☆ 嘉永二年(1849)
◯『増訂武江年表』2p117(斎藤月岑著・明治十一年成稿)
(嘉永二年・1849)
〝近年花菖蒲を愛する人多く、葛飾郡堀切村わけて多し。仲夏の頃、諸人遊観す。小金井村里正(リセイ)孫
右衛門が園中に、梅樹また花菖蒲の其の余四時の草木を栽へて、盛りの頃諸人の縦観をまつ。寺島村里
正三七が園中も、又花菖蒲其の余の草木多し。本所四目植木屋文蔵、芍薬の数種をやしなふ。開花のこ
ろ、諸人遊賞せり〟
☆ 安政五年(1858)
◯『近世風俗史』(『守貞謾稿』)巻之二十二「娼家下」③356
〝(吉原)仲の町
安政五年五月、仲の町に花菖蒲を植うること桜のごとく、仲の町通り中央に黒木石等をもつて小川の形
を造り、舟板の橋などをかけ、庭のごとく造りて植うる。同六年もこれを植うる〟