ディジー・ガレスピー11ページ
視力はとくに悪くなかったのにディジー・ガレスピーみたいなセルロイドの黒縁の眼鏡をかけ、むなしく空をにらんでいた。
Charlie Parker
Bird And Diz
Dizzy Gillespie (tp), Charlie Parker (as), Thelonious Monk (p), Curley Russell (b), Buddy Rich (ds)
ジャケ写の向かって右側の人が Gillespie さんです。ええ、そうです、メガネのモデルなだけで、音楽の引用じゃあないですね。
"The Genius of Charlie Parker" のシリーズなんで、Parker のアルバムと言える。ただ小説を読んだとき、このジャケットが真っ先に思い浮かんだわけで。実はこのアルバムは Parker と Monk が共演した唯一のスタジオ録音盤なんだとか。演奏では、"Leap Frog" の疾走感がいい感じ。4バース・チェンジはなかなかの迫力だ。
1950.6.6録音
「マック・ザ・ナイフ」102ページ
「君のいないぼくの生活は、『マック・ザ・ナイフ』の入っていない『ベスト・オブ・ボビー・ダーリン』みたいなものだ」
Ella Fitzgerald
Mack The Knife -- Ella In Berlin
Ella Fitzgerald (vo), Paul Smith (p), Jim Hall (g), Wilfred Middlebrooks (b), Gus Johnson (ds)
ジャズ・スタンダードの王道的な曲だけど、ボビー・ダーリンなんてジャズシンガー知らないなあ、と思ったら、アイドルさんなのですか。え、これでビルボード1位獲ったんですか。へえ。
とは言っても、さしあたって聴く気もおきないので、とりあえず "Mack The Knife" の定番をあげてみた。だんだん盛り上がっていく展開がイイ。
1960.2.13録音
ベン・ウェブスター277ページ
信号で停止する大型トラックが、晩年のベン・ウェブスターのテナートーンを思わせる、かすれたエアブレーキの音を立てた。
Ben Webster
Soulville
Ben Webster (ts), Oscar Peterson (p), Herb Ellis (g), Ray Brown (b), Stan Levey (ds)
ものっそい低いかすれた音でボーボー吹く人。ええ、そうです、音の比喩なだけで、音楽の引用じゃあないですね。
これは Ben の代表作。"Lover Come Back To Me" の朗々とした演奏が何とも言えず良い。Oscar Peterson はあまり好きなピアニストじゃないんだけど、ここでは聞ける。
ところで、Ben が亡くなったのは'73年なので、'57年録音の本作は晩年とはいえないと思うのだけど、後の作品はもっとブレーキ的な音なのかなあ。
1957.10.15録音
この小説中に出てくる他の音楽・ミュージシャンなど