☆ 享和元～二年（1801～02）
◯『一筆斎文調』（「早稲田大学演劇博物館所蔵 芝居絵図録１」・1991年刊）
〈一筆斎文調の七回忌が六月十二日、柳橋の万八楼で行われた。その時の摺物に、当日席書に参加したと思われる絵師
たちの絵が添えられている。絵師は次の通り〉
「豊廣画・堤孫二筆・豊国画・春秀蝶・寿香亭目吉筆・画狂人北斎画・歌麿筆・雪旦・春英画」
〈このメンバーの中に入るのであるから、春秀蝶もそれなりの知名度を持っていたはずである。だがよく分からない絵
師である。落款の読みにしてからが、上記図録解説は「春秀蝶」とするが、『浮世絵大事典』の「一筆斎文調」の項
は「春秀調」である。図録にこの摺物の写真版があるのだが、小さくて落款の見分けがつかない。本ＨＰは取りあえ
ず図録に従った。また、この摺物には刊年がない。ただ北斎が「画狂人」を名乗っていることから、ある程度推定が
可能のようで、同事典は「享和元年～二年（1801～02）頃のもの」としている。こちらはそれに従った。なお摺物の
本文は本ＨＰの「一筆斎文調」か「窪俊満」の項を参照のこと〉