おだやかな時代 - New York -


 日記の番外編。1999.9.15〜21の、ニューヨークを旅行した記録です。

1999.9.15 Wed

出発

 遠足前日の子供のように、あまり眠れないまま出発。
 その前に、と思って かりこ に電話したら、あのオンナ爆睡してやがったのよ。前日、会社の送別会で四次会くらいまで付き合わされて、6:00am過ぎまで呑んでたらしいわ。
 それでも、待合せ時刻ちょっと過ぎには京成上野駅に到着。食欲がない かりこ の前で、まるで嫌がらせのようにホットドッグ 2つをたいらげる私。お腹空いてたのよ。

 12:00過ぎの京成スカイライナーで成田空港へ。それにしても、なんなのよこの京成の安っぽさは。眺め悪すぎ。乗客にろくなオトコがいないわ〜と、 かりこ と二人でブツブツ文句言ってたわ。っていうか単なる交通機関に何を求めてるんでしょう私たちは。

 成田で偶然、翔ちゃんと遭遇。NYでの待合せ場所と時刻を再確認して、私たちはNW、翔ちゃんはUAへと、しばしのお別れ。
 搭乗待ちの間に見てた TVで、アメリカ東海岸に巨大なハリケーン「FLOYD」が上陸してることを知ったの。巨大にもほどがあるわよ。観測史上最大のハリケーンですって。シャレにならないわ。  3:30pm出発。

到着

 11時間のかったるい飛行の後、やっと JFK空港に到着。現地時刻で 2:30pmだったかしら。小雨が降ってたわ。
 入国審査もあっさり抜けて、さてホテルへ向かいましょうと思ったらタクシー乗り場は長蛇の列。しかも、なかなかタクシーが来ないみたいだし、これは別の手段で行きましょ、とウロウロしてたところへ FREE と書かれた地下鉄の駅まで運行してるバスが来たのよ。
 これ幸いと乗ったはいいんだけど、乗客を見まわすと、ガラの悪そうな黒人ばっかりなのよ。(偏見?) まあ真昼間だし、そんなに危ないこともないでしょう、とそのまま地下鉄の駅まで行ったわ。

 NYの地下鉄って、料金が1.50ドル均一なのよね。タクシーだったら40ドルくらいかかることを考えると、かなりお得。最近は治安もいいみたいだしね。
 しかし、ここも黒人ばっかり。まあ NYって黒人が多いのねぇ。っていうか、空港からマンハッタンまで地下鉄で行こうなんて奴は貧乏人ってことよ。白人なんてほとんどいないし、日本人観光客もゼロ。駅自体も、とても空港最寄駅とは思えないほど小さくて小汚い駅だったわ。
 でも1.50ドルだから我慢よ。

 しかし、30分以上待っても電車は来ないし、やっと来た電車に乗ったら、やっぱり乗客は金なさそうな黒人ばっかりだったわ。
 後で NYに詳しい知人に聞いたところ、あの路線は割と危険な地帯を走ってるらしいの。常識ある人間は JFKからバスかタクシーを使うんだって。やっぱりねぇ。
 降りる駅を間違えたりして多少時間はかかったけど、無事にホテルまでは着いたから良しとしましょう。
 (しかしこの章って問題発言多いわねぇ。悪気はないのよ)

ホテル

 5:30pmホテル到着。小さいわ。知ってたけどさ。
 20階くらいまであったと思うんだけど、1フロアに 6部屋くらいしかないのよ。私たちは、8階のスイートルームに宿泊。
 ここで、「スイートって最上階にあるのでは?」って思った人いるでしょ。実は、ペントハウススイートってのが一番高い部屋で、閑散期でも一泊 475ドルなのよ。
 私たちが泊まったスイートは、ダブルよりちょっと高いだけ。ベッドルームの他に、リビングルームという名の 6畳くらいの狭い部屋が付いてるってだけよ。ちなみにシングルなんて部屋は、このホテルにはなかったわ。つまり、スイートってのは 3ランクある部屋の真ん中ランクの部屋だったのね。
 まあ、ベッドルームとリビングの両方に大画面TVが一台ずつあったし、ベッドはクイーンサイズだったし、お風呂は、バスタブは小さかったけどジャグジー付いてたし、壁と床は本物の大理石だったし、バスローブもちゃんと付いてたわ。
 ホテル代が異様に高いと評判の NYにしては、金額の割には良い部屋だったかも。っていうか、そうでも思わないとあの金額は納得できないわ。しかも料金には 13.25%の税金が乗るのよ。高いわよねぇ。

