前置き
初日の2001.09.26、大宮ソニックシティに出陣。
最初はチケット取れなくて諦めてたんだけど、さきたが一枚余らせてるというので、
「ちょっと、他に流しちゃダメよ、私が買い取るわ〜〜〜っ」
ってことで入手。7,350円。しかも結構前の方だったりして。
そして突発的な残業や不慮の打合せを避けるため、仕事は有休。
我ながらやり過ぎって思わんこともないけど、行けなくてチケットを無駄にして悔しい思いをするよりはマシだもの。どうせ年度末には余る有休だしね。
しかし、6:30pm開演だというのに、会場に着いたのは 6:25pm。大宮までって意外と時間かかるのね。ま、この手のコンサートの常として、開演が 10分や 20分押すのは当然なので、それほど焦りはしなかったけど。でも、ロビーの物販とかをチェックする余裕はさすがになかったわ。
本編
今回のセットは「森」がテーマのようで、ステージ上には木の切り株みたいな柱とか倒木みたいなのが転がってたわ。で、上からは木の枝をイメージさせるような物体がぶら下がってたんだけど、最初にこれ見たときは、鍾乳洞のイメージなのかと思ったのね。もしくは昆布。それも大量の。
15分押しくらいで客電が落ちてライブの開始。
「月迎え」(心守歌 M-10) のイントロだけが流れた後、一曲目が始まったわ。
演奏は、
ドラム:江口信夫
ベース:松原秀樹
キーボード:小林信吾 & エルトン永田
ギター:古川望&古川昌義
女性コーラス:杉本和世&山岡恭子
男性コーラス:宮下文一&比山貴咏史
という 10人編成。まあ大所帯でもなくシンプルでもなくって感じね。
1. あした
ステージ中央の奥から登場。
一直線に、セットされていたスタンドマイクに向かって来て、歌い始めたわ。
衣装は白一色の、けっこうゴテゴテした感じで、イメージ的には「みの虫」かしら。もしくは白いピグモン。後の MCでは「森の妖精」と言い張ってたけど。
髪型は、割ときつめにウェーブのかかった、腰近くまであるロングヘア。照明の加減かもしれないけど茶髪っぽかったわね。白髪染めかしら。
曲そのものは元曲に近いアレンジ。久しぶりに聴いた気がするわ。
2. 船を出すのなら 9月
ツアーは 3年半ぶりという挨拶を挟んでから、懐かしいこの曲。発表は 1980年だから、21年前の曲ね。
元曲に近いような、でも違うような気もするアレンジ。
歌い終わった後、9月から始まるツアーだからこの曲を選んだと MCで言ってたわ。
MCの口調は、ラジオDJで見せる「躁の中島みゆき」そのもの。曲とのギャップは大きいわ。
3. 悪女
1981年のヒット曲ね。
シングルともアルバムとも違う新しいアレンジ。割とロックっぽい感じかしら。
「行かない〜で〜」の部分は本人は歌わずにコーラス任せだったわ。
4. 狼になりたい
「食べ物屋で中島みゆきを見かけたときは、注文を終えるまで声をかけないでほしい。注文前に声をかけられると、見栄を張って余計なものや高いものを注文してしまう」
という MCがあって、「吉野屋だったら要らん生卵とか注文しそう」というセリフの後に、この懐かしい曲。(1979年発表)
アレンジは、たぶん元曲に近い感じ。
歌い方は、泣きが入ったりしてちょっと演技過剰っぽい気がしたわ。嫌いじゃないけど。
5. わたしの子供になりなさい
中島みゆきの曲は男に厳しい歌詞が多いと言われて、たまには男に優しい曲を作ってみたという MCの後にこの曲。ほぼ元曲通りのアレンジだったわ。
6. 空と君のあいだに
今までのは知らない曲も多かったかもしれないけど、これは聴いたことがあるでしょう、という MCの後にこの曲。
しかし、ツアー初日に来るような客で、アルバム曲を知らないって奴がどれくらいいるかは疑問だけどね。元曲通りのアレンジだったわ。
このコーナーのために構成作家を 3人も連れてきて、開演直前に回収したメッセージの中から使えそうなのを選ばせてるんだと。
「今日は仕事をサボって見に来ました」というメッセージを紹介して、「同じように仕事サボって来た人は拍手して」と言ったところ、かなりの客が拍手してたわ。やっぱり初日だから、全国からマニアが集まって来るのよね。(他人のこと全然言えない)
7. 成人世代
コーラス隊の綺麗なハーモニーから始まった懐かしい曲。元曲と違って、かなりコーラスをフィーチャーしたアレンジだったわね。
実はそれほど好きな曲じゃなかったんだけど、生で聴いたら良く思えたわ。
8. 帰省
「ここにいるよコーナー」の最後の一枚として、限りなく仕込み臭い、頑張ってます系のメッセージを紹介した後、この曲。
「大宮で弁当配達のバイトしてます。みゆきさんにも弁当を届けてあげたい」みたいな内容だったかしら。他の土地でも、地名だけ変えて同じこと言ってたら興冷めよね。
