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市販品よりも美味しい、黒にんにくの作り方
雑誌「健康」(主婦の友社)編集部から要請を受け、2014年2月号の企画記事「黒ニンニクの作り方」作成に協力しました。
当ホームページと筆者も紹介されています。
その後、黒ニンニクの作り方は広く知られるようになりましたので、当ページの内容を「市販品よりも甘くて美味しい黒ニンニクの作り方」に重点をおいた説明に変更しました。
炊飯器の保温機能を使い、熟成させた黒ニンニク

@電気炊飯器は黒ニンニク専用
炊飯器にニンニク臭がつくと、他の料理には使えなくなるので、専用にならざるを得ない。
保温(70度台)は10〜16日間ほど続けるが、炊飯器は一定の時間が経過すると、保温が自動停止するようになっているものが多く、その場合は、時々スイッチを入れなおさねばならない。
だから、新たに炊飯器を購入する場合は、この点をメ−カーに確認する必要がある。
たまたま調べた事例をあげると・・・タイガーのJBG-B180 WUは保温ボタンを入れなおす必要が無いが、パナソニックの炊飯器ECJ−SD180型はたった12時間で切れるから使い物にならない。
ボクはタイガーのJBG-B180 WUを愛用している。
A悪臭対策
保温機能を使った高温熟成を始めると、最初の1週間ほどは、かなりの臭いが発散する。
ニンニク好きはさほど気にならないが、嫌いな人はたまらないようだ。
だから屋内で作ることは不可能だし、軒下などを使っても、室内に臭いが入り込む恐れがある。
ボクは木箱を作って炊飯器を入れ、雨よけのフタをして庭の隅に置いている。
臭いの出る期間が長いので、ご近所の迷惑にならない場所が必要だ。

B熟成開始
炊飯器は底の発熱部分が高温になるし、水が溜まることがあるので、必ず金網やスノコなどを置く。
その上に新聞紙かキッチンペーパーを敷き、それで全体を包み込むようにニンニク入れる。
ニンニクはバラものでも構わないが、丸ごとの方が、被っている皮が多いので、完成後の保存性が良い。
保温ボタンを押せば熟成が始まる。
C水分ムラの防止
「熟成中は時々ニンニクの上下を入れ替える」と言う人が居るが、新聞紙で全体を包み込むようにすれば水分ムラが生じないので、熟成中にニンニクを動かす必要は全く無い。
D臭いの出方
最初の数日は、木箱の周囲に猛烈なニンニク臭がたちこめる。
5日ほどたつと、臭いは薄くなり、以降はどんどん臭いが少なくなる。
E熟成完了の見極め・・・・これが美味しさを決めるので、タイミングを逃さないこと!
普通のニンニク(乾燥出荷されたもの)を使えば、保温ボタンを押して11〜13日放置するだけで出来上がる。
状況によって異なるが、まずは9日ぐらいでミルクチョコのような色になる。
その2〜3日後にブラックチョコのような黒さに変わりかけたら、すぐに熟成を終わらせる。
皮を剥いてみて、ニンニクの表面がまだ濡れている状態だと甘くて美味しい。
これ以上乾燥が進むと、どんどん味が悪くなっていく。
一般に市販されている黒にんにくは、乾燥気味に仕上げてあるため、皮は剥きやすいが美味しくない。
ボクは10日間放置し、10日目に出来具合をチェックしている。
チェックポイントは「乾燥の進み具合」と「色」である。この状態を見て最後の対応を決めている。
一番避けたいのは乾燥のし過ぎ。乾き過ぎると甘みが消えて苦味が出始める。さらに進めば硬くなって食べられなくなる。
熟成不足で明るい茶色をしているのに、剥いたニンニクの肌が濡れていない場合は、そのまま保温を続けると不味くなる可能性が高い。こんな場合は、釜に少量の水を入れることで熟成日数を伸ばすことが出来る。
「名前が黒ニンニクだから黒くしなければならない」などと思い込まずに、色よりも水分量を重視することが大切だ。
表面がシットリと濡れていて、皮を剥いたときに手指が黒く汚れてしまうようなものが甘くて美味しい。
美味しくするコツは、釜出しのときまでニンニクの肌を汗ばんだ状態で維持することにある。
☆ 未乾燥ニンニク(生ニンニク)を熟成させる方法
7月頃に出回る新物は、水分が多すぎるため、そのままでは熟成が難しい。
ボクは数日間、日向に並べて一気に乾燥させ、茎や基部をカラカラに乾かしてから釜入れしている。
未乾燥ニンニクをそのまま釜入れした場合は、数日ごとに湿り具合をチェックし、釜の底に水が溜まっていたら捨てる。
12日を過ぎても、ベチャベチャとして水分が多く、ブラックチョコ状態にならない場合は、釜のフタに割り箸などを挟んでスキマを作り、数時間蒸気を逃がしてやる。こうすれば、まずは球の外皮が乾き始め、次に中味が黒くなり始める。
☆ 出荷前の「乾燥処理」について
生ニンニクは、水分が多いので保存性が悪い。そこで、保存性を高めるために、農家は出荷前にひと月ほど強制乾燥させるなどしてから、市場に出すのが普通である。
出荷前に行われる一ヶ月ほどの乾燥処理によって、ニンニク球は水分を失って約75%の重さになる。しかし鱗片自体の重さは全く変わらない。鱗片は来年に命を繋ぐのが役割だから、保水性に優れているのである。
つまり、乾燥処理されたものと、されていないものの違いは、鱗片(ニンニク本体)以外の水分量にあり、新物が上手く熟成出来ない理由はこの水分にあるようだ。
☆ 完成状態のいろいろ
一升炊きの釜を使い、13日で完成した写真。