Little Italy

 荷物を置いて、翔ちゃんと待合せしてる Little Italy のカフェに向かったわ。ところが、 かりこ も私もうっかり眠っちゃって、気がついたら目的の駅を過ぎてたのよ。
 とりあえず次の駅で降りて戻ろうと思ったら、電車がいつまでたっても停まりゃしないのよ。気づいたら地上に出てて、橋を渡ってマンハッタンから出ちゃってるの。結局、次の駅までは 10分以上あったのかしら。この時点で完全に遅刻が決定したわ。
 しかし、よく考えたら NYの地下鉄で居眠りなんて無防備のバカ旅行者もいいとこよね。無事で良かったわ。

 で、着きました。China Town。ちょっと歩けば Little Italyなんだけど、なんか、台湾に来ちゃったのかしらと思うくらい、すっかりアジアな風景だったわ。歩いてるのはみんな黒髪の黄色人種だったし。

 翔ちゃんとは 7:00pmに待合せだったんだけど、着いたのは 7:20pm過ぎてたわね。オネェの待合せは人数×5分遅れるのが基本だけど、クソオネェはさらに 5割増しなのよ。
 カフェに翔ちゃんはいない。待ちくたびれてヤリ部屋にでも行っちゃったのかしらと思ってたら、雨の中を傘もささずに翔ちゃん登場。私たちが来ないから、場所を間違えたんじゃないかと思って、同じ名前のカフェがもう一軒あると聞いて、そっちに行ってみたんだって。ごめんなさいね。ヤリ部屋じゃなかったのね。

 タイミング良く、Little Italy はお祭りやってて、道路には屋台とかたくさん出てたわ。現地の人にとっては、ハリケーンが接近して雨降ってるわ日本からクソオネェ 3人が乗り込むわで、最悪のタイミングだったでしょうけど。
 どこかで夕食にしましょうと話しながら歩いてたんだけど、私たち、会話が成立しなかったのよ。 かりこ は元外専の血が騒ぎ出してたし、翔ちゃんもえっちビデオで見慣れてるせいか白人イケるらしいし、私もインターネットのお下劣画像に洗脳されてるから、白人て割と大丈夫なのよ。っていうかイケるオトコ多すぎ。
 というわけで、いいオトコを見かけるたびに、
 「いや〜ん、あの子イケるわぁ」  と、それまでの話そっちのけでオトコチェックに余念がないから、もう全然、会話にならないのよねぇ。クソオネェ丸出しでも、どうせ日本語わかる奴なんかいないだろうから、もう言いたい放題。
 店を決めるときも、基準は「いいオトコの店員がいる店」ただ一つ。料理の内容とか料金なんて気にもとめなかったわ。
 でも、料理もそんなに高価じゃなくて、ウェイターお勧めの魚介類のパスタは美味しかったわよ。

 食事の後、翔ちゃんは NY在住の FALCONさんと待合せて某所へ行くってんで、解散。 かりこ と私はそのままホテルに戻ったわ。
  かりこ の証言によると、私は全く時差ボケにならずに、11:00pmにはもう高鼾だったらしいわ。日本では普段 3:00am近くまで起きてるってのに。
  かりこ は見事に時差ボケで眠れずに、2:00amくらいまでリビングで TVを見てたんだって。こういうとき、部屋が二つあると便利よね。

1999.9.16 Thu

FLOYD

 ハリケーンよ。FLOYDよ。
 TVでNYローカルのニュースを見てみたら、公立の学校は全て臨時休校、危険なのでなるべく外出は避けるように、ですって。

 こういう日はゆっくりと博物館でも見ましょ、ってことで、翔ちゃんとの待合せ場所の自然博物館に向かったわ。 (だから外出は危険だってば)
 その時点では、雨も風もそれほど強烈じゃなかったのよ。地下鉄の駅の入り口には、ベーグル売りの屋台も出てたし。そこでベーグル一つ買って、食べながら地下鉄で博物館に向かったの。
 地下鉄のホームは、一部で豪快に雨漏りしてたわ。いいのかしらこんな状態で。

 ここで、まだNYの地下鉄に不慣れな私たちにアクシデントが。間違って急行に乗っちゃったの。目的の駅に近づいたから「さあ降りましょ」とか言ってたら、思いっきり通過しやがるのよ。
 仕方ないわね〜次に降りて引き返しましょ、と思ってたら、そのまま駅を 6つくらい通過して、やっと停まったわ。そういう区間だったのね。次からは絶対に Local か Expressか確かめてから乗ろうと心に誓ったわ。っていうか普通はホームが違うから、間違えるほうがおかしいのよ。

 なんとか博物館に着いたまでは良かったんだけど、この時点で雨はかなり強くなってたわ。傘はさしてたんだけど、下半身はすでに濡れまくり。もうグチョグチョなの早くどうにかしてって感じ。 (ちょっと違う)
 そしたら、開館時刻は過ぎてるってのに、門の前は長蛇の列なのよ。どーしたのかしらと思ったら臨時休館ですって。

