第3回作業部会 5月23日 教会 記録:馬場崇

1.第2回検討委員会の報告:(馬場崇)
(新井)浅井先生の調査は文化財審議委員としての調査で、伝統技法の調査とは異なる。
市がお掃除会などに補助金を出してくれることになった。
(小島延夫)5月3-4日のアンケートの結果報告

2.第4回女性の会ワークショップ:テーマ「自立を考えよう」(小島俊枝)(竹田京子)(草野)
(1)当面できること:仲間を募ること(人手不足)
 町内へのお知らせを活発化、ごみゼロ運動のときに草取りなどで意識を盛り上げる、
 定期的にアンケート茶屋をやりたい。今度は本格的にカフェ。
縁台が好評だったので、縁台つくりワークショップ。
一般公開・イベント・祭りのときに地元のお店に出店を仰ぐ。スペイン亭にパエリヤを作ってもらう。唐桟の会に協力してもらって、はぎれなどを利用したオリジナル品製作。
(2)市民としてのかかわり方
修復工事前に一部屋だけモデルルーム的に修復してみたら、イメージがわく。
研究機関に依頼して3D復元シミュレーションをつくり、公開する。
復元の姿を募集するコンペ:近隣大学、高校など、教育の一環として。
保存活動を本にして印税をかせぐ。NPO法人、組織作りを進めたい。
屋根瓦・敷石などに名前を入れることで寄付を募る。
(3)将来像
織物市場で商品を作る:織物に関係したもので独自性を出す。和菓子コンペ・お休み処・昔の遊びができる場所・お芋の菓子の大集合・工房として貸す・資料館・ギャラリー・栄養食はカフェ・入り口に案内所を設ける。情報提供施設。
市の所有とはいっても、税金で買ったもの。市民としても自立を考えていることに意義がある。

3.活用再生方法について
(1)建物の保存再生維持:“文化財として将来にも変わらない文化財価値を見出しておくことが基本中の基本”
 (加藤)文化財保護課: 歴史的な資産として価値があるものが重文。織物市場は産業遺産として奇異な存在。重文もありえる。2棟だけがクローズアップされていて、前の建物の価値がないがしろにされているように思える。調査を優先させて考えるべき。
はじめから復元だけが文化財の利用ということではない。どういう利用のしかたならば文化財としての意味が出てくるか、と考えていきたい。文化財としての位置づけは後からついてくる。
(荒牧):活用と保存は相反していない。重要文化財として将来にも変わらない文化財価値を見出しておくことが基本中の基本。
(小島延夫)今の時代の感覚で改造してしまうと問題。現代の価値は10年しか持たない。
(大野)市立博物館:90年たっている価値を見出す。そのうえで活用を考えての修復になるとおもう。市の財政が厳しい。市単独でまかなうのは難しい。市民の協力を得て、生きた活用をしていくというのが市のスタンス。
(荒牧):今後を決定するには、事例研究が必要である。
桐生明治館:古いタイプの活用例:復元して、カフェ的な利用。
自由学園:部屋をトイレなどとして改造してつかっている。
(大野)蔵造資料館、本丸御殿など、古建築は日常的な管理をしていかないと持たない。費用がかさむので、ここは行政が維持管理をするべき。
(内田)栄養食配給所のかまどなど、当時の魅力がある。織物市場と連携した歴史を考えて保存活用を考えるべき。

(2)復元か改造か:“あきらかに後からつけたものとして認識できれば、新しい部分があってもよいというのが、国際認識”
(荒牧):あきらかに後からつけたものとして認識できれば、新しい部分があってもよいというのが、国際認識。今回の場合、復元した上で、これに何を付け加えるかを考えるのも方法。
(新井):耐震:心配ない。耐火:内部から火をださなければ問題ない。リズや周りの防火住宅がある。防犯:セコム。
冷房:風通しで。暖房:断熱材、床下コンクリートなどで対応できる。冷暖房を入れて、文化財としての価値が損なわれるものではない。
(小島延夫)多くの人が来る条件は、格子戸がそろう美しさ。
(内田)いかようにも組み合わせて、活用していける建物。格子戸を揚げてみてその重さを感じて、衝撃的な魅力を感じることができる。それで建物の価値がわかって愛着がわく。

(3)活用:
“観光客は水物。観光客を考えた展望はあぶない。地域のよりどころとしての位置づけ。”
“単に展示でものなく、体験学習でもなく、織物市場にある独特の文化を醸成”
“観光客は「よそ者」。地域の人もこれらの人とうまくやっていく覚悟を。”
“いままで出てきた活用案は、市場棟にほとんど手を加えない復元で対処可能”
機能の分散:
(藤井)三点セット(鶴川座、織物市場、鏡山)と他の市の施設で機能を分散化。何もかも織物市場でやることは考えなくてよい。鳴り物は、鶴川座やお祭り会館で。
地域の活性化:
(総合意見)一番街の人を立つ門前にみちびく回遊性のある活用。集客性のある活用を。
(山口)立門前の建物は撤去してほしい。イベント広場的利用。
織物市場資料館:
(草野)織物自体が遺産だったと考えてその価値を考えて生きたい。
(小島延夫)織物がある町は街の格につながる(笠間)とは言うが、実際にはどういうことか、見られる形にできれば。
(福田)呉服屋のノウハウ。古い店の蔵出し品だけでもギャラリーになるとおもう。呉服組合と協力して独自なアピールを。
(大野)博物館には、整理された着物だけで、箪笥6−8棹ある。その他にも未整理品多数。
(馬場)織物市場は近代化遺産。川越の近代化遺産・資料に視点を当てたデジタル資料館としても。
生涯学習:
(草野)スウェーデンで、織物を織ることが癒しの効果があることが報告されている。失業者のための織教室なども。
課題点:
(加藤)サンロードの公園:地域があれがやだ、これがやだ、といった結果があれ。
生活のにおいを、どこまで許容していくことが必要になる。観光客はよそ者。地域は、これらの人とうまくやっていく覚悟が必要。
学生さんの意見:
観光客は、目的がない限り、織物市場には行かないだろう。市民の視点で使えるものとしていくようにしたら。
大人が未来にむけて考えていることが魅力的。子供たちに、町の魅力を見せられるネットワークでもあり、さらに市民にも啓蒙を。
子供が使いやすい空間に。実際にあの場所でショックを感じて、保存活動を継続しているはず。建築とは手を加えて持たせるもの。まずは建物を。それから活用を。
卒業論文で調べている。観光はすでに川越市では成立している。でも織物についてはアピールしていない。職人的な人を育てる場所としての活用を。
いまの大学には木造を体験できる場があまりない。修復のときに、ワークショップ形式で参加できたら。いっそうのこと建物全体を囲ってしまうのも手ではないか?
まとめ:
(小金沢)いままで出ている活用案の大半は、市場棟にほとんど手を加えない復元で対処可能。