お色気カラースペシャル「ボイン帝国の誘惑」 

赤いハイヒールをはいた足が好き、という若干の例外があったりするが、
原則的に男というものはボインが好きなものだ。
だがそれをむきだしにして「おや君いいオッパイしているねえ」などと
女性を褒めたたえても百害あって一利も無いとはどういう訳なのだろう。
やはりもうちょっとオブラートにくるんでいわんといかんのか。
「汚れのない白銀をその身にまとい、誇らかに白く輝くその二つの山の頂きを、
目指す僕は愛の登山家」とでもいえというのだろうか。
世の中には悲しいくらい女が好きで、見てるとほんとに悲しくなるという男もいたりするが、
あまりその情熱がむくわれることはない。
世の女性ももう少々その辺の事情を考慮してくれても良いのではないか。
また、男はウソつきじゃないと生存競争に勝ち残れないともいえる。


(モーニング98年43号)


えの46「白い子供たち」 

諸兄はエロビデオを借りたことがおありか?
昔ある男は、ここでは仮にF田の先輩としておくが借りたくてもビデオがなかった。
都会の孤独な熱い夜に耐えかねた彼は、ありあまる精力を生かしたアルバイトで金をひねり出し見事ビデオを購入した。
さてファーストエロビデオである。比喩でもなんでもなしに夢にまでみたエロビデオである。
妥協することなく"イイヤツ"を選ばなくては。
入念な吟味の果てに彼は「やはりこういう時は王道を歩め、まずは古典から」という真理に達し
遂に"小林ひとみの作品"をその手に取った。
だがレジにて誇らしげにそびえ立つ彼に店員はけげんそうな視線を向けこう言ったという。
「お客さん今はもっといいの、ありますよ」と。
たとえ親切心から出たものにせよその言葉は死ぬほど余計なお世話であったと、彼は述懐している。


(モーニング98年9号)


えの47「ファイティング親子とアニマル」 

<前号のSTORY>
「なぜ私がチンコを屹立させているあなたにお金を支払わねばならないのか」。
童は問うや賊に駆け寄り、渾身の手刀を賊の傲慢にもそびえ立つチンコに降り下ろした。
稲妻の瞬間の、しかし永遠の瞬間の後、童は手刀に秘めた恐るべき技で賊のチンコを切り裂いた。
おおその童は高らかに勝ち誇り、もはや賊にも賊が交際する女性にも歓びをあたえることのないチンコを
チンコ発射台に装着、猛烈な速度で発射、すでに主から切り離されたるチンコは
しかし屹立の余韻なのか依然として硬度を保ち、それを男の性と笑わば笑え、
窓を破り道行くおなごを貫通、さらにはやはり道行く露出魔のチンコをも貫き動物園に突入、
百獣の王ライオンに貪り食われたるはこれ、男子の誉れなり。
しかしチンコを奪われた賊に己のチンコの結末に思いを馳せる覇気はなく
ただ「ひどいよ〜〜〜」と叫びながら走り去るのみ。

(モーニング98年10号)


えの48「私はエロであります」 

新品の下着には興味を示さず婦女着用済みの下着には興趣つきることなし。人はこれをエロと呼ぶ。
あまつさえその下着になにやらシミがついていた場合、激しい興奮を覚える。人はそれを変態と断ずる。
これで良いのか諸兄!!
例えばここに古びたふんどしがある。あなたはただそれを見て「おっ古びた越中だな」と考えるだけだ。
だがそのふんどしが「西郷隆盛が西南戦争の折、しめていたふんどし」と知らされたらどうだ!!
あなたは全財産をはたいてでもそのふんどしを手に入れる、と誓うだろう。
ましてそのふんどしのシミを「ほれ、西郷どんはひどいぢでごわしてな」と解説されたらもうどうなることか。
その物が経た歴史に価値を見る行為にどちらも変わりはない。
ローザ・ルクセンブルグがオシリを拭いた紙を手に入れるのは骨董趣味で
女子高生の体操着を収集するのは変態趣味。不思議なものだ。


(モーニング98年11号)


えの49「冬の日の猥想」 

あなたは愛する人のおしっこが飲めるかっ!!
飲めなければそんなもん本当の愛ではないネ。
まああまり飲めすぎるのもそれはそれで愛とはちょっと違うような気もするが、
男ならおのれの愛を表現するため、いざという時にはペロリと2lぐらい飲み干せる心意気を普段から養いたいものだ。
まあ慰めにはならんかも知れませんが、おしっこという物は放尿された瞬間には雑菌が一切いない
非常に清潔な飲料だそうなので愛があれば大丈夫。
まさか放尿後1週間汲みおいて醸造したおしっこを、飲めと迫ってくる無体な奴はそういないと思うし。


(モーニング98年12号)


