えの素パンティースペシャル
「地味でも派手でも乙女」 

女性は下着に深いこだわりがあるようだが、華美なパンツと地味なパンツの2種類の
傾向があるくらいで種類そのものはパンティー1種類しかない。意外に貧困なのだ。
それに比べて我々男子の装着する下着はパンツ、褌、まわし、化粧まわしと実に様々なバラエティーに富んでいる。
見落としがちではあるがこうしたアドヴァンテージをフルに活用しない手はあるまい。
夏場などは通気性を考えて褌が良かろう。
女性は好みの男性と初デートに出かける際に"勝負パンツ"と称して美しいパンツを装着するそうだが、
それならば我々も初デートの時はまわしを装着して出かけよう。文字通り勝負パンツである。
ぜひともがぶりよって貰いたい。以前にも触れたが化粧まわしは冠婚葬祭など典礼用に使用する。


(モーニング00年25号)


えの112「こかずにいられない」 

男と男は友であり、またライバルでもある。時には意見が食い違うこともあるだろう。
かつてはこうした時、男は剣を抜いて雌雄を決した。しかし現代では剣を抜いて闘う訳にはいかない。
たとえ勝っても殺人罪に問われるからだ。
剣にかわる決闘法としてジャンケンがある。だがこれでは大の大人の闘いとしてはいかにも幼稚であろう。
そこで"ちんこ・ジャンケン"というものを提唱したい。
これは我々男の股間3寸の剣であるちんこを、かけ声とともに相手にまろび出し、
その状態によって勝敗を決めるジャンケンである。
チョキはその形状からちんこを被った状態でだす。
パーはそれをぺろんとむいて出す。
グーはいうまでもなく怒張した状態である。
ジャンケングー、あいこでチョキ、あいこでグーなどという出し入れは考えるだにタイトではあるが
それはそれ、これはこれであろう。


(モーニング99年51号)


えの113「チンコ イズ レインボー」 

心の底からわかりあえる新しい意志伝達法、ちんこコミュニケーションというものを提案したい。
以前、ちんこには被った状態、それをぺろんとむいた状態、怒張した状態の三態があることをお伝えしたが、
これらはそれぞれ警戒(フーアーユー?)、威嚇(むいてみろ)、友愛の心(おまえはいい奴だ)のメッセージを現す。
これら三態の様々な組み合わせや、露出時間の調節によって意志の伝達を図るのがちんこコミュニケーションだ。
例えば初対面の人にはまず時折威嚇をまじえながら警戒を出し、
もし心を許せる相手だと判断したら友愛の心(おまえはいい奴だ)を出す。
相手を敵だと判断した時は威嚇を出しっぱなしにせよ。
一般的に10秒以上威嚇を提示すると断交を表すとされている。
戦争中、相手に降伏する際などなにかと事故が多いものだが、
友愛の心(おまえはいい奴だ)を提示しながら投降すれば間違えようが無いので覚えておいて損はない。


(モーニング00年1号)


えの114「ネイキッド祖母と孫」 

我がちんこほど可愛いものはない。ぜひ日夜撫でさすって慈しみたいものだ。
みんな、やってますか!!
そこで提案なのだが我がちんこに名前をつけてはどうだろうか。
やはり名前をつけてこそ他との差別化がはかれ、また感情移入の度合いも変わってこようというものだ。
いかめしく強そうな名前がよければ「梵天丸敵左衛門」「雁鷹炎之助」、
ポップな感じがよければ「桃野香太」「薩摩芋次」、
都会的なイメージを演出するならば「流星銀三郎」「稲妻光太郎」、
意表をつくなら「四次元人ポラーレ」 「アナクサマンドロス」 「上手出し投げ郎」といったところだろうか。
自分で素敵なネーミングが思いつかない時はなに、親しい友人、尊敬する先輩にでも頼むといい。
その人はあなたのちんこの名づけ親、ちんちんゴッドファーザーとなる。


(モーニング00年2・3合併号)


えの115「愛は類をこえて」 

人生という長いレースを、ただまっすぐゴールに向かって走る人はいない。
皆それぞれ寄り道をしたり、道に迷ったり、ガス欠になったり、
脱輪したり、検挙されたりしながら走っていくのだ。
少々の逸脱はむしろレースの醍醐味といえる。
この物語の教訓は"好きだと思ったらなにかが少々違うと感じても思いきって行け!!"である。

