「雷獣」小隊は未確認飛行物体の調査に向かうが、そこで見た物は隊員それぞれに別の姿として見える不思議な存在だった。接近して調査しようとした瞬間。物体は爆発、その爆発に巻き込まれてしまう。
しかし、気がつくと異常なし。小隊は未確認飛行物体の破片を回収して帰投したのだが……。
光文社文庫での書き下ろし作品の再刊。
帯に「スラップスティップ版『雪風』」なんて書いてあるが、それは『今宵、銀河を杯にして』にこそ、ふさわしいだろう。もっともこう書けるのは『グッドラック・戦闘妖精雪風』のためであるが。
作品としては『敵は海賊』シリーズの方がずっと近い。コミカルなのに、シリアス。そんな初期の神林の魅力が詰まった一冊である。
ちなみに他に光文社文庫の神林作品は次の通り。
- 太陽の汗:85年(90年早川JA再刊:品切れ?)
- 蒼いくちづけ:87年
- ルナティカン:88年
- 親切がいっぱい:90年
- 天国にそっくりな星:93年