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和室を洋室に改造する



家族がハウスダストにアレルギー気味のため、1年前に和室の畳を剥がしてフローリングに改造した。続いて今年の春、ナゲシ裏に溜まった積年のホコリが気になったので、和室の塗り壁を洋風に改造し壁紙を貼り、今では完全に洋間に変身した。

畳をフローリングに変えるのは、意外に簡単だった。やってみると壁紙の張り替えよりも易しかったような感じがする。ホームセンターの店頭でフローリングが特売されているのを見て、衝動買いして帰り、初めての体験だったが5時間ほどで完成出来た。これは大きな工事に見えるが、作業が単純なので、多分、誰にでも出来る。

これに比べて、壁を洋風に改造するのは、なかなかの工事。なんと言っても自宅が安普請のうえ築20数年のため、各部の垂直や水平や直角が狂っていて、現物合わせに苦労。木工事2日、壁紙貼りに1日を要した。今回の体験から、新築よりもリフォームの方が難しいのかな、と思った。






畳をフローリングに簡単改造


必要な工具 
 丸ノコ、手ノコ、金槌、巻尺、直角定規(曲尺)、センターポンチ(先が尖っているもの)
  ※センターポンチ(写真)はフロア釘の、凹んだ頭を打ち込む道具で、ホームセンターで売っている。



材料類(6畳の例)
 フローリング(床板)6畳分、根太(ねだ→床を支える角材のこと)、木工ボンド(チューブ入り)、フロア釘(最低量の1箱でも余る)、根太を留める長い木ネジ、カラー化粧釘(フローリングと同じ色のものを、ほんの少し)
写真は左から、カラー化粧釘、フロア釘、根太を止める木ネジ


材料価格(ジョイフル本田  03/10月)
12ミリ厚のフローリング 4.680円/坪。B級品は2.490円/坪
根太(角材)4メートル 370円/1本
チューブ入りボンド 295円
フロア釘1箱 100円/400g入り
カラー化粧釘1箱 80円/100本入り
センターポンチ1本
(先端がとがっているもの)
148円



作業手順
@下調べ
畳を剥がし、下地板状態にして観察し、新しく取り付ける根太の長さ、太さ、本数を決める。
下地板の上に新しい根太を敷いて、その上にフローリングを貼るが、床面は敷居よりホンの少し低いぐらいにする。計算で新根太の太さを決める(フローリングの厚さは普通12ミリだが、購入時に確認のこと)。



下地板の釘打ち状態を観察すれば、下地板を支えている古い根太がどの方向に入っているか分かる。この古根太に直交させて、新根太を留めることになる(直交させないとネジや釘が打てないから)。

新しい根太は、部屋の壁際に一本置いて、そこから30センチ間隔で並べていき、部屋の反対側の壁際に一本置いてオシマイ。
6畳間の場合で言えば、部屋の長い方向に向けて並べるなら、3.6メートル(2間)の根太が10本。短い方向なら、2.7メートル(1.5間)が13本となる。

A買い物
木材の品揃えが豊富なホームセンターで材料を買い揃える。「根太材」というものが売っているわけではないので、手頃な太さの角材を探す。カンナ仕上げをしていない、安いもので十分である。
たいていのホームセンターには、フローリングの施工説明チラシが置いてある場合が多いので、もらっておこう。

B根太取り付け
古い根太に直交させて、新根太を30センチ間隔で留める。出来れば写真の木ねじを使う。釘留めする場合は床鳴り防止のため、ボンドを併用したほうが無難である。(床鳴りとは、下手なウグイス貼りになってしまうこと)

Cフローリングを貼る
フローリングは凹凸を噛ませながら貼って行くようになっているが、最初の一枚(図の1)は凹面を壁側に向けて、左隅から貼り始め、右(2)へ貼り進む。ボンドと釘を併用して貼っていく。

2列目は、一列目で切り残した板(3)を左隅に貼ってから、同じように右へ貼り進む。これを繰り返していくのだが、切り残した板を次の列に使うことで、各列の突合せ部分が自然にズレてくれる。

最後の列は半端な寸法となるので、残りシロに合わせてフローリングを切断し嵌め込む。嵌めにくい場合は、凹部分の下側を切り取れば入る。

番号順に貼っていく  最初の列の壁際の釘は脳天打ち

D貼り作業のコツ
凸部へ凹部を噛ませる時は、必ず当て木をして、金槌でトントンと優しく叩く。
フロア釘は凸部に斜め打ちして、さらにポンチで沈めて、次のフロア材の凹部が噛みこめるように、丁寧に打ってゆく。下手に打つと上面が膨らんでしまうことがあるので注意。