(モーニング00年4・5合併号)


えの116「俺達の健康診断」

【この物語は】
なにせ4カ月ぶりの登場なのでこのまんがのことを知らない読者もいらっしゃるのではないか。
もう手遅れかも知れないがこのまんがはアナル、放尿、サドマゾ、
でかいチンコかたいチンコうずまきチンコふにゃふにゃチンコ、巨乳、
下着フェチ、異常なほどの助平根性、すごく変わった異性の好み、
人体切断、ネズミ人間、伸縮自在のおっぱい、脱糞の威力でホバーする人、
屈強ブラザーズ、生き物ならなんでも愛せる人、炸裂する人糞、全身チンポコから射精する男、
マーラーさんなどの豪快なネタが、信じられない勢いでぶっぱなされる最強の鮮烈まんがだ。


(モーニング00年25号)


えの117「エロエロファイヤーストリート」 

この世には贈るや即、自身の評価を木っ端微塵に粉砕する魔の贈呈品が存在する。
それは"自分の手作りの品"である。
代表的な贈呈品目は歌(フォーク系)、絵である。
他にはアクセサリーなどは良いとしても小説や戯曲など荒業以外の何物でもないブツも報告されている。
しかも平素から作詞作曲や作画に慣れ親しんでいるのならばまだしも、
ほぼ素人の人物ほどこうした情熱に取り憑かれてしまうのは不思議というより他はない。
贈呈日の一週間前に「一週間で覚えるフォークギター」を購入し、
2日目のいきなりなFで挫折しAmの循環コードでこの世の終わりみたいな歌を熱唱したり、
贈呈前日に東急ハンズで画材を買ってきて深夜に自分が絵と言うものをナメてたこと思い知り窮地に陥ったりする。
やはり造形美術の場合は人間国宝の孫であるとか、歌の場合はデビュー直前であるとか言う人以外は
"手作りの品"は諦めた方がよろしかろう。


(モーニング00年26号)


えの118「アナルに首ったけ」 

愛の交歓、ひらたく言えば交接、関西弁でいうところのおめこなる行為には、ホラばっかりでなかなか実践に役立つマニュアルが存在せず事前に正確な予備知識を得ることができない。
AVは基本的には"無理矢理"というシチュエーションを扱うものが多く、たまに恋人同士のカップルの行為が出てくると企画物だったりするので初体験の参考にはいかにも不適切。
若向け雑誌のセックス特集はなぜか近年"まず下着の上から手の平でやさしくなぜ、しかる後に彼女の反応を確認してうんぬんかんぬん"とやたらにフェミニズムに傾くきらいがありそれはそれで問題だ。
かと言って「究極 熟女もぬれる愛の三点刺激法」等の類の文献にあたるのも、その手のジャンルにいきなり頭でっかちになってどうすると言う気がするので止めた方がよかろう。
結局いまだ愛を知らぬ幸福な青少年はダッチガールを通販で購入し密かに独自にシャドーエッチを積んでいざという時に備えるしかないだろう。


(モーニング00年27号)


えの119「彼氏が家にやって来る」 

交際相手のご両親に紹介される際、難しいのは相手の家庭で演じるキャラクターの選択である。
お勧めは"朴訥とした人"だ。
良い人と思われたい、ブルジョワだと思われたいなどと様々な野望が巻き起こるのは人の情として当然であるが
この場合はなによりも失敗しないことが最重要の課題である。
過剰に緊張するあまり、つい酒を過ごして酔っ払い「さて2階も拝見させていただきましょうか。
ん、良い眺めですな、ウワッハッハッハー」などと述べる醜態をさらしては最悪である。
朴訥を演じるのは要はなにを聞かれても「はっ、はっ」と答えてあとは口ごもっていれば良いので簡単だが、
若干これにミステリアスのひねりを加えてみるのも良い。
まず「これ、郷里のおみやげです」と富山名物ます寿しを差し出し「ほう富山県のご出身ですか」と言われたところで
「いや郷里は大阪です」と答えたっきり真っ赤になってうつむき後は何を聞かれても返事しない、というのはいかがか。


(モーニング00年28号)


