LiVE REPORT2004

Maaya Sakamoto

2004/03/13 @Nanba Hatch

 チケット発売を知らずにうっかり逃してしまうところだった本公演.たまたま一般発売時にぴあの電話回線にトラブルが発生したとかで,日を改めて再発売されるという敗者復活の機会があり,チケ入手.整理番号が345番とあったので,「全然フロアの前行けるよね」と思ったのがえらい思い違い.ファンクラブ,ローソン・チケット,ぴあと3本の入場列が出来るわけだ.その間,川が流れる横でTシャツ1枚でひたすら待つ.やられた.寒いすぎる...
 で,客は60%:40%くらいで男ですかね.キモヲタ君もそんなにいないようで少し残念なような良かったような...
 "夜明けのオクターブ"が流れ出すが,ステージ前にはスクリーンが下がったまま.一通り歌い終わってスクリーンが落ちる,っていう.ベタだよね.が,上手い.CDでは歌いこなしているが,ライヴはどうなのかな?っていうのがあったのだけど,どうしてどうして,高音まで出るし,安定してる.中途半端なミュージシャンよりやるね.
 で,この後は早めの曲でツカミOKみたいなところで滑り出し順調ぽかったのだが,MCが...上手く煽るっていうのが出来ないんだよなぁ.心斎橋のロフトでエスカレーターに乗るのがトロイので,後ろからおっさんに「ねーちゃん,はよせー」とせかされたとか...ちょっとなぁ...世界一の爆笑MCが出来るNOFXに弟子入り修行だな.これは.
 「(ベスト・アルバムのタイトルの)ニコパチなどなど」と題されたライヴだが,そこからは頭1曲だけ...という.そう裏セットなわけだ.数公演見るのであればこれで良いのだろうけど,なんか損してるような...本人もMCでその内容を指摘しつつの進行.
 曲はひたすら上手いし,しかもかわいいわけだ.文句なしなのだけど,ライヴ全体としての盛り上がりの作り方とかがイマイチ.MCもそうだし,中盤の弛緩したムードはダレつつもある.バラードっぽい曲をまとめるだとか,もう少しセットも練った方が良いと思う.
 バックのメンバーは豪華極まりない.ピアノはおなじみ菅野よう子(てつ100%)の他にバカボン鈴木(パール兄弟),MATARO(米米クラブ)という80年代を過ごしてきた僕だからこそわかるのか??各人手練の人たちなのだけど,楽譜見ながら...なのはセッション仕事だからなぁ...1曲終わる度にステージ上のあちこちで白い楽譜が印刷された紙が舞うのは興ざめだなぁ...
 本編終盤の"ヘミソフィア"あたりから再びドライヴがかかる.ここで周囲のオーディエンスが飛ぶ.それもひたすら高くにだ.まるで体育の運動能力テストのように.そうこれがサイキック名物の「ジャンプ藤井」の由来なのか!うれしい.こんなものが見れるなんて!
 その後も"gravity"から"tune the rainbow"へ.で,本編終了.
 アンコールではお色直しをしての登場でさらにペース・アップ.アコーディオンを抱えた菅野嬢もなかなか見ものではあるね.で,そんな菅野嬢の誕生日を祝ったりしつつ,ラストは"おきてがみ"で閉める.
 坂本真綾は上手い,かわいい.が,ライヴを見せるとなった場合には,セット全体の組み立てやMCなど,ショウを作り出すという俯瞰的に見た上での更なるステップ・アップが必要に感じられる.曲を練習してきたのは伝わってくる出来だっただけにそういった要素も求めていきたい.まるでIMPELLITTERIのようだったし.(2004/03/13)