 翔ちゃんはちょっと遅れて、この豪雨の中、傘もささずに登場。傘があったところで、大した役には立たないけどね。
 さて博物館は休館だし、こうなったらゲイゲイしいところへ行きましょ、と無謀にも地下鉄で Christpher Streetへ向かったわ。バカ日本人観光客丸出し。「アルマゲドン」の松田聖子状態よ。

Christpher Street

 Christpher Streetに近いはずの駅に着いたんだけど、初めての場所だからよくわかんないのよ。マンハッタンって、真ん中から北の方にかけては、道路が直角に交差してて、とってもわかりやすいんだけど、南の方ってそうじゃないのよ。
 それに北の方は、道の名前が 42nd Streetとか数字でついてるから、この方向音痴の私でさえも迷うことはなかったんだけど、南の方って固有名詞なのよね。

 雨は、たまに弱まるときもあったけど、基本的には暴風雨よ。とりあえず、手近なレストランに飛びこんで昼食。まだ 11:00am前だったから、モーニングセットがあったわ。昼食としても十分なボリュームだったけど。
 さすがに客は少なかった、っていうか私たちの他には二人しかいなかったわね。一人はちょうど店を出るところだったけど、この子が結構かわいくて私好みだったのよ。
 そしたら翔ちゃんが、出口で外の暴風雨を眺めてる彼のところに、つかつかと歩みよって行ったの。きゃー翔ちゃんたらナンパでもすんのかしら、と思ってたら、翔ちゃん、おもむろに頭だけ外に出して、ばーっと髪についた雫を手で払って帰ってきたわ。店内爆笑。

 この店の窓から、「Naked Boys」って大きく書いてある看板が見えたのよ。このときは何の看板だかわからなかったけど、この翌日には、そこに行くことになるのよね。
 食事して、雨が弱まるのを見計らって店を出たわ。あーでもあの子かわいかった〜。

お買い物

 やっぱり海外といえば、無修正エロ本とエロビデオでしょう。というわけで、ビデオ屋を探して暴風雨の中を歩くクソオネェ 3人。う〜ん、こうやって冷静に思い出してみると、無茶なことしてるわね私たちも。
 歩き回ってるうちに消防署があったんだけど、ここの消防士もいいオトコがいたのよ〜。 かりこ なんか、望遠カメラで写真を撮ろうとするし。
 そういやアメリカの制服フェチのページだと、軍隊や警官と並んで消防士ってのも人気が高いらしいのよね。やっぱりカラダを鍛えてるオトコが人気高いのは、万国共通なのかしら。

 歩いているうちに、念願のChristpher Streetに到着。翔ちゃんがスパルタカス (男街マップの全世界版よ。知ってるわよね) でチェックしてあったビデオ屋を発見。一階の奥が入場料 10ドルのヤリ部屋で、二階にビデオが並んでたわ。
 言っとくけど、10ドルは払ってないわよ。こんなハリケーンの日に、他に客が入ってるわけないじゃない...と思うんだけど。とはいえ天気の悪い日にはハッテン場は混雑するって話もあるのよね。確認しとけばよかったかしら。

 さらに別のビデオ屋も発見。ここはダビングした奴を売ってるのか、やけに安いビデオがたくさんあったわ。15ドルくらいのが一番多かったかな。5.95ドルって激安のもあったのよ。日本円にして 700円しないってことよね。
 翔ちゃんによると、激安の中にも名作が混ざってるとのことで、その中から 3本選んでお買い上げ。

さらにお買い物

 ちょっと他の店も見てみましょ、と歩いているうちに、ゲイゲイした服がたくさん置いてある店を発見したの。豹柄とか黒のシースルーのシャツとか、すごい下着とかあったのよ。私は何も買ってないんだけど、ここで かりこ と翔ちゃんが物欲モード全開。
 翔ちゃんは、黒のシースルーのシャツ 1点でおさまったけど、 かりこ はシースルーのシャツと短パンをお買い上げ。ここでシースルーという形容詞は、その後ろの二つの名詞にかかります。あんた着る場所はちゃんと選ぶのよ。

 さらに。
 服だけで済むかと思ったら、勢いで Billy と Calros まで買ってるのよ、このオンナ。
 知らない人のために書いておくと、Billyってのはマッチョの男性型のでかい着せ替え(?)人形なのよ。服を脱がすと、膝にまで届こうかという豪華なモノが装備されてんの。Calrosは、Billyの愛人という設定らしいわ。
  かりこ が買ったのは、確か警官Billyと消防士Calrosだったかしら。日本では、この衣裳のは売ってないらしいんだけど、だからって 2体ともお買い上げとは豪快よね。さすがだわ。

