐどこかに行ってしまいます。ほんとに怒っているの?って思いたくなりますが、それが普通らしいです、ここでは。

前後に詰められて動けない場合は、誰もいないことを確認しつつ、ゆっくりしかも確実に自分の車で、前なり後ろなりの車を押して動かします。ゆっくりでないとまずいのは、盗難防止用のアラームが鳴ってしまうから(笑)  でも、この光景はそうそうお目にかかれません。それに、自分の車が傷つけられたりしようものなら、いきなり金よこせ攻撃に出ますので、こちらで運転される方は駐車時はもとより運転時もかなりの注意が必要です。

運転は戦いだ!と、着いて少しして思いました。怖い怖い。


目次に戻る



ラリードライバー??

運転編です。僕は出張で中東エリアを回りますが、ここの運転レベルはかなり高いのでは?と思ったりもします。言い換えれば、そんな運転しないよ〜!!って言いたくなるようなシーンにも、しばしばお目にかかります。

さて、何がすごいかと言うと、一般道を時速120kmぐらいで、車と車の間を縦横無尽に縫って走る人がいるんです。しかも、かなり見かけます、こういった人・・・。これはなかなかすごいですよ。しかも制限速度70kmのところを、そのスピードですから・・・。それだけではありません。交通量が少なければそれはそれで・・・って思うときもありますが(日本でも首都高GPだって言って、やってますよね? あんな感じです。)、この交通量でそれするか???って思うくらいでもやってくれます。さすが自己中心的なドライビング(笑)って思ってしまいます。

大阪の友人が遊びに来たとき、「こんなんやったら、大阪の方がまだまだましやん!」と、声を大にして言ってました。その人は、駐車のマナーと運転の荒さを見てそう言ったのです。が、横浜出身の僕には、大阪の方がまだましって言う以前に、うぉ〜〜〜〜、なんじゃこりゃ〜〜〜〜????、ひぇ〜〜〜〜〜(T.T)って思ったくらいです(笑)

こちらで運転される方、特にセンター(街の中心と言う意味で使います)と呼ばれるシンタグマ近郊では、駐車をする場所も見つけにくいですし、道路も狭いです。また、ギリシャ人の運転は今書いたように日本人から見ればかなり危ないですので、お気をつけ下さいね。

『公道と、思って走ればサーキット』 道路すでにサーキットへと変貌を遂げているようです、ここでは(笑)


目次に戻る



【運転に対する注意色々】

ここでは少しまじめに注意点を書き上げてみましたので、アテネで車を運転される方は、参考までにお読み戴ければと思います。

<レンタカー>
日本と違い、マニュアル車がほとんどです。AT車もありますが、台数が少なく、料金も高めです。AVISを始め、大手レンタカー会社がありますし、空港で借りて空港で返せますので、地理に不慣れな方は、空港で借りる方が便利でしょう。

<道幅>
道路自体は国道でない限り、結構細いです。そこに路上駐車がありますので、大きな車は借りない方が身のためです。欧州で小型車の人気が高いのは、金銭的な問題だけでなく、こういった道路事情があるからだと思います。

<道路標識>
日焼けして見えなくなっていたりします。御注意下さいね。

<車線>
道路上の線は、なぜかほとんど見えなくなっています。それはおそらく、車を運転する人が車線を気にせず、線をまたいで運転したり、車線の上をタイヤが走ることが多いため、タイヤで磨かれて見えなくなってしまっているのでは?と思います。僕も車線を間違いそうになったことがあります。見えていればこんなことないのですが、見えてないがために違う車線を走っていたりとか・・・。特に一方通行には要注意です。

<一方通行>
ギリシャ人の多くは、これを無視します。バイクでも車でも、平気で無視して逆行してきますので、注意が必要です。

<一時停止>
ギリシャ人はこれを無視する人が多いですので、交差点では自分が優先でも、必ず気を付けるようにして下さいね。うちの横の交差点では頻繁に事故が起こりますが、これは一時停止違反が主な原因です。時に、急ブレーキのためタイヤがスリップする音が聞こえますが、聞こえないでいきなりぶつかる時もありますので・・・・。

<駐車場>
駐車しても問題ないエリアと言う意味での路上駐車は可能なのですが、だいたいそのエリアはすでに車がいっぱいで2重駐車等、違法駐車となりやすいです。近くに駐車場があれば、そこに入れた方が良いでしょう。場所によりますが、料金も3時間くらいで300〜500円程度だと思います。


☆その他気づいたときに、ここに書き足すように致します。


目次に戻る



ぼるなよ〜!!

