ヨナ・キット

アンデスの山中で著名な天文学者が宇宙の起源に関する重大な学説をたてた。一方、ソ連では人間の意識を他の生体へ移植する研究を行っており、クジラへの移植と追跡調査が行われていた。2つのプロジェクトが組み合わされたとき想像していないことがおこる……

何故か分からないが読むのに苦労した。イアン・ワトソンの作品は他に短編集の「スロー・バード」を読んだことがあるが、こんなに苦労しなかったように思う。
ストーリーが4ヶ所で同時進行しているのだが、どう繋がるのか分かりづらいのも理由の一つだと思う。それと、積読にしすぎたせいで、発酵を通り過ぎて腐ってしまったのかもしれない。期待をいだくのもほどほどにするべきだな。
読んでみて発表が1976年の割に日本についての考証が正確なのに驚いた。

サンリオSF文庫なので入手困難だと思う。
私が入手したのは、とある地方のSF大会でオークションに出ていたからだったが、2000円位で落札した記憶がある。それでいながら積読にしてしまうあたり、我ながら罰当たりなことをしているなぁ。


書名:ヨナ・キット(THE JONAH KIT)
著者:イアン・ワトソン(Ian Watson)
訳者:飯田隆昭
解説:山田和子(「文化系の知識工学アプローチあるいは観念の位相幾何学」)
カバー:加藤直之
発行所:株式会社サンリオ
印刷・製本:図書印刷株式会社
初版発行:1986年6月15日
ISBN4-387-86062-6 C0197
形態:文庫(サンリオSF文庫 71-B)
定価:520円
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