when can i get my copy of LUCY MONOSTONE CD ?????

いつ,ぼくはぼくのぶんの「ルーシー・モノストーン」のCDがてにはいるのかな?????

last update: 2002/01/14

はじめに

 「多重人格探偵サイコ」(大塚英志原作・田島昭宇作画)というコミック作品が角川書店刊の月刊コミック誌「少年エース」に連載されています.同作品はコミック作品としてのみならず,ソニー・ミュージックからリリースされたドラマCD,WOWOWにて放送されたドラマ(保坂尚輝主演)など多用なメディア・ミックス展開をみせています.

 本作品の中でミュージシャン兼テロリストとして度々引用されるルーシー・モノストーン(実在の人物なのかどうかは不明)の楽曲で"STRANGE NEW WORLD"という曲があります.本作は合法的には流通しておらず多数のブートレッグが市場に出回っているとされています(作品中での紹介から引用).そのような状況を踏まえ,今回,角川書店が権利関係をクリアにし,CDとして提供することになりました.

 企業としては,お得意のオタク相手のメディア・ミックス戦略でコミックを買っている客層に関連アイテムを販売することで同じ客からより多くの収入を得る,というのが狙いと思われる.

 しかも,音源に関しては,既にドラマ化された折に入手(作成?)しており,マスタリングを再度やり直す程度で済む,と判断したように思われ,小額の投資で確実な利益が得られる,という判断があったように思われる.

 そんな中,原作コミック7巻と増刊形態の雑誌「サイコエース vol.2」にて,同作のCD化告知が行われました.

 僕は,レア音源でありながらも,安価であることから,「とりあえず購入」することにしたのでした.

経緯

1.最初のハガキ到着

 当初予定されていた郵送期限が切れかかったある日,自宅ポストに1枚のハガキが...

ハガキ1枚目<ハガキ記載文はじめ>

 ルーシー・モノストーン12cmマキシシングルCD 「Strange New World」をご注文くださったお客様へ

 製作遅延のお詫びとお願い

 お待たせしてしまって,たいへん申し訳ございません.
 原作コミック7巻,および少年エース増刊「サイコエースVol.2」で告知いたしました,ルーシー・モノストーン12cmマキシCD「Strange New World」の制作が,現在たいへん遅れてしまっております.
 本来は10月中旬の発送をお約束しておりましたが,予定を大幅に超過してしまい,現状では1月上旬からの発送を目指している状況です.
 毎日お待ちいただいているファンの方々にはたいへん申し訳なく,深くお詫び申し上げます.
 ルーシー・モノストーンの楽曲(CD本体)のマスタリング作業は完了し,1日でもはやく皆様のお手元にお届けできるよう,同時に,お待ちいただいた分だけ少しでもクオリティを上げられるよう,チーム一同全力を挙げているところです.
 たいへん恐縮ですが,ファンの皆様に少しでも満足していただけるよう力を尽くしておりますので,もう暫くお時間をいただけますよう,どうぞお願い申し上げます.
2001年12月

角川書店エンタテインメント事業部

ルーシー・モノストーンCD通販 お問い合わせ係
<ハガキ掲載文おわり>

(注:ハガキの画像が微妙に回転しているように思われますが,これは実物がこのように回転して印刷されていたものをそのまま転載しています)

ぼくの心象

 とっくに発送されてきていてしかるべきなのに,まったくブツが到着しないため,角川書店に確認を取ろうとしていた折,ハガキが到着し,ひとまず安心する.この手の限定アイテムは注文を締め切った後に,受注数に基づいて制作費を割り当て,制作されるとハナから決め付けていたこともあり,多少の遅延はやむを得ず,と思っていた.実際になんらかの音源が残されているとした場合で,「原盤をどうするか?」,「権利関係はクリアに出来るか?」といったリーガルな問題は先に述べたドラマ放送時にクリアされているはず.また,マスタリング作業も,ドラマ版で引用されていた音源を聴く限り,そこそこなものである.それを元にCDで聴く,ということに主体を置いたミキシング作業を追加で行う程度のはずであり,工数自体はそれほどではない,と察することが出来る.問題となるのはアートワーク制作とCD自体のプレスなどの実績及びコネがあるのか,ということを危惧する程度.