ここまで書くと、レンタカーやめようかな〜って思う人も多いと思います。慣れるまではお勧めではありません。やはり、時間的にあまり当てにならないバスに乗った方が、安全は安全なのです。しかし、いつ着くのか当てにならないバスより、もっと早く着くタクシーの方が便利なわけで、ついつい乗るわけですが、実はここに、新たなるひとつの戦いが待っているのです(笑)

日本人=金持ちという式は、ここでも成り立っております。タクシーなんてその最たる例。僕は出張の帰り、タクシーで事務所まで戻ります。空港からのタクシーって一番質悪いんですが、ちょっと気を許すといきなりぼったくってきます。ではどうやってかを説明しましょう。

空港から事務所までだいたい1,000ドラクマなのですが、これに空港から(もしくは空港まで)の利用には、特別に300ドラクマを支払わなければなりません。それにトランクに預ける荷物ひとつにつき100ドラクマを支払わなければいけないのですが、まぁ、だいたいこれで行くと、僕の場合は1,500ドラクマでことは足りるのです。しかし、なぜかここでタクシーの運ちゃんとの駆け引きが始まるのです。

すべてのタクシーにはメーターがあるのですが、このメーターがくせ者。夜の料金用と通常料金用のカウントは別なので(これは日本の深夜3割り増しと同じ考え方です)、メーターの数字をチェックしなければなりません(金額の左横に1桁で表示されてます)。日中、この数字がならOKです。もしであれば、それは夜用のカウントになりますので、メーターは昼のおよそ倍速で進みますので、倍額近く払わなければなりません。タクシーを利用するには、まず、ここがひとつのポイントになります。もしだったら、「なんでなんだよ、にしろよ〜!!!」くらい言わないと、「へ? なんのこと?? これはなんだって良いんだよ(^-^)」って微笑みながら言われて終わってしまいます。御注意下さいね。

ちょっと逸れましたが、逸れついでにもうひとつ。運ちゃんの中にはメーターを消す輩がいるのです。これは「メーターつけろ!!! つけなきゃ降りる!!!」くらい言わないと、後で法外な値段をふっかけられ可能性があります。

で、僕の場合ですが(ようやくです、スミマセン前置きが長くて・・・・(^-^;)、だいたい2,000ドラクマって言われるのです。メーターx2ですね、だいたい。で、理由を聞くと、なんだかんだと言ってきます。最後に「料金表見せろ!」って言うと、しょうがないなぁ〜って顔で、ちゃんとした料金だけ受け取りますが、それでもなかなか納得しないのです。納得しないもなにも、悪いのは騙す方なのに、なんでこっちがいちいち怒られなきゃならんのだ!という気分にさせられます。また、お釣りがないときは御注意。全額持って行く人もいるかもしれません。僕はそこまで質の悪いタクシードライバーに会ったことはありませんが・・・・。話では聞いたことがありますので・・・・。

参考までに、何かあったら「ツーリストポリス訴える!」と叫んで下さいね。まずメモを取り、相手のタクシーのナンバーを書きとめ、で英語で、「I call Tourlist Poice now!!!!!」かなんか言えば、結構すんなりいってしまうケースも多いようです。あんまり使いたくはないですけどね、こんなセリフ。しかし、自分を守るためです。こんな事態に直面したら、なりふり構わず叫びましょう!!(^-^)  まぁ、日本人かと聞かれたら、中国人とか韓国人だと言うのもひとつの手です。理由は上記の日本人=金持ちの理論からはずれるからだと思われます。

そうはいっても、英語もろくにしゃべれない運ちゃんの笑顔と料金通りしかとらないまじめな姿勢には、心が和みます。でも、これって普通なんですけどね、日本じゃ(笑) 普通じゃないことが多いので、日本人にとって普通のことがあると、とてもとても心が和むのですが、その和み具合が、ギリシャにどれだけ長くいるのかを計る、ひとつのバロメーターと言っても良いかもしれません。

ぼったくりタクシーの運ちゃんを、いつかやっつけたるリストに載せたろ〜と思ったのは、ギリシャに着いて間もない頃で、その思いは月日を重ねるごとに、より一層強まっています(笑)  『タクシーの、運チャン見たら、詐欺師だと思え』悲しいですが、身を守る術の大切なひとつなのです。


目次に戻る



無賃乗車逮捕!?