 そして。
 数分後には、別の店でまた服を選ぶクソオネェ 3人。翔ちゃんはここで青のスパンコールのシャツをお買い上げ。
 後で、「こんなのどこに着てくのよ〜」って後悔してたわ。どうやら時差ボケで判断力が低下してた模様。 かりこ もちょっと派手目のシャツを買ってたわね。

 店を出るときに、店員のねーちゃん(本物)が、
 「4:00pmくらいから暴風雨らしいから、建物の中にいた方がいいわよ。」
 って教えてくれたわ。この時点では、雨はいつの間にか止んでたの。ハリケーンが去ったわけじゃなくて、いわゆる台風の目ってやつに入った状態だったみたい。

8th Avenue

 お腹も減ったので、安いピザで軽くお食事。
 この後、翔ちゃんが FALCONさんから教えてもらった、「8th Av.の 33th St.から42th Stのあたりに、安いビデオ屋がある」 という話に乗って、その辺りを歩いてみることにしたわ。雨も止んでたし。(だから 4:00pmから暴風雨だってば)

 地下鉄の駅まで歩く途中で、さっきの「Naked Boys」の看板をチェックしましょ、って見にいったら、「Naked Boys Singing」という、全裸のオトコが歌って踊るミュージカル(?)と判明したの。
 どうも場末の男性ストリップとかじゃなくて、ちゃんとしたショーらしいのよね。この日は 8:00pmからって書いてあったから、見たいわねぇって話を翔ちゃんとしてたの。 かりこ はあまり興味がない様子だったわね。見るだけじゃ満足できないってことかしら。

 地下鉄で 34th St.の駅まで移動して、8th Av.でビデオ屋探し。これもあとで知ったんだけど、この辺りってポルノショップが多くて危ない地帯らしいわ。
 ここでは、3軒くらいのビデオ屋を見てまわったの。ノンケ向けに混じって、ゲイものもかなりたくさん置いてあったわ。日本だとあまり見かけない光景。
 っていうか、日本でノンケ向けAVの店に入ったことなかったわね。用がないもの。置いてあるのかしら日本でも。

 翔ちゃんはここで、40ドルくらいの結構高いビデオを 2本お買い上げ。どうやら安物ビデオの店には置いてなかった、欲しいタイトルを発見したらしいわ。そもそも「欲しいタイトル」ってのがあるあたり、ちゃんと事前調査が完璧で偉いわ。(偉いのか?)
 あとは会社の人に頼まれたというノンケ物もお買い上げ。こっちは激安コーナーのを適当に買ってたみたい。当然よね。
 かりこ も、2本ほどジャケ買いしたわね。どうやらジャケットに写ってたモデルが、ものすごくイケて、発見した瞬間から釘付けになってたらしいわ。
 私は例によって何も買ってないのよ。貧乏だから。
 こうやって旅行中に我慢してたから、帰国してから余計なもの買っちゃったのよね。ま、それは別の話。

Times Square

 ビデオ屋に寄りつつ 8th Av.を北上して タイムズスクウェアまで歩いたのよ。そのうちに、止んでた雨がまた降り始めて、暴風雨に変わっていったわ。もう大変。
 夕食にはまだちょっと早いし、 かりこ も翔ちゃんも買い物した荷物を抱えてたから、一旦ホテルに戻って 8:00pmにまた集合するってことで一時解散。翔ちゃんは地下鉄で Little Italyのホテルへ。 かりこ と私は歩いて 55th St.のホテルへ戻ったのよ。
 素直に地下鉄で行けば良かったわ。なんで歩く気になったんだろ。謎だわ。

 ずぶ濡れでホテルに戻ってきて服を着替えたわ。TVをつけたら、地下鉄が一部で止まってるとか、普通の会社は 2:00pmには業務を止めて社員を帰宅させたとか、かなりすごいことになってるのが判明。
 8:00pm頃には少しはマシになってるかしら、とか考えながら、いつの間にか私も かりこ も爆睡してたわ。Tシャツも替えないまま寝てた かりこ が、寒さに目覚めたのが 7:30pmくらいだったかしら。慌てて用意して、待合せの Times Square に向かったわ。

 さて、翔ちゃんと合流したのはいいけど、こんな天気じゃ、どこも営業してなくて当然よね。ちょっと歩きまわっちゃったわよ。
 それでもなんとか営業してる店を発見して、お食事。自分でトレイを持って、出来合いの料理を選んでレジで清算するっていう、安っぽい店だったわ。料金はそんなに安くなかったけど。

 食事して、かりこは疲れたからと先にホテルへ戻ったの。
 私と翔ちゃんは、ちょっと気になるものを発見してたので、そこに寄ってから変えることにしたわ。
 Preview とか書いてあるビデオ屋よ。
 これはいわゆるびでぼじゃないかしら、と思ったのよね。私が2年くらい前にアメリカの別の州 -- ロードアイランド州という田舎 -- に行ったときに、一見、ノンケ向けアダルトビデオ屋に見えた店に入ってみたら、中に Preview Booth というびでぼがあって、そこが思いっきりゲイのハッテン場だったのよ。だから絶対に NYでも同じようなのがあると思ってたの。

