Top 浮世絵文献資料館 浮世絵師総覧
☆ やまねこ 山猫 浮世絵事典
◯『増訂武江年表』1p156(斎藤月岑著・嘉永元年脱稿・同三年刊)
(寛延年間(1748-50)記事)
〝傀儡(くゞつ)師、江戸の方言にて山猫といふ。一月に七八度づゝ同じ所を廻りしが、此時代より絶えた
り〟
◯『塵塚談』〔燕石〕①268(小川顕道著・文化十一年(1814)成立)
〝傀儡師を、江戸の方言にて山猫といふ、人形まはし也、一人して、小袖櫃のやうの箱に人形を入、背負
て、手に腰鼓をたゝきながら歩行也、小童其音を聞て呼入、人形を歌舞せしめ、遊観す、浄瑠璃は義太
夫節にして、三弦はなく、蘆屋道満の葛の葉の段、時頼の雪の段の類を語りながら、人形を舞し、段々
好みも終り、是切といふ所に至りて、山猫といふ鼬の如き物を出して、チヽクワイ/\とわめきて仕廻
也、我等十四五歳の頃迄は一ヶ月に七八度ヅヽも来りしが、今は絶てなし〟
〈記者・小川顕道は元文二年(1737)の生まれであるから、その十四五歳時とは寛延三年(1749)~宝暦元年(1750)にか
けての頃〉
◯『賤のをだ巻』〔燕石〕①254(森山孝盛著・享和二年(1802)序)
〝山猫廻しといふもの有て、奉加坊主の首へかくる様なる箱を胸へかけ、其箱の中より、えも知らぬ獣を
出して子どもに見せ、山猫廻しとて歩行たり〟
☆ 文政十年(1827)
◯『盲文画話(ももんがわ)』水野廬朝著・画 文政十年初夏自序(国書データベース)
※(例(ぐわ)→(が) 原文のルビを現代仮名遣いに直した。また送り仮名を適宜補った)
◇山猫廻し(やまねこまはし)是いにしへ◎有しくわいらいしなり
〝素麺櫃ほど成る箱を背負い 太鼓を打て歩行(あるく) 呼ぶ者あれば 外にては出来ず 内へ上りて
先(まず)箱より蝶番(ちょうつが)い 幕串(まくぐし)人形建(たて)を出し かの
往古より衣(ころも)着ざる比丘尼の 地獄極楽の巻を持ち歩行(あるき) 老婆婦女等にその巻を絵解き
して極楽地獄の有様を物語して渡世せり 是を絵解(えとき)比丘尼と唱ひしが 後は熊野の牛王(ごお