ある日、まだギリシャのラリードライバーにも、ぼったくりタクシーの運チャンにもなじめずにいた頃、僕はバスを使って出かけていました。バスは当時100ドラクマ、今は120ドラクマに値上がりしましたが、それでもむちゃくちゃ安いのです。100円がだいたい300ドラクマですから、まぁ、40円くらいですね、今の為替レートで。本当に安いんです。しかし、こんな安くても人はただの方が良いわけで、故にここでも戦いが繰り広げられるのです。

まず、バスの乗り方から説明しましょう。バスに乗るには、バスチケットを街の至る所にある、日本の駅の構内にあるキヨスクみたいな売店で購入しなければなりません。大きなバス停の側にあるキヨスクには置いてありますので、ここで必要枚数を買うわけです。(もしくは、センターの大きなバス停の側で、チケットだけ売っているおじさんがいますので、そこでも買えます。)

で、バスに乗ります。バスの中にはそのチケットに日付とバスナンバーを印刷する機械が運転席の側、真ん中あたり、後ろの出口あたりと3つくらいあります。ここにチケットを差し込んでガッチャンっとしてもらえばOK。

戦いとは??って思われる方、これから説明しましょう、この戦いについて。まず、日本人としてはあまりに馴染みがない、このバスの機械。でも、ちょっと考えれば無賃乗車なんて簡単なのです。実際そういう人も多いのです、ここでは。だって、バスってすごいぎゅうぎゅう詰めなんです。押したくても押せないと言うのも、一理あります。そのくらい込んでいるバスにでも、彼は現れるのです。時々現れるこの彼こと『おやじ』が、バスの無賃乗車をを取り締まる取締官なのです。威張りながら、「チケット見せて〜」って言っているようで、ギリシャ語なんてちょっとしか分からない僕は、周りにならってチケットを出す。まぁ、悪さしてませんからOKなんですが、時々いるんです、捕まる人。

罵声・怒声が聞こえてきたら戦闘はすでに始まっているのです。会話はきっとこんなだと思います。

取締官 「このチケットは何だ!!」
犯人   「ここで押したらこんなになったんだよ、なんか文句あんのかよ〜」
取締官 「このバスのものじゃないだろ? 罰金払ってもらうからな!!」
犯人   「何いってんだよ、別に悪いことしてないだろ。チケットあるだろうが〜〜」
取締官 「このバスで押してないだろ〜に、何ぬかしとるんじゃ!!」

まぁ、こんなことを言いながらだと思うのですが、違反の切符を切っていきます。ここでもう少し高等なバトルになると、バスが止まる時の揺れにあわせて外に逃げようとするヤカラがいるわけです。車の運転、道路状況は前に書いた通りですので、運転の荒い運チャンばかりなので停車・発車のたびに良く揺れるんです、バスは。で、この止まろうとした時の揺れで取締官がひるんだ隙を見て、逃げようとする人がいるわけなのです。時々上手く逃げているようですよ、見ていると(笑)

更に面白いのは、ギリシャ人は人に強制・強要されることが嫌いなので、こういう取り締まりのお役所の人も自然と嫌われるのです(まぁ、誰でも好きじゃないですよね、こういう人は・・・・(笑))。故に、逃亡者(っていうほどのことでもないかもしれないけど・・・・)の手助けをしたりして・・・・。わざとその捕り物のじゃまになるようなところに立ってみたりして・・・・。もしくは、議論好きなギリシャ人ですので、バスの中でもいきなり『朝まで討論会』のようになるわけです。

『アテネでは、時にバスまでいくさ場に、どこに行っても議論・討論』・・・って言ったらかっこよく聞こえるかもしれませんね(^-^)


目次に戻る



バス名物、チケットのたらい回し???


さて、バス名物がもうひとつあるんです。基本的にこれはお年寄りに多いのですが、空いてる席を見つけるやいなや飛び込んで、席に座ったまま動かないおば〜ちゃん(なぜかおじーちゃんは見ないです・・・・)。チケット、ガッチャンしてから座れば良いのに、そんなことは最初からするつもりなさそうだから質悪い。「ふん」という鼻息のような音とともに、いきなり目の前にチケットをしっかり握りしめた手がにょきり。そうです、「私に代わってチケット、ガッチャンしてよ〜!」らしいのです。