普通の乾燥ニンニクを使ったので、真っ白だったニンニク球がベージュ色に仕上がっている。
新聞紙で包んだので、どの球もムラ無く同じ出来栄えになっている。
次の写真は、未乾燥にんにくを湿ったままで使ったため、煮物のように仕上がった事例。

途中で蒸気を飛ばしてやらなかったため、球の外側まで黒ニンニクの成分が染み出している。ベチャベチャに黒ずんで、皮を剥こうとしても、皮と実の区別がつきにくくなっている。
次は、未乾燥にんにくを使ったが、熟成中に蒸気を飛ばすことでマシになった事例。

球の外皮はベージュ色だが、個々の鱗片の皮は黒ずんでいる。
未乾燥ニンニクは、こういう出来上がりになりやすい。
水分が多いと、なかなか黒くならないし、同じ釜の中でも色の濃さにバラつきが出やすくなるようで、次の写真はその事例だ。
左はブラックチョコの色だが、右は未成熟なミルクチョコの色になっている。

これは九州産(暖地型の品種)の新物を12日間熟成させたもの。
どちらも同じように美味しいから、色を気にしなければあまり問題はない。
美味しく仕上がった黒ニンニクは水分が多いので、皮を剥くと手が汚れやすい。
あらかじめ皮を剥いてビンに保存すれば、いちいち手を汚さずに食べられる。

ビンに入れたものを冷凍室に保存すると、「常温よりも美味しい」という人が多い。
冷凍室に入れても凍ることはないが、モッチリとした食感になる。
次は、釜にバラニンニクを入れ、その上に球ニンニクを載せて作った事例。

