フォックス様からのいただき物

   「レガッタの街」第一章より、衝撃のシャーロック・ホームズ

 小説を書いていて嬉しいことと言えば、書いている自分がとても楽しいこと、どなたかに読んでいただけること、その上感想を下さったりすると更に嬉しいのですが、その上イラストなど描いていただくと、まさに天にも昇る思いです。

 そう、正に今回この天にも昇る気持ちを味わっております。Far Eastern Taleのフォックスさんから、私のパスティーシュ「レガッタの街」の第一章から、一場面のイラストを頂きました!

本文より

 ホームズはポットを取り上げると、自分と私のカップに二杯目を注ぎながら尋ねた。
「オファーって?」
「私に秋から、ダートマスの海軍士官学校に常駐で勤めないか、って誘ってくれたんだ。」
 ホームズは手元への注意がお留守になったらしい。私のカップに紅茶を注ぐポットが斜めのままで静止し、当然ドボドボと溢れてしまった。ホームズは私の顔を見て口をあんぐり開けているので、私がポットを取り上げてテーブルに置き直した。

 フォックスさんと
言えば、素敵なオジ様の格好良いイラストと、熱く面白い語りの御方ですが、こんなような可愛らしいイラストもとてもお上手なのです!(サイト入り口に居たちび・ワトスンが好きです。)
 さて、今回のこの場面!出先から久々に帰ってきたワトスンと、お茶を愉しんでいたシャーロック・ホームズ氏。突如、ワトスンが遠方への仕事の誘いを掛けられたと聴いて、完全に役立たずな人間に成り下がった場面です!
 あの場面の「間」を、フォックスさんが素晴らしく表現なさっているのに、まず感動しました。一人で地獄にでも落ちそうなくらいショックを受ける自称諮問私立探偵…。「口をあんぐり開けているので」という点も、しっかり再現されています!
 何よりも、無為に流れ出て、「ぴゅーっ」と別れの言葉を残す紅茶よ!あれはどうやら、ホームズの魂が抜けて紅茶に溶けたようです。このイラストで判明しました!
 優雅でお洒落な英国式茶会の場面だからこそ、こういう間抜けなシーンにしたくなるのが、私の性分のようです。そしてホームズとは対照的に「まとも」を保つワトスン!格好良いではないですか。

 どうやら、私は最近Jerome K, JeromeのThree men in a boat (邦訳では「ボートの三人男」)を読んでいるため、その影響が強いようです。思い返すと、「レガッタの街」を書くに当たって頭に浮かんでいたシーンの内、このシーンはかなり早いうちから鮮明に出来上がっていたシーンの一つでした。
 それだけに、自分でもお気に入りのシーンで、さらにフォックスさんにイラストにしていただいて、更に好きになりました。

 フォックスさん、本当にありがとうございました!これからも皆さんに愉しんでいただけるような、そして絵心をくすぐるような小説が書けるよう、頑張ります!
                                                        1st September 2005


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