 ハガキにある内容では,「チーム一同」という表記があるものの,これ自体にはそれほど人数を割いていないと思われるのだが...「大勢で頑張ってますよ」,ということのアピールなのだろうか?(Yahoo! BBみたいなのもあるし...)
 また,ハガキ表面には2000番台後半の受け付け番号が記載されていた.受け付け開始からそれほど日数を経ていない時期に申し込んだこと,単行本のセールスなどから察すると,本CDのプレス枚数は5000枚前後ではないか,と思われる.そこそこ美味しい商売ではないか.ただし,この「お詫び状」発送のため郵便料金と文章作成+印刷の工数代を鑑み100円弱は,利益が減少していると思われる.

2.2通目のハガキ到着

 最初のハガキが到着して1月少し経過した1月中旬.本来なら,前回ハガキにて告知した内容では既に発送がはじまっているはずのこの時期に再度ハガキが到着する.

ハガキ2枚目

<ハガキ掲載文はじめ>

 ルーシー・モノストーンCD
 発送作業遅延のお詫びとお知らせ

 まずは度重なるお詫び状のご送付を,深く陳謝させていただきたきます.
 先月お送り差し上げたお葉書にて,CDのお届けが1月上旬発送予定で遅れております旨をお詫びとともにご連絡させていただきましたが,実は発送作業直前に,印刷ミスが見つかってしまいました.ようやく出来上がりましたCDを皆様にお送りしようとした刹那に見つかった印刷ミスに,制作チーム一同たいへんなショックを受けましたが,出版社として万全の製品をお届けするため,再度刷り直すことにさせていただきました.
 CDの発送は,1月21〜24日頃となる予定です.
 重ねまして深くお詫び申し上げます.
 まずは急ぎご案内させていただきますが,何とぞご容赦くださいますよう,お願い申し上げます.

2002年1月

角川書店エンタテインメント事業部

ルーシー・モノストーンCD通販 お問い合わせ係
<ハガキ掲載文おわり>

ぼくの心象

 一読して「かわいそう」になってきた.
 かなり芝居がかったこの文章を読まされるとさすがに...
 本CD制作において,担当者の業務はリーガルな問題やマスタリング作業などを他の人に頼んで作業してもらう,という,いわば調整業務とアートワークの作成という出版社社員としての腕の見せ所,という2点に大きく分けられた,と思われる.そんな中,アートワークの印刷ミスが見つかった.そのときの担当者の落胆ぶりには仕事をする者には容易に想像がつくはず.その対策について上司と話しあったときには相当厳しかったはず.当初,オタク向けの小規模な利益を得るという角川書店という企業にとっては売上をほんのちょっと積み上げる程度の仕事だったはず.同じ少年エース掲載作品の「新世紀エヴァンゲリオン7巻」の限定フィギュア2種各20万個が大量に店頭在庫と化してしまい,問題となっているこの時期.度重なるお詫び状の送付,アートワーク再制作と余分なコストがかかり,本CDも赤字業務化する危険(実際どうなんだろう?)な状況.管理職(上司),担当者,ともに心中を察すると胸が痛むことこの上なし.
 そんな中,オタク向けビジネスだけに商売や仕事についての理解がないであろう,「自分が注文したものが期限になっても到着しない」という一点のみに固執した厨房どもが連日ヤカラの電話やハガキが到着しているはず.担当者はそれの対応に追われているのでしょう.
 このCDがどういう位置付けで着手し,その後度重なる不手際でどのようなそれに変わってきたのか,というのを大体わかっていれば,担当者の方の心中が察せられ,心苦しい.
 
 もう願うは,確実にブツがぼくの手元に届くことだけ...