えの120「アナルファック平原」 

尻の穴の呼称は実に多様で、日本においてごく日常に使用されるだけでも尻穴、肛門、菊座、アナル、アヌスと5種類もある。
それならちんこの呼称だって肉棒、怒張、雄渾、ムスコ、コック、おしおき棒、とっても大きいあなたのスゴイもの等ヴァラエティに富むとの反論があるかも知れぬが、これらは象徴的な表現であり、日常に使用される名辞とは言い難い。
さて尻の穴の呼称であるが、これらを眺めると呼び手の心境が反映されていることがわかる。
尻穴と呼ぶ人はあたかも動物の部位のごとくドライに呼んでいる人。
肛門はできるだけビジネスライクに接しようとしている人。
菊座は明らかにへりくだり過ぎで、よほど神々しいものと認識しているのであろう。
純粋にカンだがおそらくアヌスもきっと菊座にあたる神聖な響きのする外国語なのであろう、無論ヤヌスからの連想である。
アナルと呼ぶ人の心理はよく理解できぬが、なにか"その道のプロ"ということは間違いない。

(モーニング00年30号)


えの121「地獄から来た女」 

男の宝、ちんぽ。みんな可愛がっていますか。
植物も毎日、声をかけてやったり音楽を聴かせてやったりするとよく育つと言います。
ちんぽもできるだけ慈しんであげるとよいでしょう。
毎日、なでたりさすったりは誰に言われなくても実行してらっしゃることでしょうが音楽を聴かせたりはしてますか。
ちんぽに聴かせる音楽は真っ先に『タブー』が思い浮かびますがもう少しソフトに育てたいなら
『男と女のテーマ(ダバダ ダバダバダ)』
『エマニュエル夫人のテーマ』などもよいでしょう。
シェーンベルクなどを聴かせてきれいなちんぽに育てあげるのもありと言えばありです。
また毎日、声をかけてあげるのも大切です。
時には厳しく「こら、こないだはオマエのせいで大恥をかいちゃったゾ」とか
日々の労を感謝して「毎日アイドリングばっかりでごめんヨ」「カワが長いゾ」とか、
ここぞと言う時には「死に花も花なら咲かせ得じゃあ」とか。


(モーニング00年32号)


えの122「悪魔の棲む森」 

【お知らせ】

またかと思われるかもしれませんが、『えの素』は榎本さんの体の調子がじゃっかん思わしくないためしばらくお休みとさせていただきます。今度こそもう終わっちゃうんじゃないかと思われるかもしれませんが連載復帰に向けての前向きな休みですのでお待ち下さいませ。
ウソだと思われるかもしれませんがそんなことはありません。下半身の病気だったりもしません。
楽しみにして下さっている読者の皆様、はらはらしてらっしゃる読者の皆様、秋には帰ってまいります(予定)。
申し訳ありませぬ。


(モーニング00年36号)


 『えの素』は再開されましたが、『STORY』は再開されることはなく「えの122」で断筆となってしまいました。そう考えて見てみると、なんか暗示しているかのような文章ですね。残念。

 というわけで、オマケをどうぞ。


うえの素 (モーニングの下品は俺が守る!! 上野顕太郎作)

うえの001「ひまあり下品版」 

男には全力で下品にならねばならぬ時がある。
なにを馬鹿なそんな時などある訳が無いと諸兄は言われるだろう。
しかしたとえば合コンで自分だけハナもひっかけてもらえないが皆はモテモテという状況はいかがだ。
しかも相手は音大卒の人々で周囲はフランス旅行の話題等で盛り上がっていたりしたらどうすれば良いのか。
男ならばおのれに潜む下品の潜在能力をフルに解放して、合コンを木っ端微塵に粉砕するべきなのではないのか。
ゲップ、目くそ、鼻くそ等の使用は無論のこと、ギャルのコップや箸を舐めまわしたり自分の足の臭いをかがせたりしよう。
便所に行ったら下半身丸出しで帰って来るなど軽いギャグも忘れるな。
こういう時のために普段からケツの穴で酒を飲むなどの技を習得しておくのもよいだろう。
そしてウヒャヒャヒャヒャヒャと笑いながらちんこを握って尿を撒き散らし、嘔吐すれば、
それでも合コンを継続しようなどという胆力の持ち主はそうはおるまい。


(モーニング00年29号)


 上の文章は、「モーニングの下品は俺が守る!!」と立ちあがった上野顕太郎さんが描いた「ひまあり」の柱に書かれたものです。この話は「えの素」を題材にしてました。
 実はH田氏は上野氏の担当も兼ねており、いつも通りの名調子が展開されました。