ヒューゴー/ネビュラ両賞に輝いたブリンの第二長編である。
最初、舞台背景がつかめず戸惑ったが、読み進めると徐々に見えてくるので下巻はいっきに読めてしまった。これは異星人たちの思考パターンが今の我々に近いため、というのも大きな理由の一つだろう。
異星人の描写を読んでいて、横山えいじのイラストがどうしても頭に浮かんでしまい非常に困った。恐ろしげな描写をしていても、かえって滑稽に感じてしまうのだ。
登場人物のヒーロー指向はアメリカ的なのかもしれない。
訳本の下巻の真ん中辺りはちょっと派手な誤字誤植があって興ざめ。ワープロで書いて校正をサボったような間違いがいくつもみつかったのだ。
とはいえ、ダブルクラウンというだけある。おもしろかった。