ゆき@セオドア様からのいただき物

  

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ホワイト・フラワー White Flower


 尊敬する「CLOUDBURST」のゆき@セオドアさんから、Foolscap1周年記念のイラストを頂きました。
 尊敬する!敬愛する!憧れのゆきさんから!イラストが!しかもカラーで!!!
 まずは、この美しいイラストを、ごゆっくり堪能して下さい。

 題して、「ホワイト・フラワー」!

 ゆきさん曰く、このイラストは「新型マスケット銃お買い上げ」の最終章をイメージして下さったそうです。ダルタニアンとアラミスは素晴らしい晴天の下、昼食を食べながら「今回の出来事」について語り合う、あのシーンですね。ゆきさんは、このシーンを大変気に入って下さったようです。

 私は普段、会話や仕種,行動などがイメージとして出来上がって文章にするのですが、カラーの絵,映像,具体的な風景を思い浮かべるのは、少ないのです。それは私に絵心がないからでしょう。しかし、この「昼食」のシーンは、珍しく鮮やかに光景が浮かんで書いたものです。

 そもそも、私は最後のシーンをどうするかを迷っていました。丁度その頃、モンティ・パイソンの映画「ライフ・オブ・ブラアン」の撮影風景を描いたドキュメンタリーを見ました(「モンティ・パイソン・アンソロジー収録「パイソンズ」)。この中で、映画の扮装をした6人のメンバーが、ロケ先で小さなテーブルを囲んで昼食を取るシーンがあったのです。大のおとなが、ちんまりと食事を取る姿は、滑稽であり、可愛らしくもあり、そしてちょっと恰好良かったのです。そこで、私はラストシーンを、昼食に決めました。
 「レスター版三銃士」の、有名な「食物強奪」も影響していると思います。
 丁度その頃は、桜が終わろうとする頃でした。素晴らしい快晴の日、桜の花びらがフワフワ飛んでくる光景は、日本ではお馴染みのものですが、私はこれを三銃士の世界にあてはめたという訳です。ただし、桜はないだろうと言う事で、花びらを白くしたのですが。
 我ながら、珍しいシーンになったと思います。それと同時に、かなり気に入ったシーンでもありました。ゆきさんは、この「光景」に目を付ける当たり、さすが絵描きさんです。
我が、憧れの美麗カラーイラストのダルタニアン!真っ白の衣裳で決めてくれました!今すぐ、結婚式でも出来そうですね(うっ!花嫁?最近のはやりか?!)。

 衣裳も、花びらも白いのですが、もう一つ私はダルタニアンの表情も「白」だな、と思いました。
 日本語には「しらける」という言葉があり、白は「空虚」を意味します。それと同時に、雪のような重量感のある存在でもあります。また、特に日本人には分かり易いのですが、絵や音楽の空白の部分には、非常に重要な意味,意義があると思うのです(水墨画,能などで顕著)。
 ダルタニアンの表情の「白さ」は、恐らく後者でしょう。前面に押出された主張,個性がある訳ではない、そうと言って何かに染まる訳ではない、「自立した白」とでも言いましょうか。

 全ては一件落着,美味しい食事に、素晴らしい天気!どうだい、アラミス?

 ダルタニアンの「白さ」は、爽やかさであり、聡明さであり、素直さであり、友人に対する愛情の表れでしょう。もっとも、ダルタニアンはそれだけでは表現しきれない、非常に複雑で曲者な人物ですが。
 その辺りが、彼の魅力でもあります。

 あまりにも嬉しかったので、あらぬ「語り」をしてしまいました。
 私の書き物を読んで、感想を頂いたり、イラストを書いて頂けるほど、嬉しい事はありません。改めてゆきさんにお礼を申し上げます。
 また、ゆきさんをはじめとするイラストレーターの皆さんが、一つの作品を仕上げるのに掛ける手間暇や、努力に思いを致し、頭の下がる思いです。尊敬の気持ちを新たにしています。

 また、素敵なイラストを書いて頂けるような、作品を書いて行きたいと思います。これからもよろしくお願いします。


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