えの50「OH! エンパイア」 

『えの素』も連載50回を達成。
日本全国の『えの素』ファンの皆様、これまでのご支援、ご愛読のほど厚く御礼申し上げます。
これからも連載5百万回めざして大宇宙ロマン『えの素』は邁進しますので
倍旧のご愛顧のほどよろしくお願い申し上げます。
皆様、もしかすると『えの素』ファンだとカミングアウトしづらい状況にあるかも知れませんが
面接、愛の告白、外交の席などでむしろ自慢げに「いや私チンコが好きなんですよワッハッハッハ」と
ばんばんアッピールしてみればいかがでしょう。
少なくともあなたの"運命が大きく変わる"ことだけは満を持して保証してさしあげます。


(モーニング98年13号)


えの51「夫婦って奴はよう」

『その日』の約1週間前、お酒の席であなたは『その日』がやって来ると屈託なく皆に告げるだろう。
あなたの密かに愛する女性はまったく『その日』に興味を示さず
あなたが決して愛することのない人はダミ声で「あら〜それがどうしたの〜」といななきあなたは殺意さえ抱くだろう。
そしてその話題は流れあなた自身も『その日』のことは忘れている。
やがて来た『その日』、あなたはもう手遅れになった夕方にふと『その日』を思い出す。
『その日』は決まって早くもなく遅くもなく仕事は終わり、
あなたはゲームを買って帰ろうかな駅前の回転寿司で絵皿をたくさん食べて帰ろうかなと考える。
そしてスローモーションで席を立ち、はにかんだ顔で同僚に「今日俺、誕生日なんだよ」とつぶやいて、家路につくのだ。


(モーニング98年14号)


えの52「僕と君の見る世界」 

"金融ビッグバン"というものはありますが"金玉ビッグバン"というものはありません。

(モーニング98年15号)


えの53「君の歌は、君の歌」 

今週は素晴らしい歌を皆さんにぜひ知ってもらいたい。ある男と女の結婚式で歌われた雄大な歌だ。ではどうぞ。
 『(もの悲しく)君は〜ライフプランナ〜〜〜二人は校了〜〜♪
君の人生〜俺担当〜〜君は保険さ〜〜〜♪
(気分を高揚させて)WOW WOW WOW〜〜横浜エディトリアルナイト〜〜
WOW WOW WOW ラララ〜〜 ラララ〜〜 YEAH YEAH〜♪♪
(自己陶酔しながら)孤独だった〜俺〜〜エエ〜〜 男のよろこびを〜教えて〜〜くれた人〜〜
それはYOU〜ウウ〜〜〜♪
一人だった〜君〜〜〜イイ〜〜〜たどりついた大陸〜〜それはME〜〜イイ〜〜♪♪』。
たぶんあまりに感動したためだと思うが場は怖いくらいにシーンとしていた。いまでも恨まれてるかも知れん。


(モーニング98年16号)


えの54「燃えろ,田村」

効果的な"借金の申し込み"を伝授しましょう。
まず第1は言い訳型。「いやあ銀行行くの忘れちゃって・・・・・・金貸してくれない」。
いや俺は金が無い訳じゃないんだという言い訳をしながら借金を申し込むいさぎよくない型。美学に欠ける。
第2は利益誘導型。「ズバリ8%の利回りでどうだ、融資してくれ」。
嘘臭いのが欠点だが強欲な相手をハメるのに有効、でもせめて元本は保証しよう。
第3は雄大型。「思えば昭和5年、浜口雄幸首相、井上準之助蔵相の金解禁以来日本は(中略)
という訳で俺は金がない、貸してくれ」。
まさか自分が借金を申し込まれているなどと悟らせない理想的な型。成功例少なし。
最後は不意打ち型、迫力で乗り切る。「やあどうだい、俺に金を貸してみんか!!」。照れ隠しか?
首尾よい借金を祈ります。 さあ飲みに行こうか!!


(モーニング98年17号)


えの55「これが愛じゃ」 98年18号

【小説「エロ小説」】
ホラ造「優しくしたまいけれ君、我かくのごとき店初めてなり、いまだ作法を知らぬがゆえに」と
言いけるに鼻代(曙のごとき女性なり)「げに愛らしき男なり、
安心したまいけれ我ただ年を経たるにあらず玄人の技あり、いかでかイカさん」と答えける。
鼻代のホラ造に責めかかるや、ホラ造「玉な舐めたまいそ、玉な舐めたまいそ我え耐えられじ」とすすり泣きける。
鼻代、「ここが良きかな君、あそこが良きかな君、君のシワ伸びたるは我のシワ伸びる思いがするなり」といななきたり。
ホラ造、やがて味をしめたる気色にて「かくのごとき店ではかくのごときことをしてもいいですか」などと言いける。
そして「ふわぁああ〜〜〜」「いや極楽ですよこれは」などの声とともに夜、ていうか早い朝はふけゆく。(続かず)


