☆ 天明三年（1783）
◯『黄表紙總覧』前編（天明三年刊）〔 〕は著者未見、諸書によるもの
勝川春林画〔楊柳桜草〕署名「勝春林画」「宿屋飯盛むだる」板元不明
◯「日本古典籍総合目録」（天明三年刊）
◇黄表紙
勝川春林画『桜草野辺錦』飯盛作
☆ 没後資料（下記『古画備考』等の作画期に拠って、以下没後資料とした）
△『稗史億説年代記』（式亭三馬作・享和二年(1802)）〔「日本名著全集」『黄表紙二十五種』所収〕
〝草双紙の画工に限らず、一枚絵の名ある画工、新古共に載する。尤も当時の人は直弟(ﾁﾞｷﾃﾞｼ)又一流あ
るを出して末流(ﾏﾀﾃﾞｼ)の分はこゝに省く。但、次第不同なり。但し西川祐信は京都の部故、追て後編
に委しくすべし
倭絵巧(やまとゑしの)名尽（なづくし）
昔絵は奥村鈴木富川や湖龍石川鳥居絵まで 清長に北尾勝川歌川と麿に北斎これは当世
勝川旭朗井春章 勝川九徳斎春英 春好 春潮 春常 春鶴 春林 春山 蘭徳斎
（他の絵師は省略）〟
『稗史億説年代記』 式亭三馬自画作（早稲田大学図書館・古典籍総合データベース）
〝昔より青本の画をかゝざる人の名
奥村 鈴木春信 石川豊信 文調
湖龍斎 勝川春章 春好 春潮
春林 春山 春鶴 春常 【勝川門人数多あり】
歌川豊春 【此外にも洩れたる画者多かるべし。追て加之】〟
〈国文学研究資料館の「日本古典籍総合目録」によると、春林は天明三年(1783)刊の黄表紙を一点担当している〉
◯『増補浮世絵類考』(ケンブリッジ本)（斎藤月岑編・天保十五年(1844)序）
「勝川春章系図」（勝川春章門人。名前のみ）
◯『古画備考』三十一「浮世絵師伝」中ｐ1387（朝岡興禎編・嘉永三年四月十七日起筆）
〝春章門人
春好 勝川 春英【勝川九徳斎、寛政年間】 春常 春山 春徳
春林 春潮 春玉
其余数多あり 武江年表〟
◯『浮世絵師便覧』ｐ235（飯島半十郎(虚心)著・明治二十六年(1893)刊）
〝春林(ﾘﾝ) 勝川春章門人、◯寛政〟
◯『浮世絵備考』（梅本塵山編 東陽堂 明治三十一年(1898)六月刊）
（国立国会図書館デジタルコレクション）（42/103ｺﾏ）
〝勝川春林【寛政元年～十二年 1789-1800】勝川春章の門弟、其の伝詳ならず〟
◯『浮世画人伝』ｐ56（関根黙庵著・明治三十二年(1899)刊）
「勝川春章系譜」〝春林（春章門人・名前のみ）〟
〈春章門人になぜ二人の春林があるのかわからない〉
◯『浮世絵師伝』p98（井上和雄著・昭和六年(1931)刊）
〝春林
【生】 【歿】 【画系】春章門人 【作画期】天明四～寛政
勝川を称す、美人画を描き、又黄表紙の挿画あり〟
△『増訂浮世絵』ｐ139（藤懸静也著・雄山閣・昭和二十一年（1946）刊）
〝勝川春林
春林は或は春鱗とも書いて居る。肉筆に長じ、遺作に徴して見ると、中々の手腕を有するものである〟
◯「日本古典籍総合目録」（国文学研究資料館）
作品数：２点 画号他：勝川春林 分 類：黄表紙１
成立年：天明３年（１点）
〈二点は、『桜草野辺錦』（黄表紙・宿屋飯盛作・天明三年）と『芝居狂言』（勝川春林画とのみあり）〉