Top浮世絵文献資料館浮世絵師総覧
 
☆ はんじえ 判じ絵浮世絵事典
 ☆ 刊年未詳  ◯『はんじ物』画工未詳 京 菊屋七郎兵衛板(刊年未詳)    はんじ物「国書データベース」    「判字物とき様伝受」 ※読みは現代仮名遣いに直した    い 帆障子の入道(ほうしょうじのにゅうどう)(法性寺入道)    ろ 外下姫(そとおりひめ)         (衣通姫)    は 大蛸ゟ臺蛸(おおだこ より だいだこ)  (負うた子より抱いた子)    に 内外猩々一献二献三献(ないげしょうじょうろっこんしょうじょう)(内外清浄六根清浄)    ほ 猿丸太柚(さるまるたゆう)      (猿丸太夫)    へ 産所仕大夫(さんしょうたゆう)     (山椒大夫)        太夫様ンは此月がうみ月じやによつて今ニけがつかふもしれぬ    と 百合和哥大尽(ゆりわかだいじん)    (百合若大臣)    ち 三人よれば紋寿(もんじゅ)のちえ    (三人寄れば文殊の知恵)    り 賤家御膳(しずかごぜん)        (静御前)    ぬ 牛若仙人錐(うしわかせんにんきり)   (牛若千人切)    る 椀久太夫(わんきゅうまつやま)     (椀久松山)    を おやま見祖父(けんじ)         (お山けんじ)〈遊女見物〉     れ 矢無長弓(やないちょうきゅう)     (家内長久)  ☆ 寛政五年(1793)      〈女の一枚絵に名前を入れることを禁じる。寛政八年八月十四日の町触に以下のように出ている〉  ◯〔寛政八年八月十四日、御触書『江戸町触集成』第十巻 p86(触書番号10343)〕   〝絵草紙類之儀ニ付、前々申渡候趣有之所、四年以前丑年、如何敷一枚絵摺出し候儀相聞、其節町年寄共    心付ヶ申渡候品も有之、一枚絵之内女之名前等有之分は、名前を削取候筈ニ相成候処、又々女一枚絵之    上、名前を絵様ニ認売買致候由相聞候、肝煎名主共之吟味行届候ハゝ、右躰之儀は有之間敷儀ニて、不    言ニ相聞候間、女一枚絵之上ニ名前を絵様ニ認候分は、早々削取売買可為致候〟    〈「四年以前丑年」は寛政五年(1793)。この年、女の一枚絵が出回ったとき、名前入りのものは名前を削り取るよう通     達があったようだ〉    ☆ 寛政七年(1795)  ◯『蝸牛庵夜譚』(幸田露伴著 明治四十年刊)   (国立国会図書館デジタルコレクション)   「京伝の広告」69-71/191コマ   (京伝店、紙煙草入れの宣伝広告。卯九月とある、店は寛政五年(1793・丑)の開業だからこの広告は寛政七年のもの)    判じ絵広告1  判じ絵広告2  判じ絵広告3  ◯『退閑雑記』〔続大成〕⑥61(松平定信・寛政七年(1795)記)   〝寛政七年の頃より、錦画てふ画、又はうちはの画などに、ものゝ名又は謡歌などを隠語のやうに画もて    かきし事行はれそめけり。南部の盲暦のたぐひにしたるものなり〟   〈名前や歌謡を判じ絵にする錦絵が行われたのは、寛政五年、女の一枚絵に名前を入れることを禁じたからである。寛政    八年八月十四日の町触には、次ぎのように出ている〉  ☆ 寛政八年(1796)  ◯〔寛政八年八月十四日、御触書『江戸町触集成』第十巻 p86(触書番号10343)〕   〝絵草紙類之儀ニ付、前々申渡候趣有之所、四年以前丑年、如何敷一枚絵摺出し候儀相聞、其節町年寄共    心付ヶ申渡候品も有之、一枚絵之内女之名前等有之分は、名前を削取候筈ニ相成候処、又々女一枚絵之    上、名前を絵様ニ認売買致候由相聞候、肝煎名主共之吟味行届候ハゝ、右躰之儀は有之間敷儀ニて、不    言ニ相聞候間、女一枚絵之上ニ名前を絵様ニ認候分は、早々削取売買可為致候〟    〈「四年以前丑年」は寛政五年(1793)。この年、女の一枚絵が出回ったとき、名前入りのものは名前を削り取るよう通     達があったようだ〉  ☆ 寛政十年(1798)  ◯『御慰忠臣蔵之攷』黄表紙(曲亭馬琴作 北尾重政画 寛政十年刊)   (判じ絵の序および本文)    御慰忠臣蔵之攷(早稲田大学 古典籍総合データベース)  ☆ 文政十一年(1828)  ◯『夢之世話金則敵』 合巻(恋川春町(二世)作 春斎英笑画 文政十一年刊)   (口絵の上部にあり)    夢之世話金則敵(国書データベース)    ☆ 天保九年(1838)  ◯『人形手新圖更紗』合巻(香蝶楼国貞画 墨川亭雪麿作 天保九年刊)   (南部のめくら暦になぞらえた世間をはばかる書き置き)    人形手新圖更紗(国書データベース)       「われ上の寵をこうむり 福禄を身にうけ 虎のごとくなりしを 嫉むものわざとさとるに うたがひ     なし 殿様よりあづかりの金千両 ねずみ猿くせもの」  ☆ 年不明  ◯『蝸牛庵夜譚』(幸田露伴著 明治四十年刊)   (国立国会図書館デジタルコレクション)   「北斎の手簡」72-76/191コマ   〝文字は「物いはず」と記したる四字のほかには一字も無き絵手紙なり(中略)図中文字をもて何事と示さ    ゞるは、予が読み得ざるところなれば、好事の士の教えを得んと欲するまゝ、これもまた原書を其侭に模    したり〟    〈露伴の要望に応えて絵解きに成功した人が、過去にいるかどうか分からないが、もし解読に成功した人がいたら、本     HPに連絡してほしい。その解を本HPに載せることをもって、露伴の百有余年の期待に応えたいと思う〉    北斎判じ絵手紙1  絵手紙2  絵手紙3  絵手紙4  絵手紙5