宇宙探査機 迷惑一番

「雷獣」小隊は未確認飛行物体の調査に向かうが、そこで見た物は隊員それぞれに別の姿として見える不思議な存在だった。接近して調査しようとした瞬間。物体は爆発、その爆発に巻き込まれてしまう。
しかし、気がつくと異常なし。小隊は未確認飛行物体の破片を回収して帰投したのだが……。

光文社文庫での書き下ろし作品の再刊。
帯に「スラップスティップ版『雪風』」なんて書いてあるが、それは『今宵、銀河を杯にして』にこそ、ふさわしいだろう。もっともこう書けるのは『グッドラック・戦闘妖精雪風』のためであるが。
作品としては『敵は海賊』シリーズの方がずっと近い。コミカルなのに、シリアス。そんな初期の神林の魅力が詰まった一冊である。

ちなみに他に光文社文庫の神林作品は次の通り。

書名:宇宙探査機 迷惑一番
著者:神林長平
解説:市村 肇(神林長平のもっとも熱き、愛すべき一冊)
カバーイラスト:撫荒武吉
カバーデザイン:ハヤカワ・デザイン
発行所:早川書房
印刷:株式会社享有堂印刷所
製本:株式会社明光社
初版発行:2002年8月15日
ISBN4-15-030699-0 C0193
形態:文庫(4882 JA699 カ-3-1)
定価:580円+税

参考:光文社版
書名:宇宙探査機 迷惑一番
著者:神林長平
解説:火浦 功(電話は二番)
カバーイラスト:大野安之
カバーデザイン:亀海昌次
発行所:株式会社光文社
印刷・製本:共同印刷株式会社
初版発行:1986年9月20日
ISBN4-334-70416-6 C0193
形態:文庫(か-9-2)
定価:380円