 でも入ってみたら、別に壁に穴も開いてなきゃ、ガラス越しに隣が見えるわけでもなかったわ。ほんとの個室ビデオだったの。1ドル分だけでさっさと帰ったわ。
 あ〜つまらなかった。

1999.9.17 Fri

American Museum of Natural History

 FLOYDが去って快晴。やっと、まともに観光できる状態になったわ。
 ホテル近くのデリで朝食。オムレツを頼んだんだけど、出てきたのが、これでもかとばかりに巨大なオムレツ。あれ、絶対に卵 5〜6個は使ってたわね。栄養学的には、そういうのって許されるのかしら。私、出されたものは残さない主義だから、全部食べたけど。
 他の食べものもそうだけど、この大食いの私でさえ辟易するくらいの量が出てくるのよねアメリカって。日本では考えられない 200kgオーバーのデブが存在するのも納得できるわ。
 あと、低脂肪とか無脂肪でカラダに良いお菓子とかヨーグルトなんか売ってるけど、砂糖が山のように入ってたりするのよね。
 成分を云々する前に、量を考えろ量を! って感じよねぇ。 (<どの口が言う)

 今日こそは、と昨日行けなかった自然史博物館に行ったわ。10:00amに翔ちゃんと合流して 3人で入場。ここは入ってすぐのところに、巨大な恐竜の骨格が飾ってあるのよ。高さは何メートルあるのかしらねぇ。こんなものが、数千万年前には生きて動いてたのかぁと、ちょっと真面目に感心したわ。

 ここは4階建てなんだけど、1〜3Fは世界の地域ごとに各国の文化が紹介されていたり、動物の剥製が展示してあったり。日本のコーナーもちょっとだけあったけど、例によって勘違いテイスト溢れる展示がされてたわ。いつの時代の日本か、ちゃんと明記しといてほしいわね。
 面白かったのは鉱物と宝石のコーナー。世界最大の、500カラット以上というスターサファイアを始め、すごく綺麗なキャッツアイとか、オネェ心をくすぐる宝石が大量に展示してあったわ。素敵すぎる。
 でも、ご丁寧に化学式まで書いてあるもんだから、つい化学構造とか結晶構造とか考えちゃったわ。学生の頃、試薬に X線あてて構造解析してた忌まわしい記憶が甦ったりして。

 4階は、順路に沿って見ていくと、生物の進化を順番に辿っていけるようになってたのよ。無脊椎動物から始まって、魚類、両生類、爬虫類と来たところで、いきなり閉鎖中のエリアで足止め。
 ちょっと、ここは恐竜の展示が売りなんでしょうっ。と憤慨したけど、反対側からまわってみたら、さすがに半分くらいは見れたわ。
 ここにも、巨大な恐竜の骨格が展示してあったけど、ふと、「これって、ほんとにこの形かしら」という疑問が浮かんだわ。化石なんてバラバラに見つかってるんだから、たまたまこういう形に組み上がっただけで、ほんとは全然違う形してんじゃねーのか、って。
 しかし、恐竜絶滅の原因は、巨大隕石の衝突だって断言してたけど、それって仮説の一つじゃなかったのかしら。まあそれを言い出したら、進化論だってキリスト教の立場からするとウソっぱちだし。文明発祥より前に起きたことなんて、全て推測って言っちゃえばそれまでなのよね。

 とにかく広い博物館だったんで、中の売店みたいなところでお昼食べて、一通り見終わったのは 4:00pmくらいだったかしら。
 かりこと翔ちゃんは、Museum Shopでお土産を買ってたけど、私は荷物が増えるのが嫌だったんで、またしても何も買わなかったわ。

Empire State Building

 夕方は、地下鉄でエンパイア・ステートビルへ。高いところから NYを見下ろして、「ほーほっほ、愚民ども、私の足元にひれ伏すがいいわ」ってのをやりたかったんだけど、あまりの長蛇の列に、あっさり断念したわ。どう考えても 1時間以上は待ちそうだったもの。

 しかも私たちが見た行列はエレベーター待ちのだったんだけど、実は地下にはチケットを買うための、ものすごい行列ができてたらしいわ。こっちに並んでチケットを買って、さらにエレベーターで並ぶのよ。やってらんないわ。
 考えてみりゃ、昨日はハリケーンで普通の観光客は身動きとれなかったはずだから、二日分の客が行列を作ってたのよね。混んでるわけだわ。