アレンジは元曲そのままみたいな感じ。
9. ホームにて
「帰省」から MCなしでそのままこの曲。
ステージ下手側のセットに座り、この曲で初めてアコースティックギターを手にして、1コーラス目はほぼ本人のギターとヴォーカルのみの弾き語り状態。
きっと本人も緊張はしてたんだろうけど、客席も異様に緊張してたんじゃないかしら。ギターちゃんと弾けるのかとか、弾きながら歌詞を間違えずにちゃんと歌えるのか、とか。
ここまで客席を緊張させるアーティストも珍しいと思うわ。
とはいえ、デビューして25年も第一線で活動してんだから、実力がないわけがないんだけどね。
演奏の後、本人はバックステージに引っ込んで舞台は暗転。
10. 囁く雨
元曲と同じように、延々と続く雨音の後、暗転していた舞台にいきなり強烈なスポットが当たって「さっさや〜あ〜くあめぇ〜にぃ〜」と曲のスタート。
暗転の間に衣装変えがあって、今度は全身真っ赤な、袖が左右非対称のドレス。背中には浴衣の飾り帯のような、これも真っ赤なでかいリボンみたいなのが着いてたわ。
当然ながら、元曲と同じアレンジ。
歌いかたは、期待してたほど激しくなかったわ。
11. 夢の通り道を僕は歩いている
曲の前の MCで、コーラスと同じ歌詞を歌うので間違えたらすぐバレると言った後、元曲と同じように男性コーラスとハモって歌い始めたわ。
セットが邪魔で、コーラスの兄ちゃんの顔が良く見えなかったのが残念。
12. あのバスに
前の曲から続けて、これも元曲と同じように女性コーラスとのハモりで。
コーラスは、久々に杉本和世さんを起用してたわ。一時期はずっとこの人がコーラスでついてたのに、ここんとこ使ってなかったのよね。
願わくば、坪倉唯子さんもコーラスに復帰して欲しいところだけど、レコード大賞歌手になっちゃったし(「踊るポンポコリン」のBBクイーンズよ) 、それは無理かしらねぇ。
13. 樹高千丈 落葉帰根
別に中国語とか諺ではなく、単に普通に言葉を並べただけという MCの後、これ。
やはり元曲と同じアレンジだったわ。
14. LOVERS ONLY
この曲を最後に持ってくるとばかり思ってたら、予想が外れたわ。
これも元曲と同じアレンジ。出したばかりのアルバムからの曲なんだから当然ね。
15. 夜行
立ったままアコースティックギターを弾いてたわ。でも元曲と同じロックっぽいアレンジなので、アコギの音なんか聴こえやしねーわよ。
「囁く雨」と同様、ライブなんだからもっと激しく歌うかと思ってたら、そうでもなかったわ。夜会「問う女」の「Rain」ばりの絶唱を期待してたのに。
などと文句を言いつつも、大好きな曲なので満足だったわよ。
ギターソロも、元曲を忠実にコピーしてたわね。
曲の後にバンドのメンバー紹介。
ギターを回収に来たスタッフに気づかずに、ギターを肩にかけたまま喋ってたので、スタッフがステージ上で居場所に困ってたわ。
16. ヘッドライト・テールライト
21世紀も、不安な世の中だけど夢を持って生きていきたいという真面目な MCの後、アンコール前の最後の曲。
これもアレンジは元曲通り。
実はここまでの曲順は、パンフレットに掲載されてたの。ってことは確実に、あの曲でアンコールね、と予想がついたわ。
encore 1. 地上の星
2〜3分くらいの暗転の後、白い上着と水色のロングスカートに着替えて再登場。
予想通り、このロングヒット曲をアンコールに持ってきたわね。
アレンジは当然のごとく元曲と同じ。
encore 2. 月迎え
「地上の星」でエンディングかと思いきや、よりによってこの曲。オープニングでイントロを流してたのは、この布石だったのね。
ステージに座ってハンドマイクで歌ってたわ。
アレンジは元曲と同じ。っていうかカラオケ流してたわよ。アルバムと全く同じように本人のコーラス入りだもの。
この曲に関しては、生で聴いても感想はあんまり変わんないわ。ライブ向きじゃないと思うんだけどねぇ。
最後の最後でちょっと不満が残ってしまったわ。
その他のこと
今回はギタリストが二人いたんだけど、下手側 (客席から見て左側) のギタリストが超イケ。
ハゲ&ヒゲという、G-menあたりで「ぶるーす系」と騒がれそうな外見だったわ。体型的にはちょっと細いんだけど、ミュージシャンだから仕方ないわよね。
パンフレットによると、古川昌義っていう、もともとはアコースティック系のギタリストさんなのね。今回はFenderのストラトや Gibsonの SGも弾いてたけど、確かにそういや 12弦のアコギも弾いてたわ。
1964年生まれの 37歳。こういう 37歳だったらイケるわ〜〜。
自分で歌ってるソロアルバムも出してるようなので、買ってしまうかも。バンドメンバーにこんな人がいるなんて期待してなかっただけに、予想外の収穫だったわ。