ここでは、「えの素」以外の榎本俊二先生の作品を紹介しています。「えの素」とは一味違う、えのワールドをお楽しみ下さい。きっと、あなたの感性にジャストフィットする・・・かもよ!?







反逆ののろし

全1巻完結 双葉社 定価780円(税込)

 榎本俊二先生の、初期の短編集。90年代前半に、「週間漫画アクション」や「モーニング・パーティ増刊」等で発表された作品を中心に収録されている。表題作「反逆ののろし」は、ほとんどがセリフ無しマンガであり、氏の抜群のセンスが際立っている。また、氏の描く動物のかわいさには定評があるが、そんな人には「ジャッキグー」がお勧め。そして、氏の最高傑作との呼び声高い「風前の灯ジョー」も収録! ご自身も巻末にて「マンガの歴史を変えた」と振り返っておられます。後の氏のマンガの方向性を天下に知らしめた、凄い作品です。絶対に「えの派」を自負する人なら読むべきです。
 新刊でも手に入ります。たまに大きな本屋さんでも見かけます。







ゴールデンラッキー(講談社)

1〜10巻完結(全巻絶版) 講談社 定価530円(税込)

 天下に榎本俊二の名を知らしめた名作。通称「ゴッキー」。氏にとって記念すべき、本格的な初連載作品となる。分類としては「不条理ギャグ4コマ」となるが、それらの作品群のなかでも、際立って異色の独自の世界を作り出している。ワケの判らない話、ワケの判らないキャラがたくさん登場し、モーニングの巻末を飾った。ゆえに、判らない人には徹底的に嫌われるが、ハマる人には熱狂的な支持を得るという好き嫌いがハッキリしていた作品でもある。恐らく、「えの素」からファンになった人の中でさえ、好みが別れると思われる。ウンコ・オナラなどのエログロネタも登場するが、今ほど激しくはなかった。しかし、絶妙の「間」やなんとも言えない読後の虚脱感など、「えの素」では影が薄くなった部分も数多い。また、「黒色化」等、現在も受け継がれているネタも多数あり! いずれにせよ、「えの素」のルーツとなった作品であることは間違いない。
 私は大変好きなマンガ(正直言って「えの素」以上に!)であるが、上記のように好みがはっきりと二分されるマンガである。ゆえに判断するにあたっては、一度読んでもらうしかないのだが、現在では全巻絶版となっており、新刊で入手するのは不可能。古本屋でも扱っていないところが多く、特に8巻以降を発見するのはほとんど奇蹟に近い。「えの派」にとっては大変貴重なお宝本と言える。







enotic

全1巻完結 双葉社 定価800円(税込)

 「ゴッキー」と「えの素」の狭間に描かれた作品を収録。内容的にも、ちょうど両作品の橋渡し的なものになっているため、「ゴッキー」を敬遠する人であっても、読み易い。「反逆ののろし」とともに、意欲的な実験作が多く、あらためて氏の底力には舌を巻く。ただ、麻雀を知らない人にはちょっとキツイかもしれない。だがエログロネタ満載で、「えの素」にかなり近くなっている。しかし、この頃はまだ「白い子供たち」は登場していない。タイトルそのままの「スカトロジーX」、麻雀好きな人なら思わずニヤリの「ロリロックロン」、地下沢中也氏原作の「われら動物家族」も秀逸! また、「ロリロックロン」PART9には、あの森社長らしき人物が登場! ここでも変態マゾぶりを見せてくれるぞ!
 これも新刊書店で手に入ります。






しりももSHAKE

全1巻完結 双葉社 定価1700円(税別)

 これも「ゴッキー」と「えの素」の橋渡し的な作品。ゲーム雑誌「覇王」にて連載されていた。1〜2ページの読みきりストーリー形式であるが、特筆すべきは実質初のキャラモノ作品となったことである。実際この作品の成功で、キャラモノでもイケると判断した尊師は「えの素」を後に描く自信を得た。ウンコ・オナラ・おケツなど、下品パワー全開である。また、川崎だいすけは前田みちろうの原型だし、尻見せ女は後の菖蒲沢ひろみに姿を変えるなど、全ての意味で「えの素」の原型とも言える作品だ。絶賛発売中。






ゴールデンラッキー・完全版(大田出版)

上・中・下巻完結 大田出版 定価1200円(税別)

 「ゴッキー」が熱いアンコールに応えて帰ってきた! 大田出版からの復刻版。全作品の年表が載ってたり、講談社版では未収録となっていた作品・応募作品なども全て収録した完全復刻版。尊師が当時を振り返るオマケ漫画までついててオトク。講談社版を持っていない人には、是非とも読んでいただきたい。絶賛発売中。