LiVE REPORT2002
2002/01/25 @On Air Osaka
当初,大阪ドームで行われるAEROSMITHを見る予定が,AEROSMITHは27日の追加公演のチケットを入手していることもあり,予定変更して,昨年の『サマーソニック01』にて素晴らしいステージを見せてくれたこのバンドを見ることに.
会社を有休にして,昼から大阪市内買い物ツアーを計画して,12:30頃の京阪電車で移動しようとしたところ,ホームで電車を待つメンバーと遭遇.メンバーの区別がつかなかったため,写真撮ったり出来なかったのが,心残りか.いついかなる時でも対処出来るようにしないと...
前回の雪印問題(乳製品)で会場の運営が,雪印から変更になったこともあり,会場名も『ヒートビート』から『オン・エアー・オオサカ』に変わったものの会場内は大して変わった印象はなし.音響関係は手直しされた,ということらしいのだが...今まで,音が悪い印象が強いこの会場,それがどれだけ良くなってるかは気になる.
定刻18:00開場.公演6日前に購入したチケットの整理番号は691番とかなり悪いのだが,さすがに平日の公演ということもあり,フロア前方に陣取ることが出来る.客層は20代男女半々くらい.熱いボンズたちがいないこともあり,気楽に見れそう.開演時間の19:00が近くなる頃には,フロア後方まで十分埋まる(ただし,人と人の感覚は若干ある).19:00を回ったあたりでBGM(ジェイムス・ブラウン??)のヴォリュームが上がる.いよいよか...
19:06ショウ・スタート.1曲目は,"Hundred
Mile High City".いきなり大技で来るとは.ツカミOKでしょうか.ですが,肝心の音が悪い.ヴォーカルが強すぎて,キンキンと耳に来る.ドラムもグシャっと潰れたような音になっており,こっちもマイナスだ.楽曲が良いだけにもったいない.ステージ向かって左から,スティーヴ(G),サイモン(Vox./G),デイモン(B),後方にオスカー(Ds.)という布陣.ここにステージ左端に置かれたキーボードにスティーヴ,あるいは,クルー兼任のキーボーディスト(かなりがっしり系の黒人)が曲によっては座る,というメンバー構成.客席から盛んに「デイモン!!」って声がかかるだけあって,どうやら,フロントマンを食ってしまっているベーシストが人気らしい.確かに,ご陽気に声援に応えるあたり,人気が出るのだろう.
2曲目には,"The Circle"が.これは予想された通り,GUNS
N' ROSESのライヴの2曲目はMr.Brownstone"と同じように,ここは大体決め打ちか.バンドやエンジニアが最初に飛ばしすぎた場合に修整をかけるのにこういう風にしているんだろう.その成果もあってか,先ほどまでも無茶苦茶な音作りも手直しされ,聴きやすくなる.横の客が「もう,ヤバい.」と声を漏らす.まさしくその通り.5曲目の"Profit
In Peace"でフロアからコーラスの合唱が沸き起こるあたり,さすがに熱いものがある.それもそのはず.彼らの前回来日時の『サマーソニック01』からこの日までの間には,911
-> アフガン空爆という流れがあっただけに,より一層この曲に込められた思いが深まるからだ.その後アコースティック・セットを挟むのだが,ここは明らかにペース・ダウン.フロアが激しく荒れるようなライヴではないこともあり,アコースティック・セットで一息つく,みたいなところがない.したがって,どれだけセット自体に変わったことをやるか,っていうのが問われるのだろうが,正直パッとしない.元々人肌の温かさを持ったサウンドが魅力だけに,通常通りのエレクトリックでもアコースティックでも変わり映えしないのだ.正直弛緩してしまった空気が開場を覆う中,プラグドに戻ってからの2曲目には,"July"だ.前回の来日時でも,やはりこの曲では堪らない魅力がいっぱいなのだが,今一度聞きなおしても素晴らしい.英国では,ガイ・リッチー監督を一躍スターダムに押し上げた『ロック,ストック,アンド,ツー・スモーキング・バレルズ』のTV版にも使われていた楽曲だそうで,バンドとしても大事にしているのだろう.
バンドはいかにも英国人というところがあり,フロアから,「"Mrs
Jones"!」,「"The Day We Caught
The Train"!」なんてリクエストがかかると巧みにそれをはずしてプレイするあたりいかにもだ.また,「前回の来日は...えっと...サマー...サマー・ソニックだ.来たか??」.客からの反応を受け,「MARILYN
MANSONを見にか??」と振ると,フロアからは「Sucks!!」って.見事だ.その後マリリン・マンソンの冠して皮肉たらたらしゃべる.これが本場のサーカズムか,と.
その後も「ドリンキング・ソングだ.」と紹介した"One
For The Road"や新曲の"Crazy Lowdown
Ways","Huckleberry Grove","Mechanical
Wonder"などがエアーされる.中でも"Get
Blown Away","Better Day",そして,"The
Day We Caught The Train"なんて堪らない.
ベン・フォールズが英国のバンドに加入したらこんな感じなんていう表現がわかりやすいのだろうけど,映画『スタンド・バイ・ミー』を見るのと同じような感覚がある.そう,それはレコードで聴くのと同じ感覚が見事にライヴでも再現されているのだ.この点で十分,やるべきことが出来ていると言える.そんな感覚を今一度味わいつつ20:40ステージ終了.
これだけやれれば十分.次の来日公演も必ず参加すると熱く誓うのだった.