LiVE REPORT2004

Super Robot Spirits 2004

2004/05/04 @Nanba Hatch

ヴィデオやCDではチェックしていたのだが,なかなか足を運ぶまでには至らなかった「スーパーロボット魂」のライヴに行く.
が,開場待ちの客を見回してしばし後悔する.これが,15年くらい前にアニメイトあたりにいた人たちがタイム・スリップしたかのように集結.中心年齢層は35歳から45歳といったところか.そう俗に言うオタク第1世代と呼ばれる人たち.きついなぁ...
小雨降る中,開場待ち.が,会員先行予約で取った人が400名くらいで,普通にぴあなどで取った人が200人くらいという入り.少ないのだけど,前回のANTHRAXヘッドラインによるEXTREME THE DOJO vol.10より多い...ということはアニソンな人たちの方がメタラーよりマーケットがでかいということに... 

定刻を少し先走ってMCというか狂言回しのショッカー大野氏が登場.それらしく煽って開演.水木一郎,堀江美都子,影山ヒロノブ,MIQと登場して"鋼の魂"(オリジナル)でスタート.4人とも最初から安定して,さすが芸暦30年前後なだけはある.MIQひとりになって,"エルガイム"へ.正直予想できる範囲でのスタート.やはりここでもプロの力量みたいなのを見せ付けられる.で,その後は影山ヒロノブが"メロスのように"(レイズナー)へ.Airmail From Nagasakiの光ゲンジっぽいオリジナルとは異なり,ハードロック色の強いアレンジに力強いvox.が載る,ということで,これはこれで良いです.ここで堀江美都子が"ダルタニアスの歌"を披露.堀江嬢持ち前の演歌のコブシが回る回る.ただ,マニアックだったのかここで少し盛り下がる.で,真打水木一郎登場で"我に敵なし"へ.またしてもマニアックな選曲へ.やはり曲が...ここでトークを挟んでしばしブレイク.

2つめのゾーンは遠藤正明の"魔神見参"でスタート.正直彼のオリジナル曲は知らないのだけど,シンガーとしての技量は決して帆かの出演者に見劣りするものではない.オーディエンスにもすっかり定着しているようで熱烈な声援を受けている.次は鮎川麻弥の"夢色チェイサー"(ドラグナー)へ.鮎川嬢も安定した歌唱を聴かせる.お次は福山芳樹(ex-Humming Bird)の"キングゲイナー・オーバー"へ.WOWOWアニメということでマニアックか,と思いきや,客席はかなり盛り上がる.アニメのオープニングでは各キャラが踊るパートのところでは「踊れ!」は見事.今日の出演者の中では一,ニを争う現役ロック畑な出自をあらわす彼だからこそ.ここで更にブレイクが入る.

3つめのゾーンはゴーダンナー・コーナー.って,BS朝日やAT-X,KBS京都ってBS, CS,UHFとも厳しいところの番組なだけあって,このゾーンはかなり厳しい.串田アキラによる"神魂合体ゴーダンナー"から水木/堀江で"塹壕の棺",ここでトーク・コーナーを挟んで""我が名はゴーダンナー"(串田),"ENGAGE"(水木/堀江)と閉める.

次のゾーンはアコースティック・セットに.ステージ右手には,福山,水木が,左手に影山が計3本のアコギを抱える.ここに鮎川,堀江,MIQが並ぶ.今回は従来からはセットを変えてきたので,定番のこの曲をアコースティックでやる旨を水木氏が伝える.遠藤氏に全部歌わないようにと指導をしつつ(遠藤氏はそういういじめられキャラのよう)"コン・バトラーVのテーマ"からスタート.熱いですな.で,水木氏より「ささきいさおが出演できなかったため,彼が主題歌をうたっていた闘将ダイモスより"エリカのバラード"を披露.マニアックな選曲はこういうところにも生きている.が,盛り上がりには欠ける.この段階で75分経過.MCのショッカー大野氏が,「ここで折り返し」宣言.

ゾーン5はガンダム・コーナーに.MIQによる"Ever Green"(0083)よりリスタート.0083はアニメとしては文句なしだけど,楽曲としては弱いと思うのだが...ここでやっと諸岡ケンジ(ex-RD)が登場し,"Don't Stop Carry On"(Vガンダム)を披露.が,ここまでの出演者と比較して明らかに技量が劣る.客席は盛り上がるのだが,メロの不安定さなどが目立ってしまう(後で暴露されるのだが,彼がこの曲を歌うのはレコ時と本公演の東京公演とそして今回の公演とのこと.やむなしなのか.お次はマイ・アンプ持参で登場したg.とvox.の2人ユニットInfixによる"Winners Forever"(Vガンダム)へ.Infixのvox.って福山並の巨漢.マイク・スタンドを回しつつ歌うのだが,明らかに声が出ていない.この2曲,頑張ってはいたし,絶対評価ではこんなもん,っていうレヴェルではあるのだけど,明らかに他の出演者の技量が恐ろしく高い(リズム感の怪しいオタによる手拍子を受けて歌うのだから慮れ!)ため,今日の耳のレヴェルは上がってしまっている.だからこそちょっとしたことが耳についてしまう.残念.このゾーンを閉めるのは鮎川麻弥による"Z刻を超えて"(Zガンダム).ここでの鮎川嬢は圧巻ですね.肺活量の凄さを見せつける歌唱はプロというのはこういうこと,と見せつけられる.

続いてはJAMプロジェクト関係となり真・ゲッターロボの"No Serenity"を影山,福山,遠藤にて披露.福山のギターがおもむろに馴染みのフレーズへ."Planet Dance"(マクロス7).歌バサラ本人による歌唱はさすが.盛り上がる中,影山の"孤独の旅路"から,水木の"Tornado"へ.

ゾーン7は本編ラスト."勇者王誕生"(ガオガイガー)を遠藤が熱唱.正直この時代のアニメは知らないのだけど...オーディエンスの間では定番らしくかなり熱い.次は初披露となるドラグナー"Illusionを探して"へ.マニアックな選曲で,恐らくこの曲を聴いたのは87年以来.ここから串田アキラ再登場による"疾風ザブングル"へ.独特の串田節はここでも炸裂.更に"ダンバインとぶ"(MIQ)へと往年の名古屋テレビ枠再現.結局この手のライヴはマジンガー系と名古屋テレビ系の2本柱だからな.堀江の閉めは"ボルテスVの歌"となり,水木/影山による"おれはグレートマジンガー"へ.ここでの掛け声は今日一番の盛り上がり.本編ラストは"熱風!疾風!サイバスター"を水木,影山,堀江,MIQにて熱唱.

アンコールは水木,影山,堀江,MIQにて"時を越えて"から,出演者全員による"マジンガーZ"で終了.計31曲165分のセットは盛りだくさん.これはこれで楽しめるのだが,リピーター相手な商売なためどうしても生じてしまうマンネリ感は否めない,また,セット・リスト,出演者によるところも大きく,正直このメンツでもう一度見たいか?と問われれば,否.だがしかし,ヴェテランだからこそ出来る懐の深さ,技量の確かさはリピーターだけに独り占めさせておくのはもったいない.ということで,やはり次回は出演者次第だな(2004/05/04).