日本人ですから、お年寄りを大切にしようと言われて育ちましたので、やってあげようとも思いますが、得てしてこういう人に限ってピンピンしていたりするのです。そんな人を見ると、「自分で行けよ〜〜!」って言いたくなります。が、まぁ、なんて言って良いのか言葉もさっぱり分かりませんので、とりあえず文句も言わず側にいたらやってあげます。

しかし、遠いところにガッチャンがあって、ちょっと込んでたら???  親切な人が多いギリシャ。そうです、必殺のチケットたらい回し攻撃が始まるのです。なにやら言いながら、隣へ、また隣が隣りへと・・・・チケットを回しているのです。最終的にガッチャンされるのですが、これが当たり前のように行われているのです。(日本じゃこんなバス走っていないから無理もないのですが・・・・(^-^;)

込んでいるときはこれも分かりますし、また、ギリシャ人の親切心を垣間見る一瞬と言えばそうなんですが、込んでないときは、「なんか違うぞ、ば〜〜〜ちゃん!!! そんだけピンピンしているなら、自分でいけや〜〜!!」って言いたくもなります(笑)。ちょっと怠慢なんじゃない??って思われた方もいるかもしれませんよね。まぁ、はっきり言うとそうなっちゃうと思うんですが・・・・、これもまた国民性の違いなわけですよね。

誰でもどこに行っても、こんな強者ば〜ちゃんいるよな〜って思える瞬間でした。


目次に戻る



だって暑いんだもん、て・・・・・?


さて、ギリシャにだんだん慣れてきた僕は、車でお出かけも出来るようになりました。しかし依然として道は分からないという、人任せ神任せ的な運転ではありましたが・・・・(^^;;;  まぁ、どうにかなったりしていました(苦笑)

そんなある日、ふと気になったことがありました。それは実に単純なことなのですが、バイク乗りがヘルメットをかぶっていないということだったのです。アメリカではヘルメットなしで乗ってたなぁ〜と、懐かしい想いに駆られると同時に、ここもそうなんだ〜と、瞬間的に思ったのでした。

なぜ瞬間的かと言うと、次の瞬間にヘルメットを腕に通しているだけで、かぶっていない人を見たからです。今までは運転に余裕がなく(気合い入れまくってゆとりなんてない運転でしたので・・・・(^^;;;)、そんなところまで気が行き届かなかったのでしょうね。しかし、ひとたび気になり出すと、どうも気になってしまって・・・・・。運転中に何台もバイクを見ましたが、しかしヘルメットをかぶっている人はいませんでした。

明くる日会社でおね〜さんに、「ギリシャって、バイク運転するのにヘルメットかぶらないで良いんだね〜」って聞いてみました。するとおね〜さん、微笑みながら、「ヘルメットはしなければいけないのよ」って言うじゃないですか。じゃ、なんでせんのじゃ〜〜〜って、心の中で叫びましたが(もうこの頃から僕の、なんでそうなんじゃ〜〜!!!症候群は始まっていたのです・・・・(^^;;;)それを悟られないように穏やかに、「じゃ、なんでかぶらないの?」って聞くと、おね〜さんは、「ん〜〜〜〜〜〜、夏だし暑いからとか・・・・・。」って言うじゃありませんか。そんな理由でかぶらないで良いの???って思いますよね、普通。

後日人から聞いた話では、ヘルメットをかぶるとかぶっていないより安全だから、車が注意しなくなるのをいやがり、あえてかぶらないんだといった言い訳をしたとか・・・・・。真偽のほどは明らかではないですが、なんか妙に納得させられました。また、おまわりさんがヘルメットをかぶっていないからといってバイク乗りを捕まえている景色を目にしたことは今までないように思えます。これも人からの話で真偽のほどは明らかではないですが、夏の暑い日におまわりさんにノーヘルバイク乗りが呼び止められても、「暑いからヘルメットかぶらなかったんだよ〜。」と言えば、10%の可能性で見逃してくれるんじゃない?と言われたことがあります。冗談かもしれませんが、そうかもしれないなぁ〜と妙に納得してしまいました。

ヘルメットをかぶらず縦横無尽に走るバイク軍団。特にシンタグマからオモニアにかけてのエリアでは、運転にかなりの神経を使います。バイクの場合は倒れたらそれでおしまいですから、当然ですよね。出来ればバイクを先に行かせてしまったほうが良いでしょうね(^-^)  『気を付けよう、バイクはメットをかぶらない!』っていうのが、アテネの日常茶飯事です。アテネ市内で運転される方、御注意あれ。


目次に戻る







第2章へ 進む