(モーニング98年18号)


えの56「テレビと腹とネズミの家族」 

男なら少々の不都合は自力で修繕したいものである。
かつてある男は、仮にT永としておくが、中学進学にあたって学生カバンを買いに行った。
恐らくその時点では特にカバンに対するヴィジョンなどなにもなかったものと思われるが、
いざ売り場に到着してみると皆が標準装備している黒の没個性なカバンのみならず
実にファッショナブルな紺色のカバンもディスプレイされているではないか。これだっ。
入学初日、個性を尊ぶ彼は意気揚々と紺色のカバンをひっ提げて登校した。
が、言うまでもなくこれ単に女子用のカバンだったのでみんなに大爆笑されてしまった。
さあT永、この大ピンチをどう乗り切るか!!
翌日、彼はプラモ用のツヤ消し黒のスプレーをカバンに吹きかけて威風堂々と登校してた。
今度は隣のクラスの奴まで来て笑っていたが、今から考えるとすごく偉い奴だったような気がする。


(モーニング98年19号)


えの57「セクハラ大王」

男子に生まれたからには常に飢えた狼のようにギラギラしていたい。
すきあらばギャルにセクハラを行う覇気を持ち続けたい。常在戦場とはこのような心得を説いたものだろうか。
そこでカラオケ時に簡単に流行歌をセクハラ歌に変えるセクハラ法を伝授しましょう。
最近の流行歌は愛だの恋だの浮薄な主題の曲が多く『あなた』『ふたり』という単語が頻出します。
まずこれらを有無を言わさず『アナ×』『ふぐ×』に変更します(品格を考慮し一部伏せ字でお届け)。
これを基準にし前後の歌詞もそれに合うように変更します。
例えば「優しいあなたとふたり、いつもラブラブ」という歌詞なら「やらしいア×ルと×ぐり、いつもブラブラ」となります。
ラララ〜というようなフレーズが存在する時は最初のラをマに変更する方法も
安室奈美恵の『CAN YOU CELEBRATE?』などでは有効です。


(モーニング98年21・22合併号)


えの58「犬もどき物語」 

動物といえばムツゴロウさんだ。
そしてムツゴロウさんといえばありゃ本名は『陸奥五郎』だと想像していたのだが、どうやら全然違うようだ。
スガシカオやカジヒデキはそうなのに不思議なことだ。ゆうむはじめやコンノケンイチはどうなっているのか。
謎は深まるばかりだ。


(モーニング98年23号)


えの59「うんこキングダム」 

誰だったか、たぶんタイガースにいた外人で和式便器の使い方が理解できず、
立ったまま便器に向かってやや尻を落とし排便を行っていたという人がいた。
本来、楽しくあるべき脱糞は認識不足などのためややもすると非常に厳しい修業、
ていうかアクロバットになりがちという例である。
また86年に瞬間的に局部的に流行したオーバーブラウス、
尻まで隠れる丈が長いシャツを着ているのを忘れてプランタンなんばの便所でケツを拭いたところ、
シャツにアナルのスタンプを押してしまったという人もいる。
いかに認識が正しくてもひとつの油断が悲劇を招くという例である。
シャツの裾をたくしこみ"普通のシャツ"として着用することで乗り切ったが
「気合い」で解決できたのは幸運だった。
皆様の豊かな脱糞ライフを祈ります、お気をつけて。


(モーニング98年24号)


えの60「男たちの宴」 

現代の若者はアダルトビデオが充実していてむしろ、かわいそうな気がする。
昔は女の裸なんてそう簡単に見れるものではなく、若者は日曜日の朝などふとんの中で
ひたすら見たいよ〜〜見たいよ〜〜と悶々としていたものだ。
ある高校生達はそうした果てしのない空想に決着をつけるべく"ストリップショー"に潜入することを計画、
首尾よくストリップの窓口に到達したが、あろうことかそのうちの一人が「おばちゃん、学割で」と
高校の学生証を提示したために全てがチャラになってしまった。
皆様、猿に朝、木の実を3つ夕方に4つやると怒り、じゃあ朝に4つ夕方に3つやると喜ぶという
「朝三暮四」の話を聞いて「そんな馬鹿はいねえよ」と感じられたと思うが、
世の闇は想像以上に深く自分もいつ落ち込むか解らないと警告しておく。


(モーニング98年25号)


