【カスタムのすすめ・平野編】

 数年前、GI JOEの本格的な復活で子供時代のGI JOEで遊んだ記憶がよみがえり、 タミヤ1/35MMで育ったミリタリー世代というのも手伝って1/6でミリタリースケール モデル的な楽しみができないかという方向へと進んできました。 今回でカスタムワールドも4回目の参加となり、個人的には展示するといった作品もネタ切れ(もともと現用ウッドランド迷彩ワンパターン)となり、またカスタムの流れも スケールアップし、たくさんのメーカーが個人カスタム並の製品を出すなか、自分的に やることが少なくなってしまった感もあります。 それでも、完成品のここをこんな風にディテールアップしたらもっと良くなるといった、お気軽カスタムとそれを更に演出するジオラマ(ヴィネット風台座)の楽しさを紹介 出きればと思います。
 1/6アクションフィギュアというと、スケール模型的な工作はあまりやられていなかったと思いますが、カスタムワールドの展示物を見て、みなさんの作り込みへのこだわり等感心します。 大きさから、こういった作り込みは1/35等のスケールモデルよりも作りやすく、前記の各メーカーから出ているパーツなどを使用することで深みの増したものとなって来ますので、みなさんも挑戦してみませんか?
  前置きが長くなりましたが、私がやっている、お手軽カスタムの紹介です。今回(いつも なのですが)、21st Century Toysの現用米兵ユニフォームを使った、ちょこっとカスタムと、全く手を加えていない作品を並べています。 右の人形はドラゴンアダム、21stの現用米軍ユニフォーム+アクセサリーといった組み合わせ。左の人形はハスブロー人形とディテールアップ21stユニフォーム+改造アクセサリーです。雰囲気の違いを感じ取っていただけるでしょうか。

<ユニフォーム類>
 ユニフォームはほとんど手を加えていませんが、腕にインシグニア(KAZさん製作)をつけ、 縁取りにふくらむ絵の具を使用しています。この絵の具、ふくらみが出て、そこそこ固まる ので、カッターの刃先で細かく傷をいれると、刺繍(ししゅう)模様な感じになってくれます(左腕参照)。ズボンのポケットにはちり紙や布を詰め込んで膨らましています。だぼっとした雰囲気になります。
 ヘルメットには偽装用に草などを差し込む穴をカッターで開けており周りを ちょっと白く塗装すると生地の切れ目が目立ってくれます。 ヘルメットバンドの前方には名前をサインペンなどで書き入れました。ちょっと見づらい ですが“McCARTY”と書いています。ヘルメットバンドの後ろ側には夜間、味方を見失わないようにする夜光テープを張り付けています。実際のテープは縫いつけているようで、それを再現するためデザインナイフで細かい切り込みを入れた後、グリーン系の塗料を切り込み上面に塗ったのち、直ぐふき取ると、縫いつけたようなステッチが表現 できます。 あごにかけているチンストラップはオリーブドラブ色のナイロン生地と自作の金具 (キャスト製)でディテールアップ。
 21stのユニフォーム生地は若干厚めで実際の雰囲気と違うのですが、そのあたりは、 汚し処理をして補正?しています。かすれた感じにするには水で洗う方法もありますが、やりすぎると塗料がはげて白っぽくなりすぎてしまいます。ここでは紙やすりなどでこする 程度です。プラモデルなどで汚し塗装としてドライブラシなの手法を使いますが、1/6の実際の生地にはパステルなどを削った粉をふりかけてこすると汚れた感じに なってくれて重宝します。パステルは色々な種類の色がそろっている点もいいですね。ひざやひじの 部分にこすりつけています。
 ハーネス類はカスタムマスターのまついさんがピストルベルトなどすごいものを作っていますが、 それを真似て作ったのが展示物の物です。肩あての部分は21stをそのまま流用して金具類、フック、細いハーネス部をナイロン生地でつくり、長めに余ったところを茶色のテープで巻き付けています。これは実際の兵士もしている端末処理です。ピストルベルト部は縦縞状のリボンに市販のハトメを1cm間隔ぐらい打っています。 靴は、ご存知マイヤーズみやもとさんのカスタムブーツを使用。現用米兵の大半はこのオールレザー(黒)ブーツで決まり。足下だけのカスタム化でもグレードアップしてくれます。 これらも購入できるのですから良い時代です。

<アクセサリー類>
 マガジンポーチ、水筒、雑納等の実際に生地で出来ている部分は生地に置き換えています。 オリジナルのモールド品にナイロン生地を張り付けるやり方がやりやすいと思います。 水筒はポーチから外せるようになっていて、内部にフェルトのインナーが入っています。 21stの製品にはL型ライトとか手榴弾なんかもあるので、手榴弾あたりは彩色や安全ピン などを金具に換えています(このあたりは現在各メーカあたりまえのようにやられてますね)。L型ライトはレンズ部をくりぬいて薄いアルミ板を円錐型に切り出して中に入れ、赤いプラ板 を丸く切り抜いてはめ込むと本物っぽくなってくれます。  それ以外のアクセサリー類は、アルミパイプで作ったカナビラ。アルミパイプはそのまま曲げると、中が中空のため折れてしまうので、中空部分に細い針金(骨になる)を入れて 曲げれば好きな形に成形出来ます。アルミパイプを幅1mmぐらいで切断し、半月型にして左手薬指にはめ込み結婚指輪にしました。スカルピー(焼くことで固まる粘土)で作ったホイッスル、ゴーグルもアクセントになってくれます。ちょっと判りづらいのですがビニールテープをマガジンポーチに引っかけています。
 手に持っているM4,M203グレネードランチャーは21st製ではなくドラゴン製で、ちょっとした改造点はダストカバー部のバネを再現、30番線のかなり細い針金を巻き付けています。 予備マガジンをくくりつけていますが、その中の弾薬は真鍮の針金と銅の釘で製作しています。

<ボディー>
 人形本体はあまり改造していませんが、眉毛にジオラマ用のフィールドグラス(草)を使用して植毛(接着剤で付けてるだけ)、手に血管(接着剤を使い、それっぽく描いてやると、 血管がういたようにもりあがってくれます)、爪の彩色でアクセントを付けてみました。

<台座>
 最後に、人形を飾る台座ですが、どんなものでも良いのですが、しっかり固定出来る木製の台座(建築模型用に売っている1000円前後のもの)に新聞紙を張り付け、その上に壁補修材(ドフィクス等)を流して固め、フラットアースなどの茶系の色で彩色、ドライフラワー や情景模型用のシーナリーパウダーなどで草などを表現し完成、ちょっとした台座でも人形 にぐっと重量感を増してくれます。