さて、小学生になった和郎。
さぞかしピアノに夢中になっているのかな?と思いきや、和郎もすっかり
世の中の華やかな音楽に惹かれていってしまいます。

そう、世間では、グループサウンズの花盛り!
和郎少年も例にもれず、タイガース、テンプターズに
夢中になっていました。
しかし、そんな時も和郎はピアノ教室を辞めることはありませんでした。
和郎は、ショーケンの「エメラルドの伝説」を一生懸命コピーして、
学校の友達に自慢げに弾いて聞かせ、
ちょっとした人気者になっていきました。
すっかり調子にのった和郎。
そのころ、映画「ある愛の詩」のサウンドトラックのピアノ譜が
発売されたと同時に、和郎は「ぴん!」ときました。
そうして、その3日後、その曲は和郎少年の「おはこ」になったのです。
家にお客さんが来るたびにいつもその「ある愛の詩」を弾いて聞かせ、
さらに近所の評判になっていきます。