 ビルの中でトイレを探したんだけど見あたらなくて、近所のハンバーガー屋に入ったんだけど、ここは二つあるトイレの片方が故障中らしくて、かなり待たされたわ。
 コーヒーだけ買って飲みながら、この後の予定を考えたの。
 で、かりこは 5番街へお買い物に、私と翔ちゃんは例の「Naked Boys Singing」を見に行くことにしたわ。

Christpher Street 再び

 歩けない距離じゃないんで、翔ちゃんと二人で、Empire State Building から歩いて Christpher St.へ向かったわ。歩くにつれて街並みがだんだん小汚くなってたわね。
 途中で偶然、FALCONさんと遭遇したわ。
 ちなみにこの方は翔ちゃんのホームページの掲示板の常連さん。翔ちゃんは前々日に会って、ヤリ部屋に案内してもらったらしいわ。私はこのときが初対面。

 FALCONさんは、近くの日本人の方がやってる寿司屋に行く途中だったようで、参考までにと寿司屋の場所も教えてくれたわ。
 私たちが「Naked Boys Singing」を見に行くって話をしたら、あまりお勧めはしないって言われちゃったけど、初志貫徹で見にいったわ。
 8:00pmからだと思ってて 7:10pm頃に行ったら、なんと金曜日は 7:00pm と 10:00pmの二回公演なんだって。今から入れるかって聞いたら、やっぱり次の回じゃないと入れないって言われて、ちょっと悩んだわよ。終わったら 0:00am近くになるわけじゃない。週末とはいえ深夜の NY。危険だわ。

 でもやっぱり見たかったので、10:00の回のチケットを購入。45ドル也。
 1〜2列目だと 65ドルだったんだけど、そこまではいいわと思って 45ドルにしといたのよ。そしたらラッキーなことに 4列目だったわ。

 開演まで 3時間近くもあるので、さっき FALCONさんに紹介してもらった寿司屋に行ってみたわ。まだFALCONさんも食事してたので、一緒に夕食。
 NYくんだりまで来て寿司屋ってのもどうかと思ったんだけど、日本の寿司屋では絶対に出てこないような妙な巻き寿司とか食べられたんで良かったわ。海苔を使わないで、具を外側にして巻いてあるのよね。やっぱりアメリカの人間には、海苔って人気がないのかしらねぇ。

 食事して、まだ時間があったので、またもビデオ屋へ。
 その前に、エロ本とか売ってるスタンドで、翔ちゃんは今年度版のゲイビデオ年鑑を買ってたわ。ほんと研究熱心よねぇ。
 で、前の日に激安ビデオを買ったビデオ屋にまた行って、今度は 15ドルくらいのビデオをお買い上げ。タイトルは覚えてたけど、メーカー名がわからなかったから昨日は見つけられなかったんだって。タイトル覚えてるってだけでも十分すごいと思うわ。さすが翔ちゃん。
 そして、いよいよ Naked Boys Singing 開演の時刻が近づいてきたわ。

Naked Boys Singing

 待望の、全裸のオトコのミュージカル。ちなみに、場所は 100 7th Avenue South の、Actor's Playhouseってところよ。Christpher St.と 7th Av.の交差点から南を見れば、「Naked Boys」って巨大な看板が出てるから、バカでもわかるわ。N.Y.に行く人がいたら、行ってみてね。いつまで上演してるか知らないけど。

 会場は、150人くらいしか入れない小劇場だったわ。客層は、女 3割 男 7割ってとこかしら。ゲイ率まではわかんないけど、こんなの見に来るノンケ男ってそうそういないと思うわよ。
 私たちは 4列目だったんだけど、前の列にディルドを持ったバカ女の集団がいて、ちょっとげんなりしたわ。周囲の客も引いてたわよ。
 ステージは緞帳が降りてたんだけど、その真ん中に巨大なジッパーがついてて笑えたわ。

 そして開演。ジッパーが開いて緞帳が上がり、全裸のオトコ 8人が登場よ。でも最初は、みんな巧妙に股間を隠してるの。
 ま、まさか最後まで隠したままなのかしら、と一抹の不安がよぎったんだけど、そんなことなかったわ。オープニングの曲の途中から、全開。客席はもう大騒ぎ。
 出演者は黒人が 1人と白人 7人。まあ皆さんご立派で。さすがにアジア系はいなかったわね。サイズ的に見栄えがしないせいかしら。

 ミュージカルって書いたけど、正確にはちょっと違うわね。全体を通してのストーリーってのはなくて、5〜10分くらいの歌とダンスが、10曲くらいあるのよ。
 演奏はピアノ1台だけ。出演者はマイクなし。舞台そのものは、はっきり言って金かかってないわね。
 ただでさえあんまり英語なんて聞き取れないのに、歌だから余計に聞き取れなくて、内容が理解できなかったのが心残り。一応、ゲイがテーマらしいんだけど。
 パンフレットに曲順が書いてあったから、ちょっと紹介するわ。