バラニンニクが黒く見えるのは、焦げたのではなく、詰め込み過ぎたために蒸れて、黒ニンニク成分が滲み出したものである。球ニンニクにも、色移りして黒くなった部分が見える。
バラものを使うと、隙間が少なくなって通気性が悪くなり、蒸れやすくなるようだ。
出来上がった黒ニンニクは、ネットか紙袋に入れてぶら下げ、常温で乾かし気味に寝かせる。
こうすれば、徐々に臭いが薄くなり味もまろやかになる。皮を剥いても手が汚れなくなる。
釜から出すのが早すぎると、ニンニク特有の匂いが気になることがあるが、この場合は1か月以上乾かせば嫌味が薄まる。
☆ 材料ニンニクの選び方
黒ニンニクは、使うニンニクの品質によって、甘さ、酸味、粘りなどが全く違う。
ボクは1年の半分をキャンピングカーで全国旅行しているため、これまでに使ったニンニクの産地は、北海道、青森、長野、埼玉、四国、九州など、ほぼ全国に及んでいる。そのなかで特に美味しかったのは香川県産と徳島県産。
青森ブランド(ホワイト六片)は色白できれいだが、あまり美味しいのには当たったことがない。ただ青森は品質基準がしっかりしているので、大きく外れることは無いようだ。
中国やメキシコ産も試したが、まずくて食べられなかった。
青森産ニンニクは、設備費のかかる発芽抑制処理(特殊な加熱処理)と在庫管理がしっかりしているために、一年中全国に流通しているが、他地域のニンニクは収穫期にしか店頭に並ばないケースが多い。
これを逆に言えば、青森ニンニクは長期在庫しても発芽しないため、鮮度の低いもの(収穫してから時間の経ったもの)を買わされる可能性が高い。
一般の野菜と同じように、ニンニクもまた、収穫直後の糖度が高いのではないかと思う。
香川県産(国内出荷量第2位・暖地型品種)は、青森産とは違って、収穫期にしか店頭に並ばないが、ボクは6月頃に香川産の新物を使って、一年分の黒ニンニクを作りだめしている。
☆ 保存
透湿性のある紙袋やネットに入れると、常温で長期保存が出来る。
ニンニクは保水性が極めて高いので、簡単には乾燥しないし、ネットか紙袋に入れてぶら下げれば数か月放置しても痛まない。
黒ニンニクは、釜出し直後よりも、しばらく寝かせたほうが食べやすくなる。
半年以上乾かすと、最後にはキャラメルのような面白い食感になる。
ボクは6〜7月に作りだめしたものを、1〜2ヶ月ネットに入れて日陰干しし、その後、冷凍または冷蔵している。
☆ ニンニクとガン予防
ニンニクは芽が出ると売り物にならないため、発芽抑制剤が広く使われていたが、この薬剤に発がん性があるとわかり、数年前から国内産地では薬剤の使用を禁止するようになっている。
しかし、輸入ニンニクにはまだ使用されている可能性がある。
ドイツ政府はニンニクのガン抑制効果を公式に認めているが、そのニンニクに発がん性ある薬剤を使われたのでは、何のための健康法かということになる。
しかし、商売として黒ニンニクを作る場合、材料を輸入ニンニクに切り替えれば、原材料費が劇的に安くなり、コストの下がった金額が丸々利益増になる。多額の広告宣伝費を使って販売している業者の中には、輸入ニンニクの誘惑に負ける者が少なからず居ると思う。
黒ニンニクは健康目的なので、安心安全のために、国産品を使って手作りされることをお奨めする。
簡単で美味しい
蒸し焼きにんにくの作り方
(琥珀ニンニクの作り方)

黒ニンニク作りは日数がかかりすぎるし、臭いが出る・・・という人には、早く作れて美味しい、蒸し焼きニンニクがお奨めだ。
有効成分の含有量は黒ニンニクに敵わないが、味としてはボクの好みに合う。
ニンニク球をアルミホイルに包んで蒸し焼きにして、乾燥させれば琥珀色のニンニクが出来上がる。

鍋底から少し離した高さに金網をセットする。
シワシワにしたアルミホイルで包んだニンニクを並べて、中火で15分ほど焼く。
ひっくり返して、さらに15分焼いたら、フタをとらずに冷めるまで放置する。

バラバラにして皮をむき、干しカゴに並べて風乾する。
焼きニンニクはベタついて、冷めればくっつくので、焼きたての熱いうちに皮を剥く。
ニンニクは保水性が良くて乾きにくいので、天気が悪ければ扇風機の風を当てる。
3〜4日間ほど干して、ゼリー程度の固さになったら完成。モッチリした食感が美味しい。
蒸し焼きニンニクはカビやすいので、冷蔵庫に保管する。
蒸し焼きにんにく(琥珀ニンニク)がさらに美味しくなる
にんにくの燻製

蒸し焼き琥珀ニンニクに、10分ほど燻煙をかければ完成。
健康のために毎日1片づつ食べ続けるつもりだったが
美味しいので、つい食べ過ぎてしまった。

鍋に燻製チップを入れる

金網に蒸し焼きしたニンニクを載せる。
ニンニクには、お好みで塩をふっておく。
鍋のふちからぶら下げた金具に、金網を引っ掛けて載せる。
なべ底に石ころを置いて、金具の代用にしてもよい。
写真は、2段重ねで燻煙をかけている。

強火にして煙が出始めたら、中火にして10分程度燻す。
鍋のふちの金具がスキマを作り、フタの周りから適度に煙が出る。
煙が少なくなったら完成。
出来立てはホクホクとして美味しい。

ボクはさらにこれを、数日間天日干しにした。
干せば密閉容器に保存してもべたつかなくなる。
保管は、ビンに入れて冷蔵庫へ。