泥海の中から

2002.02.21

 「泥海の中から」って曲、けっこう歌詞は前向きなのよねー。
 私の心は思いっきり後ろ向きなんだけど。
 で今回は、泥海ならぬ泥沼プロジェクトのお話。

 2001年の暮れから日記でさんざん愚痴を書き散らかしているとおり、泥沼になってるプロジェクトに助っ人要員として巻き込まれてるのよ。
 私が働いてるソフトウェア業界では、納期前のドタバタなんて割と日常茶飯事なので、それには慣れてたのよ、一応は。
 でも今回のは納期の後、システム稼動開始後にトラブル大爆発っていう状態なので、かなり追い詰められてるわ。

 こういうこと書くと自慢気でアレなんだけど、私、自分が開発メンバーに入ってたプロジェクトって、納品後にここまで荒れたことないのよ。
 納期前の地獄とか、130時間残業とかは経験あるんだけど、システムを完成させて納品すれば、後はだいたい平穏無事に終わってたのね。
 まあ、作ったシステムの用途とか、客の企業体質にもよるんだけど、今回のはどう考えてもひど過ぎ。
 リリースできる最低限の品質もないのに、いろんな都合で見切り発車しちゃったもんだから、次々にトラブルが出まくってそれはもう修羅場。
 自分が開発に関わったシステムなら諦めもつくけど、他人の尻拭いをさせられてるという被害者意識が抜けなくて (っていうかどう考えても被害者なんだが。私) 精神的にもかなりローな状態なわけ。

 当初のプロジェクトリーダーは、度重なる開発中のトラブルで完全にオーバーワークになり、状況を打破するために別プロジェクトから凄腕リーダーが参加して、今の状態になってるの。
 つまり今のリーダーも、他人の尻拭いという立場は私とあんまり変わらなくて、それでもなんとかプロジェクトを建て直しつつあるのよ。凄い人だとは思うわ。

 ただねぇ。
 人間って、追い詰められたときの反応って人それぞれじゃない?
 落ち込んで何もできなくなったり、限界を超えて頑張っちゃって倒れたり。
 このリーダーの場合、追い詰められるとねぇ。
 怒りっぽくなるのよ。
 PCに向かいながら、独り言で「馬鹿野郎」とか「畜生」とか言ってるうちはまだマシ。
 そのうち、部下に指示を出す口調はどんどん荒くなって。
 んで、指示を聞き間違えたり、質問に的確に答えられなかったりすると、かなり強烈な罵倒が飛び出すの。
 本人の能力がすごく高いから、アタマ悪い部下に我慢できないらしいのよね。私も何度か罵倒されたわ。
 こういう人と、客先で二人きりになって、トラブルの対応するのってねぇ。
 拷問よ。
 ただでさえトラブルが起きて私も冷静でいられないのに、横でハイテンションで怒鳴られても困るのよ。まあ、それでも一人でトラブル対応するよりはいいか。

 どんな仕事でもそれなりの苦労はあると思うし、私より辛い立場で頑張ってる人もたくさんいるとは思うけど、だからといって私が楽になるわけじゃないからねぇ。
 仕事の成功と自分の健康、どっちが大事かなんて自分の健康に決まってるじゃない。壊すのは簡単だけど、治すのは面倒なんだから。

 別に自己正当化してるわけじゃなくて、同僚には悪いとは思うけどね。
 でも本格的に心身を病んじゃうのは嫌。
 適当に手を抜きつつ、生き延びて行くわ。


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