瑠璃山電脳室
5月の法話

母の目

児童文学作家の長崎源之助さんの詩です。
これぼくのかいた絵だよ/お母さんの顔だよ/
ずいぶん目が大きいなあってー/
この目でいつもぼくのすること/
じっと見ていてくれるんだよ

この詩を味わい
ながらふと思い
ました。
お母さんという
部分を仏さまに
変えてみたらと。

「これぼくのか
いた絵だよ/仏
さまの顔だよ/
ずいぶん目が大
きいなあって一/
この目でいつも
ぼくのすること/
じっと見ていて
くれるんだよ」

お母さんの目も
仏さまの目も同じ、深くやさしい目なんですね。
慈眼(じげん)と
いいます。
慈(いつく)しみ
の眼(まなこ)と
書いて慈眼。
仏さまのおん眼の
ことです。
ご承知の通り仏
さまのお眼は半眼(はんがん)です。
半眼とは、半ば自
分自身のなかを
見つめ、
半ば自分の外を
見つめる眼のこと
です。
お母さんは子ど
もの内も外もお
見通しですから、
仏さまと同じ慈眼
の持ち主ですね。
もう一つ
朝日新聞に載った
小学生の詩を紹介
しましょう。

お母さんの目に
わたしがいた/
わたしはお母さん
の目に/
すいこまれるのだ
/だからいつも
お母さんといっし
よだ/
目の中は、とても
あたたかい/
まるで春のようだ

五月の第二日曜日
は母の日です。
            


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