えの61に「STORY」はありません。


えの62「ぐっきりぎっくり腰」 

老齢化社会を迎えるにあたって、我々も"いかに老いるか"をテーマに暮らしたいものだ。社会派だ。
まかり間違っても「ルーズな人」を「ズールな人」と言い張ったり(なんとなく言わんとするイメージは解るのだが)
「佐衛門&ガーファンクルってなんじゃ」などと聞いてしまったりして、
若い者にスキをみせてしまう老人にはならない様に心がけたい。
枯れ果てた仙人の味を出すのもいいが二比ススムの恋人、タミのようにいつまでもいつまでも情熱的に生きるのが
これからのトレンドではないか。
なかなか考えさせられるまんがである。


(モーニング98年28号)


えの63「ホット ホッター ホッテスト」 

ものすごく暑そうなフレーズを考えてみた。
『男達の青春』
『キムチ10倍カレー』
『ハウンドドック アフリカライヴ』
『熱海の夏』
『赤道でリビドー』
『熱い国から来たスパイス』
『南の国から98  入浴』
『リベラとガルベスの抱擁』
『東京国際相撲アマチュアレスリング専門学校』
『7番テーブル、かおりさんご指名入りました』
『鎌倉テレクラバイアグラ』
『ホット浣腸』。


(モーニング98年29号)


えの64「楽しく生きるコツ」 

いくら暑いからと言っても、全身これ下着という女の人を街で見かけてこの人は
ちょっとナニなのかなと腰を抜かすくらい驚いたのだが、今年はどうもそれが流行りのようだ。
さすがに全身下着の人は少数派というかごくマレだが部分部分下着で街を
練り歩いている人はたくさんいて、いい目の正月と言えよう。
できれば上半身裸くらいまでこの流行を進歩させたく思うので大切にこれを育てたい。
まず男が平然と上半身裸で外出して、驚く人々に「いやこれ流行りなんスよ」と
デモンストレーションしてまわるのはいかがだ?


(モーニング98年30号)


えの65「変態の王国」 

古来より良い踊りは人の心をほがらかにし恥じも外聞も忘れさせ、
翌朝を死を覚悟するほどの悔恨で彩る魔性のものとされてきた。
今日はそうした踊りのひとつ、『ヘナチョコダンス』を伝授しよう。
伊豆の踊子もまっ青最大10名の観客の視線を釘づけ可能、
部屋は大いに盛り上がること間違い無しという秘伝の踊りだ。
まず右手を高々と天にかざし、左手を股間に添える。これを奇の型と呼ぶ。
この時、かざす手は深夜にタクシーを呼び止めるがごとく、添える手は愚息をもみしだくがごとしと伝えられている。
次に左手を誇らかに天にかざし、右手で股間を覆う。これを偶の型と呼ぶ。
この時かざす手は星に憧れる童子のごとく覆う手は恥じらう乙女のごとし、と伝えられている。
以上の型を音曲に合わせて交互に演じれば完成なのだが、
その時"見えそで見えない"をもって理想とすべしと言われるのだがこれはよく意味がわからない。
ニューヨークが発祥の地とされている。


(モーニング98年31号)


えの66「街のダニとみちろう」 

世間では中心、奥義、その他重要な部分のことを"なになにのヘソ"と言う風に表現する。
これはヘソこそが人間の体の中心、大切なところと言う認識に基づくものだろう。
しかし、それで良いのか諸兄!! 男子の体の中心はチンコではないのかっ!!
男と生まれたからには営業、プレゼンテーションの席などで「ここがこの企画の男根でございます」と
おもむろに言い放ったり「オー イッツ ア ペーニス」 「リアリー?」などと華麗にアメリカ人と渡りあったりして
ぜひ伝説上の生き物になってもらいたい。未来は明るいぞ!!


(モーニング98年32号)


えの67「恋人交響曲」 

【小説『官能小説』】
狭き、暗き部屋にてただひとり膝をかかえて座り、愛しき君よりのTELを待つ我。
されど、TELは来らずただ時が過ぎ行くのみ。
我が恋もはや終わりなりしか、あらずいまだ始まらざるか・・・・・・、孤独は我を詩人になしたるものなり。
「かくなることならば入念にビデオ・・・・・・」 とつぶやきしその時、君からのTELを告げるランプがまたたきたり。
孤独は人を詩人にし、愛は人を狩人にするものなり、我電光の勢いにて受話器を取り上げたり、
ああされどその響く声、堂々たる男の声なりしはいかなることか。
驚愕する我に彼は言いける 「君は何歳なりしか」
我答えていわく「君、衆道の人なりしか」 「然り」 「我にその気はあらず勘弁していただきたし」
「まあそう言わずちょっとお話でも」 「テレクラでそういう趣味の人ちょっといないと思いますよ」
「いやそうでもないですよ」我たまらず受話器を置きたり、結局その夜は他にTELを取ることかなわず、また来ることにするなり。
新宿歌舞伎町入ってすぐ1時間800円。


(モーニング98年33号)