◯『藤岡屋日記 第五巻』⑤64(藤岡屋由蔵・嘉永五年(1852)記)
〝閏二月廿八日初日 浅草鯨大細工之事
浅草観音奥山念仏堂之脇に、鯨にて大細工之見せ物有之、まねき看板に龍の頭にて姫乗り居、宝珠を持
二人居、俵富太人形、鯨細工の鷲開き、中より太夫出る也。右に義太夫、左に富本出る也。
弘法大師鐘をたゝき居候が、引くり返ると唐人を天人四人上る也〟
◯『増訂武江年表』2p127(斎藤月岑著・明治十一年成稿)
(嘉永五年・1852)
〝閏二月下旬より、浅草寺奥山に鯨細工看せ物出る(鯨の骨を以て長さ十間の鷲、その余の物を造る。色
々の偶人のはたらきあり。招きに弁才天、時政の木偶、大蛇をつくる。細工人浪花の大江忠兵衛、長谷
川平吉、竹田由三郎等なり)〟