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『無名翁随筆』(別名『続浮世絵類考』)
底本:『無名翁随筆』(無名翁(渓斎英泉)著・天保四年(1833)序)
『燕石十種』第三巻 所収
(森銑三、野間光辰、朝倉治彦監修・昭和五十四年・中央公論社刊)
『無名翁随筆』は別名『続浮世絵類考』とも呼ばれる。(本ホームページでは『無
名翁随筆』を使用することが多い)
『無名翁随筆』の出現以前、浮世絵に関する考証で、成立していたのは以下の系統本。
『浮世絵類考』(「浮世絵考証」)大田南畝 撰 (寛政七年~同十二年五月以前成立)
『古今大和絵浮世絵始系』 笹屋邦教 編 (寛政十二月五月晦日、大田南畝写)
『浮世絵類考追考』 山東京伝考証 (享和二年十月成立)
(これらの先学に式亭三馬が文政元年~文政三年にかけて考証したものを加筆している)
本ホームページでは、以上の考証を一本化し、Topに「浮世絵類考」として収録している。
『無名翁随筆』は、以上の考証に基づき、浮世絵師・渓斎英泉が無名翁の名前で加筆・編集したもの。
本ホームページでは『燕石十種』の項目、および「浮世絵師総覧」の中に、出典名『無名翁随筆』
と明記して収録している。
『無名翁随筆』は、日本画史上における浮世絵の位置づけを浮世絵師・渓斎英泉が自ら試みた「大和
絵師浮世絵の考」と、錦絵誕生前史及び「一枚絵」との「草双紙」の変遷を概説した「吾妻錦絵の
考」を巻頭に掲げている。参考のために以下収録した。
「大和絵師浮世絵の考」 「吾妻錦絵の考」