大賀ハスのプロフィール

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 ハス科はハス1属だけからなる単型科で
日本から中国、インドにかけてのアジアと、オーストラリア北部に分布する多年草の水草です。
葉は地下の茎から出て1メートルを越える長い葉柄を持ち、直径30〜50センチの円形で、
水面に浮く浮葉と水上に抜き出る水上葉とがあります。
地下茎は細長く泥中を横に成長します(蓮根)。

 
 花は7〜8月に咲き、花弁はピンク色で、
 はっきりした筋がなく先端が内向きにカール
 雄しべや雌しべは黄色と美しく、
 種子は黒色の楕円形で硬い皮でおおわれています。
 花は2〜5枚のがく片があり、
 花弁は20〜30枚で 螺旋状にならび、
 雄しべは200〜300本あります。
 雌しべには2〜30枚の独立した心皮が
 ありろうと状の花床が特徴で子房は
 花床の中に大部分が埋没しています。




 果期になると花床が肥大して子房の周りは大きな穴になって蜂の巣状に見え、
ここからハスの古名「蜂巣」が生まれ、それが略されたのがハスの名の由来とされています。
ハスの花は花弁、雄しべ、雌しべを多数持ち、水草であることからスイレン科に近縁であると
考えられてきましたが、最近の遺伝子の塩基配列による解析の結果スイレン科やモクレン科との
類縁関係は否定されています。

 種子の寿命は長く、大賀一郎博士によって1951年に千葉市検見川町の
2000年前の泥炭層から発芽能力のある種子3粒が発掘、栽培され
「古代ロマンのハス」 大賀蓮 として全国各地に広まっていきました。


 その外の実際に大賀蓮を栽培しておられる専門家情報として下記があります。

 ◎普通の蓮に比べ強さが無く特に雑草には簡単に負けてしまう。
 (これは2000年の間の自然淘汰の有無が原因なのでしょうか)
 ◎なかなか開花しない。
 (実感です)
 ◎栽培時の肥料は少な目がよく石灰は多めが良い。
   (水やりによる肥料の流出や気温による影響などあり難しい)


【大賀蓮 遺伝子の乱れ】 東京都町田市にある大賀藕絲館の 大賀蓮の由来と蓮田





ところが発掘から約50年経過した現在、各地に広まった大賀蓮の雑種化が危惧されています。 記録によると大賀蓮として各地に広まった経緯は純粋な大賀蓮の蓮根を株分けした分根でした。 蓮根で増やした場合は親株と全く同じ遺伝子を持った大賀蓮が育ちますから この時点で遺伝子的な純粋性には全く問題はありません。 種子の場合は違います。 大賀蓮が開花し受粉の時に他の蓮の花粉を受粉して雑種になっている場合があります。(交雑) たとえ自家受粉であっても突然変異により親とは違う性質を持つようになります。 各地のハス田で大規模に栽培されていれば無数の開花、結実があり、ハス田に落ちた種子が希に 発芽する事があります。
まだグリーンの種が田に落ちたばあいは 通常の種よりも容易に発芽するそうです。



東京都町田市にある薬師池公園。 初夏、大賀蓮の立ち葉が出てきました。 この中にも種からの発芽(実生が)があるのでしょうか?


大賀蓮の純粋性を維持するため種を取り除く努力もされたようですが、ハス田のような場所で 全ての種を取り除くのは不可能な事です。 50年の間にこの様なケースが各地で繰り返され次第に遺伝的純粋性が失われていきました。 現在、各地の施設などでは遺伝子の検査が進んでいるようですが、その多くに遺伝子の乱れが あるようです。 (施設によっては蓮根を入れ替えるなど対策が進んでいます)

2001年7月に開花した 当ホームページの蓮。

大賀藕絲館より入手した種を発芽させた当ホームページの蓮も交雑や突然変異の可能性がある 大賀蓮のようです。 開花した花の特徴が大賀蓮に酷似しているため遺伝子の乱れの度合いは少ないかもしれません。
さいわい大賀藕絲館ゆかりの方から2003年5月(写真左) 遺伝的に純粋な大賀蓮を分根していただきました。 写真右は一年後2004年5月の様子です。





この方は1994年頃から報道され始めた大賀蓮の遺伝子の乱れを心配され、研究のために長年の間 純粋な大賀蓮を栽培されています。 この方面の報道があるとお名前が出る事が多い東大技官の南定雄氏や近隣の大賀蓮を栽培 している施設などとも往き来がある大賀蓮の専門家です。 クロメダカと同じように絶滅危惧種?という位置づけで遺伝的に純粋な大賀蓮を 主に栽培する予定です。 当ホームページでは種から発芽させて育てる「実生」を基本としていました。 今後は交雑の恐れのない「レンコンの植え替え」を基本として進めることにいたします。