最初の列と最後の列は釘打ち出来ない部分があるので、この場合は化粧釘を脳天打ちする。
貼り進むうちに傾きが集積し、最後に大きく傾斜してしまう可能性がある。頻繁にゴールまでの各部寸法を確認し、傾かないように微調整しながら貼って行く。

上の図で、1番と2番の突合せ部分や、3番と4番の突合せ部分は強度が落ちるので、出来れば根太の端材を下に入れておくと良いだろう。そうすれば重量級の人が踏んでも安心。

床鳴りを防ぐために、ボンドをしっかり付けておくことが大切。



和室の畳をフローリングに変えた写真。
壁は塗り壁のままであるが、あまり違和感は感じない。
洋壁であれば壁際に幅木が取り付けられるから、フローリングのヘリが隠れるのだが、和壁のままにする場合は写真の通りに丸見えとなるので、部屋の周辺部に隙間が出ないように丁寧な作業が必要である。







和壁を洋壁に改装する


洋壁にする手順の概要

@ナゲシを壊して取りはずす
Aコンセントやテレビジャックをはずして、引き出しておく。
B柱の位置まで壁をカサ上げするために、柱と柱の間に水平にタルキ(角材)を入れる
C5ミリぐらいの合板(ベニヤ)を貼って、大壁(柱の見えない連続した大きな壁)構造に変える。合板にはコンセント類の穴をあける(5.2ミリのラワンベニヤはジョイフル本田で、1枚465円)
Dベニヤの切断面が開口部(ドア、窓)回りに出るので、角材で額縁を作って隠す
Eパテでベニヤの凸凹を修正し、錆止めのために釘の頭を隠して、クロス貼りの下地作りをする
F額縁など、露出する木部にニスを塗る
Gクロス貼りをする
Hコンセント類や、カーテンレールなどを取りつける。


ナゲシの取り外し
ナゲシは図のように、裏側をネジ止めしてある。このネジを探り当てて、ねじ回しで外すのは不可能である。
だから、50センチ位の間隔で、ナゲシにノコで縦の切り込みを入れておいて、室内側に剥がすように、力ずくで壊す。どうせ上から合板を貼ってしまうのだから、柱にキズがついても構わない。残った部分はネジを抜いてから取り外す。
この作業は、ナゲシ裏から漆喰の破片や、積年のホコリとゴミなどが景気良く落ちてくる。床一面に段ボールなどを敷いて、マスクを着用して行なうのが良いだろう。


柱の間にタルキ(角材)を入れて、壁をかさ上げする。

タルキを入れて、5ミリ程度の合板を貼る。石膏ボードでも良いのだが、厚みが増える分だけ部屋が狭くなるし、後で釘の効かない壁になってしまうので、合板がお薦め。
           (下図は上から見下ろしたもの)



開口部はキワの所に合板のヘリが出てしまうので、額縁状の木枠を付ける。
難しいのはコーナー部のカットで、正確に45度に切断して突合せ部(下の写真)を作るのだが、これは角度切りの出来る道具をホームセンターで買ってきて使った。ノコ刃をガイドするミゾを付けただけのプラスティック製品(1000円ぐらい)だが、45度や直角が正確に切れる、便利な道具である。


合板を張り終えたら、壁の一番上部に回りぶち(写真左)を取り付け、一番下に幅木(写真右)を化粧釘で打ちつける。回りぶちも幅木も化粧用材で、これを取り付けると、フローリングの壁際の隙間などが隠れるし、掃除機がぶつかっても壁にキズがつかない。(写真は壁クロスを張り終えてからのもの)

合板を貼り、額縁などの小細工が終わったら、クロス下地用のパテを塗り、壁面を平滑にする。釘の頭を露出させておくと、サビが浮いてくることがあるので、これもパテを塗る。

パテを乾燥させてから、クロスを貼れば完成である。(クロス貼りは紹介しているホームページが多いので、ここでは省略する。)

下の写真は左が改造前で右が改造後。
カーテン位置をを高くしたいので、窓の上部に板を張ってカーテンレールを取り付けてある

改造前  改造後 

建具の入れ替え
出入り口のドアがフスマ風のドアだったので、ガラス入りのドアに付け替えた。
古いドアをはずしてホームセンターに持ち込み、買った新ドアを、同じ形にカットしてもらえば良い。建具と言うものは、柱が傾いていればそれに合わせて作りつけてあるから、四隅が直角の単純な四角形とは限らない。だから現物合わせが無難だ。ドアはカット代や金物が別で15.500円。
左が壁改装前のフスマ風ドアの写真。右は壁改装後に新しいドアに交換した写真。




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