Gratuitous Nudity
 オープニング。最初は ステージ上で 7人の全裸のオトコが歌い踊るのよ。途中で客席から、服を来た 8人目のオトコが登場。ステージ上で脱いで、最後は 8人で歌って踊るの。
 ステージの一番前まで来ることもあったから、最前列なら、ほんとに目の前でモノが揺れてるのが見れるのよね〜。これなら65ドル出してもよかったかしら。
The Naked Maid
 Seanのソロ。アップテンポの曲で、箒とか持ちながら、「私は全裸のメイドよ!」って歌い踊るの。ちなみにこの子は、翔ちゃんのお気に入りだったわ。細身で童顔の可愛い子なのよ。
Bliss
 Danielが主人公の曲。この子だけ全裸で、他の出演者は女装してたり、妙な衣裳を着てるの。で、全裸の子をもて遊ぶって感じの内容。
Window To Window
 Adamのソロのバラード。最初は服を着てて、真面目にバラード歌い上げるんだけど、歌いながらどんどん脱いでいって最後は全裸。
 歌詞は全然聞き取れなかったんで、内容は不明。窓ごしに見えるオトコに恋をしてしまった、ってな感じだと思うんだけど。
Fight The Urge
 全員登場。学校(?)のシャワーでオトコの裸を見ると勃起しちゃう、どうしよう、って内容だったわ。半分が、必死で股間を隠すゲイの少年の役で、あとの半分が、堂々と全裸で歩き回るノンケの役。笑えたわ。
 でも、どうせならほんとに勃起させてほしかったわ〜。
Robert Mitchum
 これ覚えてないわ。どんなだったかしら。
Jack's Song
 全員登場。これは歌詞を聞いて笑えたわ。ひたすら "I beat my meat"って歌いながら、最初のうちはお腹の辺りで手を動かしてるんだけど、そのうち、ハンマーで生肉を叩き始めるのよ。
 どこが笑えるんだ?って人は、辞書で beat off とか、beat one's meat とか調べてみてね。
ここで 10分くらい休憩
Members Only
 全員登場。全裸のまま聖歌隊みたいに並んでスキャットを歌うんだけど、歌詞は "Dick, Dick, Dick..." とか "Cock, Cock..."、"Willy, Willy..."、"Penis..." って連呼するのよ。ここまで明るくやってくれると、むしろ爽やかだわ。
Perky Little Porn Star
Nothin' But the Radio On
Kris, Look What You've Missed
 よく覚えてないわ。とにかく、みんな全裸で歌って踊ってたわよ。
Muscle Addiction
 全員登場。最初はジムで体を鍛えましょうって感じで、服を着て筋トレとかエアロビとかしてるのよ。
 で、トレーニングの後はシャワールームで・・・ってなことを歌いながら (推測)、服を脱いで行くの。曲のテンポもゆっくりになって、全裸の出演者は "Cruising..."とか歌いながら、ハッテン目線で歩きまわるのよ。素敵。
The Entertainer
 これもはっきり覚えてないわ。とにかく全裸で歌って踊るの。
Window To Window
 前半も同じ曲があったけど、今度はSeanのソロ。どうやらAdamの想いが通じたらしいわ。
Window to the Soul
 AdamとSeanがデキたらしい。
Finale - Naked Boys Singing!
 フィナーレ。8人全員で全裸で歌い踊るの。途中で思いっきり客席に近づいて腰を振ったりとか、サービス満点。やっぱり最前列で見たかったわ〜。

 というわけで、45ドル払った価値はあったわ。
 出演者は基本的に若いスリム〜ガッチリ系のオトコなので、フケ専とかデブ専、ジャニ専の人にはつまらないかも。そもそも、外人はダメって人には何の意味もないわね。
 私と翔ちゃんは、N.Y.ではすっかり外専と化してたから、とっても楽しめたわよ。ただ希望としては、誰か一人でもいいから、一度くらいは勃起させて欲しかったわね。っていうか、だったら本物の Male Nude Show に行けって感じ。

 ショーが終わって、地下鉄に乗ったのは 0:00am近かったわ。深夜の N.Y.の地下鉄なんて、むちゃくちゃ危険なんじゃないかしら、と思ってたんだけど、意外と乗客が多くて驚いたわ。やっぱり治安は良くなってるのね。無事にホテル到着。
 ちなみに、翌日にはラスベガスへ移動してしまう翔ちゃんは、最後の N.Y.を満喫すべく、真夜中の Christpher Streetへ消えていったわ。その後、何があったのかは不明よ。

1999.9.18 Sat

Metropolitan Museum

 ホテルから歩いて、ちょっと離れたメトロポリタン美術館へ。途中で朝食にしようと思ってたんだけど、なかなか店がなかったのよね。アッパーイーストという高級住宅街だから、ドアマン常駐の高そうなマンションはたくさんあるんだけど。
 それでも途中でレストランを見つけて、朝食をとってから美術館へ行ったわ。

