DragonHeart | 80/100 | official CD-R | Valley Of The Damned (Demo) |
mp3.com | USA | 62753 | 2000 |
1.Valley Of The Damned
2.Revelations
3.Starfire
4.Black Winter Night
5.Disciples Of Babylon
天然記念物は保護しましょう.
正統派メロ・スピ・バンド,DragonHeartが結成直後に,mp3.comに挙げた最初のデモで,同サイトのダウンロード・チャート,そして,CDRセールスで総合1位を記録した.音楽的にはANGRAとカイ・ハンセン(HELLOWEEN
-> GAMMA RAY)に多大な影響を受けているこのバンドを殊のほかユニークにしているのは彼らが英国出身なことだ.いったいどういった経緯で彼らがこのようなスタイルの音楽を始めたのかは非常に興味深いことだが,現時点では詳細はわからない.ただ,彼らが地元のシーンの中では非常に浮いた存在であったことは疑いの余地がないだろう.
1."Valley Of The Damned"は典型的なメロ・スピ・チューンで,ツーバス・ドコドコ,ギター*2本,ハイ・トーン・ヴォーカルの三種の神器をフルに活用し,「マスターが僕たちのことを呼んだときには,僕らの剣はその光を浴びて光輝く」と歌い上げる.中でも聴き所はハーマン・リーによる高速ギター・プレイで,宇宙人との交信の模様がここに記録されている.
3."Starfire"はGAMMA RAYの"Silence"タイプのバラードで,ここでも一部ANGRAっぽさを思わせるところがある.
他の曲は「それなり」であって,特筆すべき点は見受けられない.ただ,どの曲にも言えることだが,4分付近から,約1分程度のギター・ソロになって,コーラス->ギター・ソロ->コーラスで終わるパターンが多いため,4分の曲が6分半に伸びてしまっているため,焦点がボケてしまっている.
また,各ミュージシャンの技量はどれも今ひとつで,2人のギタリストは自分の指を速く動かすことに精一杯だし,ヴォーカルはなまっていないけど,発声などの基礎的なトレーニングが不足しているアンドレ・マトス,ヘルプで入っているドラムはリズム感がちょっとないかな?と思わせる.2."Revelations"でのもたつきを曲を一瞬止めてしまうことでごまかそうとしているんだけど,それが失敗しているあたりはやはりデモ・クラスのバンドですかね?ただ,この手のバンドは誰かが保護してあげないと,世間の荒波には勝てないのではないか.
なお,彼らのウェブ・サイトではHALFORDのオープニングを勤めた日のライヴ・パフォーマンスのヴィデオが観れる.(客席から突き出されるMANOWARサインに心を奮わせろ!!)(2001/04/27)