環状

深夜2時 昼と違った顔になる


東京環状 首都高速道路


コンクリートにかこまれた都会のサーキット

首都高から湾岸へ



皆さんは首都高速利用したことありますか?
ふだんは渋滞の巣窟で走ってるんだか駐車してるんだかよくわからない、
それくらい混雑してそして人がたくさんいます。
空いたからといって普通に高速道路だと思って走っていても
たくさんのコーナーに「え!? またカーブなん?」と結構やっかいな
それでいて、無いと不便。そんなイメージがあることでしょう。

深夜2時そこは普通の車はあまり走っていません。トラックかタクシーか、K察!?か
疾走を目的とした車が多く走っているのです。

湾岸ミッドナイトという漫画(オラ漫画に影響受けすぎ)があるのですが、
主人公が乗り手を事故らせると言われる悪魔のZという車を駆り、ライバル達とバトル。
その舞台がこの首都高速なのです。この漫画のいい所はバトル描写とか車がどうとかでは
ないのです。人そのものが主人公で、どのライバルにも生活があり、なぜ疾走るのか
その見えない答えを探す、まるで哲学のような面白さにあると思います。
この漫画の舞台を知ること。ここから僕の興味が湧いてきたのです。


作品中読んでいて感動した言葉


「だってコイツ俺でなきゃまっすぐさえ走りませんよ・・・。」


伝説の最高速ランナーと言われた相沢洸一。息子であるケイが幼い時に公道で事故死。ケイも父親同様
夜な夜な首都高を攻める走り屋になっていた。主人公の駆るZを倒すため、父親のかつてのレース仲間達
にスープラ(父親も同じ名の古い型に乗っていた。)を800馬力仕様にしてもらうよう依頼する。100万も
の大金を捻出するため彼はホストを始めた。そう、父親も実は若い頃ホストで車代を稼いでいたのだ。
やがてモンスターマシンは完成。Zとついにバトルを始める。完璧な走りをするスープラだが、やがてボディ
が悲鳴を上げ、どうにもならなくなっていく800馬力から扱いやすい500馬力へと変更するスイッチを押すケイ。
もう追いつけない、それでもZを追いかけそして・・・。大きく歪んだボディはかなりの重症であった。
パワーに耐えられないボディ。だが、それはケイに死んでほしくない。チューナー達の心からの思いであった。
ボディ以外はすべて下取られ、廃車になるかもしれないスープラ。残ったのは借金。漠然とした日々をこなすケイ。
しかしある日、チューナー達は死んでほしくはない、でもこれからも走り続けて欲しい。そのことを伝えるため
ケイに400馬力となった彼のスープラを父親の車色と同じ銀色にして、託したのであった。



なんだか読んでいてじわっときました。自分の車の寿命を縮めてまで速くすること、それに対してのリスク、
結局ケイも車(ケイのスープラ)が好きでしょうがないんだなぁと。400馬力でも出来ることはある。
そう走り続けることなんだなぁって。車好きっていうだけでなくて、なんか人生哲学みたいな。うまくいえないけどね。


「いつかお母さんになりたい・・・。あんたの子供のお母さんに。本当に死ななくて良かったね。」


元テストドライバー、マサキの彼女マーミが彼にRX-7の鍵を渡す時に言った言葉です。悪魔のZに魅せられ、
かつての仲間であるRGO(レーシングギャングオオタ)の大田や、ヤマに協力を求め勝負を挑むマサキ。結局彼はZに追いつく
ことは出来ず、首都高を降りる。また一緒に仕事をしようと言ってくれるRGOの面々だが、もうマサキの心は決まっていた。
彼は降りる理由を探していたのである。悪魔のZに見せられた男の物語がまた一つ終わったのである。



バトル中何度も出てくる言葉で「死」というものがありあます。
この車なら死んでもいいではなく、この車だから死なない。
死なないことはすごく大事なことなんだと。胡散臭い中古車販売をしていた時ふと、昔に戻り炎を燃やす。
そんな今まで見たことない一面を見たマーミにとって、マサキはとても素敵に見えたんだと思います。
好きな人にいつまでも素敵でいてほしい、そして死なないで欲しい。なんかいいなぁ。
マサキがずっとZに出会わずフラフラ生きていたらマーミもこうは思わなかったかもしれません。