1970年代の日本SFを代表する作品の一つ。 終末に向かいつつある宇宙。そのようにしむけた≪シ≫とは何者なのか?
第一章から第四章はなにか短編集を読んでいるような気にさせられる。それぞれが小さな接点を持ってはいるが独立しているからだ。 第五章以降が本編であり、それまでの連作短編的な雰囲気が一変し一つの物語になっていく。結末への伏線はあちこちに張られている。
鮮烈な描写が随所にあり想像力をかきたてる作品だった。