 入場料は10ドルだったかしら。とにかく広い美術館なのよね。まともに見てたら 1日じゃ足りないわよ。
 最初は順路通りに古代エジプト美術から見てたんだけど、お互い、見たいものも違うでしょうってことで、中では待合せ時刻だけ決めて、かりことは別行動を取ることにしたわ。

 印象に残ったのは、中世ヨーロッパの武器と鎧のコーナー。きっと貴族とかが着てて、一度も実戦には出てないんだろ〜な〜という、傷一つない綺麗な甲冑が並んでたわ。
 こういうの見てときめくなんて、やっぱり私もオトコの子よねぇ。
 あ〜、こういう甲冑に身を固めた、いかつい騎士に守られてみたい〜。(それはオトコの子の発想でわない)
 あとは楽器。こんなもんどうやって弾くのよ、っていう13弦ビオラとか。13弦のうち6本は共鳴弦で、指板の下に潜りこんでるの。ネックは中空になってるのかしら。だからこの6本は弾くことはないんだけど、指板の上に弦が 7本並んでるのよ。こんなの、絶対に隣の弦まで弾いちゃうと思うんだけど。
 だから進化した結果、4弦に落ちついたのよね、きっと。
 それから、これは彫刻なんだろうか楽器なんだろうかと悩んでしまうような、派手な装飾を施されたピアノだの、世界初?かどうかはわかんないけど、むちゃくちゃ古めかしいエレキギターだの、小さいコーナーだったけどいろいろあったわね。

 さて、美術館に来たんだから絵画も見ましょうってことで、2階の中世ヨーロッパ絵画のコーナーへ。私、近代〜現代絵画よりも、中世の宗教画とか好きなのよね。あの無駄に豪華なところとか大好き。
 それにしても、大量に展示してあるのよ。たかだか二百数十年しか歴史がない国の博物館の分際で、よくもまあ集めたわねって感じ。さんざん歩きまわって疲れたわ。

 お昼は、かりこと合流して入り口付近の屋台で、ホットドッグで簡単に済ませたわ。美術館の前の道路では、ドイツ系移民か何かのお祭りらしく、パレードをやってので見物などしながら。
 しかし、なんで 20オンス -- 600cc以上よ-- の飲み物しか売ってないのかしら。多すぎるわよ。Sugar 50g とか書いてあるし。これ以上あたしを太らせてどうするつもりだいっ。 (被害妄想)
 午後はまた別行動で、近世ヨーロッパの貴族階級のお部屋を再現したエリアを見て過ごす。やっぱりこういう無駄に豪華な装飾って大好きだわ。
 でも、壁や天井に天使の彫刻がガンガン彫ってある寝室にはちょっと引いたわ。あれ、夜中に目が覚めて暗がりの中で見たら、絶対に怖いわよ。

 それにしても巨大な美術館なのよね。3:00pm頃には出て、別の美術館に向かったんだけど、日程に余裕があったら、丸一日かけて見たかったわ。

G Museum

 その後いったグッゲンハイム美術館は、最低。
 ちょうど展示の入れ替え時期にあたっちゃって、ほとんど八割以上のフロアが改装中で立ち入り禁止だったのよ。そのかわり、12ドルの入場料は 3ドルになってたけど。
 私、ここが持ってるはずのシュールリアリズムの絵とか好きだったんだけど、ほとんど見れなかったわ。悔しい。

 思いがけず時間が余ったので、セントラルパークを散歩しながらホテルに戻ったわ。気分だけはニューヨーカーって感じ。

ディナー

 夕食は、私の「肉が食いたい」という希望で、安くてでかいステーキが食えるとガイドブックで紹介されてた店へ。ホテルからちょっと遠かったんだけど、散歩がてら歩いて行ってみたのよ。
 でも、店の前まで行って中を覗きこんでみたら、ここは黒人専用レストランかいっ、と思うほど、貧乏そうな黒人がたくさんいたの。(また問題発言)
 値段もあまりに安かったので、お得感より不審感が先にたって、別の店を探すことにしたわ。ホテルへ戻る道を歩きながら、どこか適当な店はないかしらと探してたの。

 そしたら、よさげな店があったのよ。Donohue's Cafeっていう小ぢんまりとしたレストランだったんだけど、お上品な感じの客で賑わってたの。
 入ってみたら正解だったわ。変な客もいなかったし、私が頼んだ巨大なステーキもおいしかったし、かりこの食べてたターキー(?)も、ちょっと味見したけど美味だったわ。満足。
 でも冷静に考えると、二人で 100ドルちょっと払ってるのよね。美味しくて当然、これで不味かったら怒るわよ普通。

-- 未完 --

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