Foolscapへのいただき物/マリルボンの音楽家

　イラストごった煮サイト「はっちぽっち」の管理人のあさみさんには、本当にいつもいつもお世話になっています。私の三銃士パスティーシュ「立派な銃士の作り方」に、最初にイラストをつけてくださったり、我がオリジナル「ハル＆デイヴィッド」を贔屓にしてくださったり…。
　してまた、三銃士のみならず、様々な文芸ジャンルに興味をお持ちのあさみさん。ハリー・ポッターや指輪物語にも詳しく、ミュージカルにも精通しておられる。それらを持ち前の画力で魅力的に描かれます。
　最近はgifアニメも充実。絶妙な間と空間の使い方が、非常にツボを突きます。
　デザイン，造形系が全く駄目な私は、あんぐりと口をあけて、「凄い！」を連発するばかりであります。正に画伯！憧れのその才能が、私を眩しく照らすのであります！

　…と、そこへ。そんなあさみさんから、またもやイラストを頂きました！なんと、我がパスティーシュ「マリルボンの音楽家」をイメージした、ホームズのイラストです！
　ホームズ先生！先生、先生、シャァ～ロック！（←マイクロフト調で）かかかか格好良いではありませんか！
　やっぱり探偵と言えば手を口元に持ってくる仕草が必要ですね！「見仏記」のみうらじゅんによると、「女性が何気なく顔に手を持っていく仕草は男のフェロモンを刺激する。」のだそうで。もっとも、彼はそこから如意輪観音像のポーズを分析しているのですが。
　…話がそれました。
　とにかく、男性とは言え、探偵は顎，口元に手をやって考えるポーズが必須科目なのです！これをクリアしないと、卒業できません。応用編として、煙草を挟んだ手を額にやる（cf. 刑事コロンボ）も、実践してみましょう！

　「マリルボンの音楽家」は、ホームズファンであり、パスティーシュを書く以上は「これをやりたい！」と思っていた要素を多く詰め込んだ作品だと思います。つまり、事件が持ち込まれる前は甚だだらしないホームズ，意外とホームズに対して強いワトスン，若いホプキンズ…そして、音楽ネタ。シャーロック・ホームズを魅力的なキャラクターにしている一つの要素が、彼の音楽趣味だと思うのです。私も多少音楽に関わりのある人間なので、この点はどうしても外せませんでした。
　ホームズは原作にもよく出てくるのですが、長身痩躯で冷静、怜悧、すこし神経質そうな印象があります。その辺りの私のイメージそのまま、あさみさんは描いてくださいました。そして、ストーリーに重要な位置を占めるアイテムも、格好よく配置！素的です。私も書いた甲斐があったというものです。
　私が文章を書くときは、大体頭の中に映画のワンシーンの様に場面や会話が出来上がります。それを文字にしてつなげ、ストーリーを作るのですが、いかんせん絵が描けないもどかしさと言うのは、いつも付きまとうのです。
　それだからこそ、あさみさんを始めとするイラストを描いてくださる方の贈り物は、喜びもひとしおなのです。「マリルボンの音楽家」も、このイラストが本の表紙のように、素晴らしい「かたち」を作ってくださいました。
　ちなみに「マリルボンの音楽家」の場合、最初に私の頭に浮かんだシーンは、ラストシーンの会話でした。
　次回のホームズパスティーシュは、コンパクトで軽い感じにしようかと思います。また、読んでくださる皆さんに楽しんでいただけるような作品を書きたいと思います。また、ホームズや三銃士、オリジナルでも、素的なイラストを書いていただけるよう、頑張っていこうと、改めて思いました。
　あさみさん、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました！