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☆ 商人金の采配(あきんどこがねのさいわい)浮世絵事典
 ☆ 文化五年(1808)       筆禍『商人金の采配』(合巻)       処分内容 発禁             ◎十返舎一九自作・自画(記載なし)       処分理由 不明(ロシア武装集団のエトロフ島襲撃事件を暗に踏まえたことか?)     ◯「商人金采配」(宮武外骨著『筆禍史』p107)   〝『日本小説年表』に「商人金采配三冊、十返舎一九画作、文化五年刊、此草紙出版の際、函館一件に付    障る事あり、暫く禁売せらる」とあり    右の函館一件とは露艦来寇をいへるなるべし、障る事の何たるは知らずといへども、其実物を一閲する    に、商家の番頭が若旦那を勘当せしめて一家を横領し、後終に負債山をなすに至り、其悪番頭を放逐し    て若旦那を呼帰し、漸く商運復旧すといふ筋なり、何かの寓意はあるならんも、函館一件の諷刺と見え    しは、幕吏の誤解たりしこと判明して、間もなく解禁となりしものならんか〟    〈「露艦来寇」とは文化四年のロシアの武装集団によるエトロフ島襲撃事件をさす。この発禁を確認する手だてはない     が、さりとて否定する材料もないで、とりあえず載せておく〉
   『商人金の采配』 十返舎一九作・画〔『筆禍史』所収〕